素盞鳴尊、 此神、 有勇悍以安忍。 且常以哭泣為行。 故令國内人民、 多以夭折。 復使青山變枯。 すさのをのみこと 素盞鳴尊、 こ かみ 此の神、 いさみたけ いふり あ 勇悍くして安忍なること有り。 またつね な いさ も わざ 且常に哭き泣つるを以て行とす。 かれ くにのうち ひとくさ 故、國内の人民をして、 さは も あからさまにし 多に以て夭折なしむ。 ま た あをやま からやま な 復使、青山を枯に變す。 素盞鳴尊之為行也、甚無状。 何則天照大神、以天狹田・長田為御田。 時素盞鳴尊、春則重播種子、且毀其畔。 秋則放天斑駒、使伏田中。 復見天照大神當新嘗時、 則陰放 於新宮。 又見天照大神、 方織神衣、居齋服殿、 則剥天斑駒、穿殿甍而投納。 すさのをのみこと しわざ はなは あつきな いかに あま 素戔鳴尊の為行、甚だ無状し。何とならば、天 てらすおほみかみ あまのさなだ ながた も み た 照大神、天狭田・長田を以て御田としたまふ。時 はる し き ま き また あ はなち に素戔鳴尊、春は重播種子し、且畔毀す。 あまのぶちこま あき はな みた なか ふ またあまてらすおほみかみ 秋は天斑駒を放ちて、田の中に伏す。復天照大神 にひなへきこ とき み すなは ひそか にひなへのみや くそま の新嘗しめす時を見て、則ち陰に新宮に放 みざかり かむみそ お いみはたどの また る。又 ま 天照大神の、方に神衣を織りつつ、齋服殿に居しま み さかはぎには おほとの いらか うが な すを見て、則ち天斑駒を剥ぎて、殿の甍を穿ちて投 い げ納る。
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