公共投資班

公共投資班
Ono.S
Oyokawa.H
Shi.T Tsukahara.C
結論



ゼロ金利を脱却し金融政策の自由度を高める
景気刺激の目的は公共投資ではなく金融政策
で代替するべきである。
デフレギャップが改善されつつある今、生産性
向上のための社会資本の整備が望まれる
フローチャート
財政状況
概観
財政悪化の問
題点
プレゼンの
範囲
公共投資の問
公共投資制度の
資源配分の
題点
問題
長
短
問題
期
GDPギャ 期 雇用のミスマ
乗数効
ップ
果
政府債務の
潜在Gッチ
増加
DP
財政政策⇒金利政策
生産性向
の転換
上
金融の
総需要
ゼロ金利
問題
増加
制約
財政収支悪化による問題点
1.
2.
3.
財政赤字拡大によって、貯蓄の大部分国
債の購入に当てられて、投資が減退する
民間部門の資金不足から金利が上昇す
る(クラウディングアウトの顕在化)
総需要の低下
財政収支の改善

財政収支は歳入-歳出で構成されており、
歳入を増加させる(経済成長による税収の
増加)または構造改革による歳出の減少
によって改善できる
歳出項目と分析範囲

諸制約から、以下ではこの班では公共投
資に限定して論じていく
公共投資の目的
【短期】
 総需要管理政策
GDPギャップを乗数効果によって相殺する
【長期】
 持続的な経済成長
生産性の向上を通じてGDPを上げる
短期における問題点
1.
2.
3.
乗数効果の低下
政府債務の増加
政府債務の持続可能性
乗数効果
乗数とは説明変数が1単位増えたとき比
説明変数がどの程度増えるかを表す。
(増加→公共投資が作用)
(減少→公共投資が無効)

乗数効果の推移
公共投資乗数
短期日本経済軽量モデル
出展:経済企画庁
1年目 2年目 3年目
推計期間:1975~1984
1.35 1.95 2.18
乗数効果の推移②
公共投資乗数
短期日本経済軽量モデル
出展:経済企画庁
1年目 2年目 3年目
推計期間:1985~1997
1.31 1.65 1.97
1990年代以前


乗数効果を通じての総需要増加
+
有益な社会資本整備による生産性の向上
1990年代以降



乗数効果の低下
+
社会資本の有益性の低下
+
累積債務の増加
∴政府債務の持続可能性の問題


政府債務の持続可能性が問題とされる今、
総需要管理政策としての公共投資は積極
的には行うべきではない。
公共投資に変わる総需要管理政策が必要
総需要管理政策としての金融政
策

総需要管理政策は金融政策で行うべき
∵クラウディングアウトの不発生
金融政策の問題点

ゼロ金利による公定歩合操作の無効化
ゼロ金利の問題



短期コールレートが0%
↓
銀行間では短期コール市場で取引を行う
↓
公定歩合操作が無効
短期における結論


総需要管理政策を公共投資から金融政策
へ
金融政策の自由度の回復
長期における課題
1.
2.
3.
GDPギャップの解消
生産性の向上
貯蓄率低下の問題
GDPギャップの解消


近年では減少傾向にある。
↓
今後は潜在GDPの向上が必要になる
GDPギャップの推移
出所:日銀レビュー(2006)
生産性の向上


社会資本の整備
失業率の減少
社会資本の整備

費用対効果を考えた費用便益分析により
効率的に資源配分が達成される
都市と地方における便益の差異



都市…住宅が密集している為、天災などの
被害が多く、道路などのインフラ整備に比べ
防災基盤の社会資本のほうが便益が高い。
地方…住宅が偏在している為、相互の連絡
手段に乏しく、防災基盤の整備に比べ道路
などのインフラ整備のほうが便益が高い。
【結論】 厳密な便益分析による公共投資の
決定が必要
失業率と経済成長

成長論
・ソロースワンモデル
・内生的成長論
失業率と経済成長

ソロースワンモデル
生産関数 Y=F(K.L)
Y/L=F(K/L,1)
⇒ y=f(x)
( ただし、 f´´(k)=0 )
I =sY=sf(k)L
I/K=sf(k)/k ⇒ ⊿K/K=sf(k)/k
(保証成長率)
自然成長率=n
失業率と経済成長
K0のとき
nk<sf(k)
n<sf(k)/k
K1のとき
nk>sf(k)
n>sf(k)/k
失業率と経済成長

内生的成長論
生産関数 Y=AK
A;定数(資本の生産性)
(ただし、 Y´(k)=0 )
→ ⊿Y=A⊿K
⊿Y=AsY ⇒ ⊿Y/Y=As
失業率と経済成長

一人当たりの成長率(⊿y/y)
⊿y/y = ⊿Y/Y - n
=As - n
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
(%)
失業率の推移
完全失業率(2006年は5月までの統計)
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
年度
失業率

完全雇用を達成することで最適成長が達
成される
完全雇用の実現に近づける

雇用のミスマッチを抑制する政策が必要

雇用のミスマッチへの対策








ミスマッチ解消のための連携の強化
個人の主体的な能力開発を推進するシステムの
整備
民間活力を生かした多様な能力開発機会の確
保・創出
大学・大学院等を活用とした高度な人材の育成
中高年齢者等の就業促進
女性が働き続けられる経済社会基盤の構築
就業形態の多様化に対応した環境整備
労働者派遣制度・職業紹介制度の見直し
貯蓄率の推移
貯蓄率低下の原因

少子高齢化+景気低迷によるラチェット効
果の発生
C=αY+βYmax
(α,β;一定)
⇒C/Y=α+(βYmax/Y)
高齢化と貯蓄率低下

ライフサイクル仮説に基づく検証
・ライフサイクルパターン
若年期に働いて得た所得の一部を蓄え、
高齢期にそれを消費する
「高齢者」‥フローの労働所得を得ていな
い「退職者」
高齢化と貯蓄率低下
<高齢化>
⇒高齢者(総貯蓄の低い)の割合 増
↓
マクロ総貯蓄の低下
今後の、団塊世代の集団定年退職
相対的に少ない若年期の人口
↓
さらに総貯蓄が低下する恐れ
貯蓄率低下と貿易収支
Y=C+I+G+(X+M)より
(S-I)+(T-G)=(X-M)
∴T-G(財政収支)の赤字をS-I(投資貯蓄差
額)で相殺できないと貿易赤字になってし
まう。
ISバランスの改善



高齢化は不可避
これまで以上に効率的に貯蓄を投資に結
びつける必要がある
ISバランスの改善
貯蓄投資差額
ISバランスの改善

効率よく貯蓄を投資に結びつける為に、民
間の余剰資金を投資に結びつける必要が
ある。
長期における結論


GDPギャップが改善されつつある現在にお
いて、持続的な経済成長を達成するため
には、生産性の向上が必要である。
社会資本の整備+失業率の低下を通じで
生産性の向上が期待できる
参考文献
1) 中谷巌(2004)『入門マクロ経済学(第4
版)』日本評論社
2) 首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/sangyoukou
zou/index.html
3) 経済財政白書(平成17年度)
http://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepa
per.html
参考文献
1) 総務省統計局http://www.stat.go.jp/
2) 関根満夫(2003)『日本型財政の転換:新
自由主義的改革を越えて』青木書店
3) 井堀利宏(2005)『公共部門の財政評価:
官と民の役割分担を考える』東京大学出
版
4) 川口和英(2005)『新時代への公共投資へ
のシフト:政府の失敗を乗り越えて』技報
堂出版
参考文献

山本拓(2005)『計量経済学』新世社