広島南道路太田川放水路橋りょう の計画と設計

【地域事業の紹介】
太田川大橋建設事業について
広島市道路交通局道路部
油 野 裕
街路課長
和
太田川大橋建設事業について
広島市道路交通局道路部街路課
課長 油野 裕和
広島南道路太田川大橋
Ⅰ期区間
安芸の宮島
広島ヘリポート
(旧 広島西飛行場)
太田川放水路
デザイン提案競技の概要①
選
考 方
法
応募方式で募ったデザイン提案作品
選
考
選考委員会(広島市設置)
選考委員の構成
・景観デザイン、構造等の専門家(3名)
・広島の地域特性を踏まえた
都市景観の評価ができる学識経験者(2名)
・市民代表(3名)
デザイン提案競技の概要②
評
価
の
視 点
○デザインコンセプトへの適合性
○事業の現実性
○事業費とのバランス
デザインコンセプト
・美しさによって多くの人をひきつけるような橋
・国内だけでなく、海外からも注目されるような橋
・広島のシンボルとなる橋
・川面や緑地、また、離着陸する飛行機や航海する
船から見える姿が美しい橋
・時を経て、味わいの深まるデザインの橋
デザイン提案競技の概要③
競技スケジュール
第二次選考委員会
第一次選考委員会
作品の提出締切
応募登録の締切
募集要項の公告
国内13作品、海外2作品
(フランス、スペイン)の応募
6作品選考
デザイン提案競技の概要④
透
明 性
の 確
保
第二次選考委員会
第一次選考委員会
作品の提出締切
応募登録の締切
募集要項の公告
応募作品の公開展示
公開プレゼンテーション
デザイン提案競技の概要⑤
最
優 秀
作 品
最優秀作品のテーマ
『いつく出シ-安芸の斎き島を人々の心に据える橋-』
最優秀作品の応募者
・㈱エイト日本技術開発 広島支店
・西山健一(デザイン担当:(有)イー・エー・ユー)
・二井昭佳(協力者:国士館大学)
デザイン提案競技の概要⑤
最
優 秀
作 品
広島南道路太田川大橋の概要①
旧広島西飛行場 空域制限
太田川大橋 L=412.0
46.5
40.0
47.0
116.0
116.0
46.5
歩道橋
P4
P3
P2
A1
R
太田川放水路
R
H.W.L. TP+3.101
2.7
E
12.3
E
15.0
観音井口線
17.8
M
18.2
P1
M
8.8
P5
13.0
10.9
PD6
E
R
橋りょう側面図
P2
P3
P4
P5
P1
歩道橋
P6
40.0
46.5
47.0
A1
116.0
L=412.0
116.0
46.5
橋りょう平面図
旧広島西飛行場
(現広島ヘリポート)
アーチ主構
添架歩道
2600
500 1600 500
広島南道路太田川大橋の概要②
2500
角型鋼管
□300x300
充填コンクリート
σck=80N/mm2
吊ケーブル
SPWCφ7x109
1100
下 り 線
4000
615
上 り 線
22646
8520
615
615
床版横締めケーブル
1S28.6
3146
8520
鋼アーチ主構
615
横桁横締めケーブル
1S28.6
2700
並行区間
移行区間
@
@
鋼製ブラケット
桁下区間
2500
5650
内ケーブル12S15.2
外ケーブル19S15.2
1350 3146 1350
橋りょう上部工断面図
5650
2500
構造システム①
複
合 構
造
PC連続ラーメン箱桁橋
鋼アーチ主鋼で補剛
構造システム②
PCケーブルの配置
上床版上 仮設ケーブル12S15.2(完成時撤去)
仮斜材ケーブル
上床版架設ケーブル12S15.2
鉛直ケーブル19S15.2
鉛直ケーブルΦ7×109
上床版 内ケーブル12S15.2
アーチ軸力
フィンバックケーブル12S15.2
P5
E
P1
P2
P3
R
R
R
下床版 内ケーブル12S15.2
下床版 内ケーブル12S15.2
外ケーブル19S15.2
4+6+13=23本
4+6+13=23本
1500
9500
2@130
= 260 250
1415
750
3@130
3@130
250 = 390
= 390
1545
1545
3@130
3@130
= 390
= 390 250
250 = 260
115
700
250
200
220
100
150
170
220
2@130
750
1700
450
450
1700
450
800
500
125
250 250
271 220
150
300
900
500
2900
2000
500
2750
5650
A1
R
(後ラーメン化)
2700
E
P4
500
P6
650
ケーブルの配置断面(支点部)
1250
E
本橋の構造特性
①
連続アーチ(下路式)構造
②
多径間ラーメン構造
構造特性①(連続アーチ(下路式)構造)
アーチ橋(下路式)の連続構造化(課題)
一般的に、アーチ橋(下路式)は連続構造が困難とされている。
本橋を単純構造とした場合
①落橋等、耐震性が劣る
・伸縮装置設置、支承設置数増加
②維持管理性、走行性が劣る
③騒音等、周辺環境への影響懸念
・掛違構造による橋脚幅の広がり
④河積阻害等、河川管理上の弊害
構造特性①(連続アーチ(下路式)構造)
アーチ橋(下路式)の連続構造化(課題)
①アーチ端部に発生する水平力
②連続構造支点部の負曲げ応力
アーチ橋の連続構造化のためには、
これらの対処が設計上の課題
構造特性①(連続アーチ(下路式)構造)
アーチ橋(下路式)の連続構造化
①アーチ端部に発生する水平力に対する構造的工夫
アーチ水平力と外ケーブル張力の均等(自碇構造化)
太田川放水路橋梁 鋼・コンクリート複合アーチ橋
116m
116m
フィンバックケーブル
鋼アーチ主構
フィンバック
PC箱桁
外ケーブルシステム
上下部一体ラーメン構造
圧縮部材
ロイヤル・アルバート橋 アーチ・サスペンションチェイン橋
引張部材
構造特性①(連続アーチ(下路式)構造)
アーチ橋(下路式)の連続構造化
②連続構造支点部の負曲げ応力に対する構造的工夫
フィンバック構造(内ケーブル配置)
アーチ主構
フィンバックケーブル
フィンバック構造
吊ケーブル
外ケーブル
構造特性①(連続アーチ(下路式)構造)
アーチ橋(下路式)の連続構造化
断面力の改善
フィンバック構造
フィンバック構造
PCケーブルの緊張
フィンバック構造
PCケーブルの緊張
構造特性②(多径間ラーメン構造)
多径間ラーメン構造(PC橋)の特徴
主
桁
剛
結
構
造
橋
脚
伸縮装置や支承が不要
相互に変形を拘束
経済性(LCC)に優れる
耐震性に優れる
走行性に優れる
維持管理性に優れる
二次力の影響が大きい
設計において
適正な評価が必要
構造特性②(多径間ラーメン構造)
多径間ラーメン構造(PC橋)の二次力
二次力とは?
緊張
クリープ、乾燥収縮及びプレストレスに
より、主桁に働く「変形力(主桁収縮)」
PC ケーブル
緊張
緊張力
δL
ケーブルの緊張による変形
クリープ・乾燥収縮による変形
構造特性②(多径間ラーメン構造)
多径間ラーメン構造(PC橋)の二次力
変形力(主桁収縮)=二次力
変形力(主桁収縮)=二次力
クリープ・乾燥収縮
プレストレス
クリープ・乾燥収縮
プレストレス
橋脚への作用断面力が増加
構造特性②(多径間ラーメン構造)
二次力の影響
二次力による橋脚作用断面力の増加
橋脚の剛性向上
橋脚固有周期⇒短=地震時慣性力の増加
更なる橋脚の剛性向上
橋脚断面の肥大化
構造特性②(多径間ラーメン構造)
多径間ラーメン構造(PC橋)の実績
固定支間長 (LF)
1/3
橋
脚
高
(H)
橋脚高(H)と固定支間長(LF)×1/2の比は1/3以上
二次力による橋脚作用断面力の低減
構造特性②(多径間ラーメン構造)
本橋の多径間ラーメン構造化
1/3
本
橋
(1/9程度)
構造特性②(多径間ラーメン構造)
本橋の多径間ラーメン構造化
固定支間長に対して橋脚高が低い
二次力への対処が必要
河積阻害の観点から、橋脚断面
(橋軸方向)の増幅は困難
アーチ水平力が二次力を打ち消す方向に作用
多径間ラーメン構造の実現
構造特性②(多径間ラーメン構造)
本橋の多径間ラーメン構造化
収縮
クリープ・乾燥収縮
クリープ・乾燥収縮
+
プレストレス
=
ープ)
プレストレス
アーチ水平力
アーチ水平力
アーチ水平力
完 +
成
時
まとめ
①連続アーチ(下路式)構造
アーチ水平力と外ケーブル張力の均等
フィンバック構造(内ケーブル配置)
②多径間ラーメン構造
アーチ水平力による二次力の対処