テクニカルライティング

テクニカルライティング
第3講目
~作業課題を明らかにする「分析」~
今日のテーマと内容
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ミッションを満足する文章を作成する上で必要
な作業課題を識別する「分析」という工程につ
いて。
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今日は講義とディスカッション
ミッションとは?
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その文章を作成する上での目的
文章を提出することによって・・・
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

相手から○○を得る
相手に○○させる
相手と○○な関係を築く
文章作成作業を通じて○○についての準備を行う
でも・・・
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ミッションは文章を書き出す起点である。
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
確かに、それを最初につくる必要がある
しかしミッションだけでは文章は書けない
作業課題を定める必要がある!
では、作業課題とは何か?
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
文章を完成させるために、ミッションを成功させるために、
自分がしなければならない事柄。
ひとつとは限らないし、複数の課題が出てくるはず。
むしろ出さなければならない。
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
作業課題の例:
1)・・にインタビューする
2)・・の文献を調査する
3)・・を試してみる
などなど
作業課題には・・・
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作業課題にはプライオリティという考え方が必
要
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つまり、作業課題に優先順位
作業課題は、思いついた順に取り組んでいけない
(分析の必要性・・・後ほど解説)
ミッションを成功させるためにはまず何をしなけれ
ばならないかを考える。
また、持ってるリソース(体力、時間、アクセス可能
な資料など)は限られている。
これらを考慮したうえで、優先順位を定める必要が
ある。
「粒度」という発想
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
作業課題は細かくしようとすればいくらでも細かくなる
例)
・・の文献を・・までに持ってこなければならない
そのためには・・
そのためには・・
そのためには・・
そのためには・・・
定義の荒さの程度(粒度)を定めなければならない
A46枚から8枚の文章を書くと考えると、作業課題の粒度
は2段階くらいまでが目処だろう。
作業課題を割り出すためには…
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
作業課題を割り出すためには、文書の書き手として
の自分が置かれている状況を分析しなければならな
い
去年は・・・
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分析の着眼点(分析項目)は、こちらから提示した
今年は・・・
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何をどう分析すべきか(分析ドメインと分析項目)を自分で
考えてもらう
そのことを通して、みなさんの頭の中に文書のプロダクショ
ンのシステムを作り上げて欲しい
分析って何?
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「分析」とは?
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ある物事(自分が見ようとする物事)を分解/分割する
割ることを通して、その物事を成立させる要素(側面、成分)を
明らかにする。
なんとなく状況があるだけではだめで、状況を分けてい
くことで、その性質を把握していく。
全体を全体のままにしておかない。
統合って?
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分析の反対概念は「統合」
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
割っただけでは意味がない
それを整理・統合しなければならない
自分は今分析しているのか、統合しているのか
を認識すると、物事をうまく考えることができる。
作業課題を割り出すための分析
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我々は何を対象に分析しなければならないのか。
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文章が書かれて相手に伝わって・・
相手が・・して・・・
分析の対象となるものは、文書による伝達がおこなわれ
る状況の中にある
分析すべき対象を、その状況の中から見いだす必要が
ある
まず何をするか?
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分析のドメイン(領域)を設定する。
その中にあるものが分析の対象になる。
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そしてそのドメインについて、着眼点を設定する。
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ドメインを設定
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分析項目を設定する
ここでやります(ある程度結論を出してもらいます)
分析項目を設定

みなさんに考えてもらいます
まず何をするか?

分析のドメイン(領域)を設定する。
その中にあるものが分析の対象になる。

そしてそのドメインについて、着眼点を設定する。
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
ドメインを設定
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
分析項目を設定する
ここでやります(ある程度結論を出してもらいます)
分析項目を設定

みなさんに考えてもらいます
文章による伝達の状況を図式化
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文章によって伝達が行われる状況を図式化する。
その中で、関心領域を区切っていく。
自己分析
書き手
要求分析
文章
媒
体
紙など
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文章によって伝達が行われる状況とは?
登場するもの、人物にはなにがある?
読み手
回収する人
モデル化
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
いま行った「状況の図式化」の作業をモデル化という。
「モデル化」とは?
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具体から目的に応じて必要な性質を抽象する。
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
いろんな具体例の中から、レポートを書くという目的におい
て抽象した。
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それを描いたもの
具体的なもののどの側面を見るか
非常に恣意的な見方をする
自分なりのモデルを作れるようになってください。
今回は・・・
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今回は、人を中心として2つのドメインに分けてみま
しょう。
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書き手中心のドメイン
要求者のドメイン
一番文章を左右する要素:要求
書き手のドメインでは、媒体が重要になる。
物理的なファクターが大きく影響する。
自己分析と要求分析
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①「自己分析」:書き手のドメインを分析する。
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②「要求分析」:要求者のドメインを分析する
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テーマについてどれだけ習熟しているか
自分が必要なものを持っているか
どのようなことが要求されているか
共通認識や内容というのは、分析の結果であり、
対象にはならない。
皆さんの例
ここでは出席者の皆さんに、「自己分析」と
「要求分析」の着眼点となりえる事柄をあげて
もらいました。この分析の際の着眼点のことを
「分析項目」と呼びます
例 遠藤さん
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要求者が求める人物像に適合しているかの自己分析
自分にとって何が一番相手(読者)に伝えたいか?
要求者が何かを要求しているか?
読者が文書を見てすぐに内容を把握できる文章の流れ
か?
読者が文章に対して楽に読めるための構図か?
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そのためには図や表の活用が有効かどうか?
例 小林さん
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自己分析
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自分がテーマについて何を知っているか?
至らない点をどうやって補完するか?
体裁はどんなか?
要求分析
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何を書く事を求められているのか。(テーマ・ジャンル)
書かなければ成らない必須の要素は何か?
仕様はどんなか?
水野さん
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自己分析
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持っている情報、知識
情報を得るための手段、人脈
要求側からの目的達成の能力
調査方法の種類
要求分析
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目的(最終地点)
現状把握
理念、思考回路
課題について
<課題>
分析項目に関する提案
黒板の表自体の提案
ドメイン識別の理由、項目を挙げた理由などを必ず。
期末レポートに関する準備段階の仮作業
テーマを確定しなくても良い。
以下の作業をとりあえずやってみる
1、ミッションを確定する
2、上で提案した分析項目を用いた分析する
3、分析によって割り出された作業課題を列挙