ウイルス肝炎 勉強会資料

C 型 肝 炎
TaqManPCR 法の概要について
測定レンジ
既存
次世代
□ ハイレンジ、オリジナル、定性の使い分けがなくなる
測定原理について-1
■ Taq Man PCR法
ロシュ社提供資料
図:COBAS TaqMan® Real time PCR ASSAY
測定原理について-2
■ アンプリコア法
至適サイクルでPCRサイクルを止め、
増幅産物の収量を定量している
ターゲット核酸のシグナル
増幅産物の収量
30
□ 測定感度がでない
□ 測定感度の頭打ち
0c HCV_0c QS
0c HCV RNA
101c HCV RNA
102c HCV RNA
103c HCV RNA
104c HCV RNA
105c HCV RNA
106c HCV RNA
107c HCV RNA
108c HCV RNA
AFL=1.5
25
20
15
■ Taq Man PCR法
5
PCRサイクル毎にTaqManプロー
ブが分解されて発せられる励起光
を検知している。
• 高濃度 :早いサイクル数で検知
• 低濃度 :遅いサイクル数で検知
0
□ ワイドレンジにて測定が可能
10
0
10
20
30
40
50
PCRサイクル数
60
ロシュ社提供資料
図:TaqMqnPCR反応イメージ図
励起(れいき):スル量子力学で、原子や分子が外からエネルギーを与えられ、もとのエネルギーの低い安定した
状態からエネルギーの高い状態へと移ること。
アンプリコア法との相関
コバス TaqMan HCV 「オート」
>7.8
7.8
Y = 1.21x - 0.85
r = 0.976
n = 244
p < 0.001
7.0
6.0
Genotype 1a/1b
>7.8
7.0
5.0
3.0
Gt 1a(n=1)
Gt 1b(n=210)
検出せず
<2.7
5.0
3.0
5.0
7.0 >6.7
アンプリコアHCV モニター v2.0 (Log IU/mL)
ハイレンジ/オリジナル
4.0
(Log IU/mL)
3.0
コバス TaqMan HCV 「オート」
コバス TaqMan HCV 「オート」 (Log IU/mL)
(Log IU/mL)
2.0
1.2
検出せず
<2.7
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
> 6.7
アンプリコアHCV モニター v2.0 (Log IU/mL)
ハイレンジ/オリジナル
Genotype 2a/2b
>7.8
7.0
5.0
3.0
Gt 2a(n=29)
Gt 2b(n=12)
検出せず
<2.7
3.0
5.0
7.0 >6.7
アンプリコアHCV モニター v2.0 (Log IU/mL)
ハイレンジ/オリジナル
(狩野吉康:医学と薬学,58(1):137-149,2007)
HCV RNA定量(リアルタイムPCR)の報告形態
HCV RNA定量(Log IUmL)
1.2 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 7.8
測定結果
定量下限未満
HCV増幅
検出
反応シグナル せず
検出せず
検出
定量範囲内
検出
定量下限以上
検出
1.2 Log IU/mL未満 1.2~7.7 Log IU/mL 7.8 Log IU/mL以上
報告形態
測定感度
100%
コバス TaqMan HCV 「オート」
アンプリコア HCV v2.0 (定性)
検出率
75%
50%
25%
0%
100
50
30
15
10
陰性
パネル濃度(IU/mL)
(狩野吉康:医学と薬学,58(1):137-149,2007)
検体量
□ アンプリコア法に比べTaqManPCR法は検体量が増加
容器の追加
HCV RNAの高感度化による治療法の変化
Non responder
Rebounder
50IU/ml
(1.7 log/ml)
1.2 log/ml
12
SVR
13
Late responder
Late responder
平成18年度のgenotype1、高ウイルス量症例に対する
Peg-IFN+リバビリン併用療法のガイドライン(補足)
1. 12週以内にRNA陰性化例
48週併用療法でSVRを期待
2. 13週から24週までにRNA陰性化例
72週の併用療法長期継続でSVRを目指す
3. 高齢、合併症併存、Hb・WBC低値例など通常量で
の治療では副作用中止が予測される症例
減量開始、あるいは、早期に減量して(48-72週)完遂を目
指す
4. 24週目でRNA陽性かつALT正常化例
48週の治療継続により長期ALT正常化維持を目指す
日本におけるHCV Genotypeの比率
1a
2.6%
1b
2a
2b
64.4% 16.9% 12.4%
3a
1.3%
3b
0.0%
Mix
2.4%
(n=379)
1b型はインターフェロンに対する反応性が悪い
(Ohno T,et al:J Clin Microbiol 35(1):201~207,1997.)
HCV群別(グルーピング)の測定領域
・HCV抗体は高感度に検出するための領域設定
・HCV群別は型を分類するための領域設定
→HCV抗体が陽性であっても判定できない場合がある
HCV群別(グルーピング)とPCR法との比較
HCV群別(グルーピング)
Geno
type
Type1
Type2
PCR法
計
グループ
1
グループ
2
41
0
41
0
16
16
計
判定保留 判定不能
3
3
6
6
1
7
50
20
70
一致率:81.4% 判別率81.4%
(国際試薬社資料)
HCV RNAコアジェノタイプ
■特
徴■
・HCVの遺伝子型を6つのタイプ(1a、1b、2a、2b、3a、3b)
に分類判定
・抗ウイルス療法における治療効果予測に有用
・遺伝子型を指標とした感染源の同定や感染経路に推定
に有用
HCV RNAコアジェノタイプの測定方法
HCV1b-IFN/RBV変異
HCV genotype1b高ウイルス量の患者群において、HCVコアたん
ぱく質のアミノ酸番号70と91のアミノ酸変異によりウイルス学的無効
例と有効例に判別予測することができると虎の門病院より報
告があった。
本検査は、ダイレクトシーケンスデータからアミノ酸変異を推定し、70番、
91番に変異型、野生型、その他変異型、拮抗型に分けて報告
する。
70
91
Q:グルタミン M:メチオニン
ウイルス学的無効例
HCV RNA 1b(NS5A)
本検査は、HCV RNAを抽出し、NS5A領域をRT-PCRを用い
て増幅します。
得られた増幅産物をダイレクトシーケンス(サンガー法)によ
りNS5A領域内の40アミノ酸(aa2209-2248)の解析を行い、
prototypeHCV-1bであるHCV-Jのアミノ酸変異数を報告します。
項目コード
検査項目
検体量
(ml)
容器
保存
所要日数
検査方法
基本単価
2240-3
HCV RNA 1b(NS5A)
血清 0.5
P1
絶凍
10~14
サンガー法
30,000円
変異したアミノ酸を報告する場合、50,000円となります。
リバビリン血中濃度測定
■特
徴■
・HPLCによりリバビリン血中濃度を測定
・IFNとリバビリン併用療法における、治療効果の予測や
副作用の予測に有用
リバビリン血中濃度と治療効果との関係
(IFN-α2a+リバビリン併用療法)
定常状態で高濃度(2,500 ng/mL以上)ほど完全著効率が高い
(Tsubota A,et al:Br J Clin Pharmacol 55:360~367,2003.一部改変)