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資料1
発達障がい児者総合支援事業の進捗状況と評価(案)
平成27年8月
大阪府 障がい者自立支援協議会
発達障がい児者支援体制整備検討部会
目
次
1.早期発見から早期発達支援へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
2.医療機関の確保等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
3.発達支援体制の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
4.学齢期の支援の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
5.成人期の支援の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
6.家族に対する支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
7.相談支援の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
8.支援の引継のための取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
9.府民の発達障がい理解のための取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
1.早期発見から早期発達支援へ
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿






府内全市町村の1歳半6か月健診、3歳児健診で使用される問診票が、発達障がいの視点を取り入れた内容となっている。
府内全市町村において、1歳6か月児健診から3歳児健診までの間における早期発見のための取組が実施されている。
今後の検証等を踏まえ、ゲイズファインダー等を使った健診体制が確立している。
乳幼児健診を担当する府内市町村の保健師が、発達障がいに関する研修を受講している。
府内の幼稚園において、発達障がいに関する研修を受講した教諭がいる。
府内の保育所において、発達障がいに関する研修を受講した保育士がいる。
総合支援事業の進捗と成果
市町村乳幼児健診問診票改定
 発達障がいの早期発見のための問診項目の提示と市町村の
問診票改定支援
 問診項目手引書の策定(H25)
⇒同補足版の策定(H27予定)
 新問診票について、大阪大学との共同研究により発達障がい
 新問診項目について、大阪大学との共同研究により発達障が
のスクリーニングに有用な指標になるとの結論
 いのスクリーニングに有用な指標になるとの結論(H26)
問診票改定市町村数:1歳半→37市町村、3歳→38市
 問診票改定市町村数:39市町村(H27予定含む)
町村(H27予定含む)
乳幼児健診等におけるゲイズファインダーのモデル活用
 市町村乳幼児健診時のモデル活用(泉大津市・千早赤阪
村・守口市・貝塚市・河南町※)(H27見込含)
※ 他に池田市が独自実施
 府立の病院における活用(精神医療センター・母子保健総合
医療センター)
保健師研修
 研究により、ゲイズファインダーが発達障がいの早期発見の指
標となりうるとの結論
 保護者アンケートにより、保護者が子どもの発達を理解するう
えで助けになったとの回答
保育士・幼稚園教諭研修
 保健師研修:43市町村 229人(H25~26)
 保育士・幼稚園教諭研修(3日間コース)
・合同講座:42市町村 591人(H25~27)
・保育士研修:23 市町村 76人(H26~27)
・幼稚園教諭研修:32市町村 130人(H25~27)
 保健師研修については、全市町村が参加
(保健センター保健師のうち約30%が参加)
 保育士・幼稚園教諭研修については、42市町村が参加
※別途市町村が独自に研修(36市町村)及び巡回支援を実施
(39市町村)
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評価
 1歳6か月・3歳児の問診票については、平成25年度に府が発達障がいの早期発見のための問診項目を提示し、これ
に基づき市町村が問診票の改訂を行っており、平成27年度末で約9割の市町村が改訂される予定。
 また、大阪大学との共同研究により、府が提示した問診項目は、乳幼児健診における発達障がいのスクリーニングのた
めの有用な指標になるとの結論が示されている。
 さらに、保健師研修については、昨年度までに全市町村から229名が研修に参加しており、これらのことを踏まえると、乳
幼児健診時におけるクリーニング体制は強化されていると言える。
 一方、ゲイズファインダーについては、この間のモデル実施において、保護者が子どもの発達を理解するうえでの一助になっ
たという評価が寄せられている。また、研究により、ゲイズファインダーが発達障がいの早期発見のための指標となりうること
がすでに示されており、今後は、市町村の健診現場において広く普及していくことが課題となる。
 保育士・幼稚園教諭等に対する研修については、この間基礎的な講座で591名、3日間コースの研修で計206名を
養成してきた。また、36市町村で独自研修が実施されているほか、39市町村で保育所・幼稚園等への巡回支援が行
われており、保育所・幼稚園における発達障がいの可能性のある児童の対応力は次第に高まりつつあると言える。
 発達障がいに関する研修が多くの市町村で実施されている一方で、府が実施する保育士・幼稚園教諭研修のうち、演
習を含めた3日間コースの研修については各園からのニーズが高く、より実践に即した研修の機会が求められていると言
える。
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2.医療機関の確保等
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 発達障がいの診断等が行える医療機関の情報について、関係機関で共有できるネットワークが構築されている。
 発達障がいの診断等が行える医療機関の情報について、府民がアクセスしやすいようホームページ等を通じて公表されている。
総合支援事業の進捗と成果
専門医師養成研修の実施
 臨床での実習も含めた専門医師養成研修の実施
:30人(H25~26)
※ 他に、小児科医、精神科医を対象とした最新の診療
情報等を提供する研修を実施
 発達障がいの診断等にかかる医療機関ネットワークへの
登録:29医療機関
評価
 平成25年度以降、従前の発達障がいに関する医師向けの研修に加え、臨床での実習を踏まえたより専門的な教育
養成コースを設定し、発達障がいの診断ができる医師の養成を行ってきた。
 そのカリキュラムは、療育の現状や学校での実践、発達障がいに関する最新の知見等多岐にわたっており、総じて参加
者の満足感も高くなっている。
 一方、発達障がいの協力医療機関として登録された医療機関は29か所にとどまっている。
 今後も専門医師の養成と、協力医療機関の拡充を進めていくとともに、医療機関の情報について府民がアクセスしやす
いようホームページ等を通じた公表の検討についても行う必要がある。
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3.発達支援体制の充実
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 府内全域に発達障がい児に対する支援を行える事業所が存在している。
 療育拠点が実施する児童発達支援センター等の機関支援等実施機関120か所。
 二次医療圏域ごとに、発達障がい児の支援体制の整備にかかわるネットワークが構築されている。
総合支援事業の進捗と成果
府発達障がい児療育拠点の地域支援機能の強化
 発達障がい児療育拠点(府内6か所)による地域の障
がい児通所支援事業所に対する機関支援等を実施
 機関支援実施事業所数:100事業所(H24~26)
※ 発達障がい児療育拠点においては、373人の個別療育を実施
(H27)
 機関支援を受けた事業所がある市町村:25市町村
 機関支援を受けた事業所アンケート調査中
 独自の個別療育実施市町村数:8市町村
(定員397人)(H27)
 個別療育を提供している市町村:37市町村(H27)
(療育拠点活用含む)
評価
 大阪府においては、府内6か所の発達障がい児療育拠点を整備し、個別療育を実施してきたが、平成24年度以降
は、児童福祉法改正を踏まえ、療育拠点による地域の障がい児通所支援事業所に対する人材育成や機関支援など
を行ってきた。
 このような取組の結果、独自で個別療育を実施する市町村は、8市町村、定員397人となっており、発達障がいの専
門療育の場は徐々に広がりつつある。
 一方、大半の市町村では、依然療育拠点を活用した個別療育を実施しており、さらに昨今の放課後等デイサービス事
業所等が増加(平成26年度末現在:児童発達支援192、放課後等デイサービス304)し、これらの事業所に発達
障がい児が通うことが想定される中、引き続き障がい児通所支援事業所に対する支援について検討する必要がある。
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4.学齢期の支援の充実(①通常の学級に在籍する児童生徒への支援)
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 「授業内容がわかる」子どもを増やす → 全国平均をめざす(H27)
総合支援事業の進捗と成果
通常の学級等における発達障がい等支援事業
◆実践研究校園(7市18校園)にアドバイザリースタッフ
(学識経験者)を派遣し、「わかる・できる」授業づくり、集
団づくりの実践研究を進め、その成果を普及する。
通級指導教室の充実・活用
◆国定数を活用して通級指導教室を充実させ、指導の専門
性やノウハウを発揮して通常の学級における授業づくりや集
団づくりに活かす。
◆平成25年からの2年間で、事業報告会(3回)及び
フォーラム(1回)を実施し、計約2,900名が参加した。
◆実践研究校園における成果をまとめた冊子を作成し、府
内すべての学校に普及を図る。
◆昨年度より小・中合わせて6教室増設置し、平成27年
度は219教室を設置した。
評価
 実践研究校園において、互いを認め合う集団づくりや、教室の学習環境の整備や教材の視覚化、学習時のグループ活
動の工夫等の授業づくりについての実践研究を行い、その成果の周知のため、フォーラムを開催した。参加者からは、「具
体的な配慮や取組みの工夫を学んだ。学校へ持ち帰って広めたい。」などの声があった。
 また、2年間の実践研究の成果を冊子にまとめ、府教育委員会のホームページ上に掲載するなどして、府内の全ての学
校園への普及を図っている。
 平成27年度、全市町村に小・中学校の通級指導教室を設置し、各地域におけるリソースとして活用を図っている。
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4.学齢期の支援の充実(②高等学校における支援)
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 発達障がいのある生徒について、個々の特性を把握する手法と適切な指導・支援について全府立高校に共有されている。
 支援を要する生徒について、個別の教育支援計画が作成されている。
総合支援事業の進捗と成果
高校生活支援カードの実施


全府立高校が対象。入学時に生徒・保護者に記入していただく。
生徒の状況や保護者のニーズを把握し、高等学校卒業後の社会的
自立に向けて学校生活を送れるよう適切な指導・支援の充実につな
げる。
 中学校までの支援内容等の状況把握及び生徒支援につ
ながった。
高等学校における発達障がい等支援事業
 臨床心理士の配置:4校を研究校として指定。
各校年間24回(H25~27)
 研究校における現状や課題、今後の方向性について、支
援教育推進フォーラムを開催し、他校への普及を図った。
評価




研究校からは、生徒個々の特性を把握する手法について理解することができたという回答。
発達障がいのある生徒について、個々の特性を把握する手法や適切な指導・支援について他校への普及を図った。
個別の教育支援計画を作成している学校数の割合も増加している。【47.1%(H25)⇒54.3%(H26)】
引き続き、個々の特性を把握する手法について府立高校へ普及を図る必要がある。
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5.成人期の支援の充実(①気づき支援)
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 府内全市町村において、発達障がいの可能性のある人に対して、支援が適切に行われている。
総合支援事業の進捗と成果
発達障がい者気づき支援事業
 府内10か所のひきこもり支援機関において発達障がいの
可能性のある人の相談に対応するとともに、市町村生活
困窮者自立相談支援窓口との協働・連携を実施
 相談実績:450人(延べ3,496人)(H25~26)
 生育歴聞き取りシート(さくらそうシート)の活用:59人
(H25~26)
 支援前後の変化:ひきこもり支援機関における支援によ
り、本人の社会参加等の状況は有意に改善(H26)
 協働した市町村の感想:「専門支援機関としてのアドバ
イスが本人が動いていくきっかけになった。」「持続的な支援
を通じて、本人自身の特性理解につながった。」
 「相談窓口のための発達障がい者支援プログラム」の開発
(H26)⇒同応用編の開発(H27予定)
評価
 平成25年度よりひきこもり支援機関である子ども・若者自立支援センターにおいて、発達障がいの可能性のある人に対
する相談を行うとともに、平成26年度以降は、生活困窮者自立支援制度に係る自立相談支援窓口との協働・連携
も実施してきた。
 また、平成26年度以降は、国の発達障害者支援開発事業に採択され、「相談窓口のための発達障がい者支援プロ
グラム」を策定している。
 今後は、ひきこもり、生活困窮・生活保護、就労等広範囲の相談機関において、発達障がいの基礎理解や気づきのた
めの視点を含む支援スキルを普及させていく必要があることから、今年度作成する応用編も含めて、支援プログラムの周
知を図っていく必要がある。
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5.成人期の支援の充実(②地域の支援機関のスキルアップ)
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 府内全域に発達障がい者に対する支援を行える事業者が存在している。
総合支援事業の進捗と成果
発達障がい者支援コーディネーター派遣事業
 発達障がい者支援センター(アクトおおさか)等が、相談
支援事業所、就労移行支援事業所等に対して、コーディ
ネーターを派遣し、機関支援等を実施。
 機関支援事業所数:59事業所(H25~26)
 地域の支援マップの作成(H26)
 機関支援等を受けた事業所に対しアンケート調査を実
施したところ、「発達障がいの特性理解がより深まった」、
「視覚化やコミュニケーション方法等学ぶことができ日常
の支援に活かせた」等の評価を得た。
 「障がい福祉サービス事業所等に係る支援マニュアル
(仮)」の策定(H27予定)
評価
 これまで、地域の就労移行支援事業所や障害者就業・生活支援センター、地域活動支援センターなどの障がい者の
就労支援や生活支援を行う機関において、発達障がい者支援コーディネーターを派遣し、機関支援等を行ってきた。
 この間の支援を受けた事業所からは、「発達障がいの特性理解がより深まった」、「視覚化やコミュニケーション方法等学
ぶことができ日常の支援に活かせた」、「事例検討は実践に活かすことができ、支援力の向上につながった」などの評価を
得ている。
 平成27年度においては、これまでの支援事例の積み上げにより「障がい福祉サービス事業所等に係る支援マニュアル
(仮)」を作成する予定であり、今後はこのマニュアルに基づき支援機関が適切な支援を実施できるよう周知を図っていく
必要がある。
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5.成人期の支援の充実(③雇用・職場定着の促進)
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 平成30年4月からの精神障がい者の雇用義務化を見据え、平成29年度までに大阪の民間事業主の実雇用率が法定雇用率
の2.0%以上となっている。
総合支援事業の進捗と成果
発達障がい者雇用支援事業
 発達障がい者の雇用拡大につなげるための人材育成と企業等
における雇用の啓発、実例集を作成
 発達障がい者の雇用啓発リーフレット及び事例集の作成
(H25年度事業終了)
成長産業企業活用人材育成事業
 失業者を「精神障がい者定着支援サポーター」として雇用し、
企業の人事担当者や、精神障がい(発達障がいを含む)のある
従業員への職場適応を支援し、職場定着を促進する
雇用・職場定着への支援
 精神・発達障がい者職場サポーター養成研修事業の実施
 精神・発達障がい者雇用管理普及事業の実施
 8名の失業者をサポーターとして雇用し、116名を支援(うち
発達障がい者35名・H26年度事業終了)
 職場サポーターを養成し自社での職場定着に向けた協力体
制を構築 受講者数:平成26年度103名
 障がいのある従業員のセルフコントロールを企業がサポートする
ための雇用管理手法の普及
導入件数:平成27年6月現在50件
発達障がい者対象の職業訓練
 大阪障害者職業能力開発校、芦原高等職業技術専門校、
多様な委託訓練において発達障がい者対象職業訓練の実施
 就労に向けて社会生活技能訓練や職場体験実習を通じて
職場適応能力を養成 訓練生数:平成26年度21名
評価




雇用する企業等に対して、発達障がい者の雇用啓発、職場定着への支援を行ってきた。
平成26年度においては、職場サポーター養成研修で定員(100名)を超える103名のサポーター養成を行った。
さらに、精神・発達障がい者の雇用管理手法の普及として、50件の導入を行っている。
平成30年の障がい者雇用率改定を見据え、引き続き雇用する企業等への理解の促進、定着支援の強化が必要。
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6.家族に対する支援
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 府内全域において、「ペアレント・トレーニング」等の保護者に対する支援プログラムが実施されている。
 大阪府において、「ペアレント・メンター事業」が実施されている。
 福祉と教育の連携による家族支援を実施する市町村数が増加している。
総合支援事業の進捗と成果
ペアレント・トレーニング等の実施
 療育拠点におけるペアレント・トレーニング等の実施:
6拠点及び10市町村(H25~27、予定含む)
 ペアレント・トレーニングインストラクターの養成:
29市町村72名(H26~27)
ペアレント・メンター事業の推進
 ペアレント・メンター養成数:29人(H26)
福祉と教育との連携による家族支援の推進
 市町村教育委員会が設置している家庭教育支援チーム
等に対し、発達障がいの専門知識を持つコーディネーター
を派遣
 10市町村教委(H26)
 市町村独自のペアレント・トレーニングの実施:10市町村
 梅花女子大との共同研究によるペアレント・トレーニングの
評価:ペアレント・トレーニングを受けた保護者について
「親のストレス」「家族の自信度」ともに有意に改善
 市町村の感想「子育てに自信のなさや不安を抱えていた
保護者が、プログラムに参加することで成功体験を積み重
ね、自信をつけていく様子が伺えた」
※ 平成27年度~ペアレント・メンターの具体的な活動に向
けて市町村と調整中
 派遣を希望する全家庭教育支援チーム等が一定の発達
障がいに対する支援スキルを獲得
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評価
 ペアレント・トレーニングについては、平成25年度から大阪府発達障がい児療育拠点において実施するとともに、療育拠
点が府内市町村の保健センター等に出向き、実施してきた。
 ペアレント・トレーニングによる効果については、梅花女子大学との共同研究により、ペアレント・トレーニングを受けた保護
者について、「親のストレス」「家族の自信度」ともに有意に改善され、その効果が明らかになっている。
 このため、府内全域において「ペアレント・トレーニング」等の家族支援が展開されるよう、特にペアレント・トレーニングイン
ストラクターの養成を進めていくべきである。
 ペアレント・メンター事業については、平成26年度に養成を開始したところであり、実質的な活用については今年度から
市町村が実施する研修会等への派遣という形で開始されており、まずはその実績を積み上げていく必要がある。
 福祉と教育の連携については、府内市町村教育委員会の派遣を希望する全ての「家庭教育支援チーム等」に対して、
アクトおおさかによる機関支援を実施したところ、「発達障がいの特性理解につながった」、「具体的表現や視覚支援の
重要性が理解できた」、「今後の活動に役立てていきたい」等の声が聞かれるなど、一定の発達障がい支援スキルの獲
得につながった。
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7.相談支援の充実
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿

府内全域において発達障がい児者の相談窓口となる相談支援事業所が整備されている。
総合支援事業の進捗と成果
アクトおおさかにおける専門的な相談支援と
相談支援事業所への機関支援等
 府における発達障がいに関する拠点として、専門的な相
談支援を実施(相談実績:支援実人数1,230人、延べ
3,234人(H26))
 発達障がい者支援センター(アクトおおさか)が地域の相
談支援事業所に対し、機関支援を実施(機関支援実績:
26相談支援事業所(H23~27) ※H27.7月末現在
◆機関支援等を受けた事業所に対しアンケート調査を実施し
たところ、「視覚化やコミュニケーション方法等学ぶことができ
日常の支援に活かせた」、「事例検討は実践に活かすことが
でき、支援力の向上につながった」等の評価を得た。
◆「発達障がいに対応できる相談支援事業所等を確保してい
る」と回答した市町村:42市町村(H27)
◆「障がい福祉サービス事業所等に係る支援マニュアル (仮)」
の策定(H27予定)[再掲]
評価
 発達障がい者支援センターの主な役割が、直接支援から間接支援にシフトする中、府においては、平成23年度以降、市町村
相談支援事業所に対する機関支援等を実施し、発達障がいに対応できる相談支援事業所の確保に努めてきた。
 市町村アンケートによると、42市町村で「発達障がいに対応できる相談支援事業所等」を確保していると回答している
が、そのうち、アクトおおさかの機関支援を受けた事業所のある市町村は、26(60%)となっている。
 今年度アクトおおさかが中心となり策定予定である支援マニュアルに基づき、適切な相談支援が行われることが望まれる。
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8.支援の引継のための取組
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 府内全市町村において支援の引継のための仕組みが構築されている。
総合支援事業の進捗と成果
発達障がいのある方のための支援の引継等
に関する手引の策定
 発達障がいのある人が、ライフステージの変化に影響される
ことなく、適切な支援が次のステージへ引き継がれるよう、
「発達障がいのある方のための支援の引継等に関する手引」
を策定(H26)
 「サポートファイル等を作成している」と回答した市町村
数:19市町村(個別の教育支援計画を除く)
 「支援の引継のための場を設定」等支援の引継のための
取組を実施していると回答した市町村数 29市町村
評価
 府においては、平成26年度、発達障がいのある方がライフステージの変化に影響されることなく継続した支援が受けられ
ることを目的として「支援の引継に関する手引」を作成し、関係機関に配布を行った。
 一方、支援の引継のための取組を行っているとしている市町村は、幼稚園・保育所から小学校、小学校から中学校を
中心に29市町村となっている。今後市町村や発達障がい児者の支援者間において適切に支援の引継が行われるよう、
機会あるごとに、引継の重要性と、手引きについて、周知を図っていく必要がある。
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9.府民の発達障がいの理解のための取組
発達障がい児者支援プラン:H29までに目指すべき姿
 府及び府内全市町村において発達障がいに関する啓発活動が実施されている。
総合支援事業の進捗と成果
大阪府の取組
 発達障がい啓発週間の取組
・発達障がいシンポジウムの開催:参加者141人(H27)
・ブルーライトアップ:大阪城・通天閣・太陽の塔
(H26~27)
・ガンバ大阪の協力による啓発ポスター(H26)
 リーフレット関係
・乳幼児健診リーフレット(H25)
・医療機関向けリーフレット(H26)
市町村の取組
 広報誌の掲載:38市町村
 市民向け啓発研修会、講演会、パネル・ポスター掲示
等:17市町村
 ブルーライトアップ:1市
評価
 府においては、平成25年度以降、発達障がい啓発週間を中心に、シンポジウムやライトアップ等による啓発活動を進め
てきた。また、平成25年度には乳幼児の保護者に対する理解促進のためのリーフレット、平成26年度には医療機関向
けリーフレットを作成・配布し、各々の関係者に対して発達障がいに関する理解促進に努めた。
 市町村においても、平成25年度以降広報誌への啓発も含め、啓発活動が広がりつつある。
 一方、このような啓発は一朝一夕に効果が表れるものではなく、また特に平成28年4月から施行される障害者差別解
消法において位置付けられた「合理的配慮」の考え方を広く普及させる必要があることから、引き続き同様の取組が重
要である。
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