コンピュータウイルスと脆弱性 情報社会と情報倫理 第10回 始めに 自分でパソコンを持っていたら スマホでも 今日,話す内容に注意しないといけない 放置すると,どのようなことになるのか 次回の“メール”の話も関連 今日の内容 “コンピュータウイルス”とは ソフトウェアの“脆弱性”とは 被害者から加害者へ コンピュータウイルス コンピュータウイルスとは(1) 第三者のプログラムやデータベースに対して意 図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプ ログラム(経済産業省,“コンピュータウイルス対 策基準”) 最近はマルウェアと呼ぶことも であって,次のうち一つ以上の機能を有するもの コンピュータウイルスとは(2) 自己伝染機能 広がる 被害者を増やす 潜伏機能 すぐに被害がでない その間に,さらに広がる 発病機能 実際の被害は 被害が発生 他人の場合も ウイルスはプログラム(1) だから,実行しなければ大丈夫!? 何とかして,実行させようとする仕掛け 無料のゲーム WordやExcelのデータファイル マクロプログラムが含まれる場合がある 開いただけで感染 ウイルスはプログラム(2) 画像ファイルだと思って,ダブルクリックする 画像データ お宝画像.jpg 拡張子を偽装 .exe 空白が含まれるファイル名 のプログラム もっと手の混んだものもある 実行するとどうなるか(1) 変なことが起きる(発病機能) 被害例 ファイルが削除される ファイルなどをインターネットに送りだす などなど… 情報漏えいなど 一見,何も起きていないようなことも 実はこれが最近問題に 実行するとどうなるか(2) 被害例続き 脅迫ウイルス ファイルにアクセスできないようにする “身代金”を要求 実行するとどうなるか(3) 他に広がろうとする(伝染機能) USBメモリが接続されると,それにコピーし,そ のUSBメモリが他のパソコンに接続されると, そのパソコンに… アドレス帳に登録されているメールアドレス宛 に,添付ファイルとして送る などなど… いろいろな種類・被害がある 感 染 経 路 (1) USBメモリなどから 自動的に実行する設定にしてあると メールの添付ファイル(次回) インターネットのサイトからダウンロード・実行さ せる うっかりクリック 感 染 経 路 (2) 流行のサービスを狙った攻撃に注意! http://www.ipa.go.jp/security/txt/2010/05outlin e.html Twitterでうっかりフォローすると… 短縮URLに注意 ワクチンソフト(1) ウイルスを検出し,対処するソフト これを(最新の状態で)使っていれば大丈夫? ワクチンソフトにはいろいろあるが,すべてがす べてのウイルスに対応できるかどうかは? ワクチンソフト(2) 新種が出現 新種への対応が間に合わない場合がある 万能ではない 起 源 コンピュータウイルスの歴史。それは1972年から 始まった http://www.watch.impress.co.jp/broadband/new s/2001/12/07/virus.htm 正しくは1986年というべき(別の説もあり) ソフトウェアの脆弱性 脆弱性とは何か それを放置するとどうなるか ソフトウェアの脆弱性(1) 脆弱性とは 簡単に言えば,使用しているソフトウェアの “欠陥” “情報漏えい”などシステムの安全な運用を脅 かす原因になるもの 見落とされている“壊れている鍵”や“壁の穴” みたいなもの(必ずしも適切な例ではないが) ソフトウェアの脆弱性(2) 脆弱な点を突かれると,例えば(パスワードを入 力せずに) ファイルの読み書き 正体不明のプログラムの実行 などが可能になる インターネット経由で外部から,このようなことが 可能になる場合もある つまり,外部の者があなたのPCを利用可能 ソフトウェアの脆弱性(3) 脆弱性を狙う攻撃 脆弱性を狙うウイルス メールの添付ファイル Webサイトからダウンロードさせるなど ブラウザの脆弱性を狙う仕掛けをしたWebサ イトの閲覧 インターネットに接続しただけで,突かれる脆 弱性もある など 脆弱性の情報 いろいろなサイトで情報が公開される 開発者のサイト セキュリティ関連企業 公的機関 IPA 警察庁 など ニュースサイト(上記の情報の報道) 対 策(1) 脆弱性情報で指示される修正プログラム(パッチ )を入手し,適用する 古いソフトは修正プログラムが提供されなくな る場合も(Windows XP騒動) 修正ではなく,新しいものに置き換える場合もあ る(バージョンアップ) 利用中の他のアプリケーションとの関係で,これ らを実施できないことがある 対 策(2) 例 マイクロソフト Windows Update 対 策(3) 修正プログラムなどが提供されていない場合も ある “使用上の注意”で対応 “信頼のおけないサイトにアクセスしない” 脆弱性を狙った攻撃を受ける可能性 “信頼のおけるサイト”でも危ない場合がある 乗っ取られている場合がある 対 策(4) 使用しているすべてのソフトウェアに対して対策 をする インストールしたことを忘れていることがある おまけのソフト 意識せずに使っている かなりの注意が必要 しかし そもそも“脆弱性”という言葉すら知らない その情報が提供されていることを知らない ということがないように! 脆弱性の放置(1) 自分のパソコンには,重要な情報はない だから,脆弱性があってもかまわない 本当? 脆弱性の放置(2) パソコンを乗っ取られる場合がある ボット(bot) ネットワーク経由で外部の者の指示通りに命 令を実行する spamの送信(CENT Japan) Webサーバなどへの攻撃 ボットを集めたボットネット 闇市場で貸し出されていたりするらしい 脆弱性の放置(3) つまり,他人に危害を加える可能性がある 自分だけの問題ではない 加害者になっていることが分からない 乗っ取られたことが,はっきり分からない(よう になっている) 今日のまとめ ま と め(1) コンピュータウイルス 第三者のプログラムやデータベースに対して 意図的に何らかの被害を及ぼすように作られ たプログラム ま と め(2) いろいろな手段で侵入しようとする さらに別のところに拡散しようとする プログラムであり,実行することにより,いろいろ なトラブルが発生する 何とかして実行させようとする仕掛け 対策には,ワクチンソフトが有効であるが,万能 ではない ま と め(3) 脆弱性 ソフトウェアの欠陥で, システムの安全な運用を脅かす原因になる 脆弱性を突くことで,例えば,パスワードを入力 せずに ファイルの読み書き プログラムの実行 などが可能になる ま と め(4) 放置すると被害者なのに,加害者になることも ボット 対策は,脆弱性に関する情報を把握し,適切に 対応する 修正プログラムの適用(ソフトの更新) ま と め(5) サーバの脆弱性を狙われることも多い サーバを管理することになったら注意 ま と め(6) 基本原則 怪しげなメールを開かない 怪しげなサイトを避ける 怪しげなプログラムをダウンロード・実行しな い ワクチンソフトの使用 情報収集と対策実行,など ま と め(7) ただし,ウイルスや脆弱性に対する完全な対策 はない “外部との関係を完全に断つ” ま と め(8) 正当な理由なく,コンピュータウイルスを作成・保 管することは犯罪になる(刑法改正 6/17/11) 「ウイルス作成罪」盛り込んだ刑法改正案が 可決・成立 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/new s/20110617_453975.html ま と め(9) 携帯電話もインターネットに接続できるパソコン である 同じように危険がある 怪しげなアプリやJailbreakなどは特に危ない ま と め(10) インターネットに接続可能な家電製品 中味はパソコン 同様な危険がある ハードウェアに欠陥がある場合もある 人の脆弱性 補 足 人の脆弱性(1) 例 パスワード 簡単なもの 推測されやすいもの メモして他人に見られそうなところに貼る 人の脆弱性(2) ソーシャルエンジニアリング 人間に隙をついて,情報を不正に得る 上司を装い,社員のパスワードを聞き出す 銀行員を装い,暗証番号を聞き出す 顧客のふりをして,情報を聞き出す 振り込め詐欺
© Copyright 2024 ExpyDoc