マーケティング・プロセス マーケティングとは何か? アメリカ・マーケティング協会の定義 「個人と組織の目的を満たすような交換を生 み出すために、アイデアや財やサービスの考 案から、価格設定、プロモーション、そして流 通に至るまでを計画し実行するプロセスであ る」 マーケティング・プロセス マーケティング機会分析 ターゲット市場調査と選定 マーケティング戦略の立案 マーケティング・プログラムの立案 マーケティング活動の組織化、実行、コントロール マーケティング機会分析 内部環境分析 強み分析 1.マーケティング 企業イメージ、マーケットシェア、 知覚品質、製造コスト 2.財務 資金コストと調達力、収益性 弱み分析 3.製造 設備、規模の経済性、 生産の力 4.組織 有能なリーダー、意欲的な従業員 マーケティング機会分析 外部環境分析 機会分析 脅威分析 顧客 競争企業 供給業者 マーケティング媒介者 人口統計的・経済的環境 技術的・物理的環境 社会的・文化的環境 政治的・法的環境 ターゲット市場調査と選定 • • • • 市場需要 市場潜在需要 自社需要 自社潜在需要 測定・予測 購買者意図調査 営業部門意見合成 専門家の意見 時系列分析 統計的需要分析 ターゲット市場調査と選定 • 市場セグメンテーション – セグメンテーション変数の明確化。 – 細分化されたセグメントのプロファイリング。 ターゲット市場調査と選定 • 市場セグメンテーション – 各セグメントの魅力度の評価。 – ターゲット・セグメントの選択。 マーケティング戦略の立案 • ポジショニング戦略 – 各ターゲットセグメントについての可能なポジショ ニング・コンセプトの明確化。 – 選択したコンセプトの選定、開発、伝達。 マーケティング戦略の立案 製品ポジショニング・マップ D D E 価 格 C B A 品質 マーケティング戦略の立案 差別化の方法 • 製品差別化 – 機能特性、成果、品質、信頼性、スタイル • サービス差別化 – デリバリー、設置、顧客訓練、修理 • 職員差別化 – 能力、信用、信頼感、反応、コミュニケーション力 • イメージ差別化 – シンボル、包装、ロゴ マーケティング・プログラムの立案 • マーケティング費用 • マーケティング・ミックス – 製品 – 価格 – 流通 – プロモーション • マーケティング費用の配分 マーケティング・プログラムの立案 • 製品戦略 – 製品の多様性 – 品質 – デザイン – 機能 – ブランド名 – サイズ – 保証 マーケティング・プログラムの立案 • 価格戦略 – 価格設定 – ディスカウント – アローワンス – 支払い機関 マーケティング・プログラムの立案 • 流通 – チャンネル – カバレッジ – 品揃え – 立地 – 在庫 – 輸送 マーケティング・プログラムの立案 • プロモーション – 販売促進 – 広告 – セールスフォース – パブリック・リレーションズ – ダイレクト・マーケティング マーケティング活動の組織化、実行、 コントロール • マーケティング全業務の調整 • 財務、製造、研究開発、購買、人事など他部 門との連携 • マーケティングの成果分析 マーケティング・サイエンスとは 「マーケティングに関するマネジリアルな意思 決定の発想を豊かにすると同時にその精度 を上げるために、客観的なデータと理論に基 づいて市場を捉えるための基本的な考え方 や具体的方法を探究するものである。」 市場構造分析 例: Video Disk Case I Home Video Beta VHS Laser Disk Video Disk DVD Case II Home Video Beta VHS Video Disk Laser Disk DVD 市場構造の重要性 • 市場の規定 – どの市場に参入すべきか? – 自社の競合企業は誰か? 市場構造の規定 ケースI: 無構造仮説 A (40%) B (20%) C (20%) D (20%) ケースII: 市場構造 (2サブマーケット) A (40%) B (20%) C (20%) D (20%) • Aが削除されたとき、今までAを購入していた人はどのブランド を購入するか? 市場構造分析 • 市場がいくつかのサブマーケットに構成されていると いう仮定の下で、ある製品が削除されたとき、その製 品のシェアの大部分が同じサブマーケットの製品に 吸収される. A (40%) B (20%) C (20%) D (20%) Aが削除されたとき、Bのシェアが 13.3% = 40×20/(20+20+20)よりも大きく増加する。 市場構造分析 • 2つのアプローチ – Firm-oriented – Customer-oriented • Urban, Johnson and Hauser(1984), “Testing Competitive Market Structure,” Marketing Science, Vol. 3, No. 2, 83-112 Customer-Oriented 市場構造分析(Prodegy) データ:スイッチング行列 強制的遷移行列 – 顧客がもっとも好んでいる製品を特定する。 – 顧客がもっとも好んでいる製品が市場から削除されたと いう状況を設定する。 – 設定した状況の下で顧客がもっとも好んでいる製品を特 定する。 無構造仮説のもとでの理論シェア 人数 A B P(A,B) C D P(C,D) A 40 0 1/3 1/3 1/2 1/6 2/3 B 20 1/2 0 1/2 3/8 1/8 1/2 C 30 4/7 2/7 6/7 0 1/7 1/7 D 10 4/9 2/9 2/3 1/3 0 1/3 強制的遷移行列(実現値データ) 人数 A B P(A,B) C D P(C,D) A 40 0 30 0.75 6 4 0.25 B 20 12 0 0.6 4 4 0.4 C 30 5 7 0.4 0 18 0.6 D 10 1 1 0.2 8 0 0.8 強制的遷移行列(実現値データ) 人数 A B P(A,B) C D P(C,D) A 40 0 3/4 0.75 3/20 1/10 0.25 B 20 3/5 0 0.6 1/5 1/5 0.4 C 30 1/6 7/30 0.4 0 3/5 0.6 D 10 1/10 1/10 0.2 4/5 0 0.8 理論値と実現値の比較 人数 A B P(A,B) C D P(C,D) A 40 0 1/3 1/3 1/2 1/6 2/3 B 20 1/2 0 1/2 3/8 1/8 1/2 C 30 4/7 2/7 6/7 0 1/7 1/7 D 10 4/9 2/9 2/3 1/3 0 1/3 人数 A B P(A,B) C D P(C,D) 40 0 3/4 0.75 3/20 1/10 0.25 A B 20 3/5 0 0.6 1/5 1/5 0.4 C 30 1/6 7/30 0.4 0 3/5 0.6 D 10 1/10 1/10 0.2 4/5 0 0.8 理 論 値 実 現 値 製品Aに関する検定 • 製品Aを購入していた顧客がサブマーケット(A,B)に残る確 率: P(A,B)=1/3=p • 製品Aを購入していた顧客がサブマーケット(C,D)にスイッチ する確率: P(C,D)=2/3=1-p • 従って、製品Aを購入していた顧客の内サブマーケット(A,B) に残る人数は平均p、分散np(1-p)の二項分布に従う。 X ~ Bin(n,p) 製品Aに関する検定 • 中心極限定理により、nが限りなく大きくなれば、 X ~ N(np,np(1-p)) • 製品B,CとDが削除されたときも、同じことが成立する。 • 仮説 – 帰無仮説 H0 : np = 40/3 – 対立仮説 H1 : np > 40/3 z= 30-40/3 40×1/3×2/3 市場全体の検定 • 仮説 – 帰無仮説 H0 : np = (40/3+20/2+30/7+10/3)=31 – 対立仮説 H1 : np > 31 – 標準偏=4.45 – 実現値=30+12+18+8=68 z= 68-31 4.45 = 8.3 宿題 • 教科書36ページの課題2 • 提出期限:2007年10月16日 バスモデルによる市場規模の予測 バスモデル N = 市場規模(潜在採用者の全数) F(t) = Nの内t期までに既に採用した人の割合 f(t) = t期における採用した人の割合 p = イノベーション率(Nの内、革新的採用者の割合) q = イミテーション率(既存の採用者の影響を受ける人の割合) t期における新規採用者による購入確率は λt = f(t) 1-F(t-1) = p+qF(t-1) ⇒ f(t) = ( 1-F(t-1)) ( p+qF(t-1)) バスモデル t期の売上 S(t) = f(t)N = ( 1-F(t-1)) ( p+qF(t-1)) N = pN+(q-p)NF(t-1)-qF(t-1) 2 p,qとNの値が分ればt期の売上を予測することができるが、通常それら の値は知られていない。 ⇒ 1.テストマーケティングの結果 2. 過去の類似製品のパラメータの値 3. デルファイ法 4. 最初の数期の売上データを用いた回帰分析 バスモデル t期までに既に購入した人の人数 N(t) = N·F(t) これを用いて上記の式を書き直す S(t) = pN+(q-p)NF(t-1)+qF(t-1) 2 = a + bN(t-1) + cN(t-1) 2 ただし、a=pN, b=q-p, c=- q N2 事例1 Adoption of Answering Machines 1982-1993t 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 82 83 84 85 86 87 88 89 90 Year adoption of answering machines Fitted Adoption 91 92 93 事例2 Actual and Fitted Adoption of 35 mm Projectors, 1965-1986, m=3.37 million, p=.009,q=.173 180000 160000 140000 Units 120000 100000 80000 60000 40000 20000 0 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 Year 35mm Proj Fitted 79 80 81 82 83 84 85 86 本田シビックの販売推移のデータ 販売年月 販売台数 S t 累積販売台数 1996年1月 4,406 4,406 1996年2月 6,952 11,358 1996年3月 12,090 23,448 1996年4月 8,213 31,661 1996年5月 8,201 39,862 1996年6月 7,640 47,502 1996年7月 7,174 54,676 1996年8月 4,015 58,691 1996年9月 6,296 64,987 1996年10月 5,295 70,282 1996年11月 4,989 75,271 1996年12月 4,289 79,560 S (t ) t 推定結果 市場規模 イミテーション率 イノベーション率 91023 0.114 0.118 パラメータ 期間 S t N 100% (a) S (t )(b)N 100% 100% - (b) 0 0.00% 0.00% 100.00% 1996年1月 1 7.61% 7.61% 92.39% 1996年2月 2 8.05% 15.66% 84.34% 1996年3月 3 8.58% 24.24% 75.76% 1996年4月 4 9.02% 33.26% 66.74% 1996年5月 5 8.96% 42.22% 57.78% 1996年6月 6 8.62% 50.84% 49.16% 1996年7月 7 8.04% 58.88% 41.12% 1996年8月 8 7.28% 66.16% 33.84% 1996年9月 9 6.75% 72.91% 27.09% 1996年10月 10 5.79% 78.70% 21.30% 1996年11月 11 4.85% 83.55% 16.45% 1996年12月 12 3.86% 87.41% 12.59% 13 2.92% 90.33% 9.67% … … … … 26 0.08% 99.87% 0.13% 販売年月 t バスモデルのグラフ 100% 90% 80% 割合 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 期間 観測値 t期の採用者割合 累積採用者割合 宿題 • データ:スカイパーフェクトTVの個人契約者数 • 最初の6ヵ月間のデータ(2000年10月~2001年3 月の新規受付)を用いてバスモデルのパラメータを 推定しなさい。 • パラメータの推定値を用いて、2001年4月~2005年 3月までの新規契約者数を予測しなさい。 • 観測値と予測値のグラフを作成しなさい。 • 提出期限:2007年10月23日
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