初発肝細胞癌に対する肝切除と ラジオ波焼灼療法の有効性に関する 多施設共同研究 (SURF trial) キックオフミーティング 東京大学肝胆膵外科 長谷川潔、國土典宏 2009/6/5 神戸ポートピアホテル 目 的 3個以下,3 cm以内の腫瘍条件と Child-Pugh score 7点以下の肝機能条件を 満たす初発典型的肝細胞癌患者を対象とし, 肝切除とラジオ波焼灼療法の初回治療としての 有効性について評価する これまでの経緯 最近の進捗状況 東京大学内での検討 ・H18.12月:厚労省科研費に申請。 主評価項目を生存率、目標症例数を一群137例 ・H19.1.23:第1回院内検討会:主評価項目について結論でず。 内科・外科の成績と症例数をだしあって、再度検討の方針。 ・H19.3.3:東京大学の成績をもとに、例数設計。 この時点でco-primary endpointを提案。 ・H19.4.2:厚労省科研費不採択通知。 症例数を増やし、全国に協力施設を募る方向。 ・H19.4.24:東大病院肝癌Cancer Board:主評価項目について結論でず。 協力施設を募り、プロトコル作成委員会を設置 プロトコルの確定をめざす方針。 ・H19.8月末:本研究の案内発送。 ・H19.9月:中核施設からご賛同を得て、 JDDW2007会期中の第1回検討会開催。 プロトコル作成委員会での検討(1) ・H19.11月:プロトコル作成委員会のメンバーに対し、アンケート実施 結果を提示、再度決をとり、プロトコルの大枠を固めた ・H19.12月:厚労省科研費に申請。 主評価項目を生存率と無再発生存率、目標症例数を一群300例 ・H20.3月末:厚労省科研費不採択通知。 ・H20.4月初旬:東京大学生物統計学・大橋靖雄教授、松山裕准教授より、 NPO日本臨床研究支援ユニットをご紹介いただいた。 ・H20.4.18:メンバーに研究続行の可否を打診→多数の施設よりご賛同。 ・H20.5.22:第44回日本肝癌研究会会期中、第2回検討会開催 *研究の名称:Surgery vs. RFA for HCC→SURF trialに決定。 *学会の支援を求めた:日本外科学会および日本肝臓学会 * NPO日本臨床研究支援ユニット(データセンター)と正式に契約。 * 独立データーモニタリング委員会設置 *全国へ参加の勧誘(1回目) ・ H20.10.2:JDDW2008会期中、第3回検討会開催 プロトコル作成委員会での検討(2) ・H20.11月:第3回検討会の議論をもとにプロトコル最終案作成 プロトコル作成委員会の承認 ・H20.12月:独立データモニタリング委員会にてプロトコルの承認 厚労省科研費に申請。 主評価項目を生存率と無再発生存率、症例数を一群300例 ・H21.1月:患者説明用ビデオ完成(草野仁キャスター出演) 全国に参加勧誘(2回目) ・H21.1.26:東京大学倫理委員会の承認 ・H21.2月中旬:厚労省科研費採択内定 ・H21.3月以降:関係各所へ連絡、事務局態勢の整備 ・H21.4.1.:東京大学にて患者登録開始 ・H21.6.5:第45回日本肝臓学会会期中、 キックオフミーティング開催 SURF-trialプロトコール作成委員会(所属は作成当時のもの,順不同,敬称略) 幕内 小俣 國土 赤羽 大橋 工藤 土師 大崎 山中 奥新 斎藤 猪飼 大村 有本 玉井 内山 山田 小菅 河田 久保 有井 前原 高山 田中 永野 野浪 金子 礒田 中尾 須山 森安 雅敏(日本赤十字社医療センター) 政男,椎名 秀一朗,金井 文彦,建石 良介(東京大学消化器内科), 典宏,長谷川 潔,石沢 武彰,進藤 潤一(東京大学肝胆膵外科) 正章(東京大学放射線科) 靖雄,松山 裕(東京大学生物統計学) 正俊(近畿大学消化器内科) 誠二(近畿大学消化器外科) 征夫(大阪赤十字病院消化器内科) 若樹(明和病院外科) 浩晃(姫路赤十字病院内科) 明子(東京女子医科大学消化器センター) 伊和夫(京都大学肝胆膵外科) 卓味(札幌厚生病院消化器内科) 明(札幌厚生病院消化器外科) 英幸(和歌山医科大学消化器内科) 和久(和歌山医科大学消化器外科) 晃正,玉井 知英,今中 和穂(大阪府立成人病センター) 智男(国立がんセンター中央病院) 則史,坂口 浩樹(大阪市立大学消化器内科) 正二,竹村 茂一(大阪市立大学肝胆膵外科) 滋樹(東京医科歯科大学肝胆膵外科) 喜彦,武冨 紹信(九州大学消化器外科) 忠利(日本大学消化器外科) 正俊(久留米医療センター) 浩昭(大阪大学消化器外科) 敏明(愛知医科大学消化器外科) 周一(金沢大学肝臓病センター) 憲夫(自治医科大学消化器内科) 昭公(名古屋大学消化器外科) 正文(順天堂大学消化器内科) 史典(東京医科大学消化器内科) 独立データモニタリング委員会 委員長 沖田 極先生 (社会保険病院下関厚生病院院長,元山口大学医学部消化器内科教授) 委員(50音順) 岡崎 正敏先生 (福岡大学医学部放射線科教授) 門田 守人先生 (大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科学講座教授) 堂囿 俊彦先生 (静岡大学人文学部准教授) 中山 健夫先生 (京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻 健康情報学分野教授) 山口 拓洋先生 (東京大学医学部附属病院 臨床試験データ管理学講座特任准教授) 試験デザインの概要 SURF trialの流れ SURF-RCT 適格条件:20歳以上80歳未満 Child-Pugh score 7点以下 3個以下3cm以下 肝切除とRFAがともに可能 除外基準:肝外病変 画像上明らかな脈管侵襲 *肝炎ウィルス感染の有無や種類は問わず SURF-RCT デザイン 全生存と無再発生存を co-primary endpointとした優越性試験 Secondary endpoints: 初回再発形式、初回再発への治療法、肝機能 SURF-RCTの例数設計 3年無再発生存率を肝切除45%、RFA35%と仮定 再発で10%の差を見出そうとする場合、 必要な症例数は293例 (α=0.05、検出力80%、両側検定) 総数600の症例数があれば、5年生存で10%の差 (例えば、60-70%、65-75%、70-80%の組みあわせ)を 80%以上の確率で検出可能 1群300例を目標 10%の差を検出可能 SURF trial 2009/6/5現在、 内科+外科:75施設が参加 肝切除、RFAともに年間20例以上 同一施設で内科・外科そろって参加が 望ましいが、ペアリングも可能 参加施設リスト 東京大学医学部附属病院 日本赤十字社医療センター 日本大学医学部附属板橋病院 (医)明和病院 岩手医科大学 大分大学 大阪市立大学医学部附属病院 鹿児島大学 北里大学病院 九州大学 久留米大学医療センター 高知大学医学部附属病院 徳島大学 兵庫医科大学 山口大学 和歌山県立医科大学 岐阜大学医学部附属病院 近畿大学医学部 附属病院 札幌医科大学附属病院 札幌厚生病院 自治医科大学附属病院 聖マリアンナ医科大学 大阪府立成人病センター 帝京大学医学部附属病院 東京医科大学病院 山梨大学医学部附属病院 東京医科歯科大学医学部附属病院 独立行政法人国立病院機構千葉医療センター 愛媛大学 産業医科大学 筑波大学附属病院 岐阜市民病院 金沢大学 名古屋大学医学部付属病院 東海大学医学部付属病院 春日部市立病院 東海大医学部附属八王子病院 福岡市民病院 岡山大学病院 松阪市民病院 NTT東日本関東病院 熊本大学 済生会 新潟第二病院 東邦大学医療センター大森病院 埼玉県立がんセンター 防衛医科大学校病院 順天堂大学医学部附属順天堂医院 千曲中央病院 北九州市立医療センター 信州大学附属病院 大分医療センター 神奈川県立がんセンター 三重大学医学部附属病院 大阪けいさつ病院 昭和大学藤が丘病院 旭中央病院 富山大学附属病院 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 大阪赤十字病院 大阪大学医学部附属病院 東京女子医科大学 茨城県立中央病院 福岡大学病院 昭和大学病院 愛知医科大学 宮崎大学医学部 横須賀共済病院 聖路加国際病院 京都大学 新潟県立新発田病院 国立国際医療センター戸山病院 関西医科大学附属滝井病院 国立病院機構大阪医療センター 日本医科大学附属病院 名古屋市立大学病院 SURF trialの特徴 IC取得上の注意点 もっとも重要なのは、 登録基準のHCCに対する 肝切除とRFAの優劣は明確ではない、 という点である SURF trialの特徴 1)Co-primary endpoint 2)SURF-cohortの併施 3)独立データモニタリング委員会 4)データセンター:日本臨床試験支援ユニット 5)患者説明用ツールの作成 6)学会からの支援 SURF trialの特徴 1)Co-primary endpoint 2)SURF-cohortの併施 3)独立データモニタリング委員会 4)データセンター:日本臨床試験支援ユニット 5)患者説明用ツールの作成 6)学会からの支援 SURF trialの特徴 1)Co-primary endpoint 2)SURF-cohortの併施 3)独立データモニタリング委員会 4)データセンター:日本臨床試験支援ユニット 5)患者説明用ツールの作成 6)学会からの支援 患者説明用ツール *DVDの作成 *ポケットマニュアル *医師用パンフレット *患者説明用下敷き SURF trialの特徴 1)Co-primary endpoint 2)SURF-cohortの併施 3)独立データモニタリング委員会 4)データセンター:日本臨床試験支援ユニット 5)患者説明用ツールの作成 6)学会からの支援 日本外科学会 日本肝臓学会 日本肝癌研究会(申請中) 症例登録の実際 登録候補患者の流れについて(東京大学医学部附属病院) 初発 HCC 患者 肝細胞癌の診断で内科・外科のいずれかを初回受診する。 初診時の情報で 3 個以下、3cm 以下、Child-Pugh score 7 点以下他の適格基準について判断 基準内 基準外 肝切除・RFA どちらでも治療可能であるが、優劣は不明と説明した上で、 基準外の理由と症例数を記録 初回の造影 CT, 血液検査を外来にて行う。 任意の治療を受ける 放射線科医の報告に基づき、腫瘍の存在、大きさ、個数、肝機能条件を 満たすかどうかを外来主治医が最終判断する。 フォロー不要 (判断が難しい場合はコアメンバー会議に諮る) 肝切除または RFA の適応外 肝切除・RFA ともに可能 SURF trial の的確基準をクリアすると判断された場合、 2 回目の外来にて SURT-RCT の説明および DVD 閲覧 基準外の理由と症例数を記録 任意の治療を受ける (場合によっては貸出し)を行う。説明文書を渡す。 希望あれば、もう片方の治療の説明を受けてもらう(紹介する)。 3 回目の外来までに参加・不参加の意思表示をしてもらう。 SURF-RCT の IC 取得 速やかに症例登録と割付けを行う。 フォロー不要 SURF-RCT の IC 不取得 不同意の理由を記録 割付けられた科へ可及的速やかに紹介。 SURF-cohort の対象としてフォローさせて 割付け日より 60 日以内に当該治療を施行。 もらってよいかその場で確認を行う。 プロトコールに沿ってフォローを行う。 SURF-cohort の IC 取得 肝切除または RFA を受け SURF-cohort の IC 不取得 任意の治療を受ける プロトコールに沿ってフォローを行う。 フォロー不要 初発HCC患者のスクリーニング SURF-trialスクリーニング報告 期間:IRB通過以降~ 施設名 診療科名 初発HCC患者のスクリーニング結果のご報告をお願いいたします。 RCTの登録に至らなかった場合は、理由もご報告ください。 1)肝細胞癌に対して前治療がある,2)腫瘍数が4個以上, 3)最大腫瘍径が3cmを超える,4)肝外病変・脈管侵襲がある, 5)肝切除またはRFAの適応外, 6)Child-Pugh scoreが8点以上, 7)PSが0~2でない, 8)年齢が20~79歳でない, 9)除外基準にあたる, 10)同意が得られない, 11)その他 患者識別コード 1 2 3 4 5 6 7 8 初診日 結果 登録に至らなかった理由(上記より複数選択可) 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 理由が除外基準抵触、同意不取得、その他の場合は、 詳細をご記入ください 倫理委員会申請にあたっての 注意事項 *同意撤回の取扱い 撤回以前と以降のデータはどうするか? →撤回前のデータは使用させていただく 以降のデータは取得しない 倫理委員会通過後は・・・ まずは事務局にご一報ください *承認書のコピー *登録医師リスト 事務局からデータセンターに届出し、 実際に登録開始 すでに倫理委員会の承認が 得られた施設 東京大学 信州大学-千曲中央病院 東京医科歯科大学 SURF-RCT:2例 大分医療センター SURF-cohort:2例 岐阜市民病院 聖路加国際病院 熊本大学 倫理委員会への申請手続きを よろしくお願いいたします SURF trialに対するご理解とご協力のほど よろしくお願い申し上げます
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