再帰型幾何学的フロー近似法と その湾曲Wavelet変換動画像圧縮 への応用 2006年 2月13日 修士論文発表会 廣田研究室 04M35433 沼野祥久 1 / 25 背景 原画像中の幾何学的情報を 利用した画像変換 (湾曲Wavelet変換 [2001 Pennec, Mallat] ) 幾何学的情報に合わせて基底を調整 ⇒ 画像圧縮, ノイズ除去に効果的 2 / 25 Wavelet変換 輪郭無し ⇒ Wavelet変換 輪郭有り ⇒ 湾曲Wavelet変 換 湾曲Wavelet変換 [2001 Pennec,Mallat] 3 / 25 背景 原画像中の幾何学的情報を 利用した画像変換 (湾曲Wavelet変換 [2001 Pennec, Mallat] ) 幾何学的情報に合わせて基底を調整 ⇒ 画像圧縮, ノイズ除去に効果的 幾何学的情報を捉える際の 計算機への負担「大」 4 / 25 研究の目的 Wavelet変換の枠組みを利用する 再帰型幾何学的フロー近似法の提案 提案手法を用いた湾曲Wavelet変換による 動画像圧縮への応用 5 / 25 幾何学的フローの例 輪郭と平行なフロー ① 垂直方向に平行 垂直的に 平行なフロー ② 水平方向に平行 水平的に 平行なフロー 6 / 25 従来:分散型幾何学的フロー近似法 原画像 小格子分割 フロー有無判定 フロー無 (画素値分散) Wavelet変換 フロー有 フロー方向計算 (画素列間差分) フロー種類選定 (差分値比較) 垂直的に 平行 湾曲Wavelet変換 (垂直的に 平行なフロー) 湾曲Wavelet変換 (水平的に 平行なフロー) 水平的に平行 7 / 25 •緑:垂直的に平行なフロー 従来手法での計算例 •橙:水平的に平行なフロー 原画像 分散型幾何学的フロー 近似法の例 8 / 25 提案:再帰型幾何学的フロー近似法 原画像 Wavelet 変換 係数を 小格子分割 フロー無 フロー有無判定 (しきい値処理) フロー有 フロー種類選定 (係数値比較) 垂直的に 平行 水平的に平行 Wavelet変換 係数を保持 (垂直的に平行なフロー) フロー方向計算 (係数絶対値) (垂直的に平行なフロー) 湾曲Wavelet変換 (水平的に平行なフロー) フロー方向計算 (係数絶対値) (水平的に平行なフロー) 湾曲Wavelet変換 9 / 25 提案:再帰型幾何学的フロー近似法 1. 係数値へのしきい値処理による 幾何学的フローの有無判定 全ての 係数の絶対値 ≧ しきい値 係数の絶対値 < しきい値 幾何学的フロー有り 幾何学的フロー無し ①:水平成分 (水平方向 輪郭⇒大) ②:垂直成分 (垂直方向 輪郭⇒大) 10 / 25 提案:再帰型幾何学的フロー近似法 2. 水平&垂直成分の係数値総和の比較による 幾何学的フローの種類判定 ①>② ⇒ 垂直的に 平行なフロー ①: 水平成分 ②: 垂直成分 ①≦② ⇒ 水平的に 平行なフロー 11 / 25 提案:再帰型幾何学的フロー近似法 3. 係数絶対値を用いて輪郭の位置を捉える 幾何学的フローの方向計算 垂直的に平行なフローの場合 (水平成分のみ使用) 画素列毎に 係数絶対値の 最大値位置取得 各位置間の 傾きを計算 ⇒ フローの方向 12 / 25 提案:再帰型幾何学的フロー近似法 3. 係数絶対値を用いて輪郭の位置を捉える 幾何学的フローの方向計算 水平的に平行なフローの場合 (垂直成分のみ使用) 画素列毎に 係数絶対値の 最大値位置取得 各位置間の 傾きを計算 ⇒ フローの方向 13 / 25 •緑:垂直的に平行なフロー 提案手法での計算例 •橙:水平的に平行なフロー Wavelet変換係数画像 再帰型幾何学的フロー 近似法の例 14 / 25 従来手法と提案手法の比較 従来手法 有無 判定 種類 選定 方向 計算 計算量比較 提案手法 画素値分散 |係数値| > 「乗算」 (四則演算なし) 画素列間差分値 原理的には 係数値(既知) = 計算負荷 (既知)の比較 の比較 軽減可能 画素列間差分 |係数値| 「乗算」 (四則演算なし) > ×2種類分 ×1種類分 15 / 25 動画像圧縮・再構成実験 標準動画像データベースより10個を選定 ↑の差分動画像(5フレーム毎)を作成 従来手法を用いた湾曲Wavelet変換 提案手法を用いた湾曲Wavelet変換 による動画像圧縮・再構成実験 ① 計算時間の比較 ② 画像品質の比較 16 / 25 使用動画像の例 背景が固定 背景も移動 alex 352×288 108フレーム sflowg 352×240 150フレーム 17 / 25 ① 計算時間の比較 PC (PentiumM, 1.6GHz)上にVC++で 湾曲Wavelet変換を実装 圧縮率:100% (完全再構成) 提案手法による計算負荷の軽減を確認 18 / 25 ①:実験結果 背景が固定 (平均:3.18倍) 160 140 提案手法 計算速度が 平均:4.44倍 従来手法 80 60 40 20 stennis sflowg man2 diskus mom mom_ daughter grand mom alex claire 0 man1 計算時間 [s] 120 100 背景も移動 (平均:6.34倍) 19 / 25 ② 画像品質の比較 圧縮率:0%~100% 平均二乗誤差で比較 提案手法「低解像度:Wavelet係数」 ≓ 従来手法「原画像」 を確認 20 / 25 ②:実験結果の例(背景固定) 平均二乗誤差 120 100 80 従来手法 提案手法 60 40 20 0 0 20 40 60 圧縮率[%] 80 動画像「man1」 キーフレーム 100 平均二乗誤差 120 100 80 従来手法 提案手法 60 40 20 0 0 20 40 60 圧縮率[%] 80 動画像「man1」 差分フレーム 100 21 / 25 平均二乗誤差 ②:実験結果の例(背景移動) 160 140 120 100 80 60 40 20 0 従来手法 提案手法 平均二乗誤差 0 20 40 60 圧縮率[%] 80 100 160 140 120 100 80 60 40 20 0 従来手法 提案手法 0 20 40 60 圧縮率[%] 80 動画像「sflowg」 キーフレーム 動画像「sflowg」 差分フレーム 100 22 / 25 ②:再構成動画像の例(背景移動) 提案手法:10% 提案手法:20% 提案手法:60% 従来手法:10% 従来手法:20% 従来手法:60% 23 / 25 まとめ 計算負荷軽減のため Wavelet変換の枠組みを利用した 再帰型幾何学的フロー近似法を提案 湾曲Wavelet変換による動画像圧縮・再構成 へ応用 ⇒ 同程度の画像品質性能 & 計算速度が4.44倍に向上 24 / 25 将来展望 計算速度の向上 ⇒ 実用化を視野に入れた湾曲Wavelet変換 による画像圧縮・ノイズ除去への応用 幾何学的情報の取得 ⇒ 視覚モデル構築のための基礎への応用 25 / 25 終 背景 原画像中の幾何学的情報を利用した 画像変換 (湾曲Wavelet変換 [2001 Pennec, Mallat] ) 幾何学的情報に合わせて基底を調整 ⇒ 画像圧縮, ノイズ除去に効果的 幾何学的情報を捉える際の 計算機への負担「大」 28 / 25 幾何学的フローの例 輪郭と平行 ① 垂直方向にフローが平行に存在 ② 水平方向にフローが平行に存在 ①:垂直的に 平行なフロー ②:水平的に 平行なフロー 29 / 25 湾曲Wavelet変換 幾何学的フロー無し [2001 Pennec,Mallat] ⇒ Wavelet変換 幾何学的フロー有り ⇒ 湾曲Wavelet変換 30 / 25 従来:分散型幾何学的フロー近似法 1. 画素値分散による幾何学的フローの 有無判定 画素値分散 画素値分散 < ≧ 閾値 閾値 幾何学的フロー有り 幾何学的フロー無し 31 / 25 従来:分散型幾何学的フロー近似法 2. 画素列間差分の最小化に基づく 垂直的に平行な フローの方向計算の例 幾何学的フローの方向計算 2-1. 垂直的に平行なフロー 2-2. 水平的に平行なフロー ( - 2 ) 3. 画素列間差分値の比較による 幾何学的フローの種類選定 32 / 25 提案:再帰型幾何学的フロー近似法 1. 原画像をWavelet変換 Wavelet変換係数を小格子分割 33 / 25 提案:再帰型幾何学的フロー近似法 3. 列(or行)ごとに係数値の絶対値による フローの方向計算 垂直的に 平行なフロー 方向計算 湾曲 置換 Wavelet 変換 水平的に 平行なフロー 方向計算 湾曲 Wavelet 置換 変換 34 / 25 •緑:垂直的に平行なフロー 提案手法での計算例 •橙:水平的に平行なフロー 分散型幾何学的フロー Wavelet変換係数画像 近似法の例 再帰型幾何学的フロー 近似法の例 35 / 25 従来手法と提案手法の比較 従来手法 画素値分散 有無判定 +しきい値処理 画素列間差分値 種類選定 比較 (画素列間差分 方向計算 +差分最小値検索) ×2種類分 演算量比較 提案手法 > |係数値| +しきい値処理 ≒ 係数値比較 > |係数値| +最大値検索 36 / 25 使用動画像の例 背景が固定 背景も移動 alex 352×288 108フレーム sflowg 352×240 150フレーム 37 / 25 差分フレームの例 キーフレーム 差分フレーム 38 / 25 保存する情報 格子の大きさ フローの有無 – フローの種類 – フローの方向×格子の幅 フロー無し フロー有り 0.26% (画素値情報との比較) 4.2% 39 / 25 ①の実験結果 提案法[s] 従来法[s] 時間比 [%] 10 36 man1 27.8 17 45 claire 37.8 13 35 alex 37.1 13 45 grandmom 28.9 14 46 mom_daughter 30.4 13 44 mom 29.5 14 65 diskus 21.5 9 50 man2 18.0 sflowg stennis 15 14 145 77 10.3 18.2 背景が固定 平均で 23.8% に短縮 背景も移動 40 / 25 ② 画像品質の比較 120 100 平均二乗誤差 80 従来手法 提案手法 60 40 20 0 0 10 20 30 40 50 圧縮率[%] 60 70 80 90 100 41 / 25 ② 画像品質の比較 120 100 平均二乗誤差 80 従来手法 提案手法 60 40 20 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 圧縮率[%] 42 / 25 ② 画像品質の比較 180 160 平均二乗誤差 140 120 100 従来手法 提案手法 80 60 40 20 0 0 10 20 30 40 50 圧縮率[%] 60 70 80 90 100 43 / 25 ② 画像品質の比較 180 160 平均二乗誤差 140 120 100 従来手法 提案手法 80 60 40 20 0 0 10 20 30 40 50 圧縮率[%] 60 70 80 90 100 44 / 25 ②の実験結果(背景移動) 提案手法:10% 提案手法:20% 提案手法:60% 従来手法:10% 従来手法:20% 従来手法:60% ムービーがあると嬉しい45 / 25
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