スライド 1

高精度温度計測技術を実現するには温度目盛の概念を充分に理解する
必要がある。
温度の歴史=温度目盛の歴史
・1597年 ガリレオの空気寒暖計
・1620年 ドレッベルのアルコール寒暖計
・1664年 フックにより温度目盛の基準定点を氷の融点
・1694年 レナルディーニにより基準定点を氷の融点/水の沸点
・1714年 ファーレンハントの水銀温度計
・1742年 セルシウスの温度目盛
・1854年 トムソン(ケルビン)の熱力学的温度目盛
・1927年 国際温度目盛 ITS-27
・1948年 国際温度目盛 ITS-48
・1968年 国際実用温度目盛 IPTS-68
・1990年 国際温度目盛 ITS-90
セルシウス温度
氷点を0、水の沸点を100として温度計で100等分した目盛
温度定点
「再現可能な温度」
標準温度計
温度目盛
補間方法
高精度温度計測のためには
温度定点、温度計、温度目盛の信頼
性について再考する必要がある。
国際温度目盛に関する研究
標準白金抵抗温度計
・無誘導or低インダクタンス
・超高純度白金線
・ストレスフリーの支持構造
国際温度目盛 ITS-27
・幾つかの温度定点の採用
酸素の沸点:-182.97℃、氷の融解点:0.000℃
水の沸点:100.000℃、硫黄の沸点:444.60℃
・白金抵抗温度計を温度目盛として採用(-190℃~660℃)
0℃~660℃:Callendar式、-190℃~0℃:Callendar-van Dusen式
Callendar式


 R 1  At  Bt  C t  100t 
Rt  R0 1  At  Bt 2
Callendar-van Dusen式 Rt
2
3
0
A  3.9083103
B  5.775 107
C  4.1831012
JIS C1604 1997
国際温度目盛 ITS-48
・校正点を氷の融解点から水の三重点、硫黄の沸点から亜鉛の凝固点
(419.505℃)に置換え
・白金抵抗温度計の温度係数R100/R0の下限を1.390から1.391
に引き上げ(更に1960年、1.392に修正)
国際温度目盛IPTS-68 t68
・硫黄の沸点を削除し、亜鉛の凝固点(419.58℃)を追加
・水の沸点の代わりにすずの凝固点(231.9681℃)を使用
・熱力学的温度目盛により近づけるため、Callendar式に
補正式を導入
0.1
R  R0  A  t  B  t
2
0.08
0.06
0.04
 t  t
 t
 t

t68  t  0.045
 1
 1
 1

 100 100  419.58  630.74 
t68-t
0.02
0
-0.02
-0.04
-0.06
-0.08
-0.1
0
100
200
300
t
400
500
ITS-48とITPS68の温度値の差
0.2
温度値の差(t68-t48)
0.15
0.1
0.05
0
-0.05
0
100
200
300
-0.1
-0.15
-0.2
温度(℃)
400
500
600
国際温度目盛 ITS-90
•白金温度計の上限を630℃から962℃(銀点)に引上げ
•温度係数として W(Ga)≧1.11807(R100/R0≧1.3925~1.3926相当
•熱力学的温度とさらに良く一致
•1990年国際温度目盛として、次式を採用

2
3
R  R0.01 Wr T90   aWr T90   1  bWr T90   1  eWr T90   1 

 T K  754.15 
Wr T90   D0   Di  90

481


i 1
9
i
逆関数は
 W T   2.64 
K  273.15  F0   Fi  r 90

1
.
64


i 1
9
T90
i
R

f Wr T90   660.323

R
0.01 

2



温度定点の温度値の変遷
ITS-27
氷点
ITS-48
0
IPTS-68
0
水の三重点
0.01
ガリウムの融解点
水の沸点
0.01
29.7646
100
100
すずの凝固点
亜鉛の凝固点
ITS-90
419.505
100
231.968
231.928
419.58
419.527
℃
トレーサビリティー