No.289 - 故郷の家

 新たなる100年へ向けて
No.289
2013年1・2月
社会福祉法人 こころの家族
理事長 尹 基︵たうちもとい︶
多くの方々による﹁共生﹂
への広がりを感じた2012年
でした。
母 、田内 千 鶴 子の生 誕100周 年の記 念 事 業として、国
連﹁世界孤児の日﹂制定へ向けた運動に日韓両国はじめ多数
の人々の賛同、参加をいただきました。
私のバックには母の死を 悼んで、孤 児の日を 作 りなさい、
といって支えてくれた韓国・木浦市民の思いがあります。長い
間、温め続けていたとはいいながらも、私ひとりの思い込みか
ら提唱した
﹁孤児の日﹂
に、
これほど広く、深い共感が得られ
るとは想像もしていませんでした。
世界経済が深刻な事態に直面し、
日本国内の政治が混乱
のきわみにあるような時代でも、心優しい人々の目は、人間
の根源の問題を見つめているのだと改めて感じ入りました。
過去の1世紀には、飛躍的な人類繁栄のための技術が開
発されました。
しかし、
いま、人類は、
その開発のせいで、
もっ
とも大事なものを失いかねない危機の淵をのぞいています。
﹁孤児の日﹂
への共感の広がりは、孤児たちのためだけでは
なく、自分たち人類の明日をも見ているからではないでしょ
うか。
2013年が、人々に安らぎと 優しさをもたらすための
﹁共生﹂
の波を東京に向けて、また、
ニューヨークに向ける新
たな100年の始まりとなると確信します。
皆さまへ、
この1年間の感謝をこめて新年のご挨拶をいた
します。
●国連「World Orphans Day」制定推進大会開く……2頁 ●日韓こころの交流シンポジウム開催……2頁
●ちいさな芽……3ページ ●インタビュー・阿部志郎氏……4・5頁 ●おんどる……6頁 ●韓国料理……8頁 ●プレゼント……8頁 日韓福祉交流通信 こころの家族 2013年1月1日発行(第289号) 購読料:年1.000円(隔月発行)
この国に住む外国人が日本はいい国だといえる社会づくりを目指します
趙聖鐵韓国社会福祉士会会長(前列・左)、柳在乾ユネスコ協会連盟会長(前列・中)、辻恵衆議院議員(前列・右)が
日韓を代表して、国連「World Orphans Day」制定請願決議文を朗読(10月31日、木浦市民文化体育センター)
「World Orphans Day」制定推進大会開く
韓国孤児の母 田内千鶴子生誕 100 周年記念
10 月 29 日∼ 31 日 ソウル&木浦で
2 0 1 2 年 は﹁孤 児 の い
な い 社 会﹂を 願 っ た 田 内 千
鶴子女史の生誕から100
年 の 年。去 る 月 日、韓
国のソウル女性プラザで国
連 ﹁ World Orphans Day(
世界孤児の日 ﹂)制定推進大
会 の 開 会 式 が あ り、日 韓 両
国 か ら 約 6 0 0 人 が 参 加。
李 御 寧 氏︵韓 国 初 代 文 化 部
長 官︶に よ る 基 調 講 演 に 続
く国際シンポジウムの総括
で、田 内 千 鶴 子 生 誕
100周年記念事業
会会長の阿部志郎氏
は﹁田 内 千 鶴 子 の 精
神 を 受 け 継 ぎ、人 と
人との間に咲く美し
い花を世界中に広げ
て い き ま し ょ う﹂と
呼びかけました。
日からは会場を
木浦市民文化体育セ
ン タ ー に 移 し、前 夜
祭﹁愛 と 平 和 の 祭 典﹂
では、清原浩斗氏︵写
真中央
大阪府合唱
=
連 盟 理 事 長︶の 指 揮
の も と、日 韓 合 同 の
合 唱 団 が ベ ー ト ーヴ
ェ ン﹃第 九﹄を 高 ら
かに歌い上げました。
さ ら に、大 阪 府 立 成
美高校の中国獅子舞
な ど も 登 場 し、多 彩
なプログラムを満喫
30
10
29
しました。
尹 基 理 事 長 が 謝 辞 の 中 で、
千 鶴 子 女 史 の 誕 生 日 に な
﹁
世界孤児の日の実現に向け
る 日、大 会 直 前 に 起 こ っ
て 頑 張 っ て い き た い﹂と 述
た日韓間の逆風を受けなが
べ、会 場 か ら 賛 同 の 拍 手 が
ら も、約 5 0 0 人 が 日 本 か
ら 駆 け つ け、会 場 に は 1 2
00人余りが集まりました。
宣言大会では日韓の共同代
表 者 人 が 舞 台 に 上 が り、
国 連 ﹁ World Orphans
﹂制 定 請 願 決 議 文 が 宣
Day
言 さ れ、万 雷 の 拍 手 が 会 場
に響きました。
愛 の 精 神 で 韓 国 孤 児
3000人余を育て上げた
田内千鶴子女史の生涯の願
い を 実 現 し、地 球 の 未 来 を
担う子どもたちが国際人と
し て 成 長 で き る よ う に、制
定推進運動を継続させてい
くことを誓いました。なお、
決 議 文 の 全 文 は、ホ ー ム ペ
ージに掲載しています。
前列中央、尹基理事長の左隣が
おくられました。
翌9日には高知市役所で、
高知市と木浦市間で友好交
流 協 定 を 締 結。岡 誠 也 高
知 市 長 は﹁田 内 さ ん の 功 績
を 若 い 世 代 に 引 継 ぎ、両 市
の信頼関係を揺るぎないも
のにしたい﹂と、丁鐘得︵チ
ョ ン・ジ ョ ン ド ク︶木 浦 市
長 は、﹁世 界 平 和 の た め に、
田内さんの人類愛を持ち続
けたい﹂と語りました。
そ の 後、木 浦 市 か ら の 訪
問 団 を 含 む 約 1 5 0 人 が、
高知市若松町に立つ記念碑
横に完成した胸像の除幕式
に 出 席。ま た、記 念 講 演 会
ではノンフィクション作家
の山崎朋子氏が、﹁田内千鶴
子 の 生 涯 の 意 味 す る も の﹂
と 題 し て 講 演。バ イ オ リ ン
奏 者 の 丁 讃 宇︵ジ ョ ン・チ
ャ ヌ︶さ ん、ソ プ ラ ノ 歌 手
の 田 月 仙︵チ ョ ン・ウ ォ ル
ソ ン︶さ ん ら に よ る﹁サ ラ
ン︵愛︶コ ン サ ー ト﹂も 開
催されました。
︵次ページへ︶
10
http://www.chizuko100th.
com
岡崎市長、その左が丁鐘得市長
﹁地域包括ケア﹂の推進テーマに
日韓こころの交流シンポジウム開催
ム﹂。第 回 目 に あ た る 今 年
は 高 知 市 で 月 日、﹁地 域
で 人 々 を 支 え る│地 域 包 括
ケアの推進│﹂をテーマに
11
高知市でも
11
記念行事開催
田 内 千 鶴 子 出 生 の 地 に な
る 高 知 市 で、生 誕 1 0 0 周
年記念行事が 月8日から
2日間の日程で行われまし
た。約 2 5 0 人 が 集 ま っ た
初 日 の 交 流 パ ー テ ィ で は、
こ こ ろ の 家 族 が ユ ニ ベ ー
ル 財 団 と 共 に、日 本 と 韓 国
で年に一度開催している﹁日
韓こころの交流シンポジウ
10
31
50
尹致浩が創始し、田内千鶴子が引き継いだ韓国木浦の共生園。
こころの家族のルーツともいえるこの児童施設の、いまをお伝えします。
29
30
31
共生園でも多彩な行事
31
事長の翻訳により韓国
語版が出版されました。
尹致浩・千鶴子の
遺品などを展示
︵前ページから︶
氏・嚴基郁氏・市川かなえ氏・
具文京氏による事例報告で
日韓の両国の課題が明らか
に な り、そ れ ら の 課 題 を 解
決する方法を官学民で討議。
両国の共通課題の解決の糸
口を探る貴重な場となりま
した。
http://www.kokorono.or.jp/
││ 記念館
韓国から大学院生
7名が来日、交流
☎ 072 - 271 - 0881 FAX 072 - 271 - 5474
ま た、韓 国 か ら の 学 生 交
流 プ ロ グ ラ ム 参 加 者 は、高
知大学の玉里恵美子氏のご
協 力 と ご 指 導 の も と、高 知
県 内 の 高 齢、障 害、児 童、
リ ハ ビ リ、地 域 福 祉 な ど 福
祉 機 関 7 個 所 を 視 察。高 知
大学や高知県立大学院の授
業 に 参 加 し、日 本 の 学 生 た
ちと交流を深めました。
田内千鶴子女史生誕 100 周年記念事業会
12 11
世界の孤児のために世代と国境をつなぐ
「ハーモニーコンサート」が開かれます。世
界で活躍する韓国有数のプリマドンナやソプ
ラノ歌手、幼稚園児も参加。10 歳代から 70
歳代までの声楽家 20 人が出演。可愛らしさ
に魅了される「ドレミソング」を始め「トラジ」
など韓国童謡や世界の歌を披露。韓国で話題
沸騰のコンサートが日本初上陸。圧巻の歌声
を楽しめます。入場無料。
ホームページからとファクスで受付。先着
順で整理券を進呈します。
開 催。あ わ せ て 韓 国 で 福 祉
を学ぶ大学院生7名が来日
し、5回目の﹁専門職育成・
国際交流プロ
グ ラ ム﹂︵
月 5 日 ∼
日︶を 実 施 し
ま し た。高 知
市文化プラザ
内の中央公民
館で開かれた
シンポジウム
に は、日 韓 の
福祉関係者が
集い熱い討議
が行われまし
た。
白 澤 正 和 氏
と劉永学氏に
よる基調講
演、細 川 扶 美
堺市立栂文化会館で2月2日土曜2時開演
つ け る イ ベ ン ト︵写 真 上︶
な ど を 開 き、訪 問 客 に 韓 国
児童福祉に対する関心を高
めてもらう機会を持ちまし
た。
行 事 に あ た り、多 く の ご
支援をいただきました木浦
市 や 後 援 者、訪 問 客 の 皆 様
方に深く感謝申し上げます。
朝 鮮 人 の 乞 食 大 将 尹
致浩伝道師と3000
人余りの孤児を育てた
尹 鶴 子︵田 内 千 鶴 子︶
の人生を展示した記念
館には千鶴子が生前に
書 い た 日 記 を は じ め、
様々な遺品が展示され
て い ま す。共 生 園 の 歴
史を辿って見ることが
で き、事 前 予 約 を す れ
ばいつでも観覧が可能
で す。︵特 別 後 援=木 浦
市、チャン・グンソク︶
問い合わせ
.JPG
シンホ
ハーモニーコンサート
﹃真珠の詩﹄韓国語版
出版されました
﹃真珠の詩﹄は日本キリス
ト教界の代表的な福音主義
牧師で学者でもある森山諭
︵1908∼1996︶の作
品 で、ド ラ マ 以 上 に 劇 的 な
田内千鶴子のひたむきな愛
や 献 身 的 な 生 き 様、ま た 植
民 地 時 代 や 朝 鮮 戦 争 時 に、
日本人という理由で耐え忍
ばなければならなかった試
練 な ど が 描 か れ て い ま す。
1983年に日本で刊行さ
れ ま し た が、こ の た び 田 内
千鶴子の息子である尹基理
World Orphans Day
国連「世界孤児の日」制定推進
田内千鶴子
生誕百周年
木 浦 共 生 園 2 代 目 園 長 で
ある尹鶴子女史生誕100
周 年 記 念 式 及 び 国 連
﹁W o r l d O r p h a n
s D a y﹂制 定 推 進 大 会 が
月 日から 日までソウ
ル市と木浦市で開かれまし
た。
共生園では ・
日の2日間特別企画展
として、尹致浩・尹鶴
子記念館の開館をはじ
め、世界子どもの絵画
展︵神 奈 川 美 術 家 協
会︶、韓 国 福 祉 の 発 見
アーカイブ展、共生家
族ホームカミングデ
イ、梅の木にリボンを
10
は、た だ、﹁フ ゥ ン﹂。﹁今 度 の 土
曜 日 の 9 時 半、公 園 の 掃 除 に 君 も
来 な い か な﹂と 誘 っ て も、﹁フ ゥ
ン﹂。そ の 子 が、公 園 に 現 れ た。
二 人 で 並 ん で ゴ ミ を 拾 い ま し た。
外 に 出 れ ば、心 と 心 が 響 き あ う 出
会いがあります。
││ なんぞ歎ぜんや ついに事業成るなきを
在 日 韓 国 老 人 ホ ー ム を 作 る 会 会 長 の 任 に あ り、
いつも当法人をご支援していただいている阿部志
郎 氏。田 内 千 鶴 子 生 誕 1 0 0 周 年 記 念 事 業 で は、
事業会会長もお引き受けいただき、﹁国連孤児の日﹂
制 定 推 進 大 会 の 祝 辞 で、心 に 残 る お 話 を し て 下 さ
い ま し た。こ の イ ン タ ビ ュ ー で は、若 き 日 の こ と
や現在の活動などをお聞きしています。
││行 動 を 起 こ す こ と が 大 切 な
んですね。
阿部 アイヌ語の﹁こんにちは﹂
は、﹁イ ラ ン カ ラ プ テ﹂と 言 い ま
す が、﹁あ な た の 心 に そ っ と 触 れ
さ せ て 下 さ い﹂と い う 意 味 に な り
ま す。肝 心 な こ と は、﹁そ っ と﹂
触 れ さ せ て も ら う と い う こ と。人
見 知 り の 人 も い れ ば、一 人 で 居 た
い人もいるからです。
││まず、あいさつをする、と。
阿 部 孤 独 死 を し た 高 齢 女 性 が
残 し た 日 記 が あ り ま し た。﹁今 日
も、誰 も 私 に 言 葉 を か け て く れ な
か っ た﹂と、毎 日、同 じ 短 い 文 章
を 書 き 連 ね て い ま し た。﹁ど ん な
に 淋 し か っ た こ と か﹂。で も、自
分 か ら 先 に 声 を か け な け れ ば、待
ちの姿勢からは何も生まれませ
ん。出会いを求める気持ちが大切。
人間は最期まで成長できるのです
から、希望を捨ててはいけません。
子ども達の笑顔を守りたい
さ ん の 人 柄 が わ か り ま し た。尹 さ
んを陰で支えているのが田内文枝
さ ん。同 志 社 大 学 で 学 ば れ た 文 枝
さ ん の 恩 師 が、嶋 田 啓 一 郎 さ ん で
し た。こ の お 二 人 は 素 晴 ら し い ご
夫婦だと思います。
││﹁故 郷 の 家・東 京﹂に 期 待
することは。
阿 部 一 人 で 考 え 事 を し た り 本
を 読 ん だ り し た い 時 も あ れ ば、誰
かと一緒に食事をしたり散歩をし
た り し た い 時 も あ る。そ し て、皆
で歌を歌ったり聖書を読む会を開
い た り し た い 時 も あ る。﹁一 人 で﹂
居られる、
﹁二人で﹂居られる、
﹁皆
で﹂居 ら れ る と い う こ と を〝選 択
できるホーム〟が私の理想です。
││全国に 箇所の﹁故郷の家﹂
の建設も夢ではないですね。
阿 部 年 前、尹 基 さ ん が 来 日
さ れ た の は 東 京 で し た が、在 日 コ
リアンが故郷と思えるようなホー
ム が 出 来 た の は 関 西 で し た。そ れ
は 関 西 の 気 質 が、尹 さ ん の 自 由 な
発 想 を 受 け 入 れ た か ら で す。機 が
熟 し た 今、東 京 で も 制 度 に し ば ら
れずに個性的なものをつくったら
い い。尹 さ ん な ら き っ と 出 来 る。
東 京 で 成 功 す れ ば、日 本 の ス タ ン
ダ ー ド・モ デ ル と し て、全 国 に 拡
がっていきますよ。
││最 後 に、い つ ま で も 若 々 し
い秘訣を教えて下さい。
阿 部 継 続 し て や っ て い る こ と
は、毎 日 5 分 の 自 己 流 体 操 で す。
長年腰痛とひどい肩こりに悩まさ
れ て い ま し た が、柔 軟 体 操 の 効 果
か 痛 み は 解 消 し て い ま す。そ し て
一 日 6 0 0 0 ∼ 7 0 0 0 歩、時 間
にして 分程歩いています。
❖
阿部志郎︵あべしろう︶
1 9 2 6 年 生 ま れ。東 京 商 科 大
学︵現 一 ツ 橋 大 学︶卒 業 後、米 国
ユ ニ オ ン 神 学 大 学 院 へ 留 学。明 治
学 院 大 学 助 教 授 を 経 て、1 9 5 7
年∼2 0 0 7 年 横 須 賀 基 督 教 社 会
館 館 長、現 在 は 同 会 長。2 0 0 3
年 神 奈 川 県 立 保 健 福 祉 大 学 学 長、
現 在 は 同 名 誉 学 長。日 本 ソ ー シ ャ
ル ワ ー カ ー 協 会 会 長、日 本 福 祉 学
会 会 長、東 京 女 子 大 学 理 事 長 な ど
を 歴 任。﹁福 祉 の 哲 学﹂﹁地 域 社 会
の 思 想 と 実 践﹂な ど 著 書 多 数。2
012年3月 日から在日韓国老
人ホームを作る会会長。
10
13
ンになったのはごく自然なことで
し た。後 輩 に、子 ど も た ち に 一 体
何 を 残 せ る の か。そ の こ と を 考 え
ることは、私たち自身の問題です。
生 き る 喜 び と 明 日 へ の 希 望 を、若
い人達に指し示すことができたら
いいのではないでしょうか。
││具 体 的 に、何 か ら 始 め た ら
いいでしょうか。
阿 部 私 は ボ ラ ン テ ィ ア で、町
内 の 見 守 り 隊 を し て い ま す。下 校
││ 博 識 で 知 ら れ て い ま す が、 時 の 小 学 生 に﹁お 帰 り﹂と 声 を か
文学青年だったのですか。
け る と、小 学 5 年 生 の 子 が 近 寄 っ
阿 部 ど ち ら か と 言 う と、﹁ス
て 来 て、﹁お じ さ ん の 髪 は 何 故 白
ポ ー ツ 青 年﹂で し た。テ ニ ス の 東
いの?﹂と、聞かれた。とっさに、
京 代 表 に な り、全 国 大 会 に 出 場 し
﹁
君 と 同 じ よ う に 学 校 で 勉 強 し、
た こ と も あ り ま す。ダ ブ ル ス を 組
よ く 遊 ん だ よ。お と な に な っ て か
ん で い た 友 人 が 戦 死 し て か ら は、
ら
人のために一生懸命働いたか
一度もラケットを握っていませ
ら、こ の 髪 は ご 褒 美﹂﹁毛 の な い
ん。私 も 歳 の 時 に 志 願 し て、甲
お
じ さ ん は、小 さ い 頃 か ら 知 恵 を
種幹部候補生として軍に入りまし
たくさんためてきたからピカッと
た が、価 値 観 が 大 き く 揺 ら い だ 終
光 っ て い る ん だ よ﹂と 答 え た 反 応
戦後は図書館に引きこもっていま
し た。一 ツ 橋 大 学 に 復 学 し て 実 業
の 世 界 に 進 も う と 決 め た の は、半
かけは何です
か。
阿 部 私 に
は二人の忘れ
られない人が
い ま す。韓 国
を代表する社
会福祉の著名
な学者である
金徳俊︵キム・
ト ク ジ ュ ン︶
さ ん、喜 び を
運ぶ人だった
嶋田啓一郎さ
ん。私 が 尊 敬
していた金徳俊さんを恩師として
心から大切にしていたのが尹基さ
ん で し た。そ の 接 し 方 を 見 て、尹
30
30
毎年、法人職員から数名を選び行っている
韓国研修を、今回は、「田内千鶴子生誕 100 周
年記念事業」が開催された期間に合わせて実
施。堺から1名、大阪から 2 名、神戸から 3 名、
京都から 2 名が参加して、共生園や木浦EL
AND老人福祉館を見学しました。
共生園では、「尹致浩・田内千鶴子記念館」
が開館され、「韓国福祉の発展アーカイブ展」
「世界子ども絵画展」も同時に開催されていま
した。
木浦ELAND老人福祉館では、シム・ジョ
ンヨン館長によるオリエンテーションの後、
「ホテルのようなサービス、家族のような福祉
館」が謳い文句の館内を回り、お洒落で活動
的な利用者とも交流。同館は健康増進支援事
業や機能回復支援事業などの予防プログラム
の充実ぶりが話題になり、毎月約 150 人を超
える見学者が訪れています。
年 後 の こ と で す。 世 紀 は 戦 争 の
││ 月 日 の 国 際 シ ン ポ ジ ウ
世 紀 で し た。 世 紀 は 愛 と 平 和 の
ム で は、手 作 り の 資 料 を 使 っ て お
世紀にしなければなりません。
話していただきました。
阿 部 私 は 講 演 メ モ を 用 意 し ま
││ ご趣味は古本屋巡りとか。
せ ん し、板 書 も し な い し、パ ワ ー
阿 部 海 外 滞 在 中、あ る 本 を 新
ポ イ ン ト も 使 い ま せ ん。そ れ は、
刊 で 注 文 し た ら﹁品 切 れ﹂と の 返
視 覚 に 障 害 を 持 っ て い る 学 生 に、
事 だ っ た の で、日 本 の 古 本 屋 を 通 ﹁先 生、黒 板 に 何 と 書 か れ た の で
し て 購 入 し た こ と が あ り ま し た。 す か﹂と、聞 か れ た こ と が あ っ た
数 十 年 も 前 の こ と な の に、そ の 書
か ら で す。は っ と し ま し た。そ の
店主が私のことを覚えてくれてい
時 に、口 で 伝 え る こ と の 大 切 さ に
ま し た。全 国 の 古 本 屋 を 訪 ね て ま
気 付 か さ れ た の で す。今 回 は、紙
わ る の は 楽 し い。蔵 書 は 1 万 2 ∼
に図を書いたものを作りました
3 千 冊 は あ り ま し た。福 祉 図 書 約
が、﹁わ か り や す い﹂と 好 評 だ っ
7000冊を横須賀基督教社会館
たので、また使うかもしれません。
に 寄 贈、﹁阿 部 文 庫﹂に な っ て い
ます。
31
20
││ 年間、横須賀基督教社会
館の館長をされていたのですね。
阿 部 仕 事 は 一 所 懸 命 に し て き
ま し た が、事 業 は 一 代 で は 実 を 結
ば な い、代 々 継 承 し て 完 成 し て い
く も の。何 か を 残 す こ と を 目 指 す
の で は な く、自 分 が な す べ き こ と
をすればいいのです。その思いは、
﹃な ん ぞ 嘆 ぜ ん や つ い に 事 業 成 る
なきをー横須賀基督教社会館の
年﹄という本に著しています。
50
29
││共 生 園 に は 何 度 も 訪 ね て く
ださっていますね。
阿 部 い つ も 思 う の は、共 生 園
は人々のあたたかな気持ちに囲ま
れている稀有な施設だというこ
と。ず っ と 継 続 し て い く 為 に は、
サポートする人の層を広げていく
こ と が 大 切 だ と 思 い ま す。こ の 度
の 訪 問 で は、紙 の 首 飾 り を も ら い
ま し た。と て も 笑 顔 の 可 愛 い 子 た
ち で す。あ の 笑 顔 は い つ ま で も 守
ら な く て は い け な い。 月 日 に
開 催 さ れ た 国 連﹁World O
rphans Day﹂制 定 推 進
宣 言 大 会 で は、そ の 首 飾 り を 首 に
かけて壇上に立ちました。
10
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15
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││﹁こ こ ろ の 家 族 運 動﹂を 支
援していただくようになったきっ
10 月 29 日∼ 31 日 韓国研修
19
50
││教 育 者 と し て 次 世 代 に 託 す
ことは何ですか。
阿 部 大 正 年 東 京 で、青 山 学
院の第6代院長になった牧師の子
と し て 生 ま れ ま し た。ク リ ス チ ャ
共生園や ELAND を見学
阿部志郎さん
継承こそ力なり
インタビュー
施設スケジュールは各施設のブログをご参照ください。
故郷の家(堺)
故郷の家・大阪
http://kokyosakai.blog40.fc2.com/
http://kokyoosaka.blog79.fc2.com/
故郷の家・神戸 故郷の家・京都 http://kokyokobe.blog40.fc2.com/
http://kokyokyoto.blog41.fc2.com/
堺
今年も平和の園保育園の 2 歳と 4 歳の保育園児
49 名が来てくれました。色とりどりのボンボン
を持って可愛いダンスを見せてくれた後、ご利用
者の皆さんひとり一人のところへ行って握手をし
たり、ハグしたりと交流を深めました。
皆さん思わず、ほっこり笑顔になっていました。
肌 寒 い 秋 の 風 物 詩、焼 き
芋 を 楽 し み ま し た。石 で
箱 を 作 り、焼 い た 芋 の 味
は最高…
利用者様も大喜びでした。
美味しいな!
京都
大阪
▶韓 国 の 木 浦 共 生 園 よ り
名 様 の 見 学 で す。デ イ
サービスや特養のご利用
者とふれあい、あちらこち
らで笑顔の輪が出来まし
た。最後はみんなで記念撮
影しました。
35
神戸
▲今日のレクは風船バレーです。無心に風
船を追いかけておられました。
◀田 内 千 鶴 子 生 誕 1 0 0
周年記念のお祝いを贈呈
さ れ て、と て も 嬉 し そ う
でした。
▲10 月 23 日、在日本大韓民国婦人会兵庫県地方本
部の李慶子会長他役職員の皆様が、故郷の家・神戸の
ハラボジ・ハルモニに車椅子 2 台を寄贈してくださ
いました。この日は朝から少し肌寒い秋雨が降ってい
ましたが、心温まるプレゼントに皆さん笑顔が溢れて
いました。
皆様のお気持ちに感謝いたします
2012 年 10 月・11 月 寄付合計 5,665,104 円
堺
大 阪
法 人
2,282,829 円
19,578 円
2,886,228 円
10・11 月の寄付者
佐藤 美津子
畑中 文子
柳原 忠義
高 良順
平井 勝江
ペン株式会社
鵜沼 裕子
安井 久寿
昼間 和守
岡崎 政子
伊本 正雄
関 襄爾
小林 勝
伊藤 圭子
金 慶光
金山 委智夫
岡本 民夫
金 元治
■故郷の家 ( 堺 )
金 徳順ご家族
大森 かづ枝ご家族
梁 春花ご家族
金山 花子ご家族
鈴木 和男ご家族
榎並 ひさ子ご家族
松永 すまご家族
中塚 タツエご家族
孫 春任ご家族
平康 清吉ご家族
川口 貞造ご家族
伊藤 廸代ご家族
伊野 正恒ご家族
三浦 寿子ご家族
北田 昭子ご家族
金井 鳳伊ご家族
平和の園 保育園
有限会社あゆみ介
護センター
福井 鋭次
池田 壽雄
宇野紙株式会社
村上 信代
良知 正美
佐野 安予
大橋 万喜子
株式会社タナカク
リーン商事
大島 芳江
吉澤 まゆみ
矢島 純一
姜 讃馨 直子
有本 喜代子
藤島 薫
李 守陳
在日本大韓民国婦
人会中央本部
李 善惠
小村 裕己
野瀬 規子
大槻 幸廣
永山 成大
清水 美千代
中村 啓子
藤田 裕之
池上 陽
福田 武俊
馬場 登志子
畑 正樹
畑 有紀
山口 貞夫
布施 かよ子
高林 弘示
末永 悦子
砂川 清美
星田 正雄
梅田 巧
臼井 正樹
金氏高麗人参株式
会社
鈴木 仁
成田 清子
寺尾 和美
宮部 伸行
星野 岳彦
故 郷 の 家・京 都 職
員一同
髙句麗大学
永野 美津子
李 美淑
御池台校区連合自
治会
学校法人同志社
金 春子
奥野 美江子
三苫 進
瘧師 善子
朴 貴洙
イエス教大韓聖潔
教会京都宣教教会
快適生活研究所
飯田 科研
合田 貞
基 督 大 韓 監 理 会 光林教会
匿名希望者
澤中 幸
中川 よう子
山中 久子
久 一
土井 武文
米田 貞子
平見 量介
中西 勝男・百合子
石田 正子
済州共生院長 金 彩順 中川地区推進委員 末吉 韓国 MBC ( 株 ) ミツマ
平賀 梢 ■故郷の家・神戸
伊山 宝培
萩原 順子
武本 淑子
有川 キヨ
山村 美子
上野 勉
金 南伊
東山 順徳
大村 ふみ
四宮 キヨノ
秋 旦善
竹岡 恵
斉藤 文雄
君影サービス
高田 文栄
世界宣教師教会
牙山 敏男
金 永文
久保 ミツ子
大島 香
椋木 とみ子
安田 キヨ
大島 玉子
東テスティパルサー
ビス
岩本 玉子
■故郷の家・大阪
白口トキ子
歌体操
ハーモニカクラブ
宵 静子
どんぐりの会
野中晴夫
ハイビスカス
中川保育所
在日本大韓民国婦人
会兵庫県地方本部
大島 玉子
ふらわあず
神戸教会
木浦共生園
KSC 民謡クラブ
ボランティア)
ソロプチミスト大 阪南陵・池田邦子(お
茶会)
古楽アンサンブルサ
リ ー ガ ー デ ン・近 藤
明 子、マ イ ル ド 山 本
マ ジ ッ ク 教 室・及 川
忠孝(お誕生日)
( 敬称略 )
あゆみ介護センター
ダイキチカバーオー
ル
駒ヶ根パノラマ愛の
家
タカ・コーポレーショ
ン
クレモト歯科
堀田 介護サービス
マルシン
金 基周
北浦 晴夫・節子
姜 徳壽
池田 邦子
稲本 暁子
吉仲 喜美子
堀口 眞貴子
川又 良子
10・11 月の来訪者・ボランティア
■故郷の家 ( 堺 )
識字学級ボランティ
ア
カトレア会
平和の園保育園
韓国伝統芸術院
音楽ユニット もん
たった
トリオ・パンプキン
野中 晴夫
カヤグン演奏ボラン
ティアグループ゚
133,600 円
343,469 円
( 敬称略 )
土肥 正明
大槻 光子
中野 敏彦
河内 常男
高橋 玲子
河 幹夫
井阪 清三
武藤 清
谷澤 耀子
堀口 幹夫
金森 享
圓藤 泰久
大松 節子
権藤 度夫
十時 威夫
宮原 智文
小畑 宰
オンヌリ教会
10・11 月の寄贈者
神 戸
京 都
金剛教会
園芸ボランティア
中国文化春暁倶楽部
岩村 瑛子
西原 光子
武川 淳子
谷川 英蘭
朝本 貞子
吉田 由美子
金 春子
伍代 尚子
孫 尚之
■故郷の家・大阪
養父 多津子 平田 弘子
今里 モンニジョ
長谷川 泰玉 三苫 道子 利川 すみこ
松岡 トミコ
山根秀夫 房 甲田
■故郷の家・京都
良原 道分ご家族
金本 恵子
長谷川 景子
西村 ユキご家族
楠木
前上 てい子ご家族
中沢 弘子ご家族
石保 美代子ご家族
松原 奉伊 ご家族
杉山 淑子ご家族
金山 末年ご家族
金 貞守ご家族
藤田 トラご家族
水谷 いつご家族
( 敬称略 )
孫 淳哲
松山 栄子
細川 登美子
金澤 成子
李 東朝
金澤 タカ子
孫 娟熙
津村 美代子
河盛 久仁子
高山 則子
李 善恩
■故郷の家・神戸
合田 三奈子
■故郷の家・京都
三 村 佳 正(コ ミ ュ ニ
ケーション)
柴 田 美 智 子(三 味 線
韓国料理
コーナー
ナッチポックム
今回は、共生園のある木浦
でもおいしいタコの炒めも
の、“ナッチポックム”を紹
介します。
故郷の家・神戸 管理栄養士 霜中 美恵子 材料(2人分)
タコ
150g
玉ねぎ 1/2個
人参 1/2個
ごまの葉 10枚
青ねぎ 1束
コチュジャン 大さじ3
いりごま 大さじ1
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1/4
おろしにんにく 大さじ1
おろししょうが 小さじ1/4
油 適量
作り方
①タコ、人参、玉ネギはくし形切り、
ごまの葉は短冊切り
にする。青ねぎは5cm幅に切る。
②油以外の調味料を合わせておく。
③フライパンに油を入れ熱し、人参、玉ねぎの順に炒め る。野菜に火が通ったら、
タコを入れて炒める。
④全体に火が通ったら、②をまわし入れ、具材となじんだ
ら、青ねぎ、
ゴマの葉を入れ、火が通ったらできあがり。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ プレゼント
※ 前 回 のクイズの
答は「キクニンギョ
ウ」でした。
おたより
紹介
「竹島問題で日韓関係がギク
シャクしていますが庶民レベル
での草の根の交流を絶やさずに
続けていくことが大切だと思い
ます」(堺市・Kさん)
1
タテのカギ
正解をお寄せくださった方の中から5名様
に、縁起が良い黄金色の韓国製の栞(写真)
をプレゼントします。
応 募ははがきにパズルの答と住 所・氏 名・
電話番号をお書きのうえ
「〒590-0142 堺市南区桧尾3360-12 故郷の家・クイズ係」
まで。
1月末日締め切り。
本誌をお読みになった感想、
メッセージなど
もお書き添えくださ
るとうれしいです。
二重マスの文字を組み合わせてできる言葉を答えてください。
<ヒント:早起きしないと見られません>
①原子力や火力、水力、風力、太陽光まで
②頼むこと
③病気
④本や雑誌などの一番外側をおおうもの
⑧軽い食事
⑨溶液や混合気体などに含まれている成分
の割合
⑩過ぎ去ったこと
日韓福祉交流通信 こころの家族 2013年1月1日発行(第289号) 購読料:年1.000円(隔月発行)
クロスワードパズル
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12
ヨコのカギ
①虫歯?歯周病?いやがらずに行
きましょうね
⑤顔のこと。
カエルの──に水
⑥ほうきにまたがって空を飛ぶ?
⑦ぐでんぐでんに酔っぱらってま
す
⑨お祝いの贈り物に添えます
⑩鳥の一種。鳴き声からその名前
がついたとか
⑪香川、徳島、高知、愛媛県から成
ります
⑫「恥をかかせる」
ことを
「──を塗
る」
といいます
発行人:田内文枝 編集人:尹 基 編集:松井珍男子、金滋榮、藤井啓祥、水野正志、三井康栄、佐東まゆみ
私たちの団体はキリスト教の精神に基づき、国境を越え、民族を越えて共に生きる社会の実現を目指します。統一教会、エホバの証人、モルモン教とは関係ありません