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ミクロ経済学
(4) 供給と均衡
丹野忠晋
跡見学園女子大学マネジメント学部
2015年5月18日
復習/1

価格とは英語で
price

数量を英語で
quantity

需要を英語で
demand
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ミクロ経済学 4
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復習/2
かき氷の価格
イチローのかき氷
に対する需要曲線
価格から数量を見る
100円
需要曲線の見方
かき氷の数量
6杯
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復習/3
P
嗜好変化後の
需要曲線
当初の需要曲線
辛党が増えたとする
(嗜好の変化)
かき氷の需要曲線
の左シフト
Q
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供給

どのくらいアルバイトをするか?売り手を考える

かき氷,アルバイト,労働,資金提供(貸し出し)

供給においても一番重要なのはその価格

供給とは家計や企業が特定の価格で販売したいと
考えている財やサービスの数量

供給は英語で何という?
supply

頭文字を取って記号Sで省略する
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個別供給曲線

時給が900円から1000円へアップしたのでアルバ
イト時間を増やした

ある人や企業の財やサービスの提供行動を描写

個別供給曲線とはある経済主体の様々な価格の下
で供給量がいくらになるかをグラフに表したもの

これは一種の販売スケジュール

縦軸に価格 P

横軸に供給量(数量)Q
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真央のかき氷の供給表
–
真央はかき氷価格
500円で10杯市場に提
供する
– 価格が150円に下落す
ると7杯しかつくらない
– 1/2杯なども可能とす
る
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価格
供給量(杯)
500
10
300
9
200
8
150
7
125
5
100
2
75
0
50
0
ミクロ経済学 4
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ミクロ経済学 4
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供給曲線の特徴

自分は,時給が安ければ働かない,しかし高く
なれば働こうと考える

かき氷の価格が100 円以下では採算が合わないの
で市場にまったく供給しない

供給曲線は右上がり
 かき氷の値段が高くなればなるほどもっと売って
儲けようと考える

縦軸の価格から横軸の数量を見る
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供給曲線の見方
かき氷の価格
真央のかき氷
に対する供給曲線
価格から数量を見る
150円
かき氷の数量
(杯)
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ミクロ経済学 4
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価格の上昇
真央のかき氷に対する供給曲線
かき氷の価格
500円
右上がりは価格が上昇
すると供給が増えること
を意味する
150円
かき氷の数量
7杯
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10杯
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供給の法則

供給曲線は右上がり=正の相関関係

これを供給の法則と呼ぶ

価格が上昇すれば売上げが上がる

その結果,もっと販売量を増やそうとする

各経済主体は個別供給曲線を持っていると考える

生産の上手と下手で各企業の供給曲線は異なる
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真央よりかき氷生産が不得意な明子の
供給曲線
価格
供給量(杯)
かき氷の価格
明子のかき氷
に対する供給曲線
125円
真央のより
左に供給
曲線があ
る
4
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ミクロ経済学 4
500
9
300
8
200
6
150
5
125
4
100
1
75
0
50
0
かき氷の数量
(杯)
13
2人の供給曲線の比較
かき氷の価格
どんな価格でも真
央の供給が大きい
真央のかき氷
に対する供給曲線
125円
4 少ない
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明子のかき氷
に対する供給曲線
ミクロ経済学 4
5 多い
かき氷の数量
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市場供給曲線

個々の供給から市場全体の供給へ

ある財の市場供給とは,すべての売り手が
所与の価格の下で供給したいと考える財の
総量

市場供給を縦軸を価格および横軸を数量の
グラフに表したものが市場供給曲線

ここでも市場と個別を省略する場合がある

真央と明子の二人しかいない市場
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市場供給曲線の作り方
P
真央の
供給曲線
明子の
供給曲線 P
P
かき氷の
市場供給曲線
125円
Q
5
Q
4
9
Q
個別供給曲線を水平に足し合わせると市場供給曲線
5+4=9
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ミクロ経済学 4
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市場供給曲線のシフト
青い関係が供給曲線
価格

自然環境
供給量
投入物の価格
価格以外の供給に対する影響要因が変化す
ると供給曲線が変化する=シフトする

冷害が起こってお米の不作

お米の供給曲線は左にシフト
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ミクロ経済学 4
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冷害になるとお米が取れなくなる
お米の価格
新しい供給曲線
当初の供給曲線
P0
Q1
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Q0
ミクロ経済学 4
お米の数量
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米の供給曲線の左シフト
P
冷害以降の
供給曲線
冷害の被害に遭う
(自然環境の変化)
当初の供給曲線
Q
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ミクロ経済学 4
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投入物価格の変化と供給曲線のシフト

かき氷を作るには水,冷凍庫,電力,かき氷
機,シロップが必要

労働,機械,資金などのような投入物は,あ
るものを生産するのに必要な財やサービス

投入物の価格の変化が大きなシフト要因

氷やシロップの値段が下がるとかき氷が安く
生産できる → 供給曲線は右にシフトする
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投入物価格の変化による供給曲線
のシフト(シロップ価格の下落)
かき氷の価格
当初の供給曲線
新しい供給曲線
P0
供給曲線の右シフト
かき氷の数量
Q0
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Q1
ミクロ経済学 4
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技術と自然環境の変化
 技術の変化:

新しい農機具が出来てお米が作りやすくなる

手動式から電動かき氷機

情報通信技術が発展して生産が効率的
 自然環境の変化:
冷害
大地震や大津波で畑が水浸し→供給が減る
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信用と予想
 信用度
企業は多額の資金を借り入れる
信用とは将来の返済を信じてお金を用立て
ることを認めること
 予想の変化
将来かき氷価格が高くなると予想すれば氷
の一部を保存し,今期の供給は減らす
ギリシャが危ない→ユーロ売り→右シフト
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二つの変化の注意:供給曲線のシフト
と供給曲線上の動き

2つの変化を区別することが重要
1.
供給曲線上の動きによって生じる変化
価格の変化(供給曲線は不変)

供給曲線のシフトによって起こる変化
2.

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価格以外の要因の変化
ミクロ経済学 4
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供給曲線上の動きによる数量変化
P
供給曲線上の動き
B
価格の変化
P1
供給曲線自体は
変化していない
A
P0
Q
Q1
Q0
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ミクロ経済学 4
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供給曲線のシフトによる変化
P
当初の供給曲線
新しい供給曲線
価格以外の
要因の変化
P0
供給曲線はシフト
Q0
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Q1
ミクロ経済学 4
Q
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需要・供給の法則

はさみは二つの刃で仕事する

経済学者は需要と供給の組合せで経済を分析

現実の価格と取引される数量は,需要と供給
が等しくなる水準で決定される

需要曲線と供給曲線を同じ図上に描く

両曲線の交点を均衡という
 均衡ではすべてがバランスしている状態
 需要と供給が一致している落ち着き先
 均衡では経済主体は行動を変える動機を持たない
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ミクロ経済学 4
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市場均衡
P
D 市場需要曲線
均衡価格
P*
S 市場供給曲線
均衡
E
Q*
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ミクロ経済学 4
均衡数量
Q
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均衡価格と均衡数量

均衡点 (きんこうてん) E
 需要曲線と供給曲線の交点

均衡価格 P*
 需要と供給を一致させる価格を均衡価格

均衡数量 Q*
 均衡価格に対応する取引量を均衡数量

現実の価格は均衡価格として近似できる
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均衡とは何か

均衡価格では買い手が買いたいと思っている量
と売り手が売りたいと思っている量が釣り合う

それは,需要と供給を決めるときに自分がその
価格で取引したいと思った数量を定めたから

すべての市場参加者が納得して取引

その価格で需要と供給が清算(せいさん)される

もし価格が操作できても均衡価格に戻る

もし高い価格で売ろうとしても売り手には誰も
買い手が付かない ミクロ経済学 4
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超過供給


価格P1でAからBの売れ残り・余りが発生する
この売れ残りを超過供給という
P
D
A
S
余り
B
P1
P*
均衡
需要量
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Q*
ミクロ経済学 4
供給量
Q
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超過需要


価格P2でCからDの不足・買いそびれ・行列の発生
不足を超過需要という
P
D
S
P*
P2
均衡
C
供給量
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不足
Q*
ミクロ経済学 4
D
需要量
Q
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均衡まとめ
P
価格が高いと
D
物余り
S
P1
均衡点では全員が
この取引を変更する
インセンティブを
持たない
P*
P2
価格が低いと 物不足
Q*
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ミクロ経済学 4
Q
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需要・供給の法則

需要・供給の法則とは
競争的な市場経済においては実際の取引価
格が均衡価格になる傾向がある
 均衡の外の超過供給には価格下落圧力
超過需要には価格上昇圧力がかかる
 現実の価格は均衡から外れる場合もあるが
必ずそこへ復帰する力が働いている
 ヤジロベエが真っ直ぐな姿勢に戻る如く
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ミクロ経済学 4
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復習/1

供給を英語で supply と言う

その価格以外の要因で供給曲線が変化するこ
とをシフトするという
 投入要素価格の変化~かき氷のシロップ価格
 技術進歩~新しい手段の開発
 自然環境の変化~天気,気象
 信用度~将来の返済が確かなこと
 予想~これから起こることを推し量る
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ミクロ経済学 4
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復習/2
かき氷の価格
真央のかき氷
に対する供給曲線
価格から数量を見る
150円
かき氷の数量(杯)
7
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ミクロ経済学 4
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復習/3
P
D 市場需要曲線
S 市場供給曲線
均衡
需要曲線と
供給曲線
が交わる
P*
Q*
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ミクロ経済学 4
Q
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