第 四 章 糖 質 代 謝 Metabolism of Carbohydrates • 糖質の化学 (一)糖質の概念 糖質即ち炭水化物(carbohydrates)はポリ アルコール基を含むアルデヒド或はケトン及び それらの誘導体の総称である。 (二)糖質の分類及びその構造 糖質はその分解産物によって以下の四 種類に分けられる。 • 単糖 (monosacchride) • オリゴ糖 (oligosacchride) • 多糖 (polysacchride) • 複合糖質 (glycoconjugate) 1. 単糖 それ以上簡単な分子にならないもの グルコース(glucose) アルドヘキソース H HO フルクトース(fructose) ケトヘキソース O OH OH O H HO H H OH H OH H OH H OH OH OH O CH2OH H HO O H OH H H OH CH2OH HOH2C H OH H OH H OH H OH ガラクトース(galactose) アルドヘキソース リボース(ribose) アルドペントース O O H OH HO H HO H H H OH H OH H OH OH OH OH CH2OH HO H OH OH H H H OH O HOH2C OH H H HO OH H OH H 2. オリゴ糖 いくつかの単糖に分解し,各単糖の間にグリコ シド結合で結びついている。 よく見られる二糖類: マルトース (maltose) グルコース — グルコース ショ糖(sucrose,スクロース) グルコース — フルクトース 乳糖 (lactose,ラクト-ス) グルコース — ガラクトース 3. 多糖 多くの単糖に分解する糖質 よく見られる多糖: • デンプン (starch) • グリコーゲン (glycogen) • セルロース (cellulose) ① デンプン 植物に含まれる糖質の貯蔵様式 デンプン顆粒 ② グリコーゲン 動物に含まれるグルコースの貯蔵 様式 ③ セルロース 植物の骨格として存在する。 セルロース分子を 連結する水素結合 ミクロ繊維 セルロース繊維 セルロース単体 β-1,4-グリコシド結合 4. 複合糖質 多糖がタンパク質や脂質と共有結合で結び ついて生成したもの よく見られる複合糖質 • 糖脂質 (glycolipid): 脂質と結合したもの • 糖タンパク質 (glycoprotein): タンパク質と結合したもの。 第一節 概 説 Introduction 一、糖質の生理的機能 • エネルギー源として これが糖質の主な機能である。。 • 炭素源として アミノ酸,脂肪,コレステロール,ヌクレオ シドなどの合成に用いられる。 • 生体組織,細胞の構成成分として 糖タンパク質 ,プロテオグリカン, 糖脂質 三、糖質代謝の概況 グリコーゲン グリコーゲン合成 ペントースリン酸 リボース 経路 + ATP 肝グリコーゲン分解 グルコース 解糖経路 NADPH+H+ 酸素あり ピルビン 酸 酸素なし 消化と吸収 糖新生 デンプン 乳酸,アミノ酸,グリセロール H2O及CO2 乳酸 第二節 嫌 気 的 解 糖 Glycolysis 一、嫌気的解糖の反応過程 * 定義 嫌気的条件下,即ち酸素の供給が不足ま たは欠如したとき グルコース(グリコーゲン) が乳酸に分解する一連の反応を嫌気的解糖 という。 * 反応部位:細胞質ゾル(シトソール) * 嫌気的解糖は二つの段階にわけられる。 第一段階 グルコースからピルビン酸(pyruvate)までの 反 応 で , こ れ を 嫌 気 的 解 糖 経 路 (glycolytic pathway)と呼ぶ。 第二段階 ピルビン酸が乳酸に転換する。 Glu ATP (一)グルコースがピルビン酸に分解 ADP G-6-P F-6-P ⑴ グルコースはグルコース6-リン酸 にリン酸化される ATP ADP F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 3-磷酸 甘油醛 H HO NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP P O CH2 HO CH2 ATP 丙酮酸 O H H ATP ADP H Mg2+ OH H H OH グルコース (G ) OH ヘキソキナーゼ (hexokinase) HO O H H OH H H OH OH グルコース6-リン酸 (glucose-6-phosphate, G-6-P) 哺乳動物体内においては4種のヘキソキ ナーゼ(HK)群が発見されている。それらはそ れぞれヘキソキナーゼⅠ~Ⅳと呼ばれる。肝臓 の実質細胞にはⅣ型が存在し,グルコキナー ゼ(glucokinase,GK)と呼ばれる。 この特徴としては: • グルコースに対する親和性が低い。 • ホルモンによる調節を受ける。 Glu ATP ⑵ G-6-Pはフルクトース6-リン酸に転換 ADP G-6-P される。 F-6-P ATP ADP F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 P O CH2 3-磷酸 甘油醛 H HO NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP ATP 丙酮酸 O H H OH H H OH G-6-P OH ホスホヘキソー スイソメラーゼ フルクトース6-リン酸 (fructose-6-phosphate, F-6-P) Glu ATP ⑶ F-6-Pはフルクトース1,6-ビスリン酸 ADP G-6-P に転換される。 F-6-P ATP ADP F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 3-磷酸 甘油醛 ATP ADP Mg2+ NAD+ NADH+H+ PFK-1 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP 3-磷酸甘油酸 G-6-F フルクトース1,6-ビス リン酸(1, 6-fructose- bisphosphate, F-1,6-BP) 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP ATP 丙酮酸 PFK-1:ホスホフルクトキナーゼ-1 (6-phosphofructokinase-1) Glu ATP ⑷ F-1,6-BPは2分子のホスホトリオース ADP G-6-P に開裂される。 F-6-P ATP ADP F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 CH2O 3-磷酸 甘油醛 NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP ATP 丙酮酸 P CH2 O P C ジヒドロキシ アセトンリン酸 O CH2OH C O HO C H H C H C OH アルドラーゼ OH (aldolase) CHO CH2O + P F-1,6-BP CH グリセルアル OH デヒド3-リン酸 CH2 O P Glu ATP ⑸ ホスホトリオースの異性化 ADP G-6-P F-6-P ATP ADP F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 CH2 O 3-磷酸 甘油醛 C O ホスホトリオース イソメラーゼ CH2OH NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP CHO P ジヒドロキシ アセトンリン酸 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP ATP 丙酮酸 ホスホトリオースイソメラーゼ (phosphotriose isomerase) CH OH CH2 O P グリセルアルデ ヒド3-リン酸 Glu ATP ⑹グリセルアルデヒド3-リン酸は1,3-ビス ADP G-6-P ホスホグリセリン酸 に酸化される。 F-6-P ATP ADP CHO F-1,6-2P CH 磷酸二 羟丙酮 3-磷酸 甘油醛 NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP NADH+H+ C OH CH2 O O=C O グリセルアルデヒド 3-リン酸脱水素酵素 P グリセルアルデ ヒド3-リン酸 P OH CH2 O P 1,3-ビスホスホ グリセリン酸 ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP Pi、NAD+ ATP 丙酮酸 グリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素 (glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase) *嫌気的解糖経路における唯一の酸化反応 Glu G-6-P ⑺ 1,3-ビスホスホグリセリン酸は3-ホスホ グリセリン酸に転換する。 F-6-P O=C O ATP ADP ATP ADP C P ADP OH CH2 O 3-磷酸 甘油醛 NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP ATP 丙酮酸 COOH C F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 ATP P ホスホグリセ リン酸キナーゼ 1,3-ビスホスホ グリセリン酸 OH CH2 O P 3-ホスホ グリセリン酸 ホスホグリセリン酸キナーゼ (phosphoglycerate kinase) *この反応においては,基質に含まれる高 エネルギーリン酸結合が直接にADPに転移し, ATPを生成する。このような反応が基質レベ ルのリン酸化反応と呼ばれる。 Glu ATP ADP ⑻ 3-ホスホグリセリン酸は2-ホスホグリ G-6-P F-6-P セリン酸に転換する。 ATP ADP F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 3-磷酸 甘油醛 NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP COOH C C O P CH2 OH OH CH2 O P 3-ホスホ グリセリン酸 ホスホグリセリン酸 ムターゼ 2-ホスホ グリセリン酸 ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP COOH ATP 丙酮酸 ホスホグリセリン酸ムターゼ (phosphoglycerate mutase) Glu ATP ⑼ 2-ホスホグリセリン酸はホスホエノルピル ADP G-6-P F-6-P ビン酸に転換する。 ATP ADP F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 3-磷酸 甘油醛 NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP COOH COOH ATP 丙酮酸 C O P CH2 OH 2-ホスホ グリセリン酸 C O エノラーゼ (enolase) P + H 2O CH2 ホスホエノルピルビン酸 (phosphoenolpyruvate, PEP) Glu ATP ⑽ ホスホエノルピルビン酸はピルビン酸 に転換する。 ADP G-6-P F-6-P ATP ADP F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 3-磷酸 甘油醛 NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP ATP 丙酮酸 COOH C O CH2 PEP ADP P K+ Mg2+ ATP ピルビン酸キナーゼ (pyruvate kinase) (基質レベルのリン酸化反応) COOH C=O CH3 ピルビン酸 (二) ピルビン酸は乳酸に還元される。 COOH NADH + H+ NAD+ CHOH C=O CH3 COOH 乳酸脱水酵素 (LDH) ピルビン酸 CH3 乳酸 反応中のNADH+H+ は上述した唯一の酸 化反応(第6ステップ,グリセルアルデヒド3-リ ン酸の脱水反応)に由来する。 Glu E1 G-6-P E2 F-1, 6-BP ATP ADP F-6-P ATP ADP E1: HK 嫌 気 的 解 糖 経 路 グリセルアル デヒド3-リン酸 ジヒドロキシ アセトンリン酸 NAD+ NADH+H+ E2: PFK-1 1,3-ビスホスホグリセリン酸 E3: ピルビン酸キナーゼ ADP ATP 乳酸 3-ホスホグリセリン酸 NAD+ NADH+H+ 2-ホスホグリセリン酸 ATP ADP ピルビン酸 ホスホエノルピルビン酸 E3 嫌気的解糖のまと め: ⑴ 反応部位:細胞質ゾル ⑵ ⑶ 酸素を必要としないでエネルギーを産生する。 全過程には三つの不可逆反応がある。 ATP G ADP G-6-P HK ATP F-6-P ADP F-1,6-2P PFK-1 ADP ATP ピルビン酸 PEP ピルビン酸キナーゼ ⑷ エネルギー産生の様式と数量 様式:基質レベルでのリン酸化 ATP正味の生成:Gから 2×2-2= 2ATP Gnから 2×2-1= 3ATP ⑸ 終産物である乳酸の行方 血中に放出され,肝臓に入って代謝される。 分解,利用される 乳酸回路(糖新生) 二、嫌気的解糖の制御 ① ヘキソキナーゼ (HK) 鍵酵素 ② ホスホフルクトキナーゼ-1 (PFK-1) ③ ピルビンキナーゼ (PK) ① アロステリック調節 制御様式 ② 共有結合性修飾による調節 (一)ホスホフルクトキナーゼ-1 (PFK-1) *アロステリック調節 活性化剤:AMP; ADP; F-1,6-BP; F-2,6-2P 阻害剤: クエン酸, ATP(高濃度) • F-1,6-BP 正のフィードバック制御 • 酵素には二つのATP結合部位がある。 ① 活性中心内にある結合部位(低濃度の時) ②活性中心外にある調節部位(高濃度の時) クエン酸 AMP グルカゴン – + PFK-2 (活性あり) ATP cAMP PFK-2 活性化 ATP F-6-P ATP PKA –/+ ADP PFK-1 + + F-1,6-BP AMP リンタンパク質 ホスファターゼ フルクトースビス ホスファターゼ-2 P P PFK-2 FBP-2 (活性なし) (活性あり) ADP + FBP-2 (活性なし) Pi + – クエン酸 F-2,6-BP Pi 三、嫌気的解糖の生理的意味 1. 酸素が不足した時生体がエネルギーを獲得 する様式 2. 正常状態でもいくつかの細胞にとってはエネ ルギーを供給する重要な経路である。 ① ミトコンドリアのない細胞:赤血球 ② 代謝の活躍した細胞: 白血球,骨髄細胞など 第 三 節 糖質の好気的酸化 Aerobic Oxidation of Carbohydrate *概念 生体内ではグルコース(グリコーゲン)は 好気的条件下でH2OとCO2 に完全に酸化さ れ,エネルギーを放出する過程を糖質の好 気的酸化と呼ばれる。 これは生体のエネルギー産生の主な様式 である。 *部位:細胞質ゾル, ミトコンドリア 一、好気的酸化の反応過程 第一段階:嫌気的解糖経路 G(Gn) 細胞質ゾル ピルビン酸 第二段階:ピルビン酸の酸化的脱炭酸 アセチルCoA 第三段階:クエン酸回路 糸粒体 第四段階:酸化的リン酸化 H2O TAC回路 [O] ATP ADP NADH+H+ FADH2 CO2 (一)ピルビン酸の酸化的脱炭酸 ピルビン酸はミトコンドリア内に運ばれ,酸化的 脱炭酸されて,アセチルCoA (acetyl CoA)となる。 総反応式: NAD+ , HSCoA CO2 , NADH + H+ ピルビン酸 アセチルCoA ピルビン酸脱水素 酵素複合体 HSCoA ピルビン酸脱水素酵素 複合体の組成 NAD+ 酵素 E1:ピルビン酸脱水素酵素 E2:ジヒロドリポアミドアセチル トランスフィラーゼ 補酵素 TPP リポ酸 ( L HSCoA E3:ジヒドロリポアミド脱水素 FAD, NAD+ 酵素 S ) S 1. -ヒドロキシエチル-TPPの生成 CO2 2.アセチルリポ アミドの生成 NADH+H+ 5. NADH+H+ の生成 NAD+ CoASH 3.アセチルCoA の生成 4. リポアミドの生成 (二)トリカルボン酸回路 *概述 トリカルボン酸回路はクエン酸回路 (Tricarboxylic acid Cycle, TAC) あるいはKrebs 回路ともいう。これはミトコンドリアの中で水素当 量を放出してアセチル基の異化を行う一連の反応 である。 *反応部位 あらゆる反応はミトコンドリアの中で行われる。 H2O H2O ② ① NADH+H+ H2O CoASH ② NAD+ ①クエン酸シンターゼ ②アコニターゼ ③イソクエン酸脱水素酵素 ④α-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体 + NAD GTP GDP ⑤スクシニルCoA合成酵素 NDPキナーゼ ⑥コハク酸脱水素酵素 NADH+H+ ⑦ ⑦フマラーゼ ③ ⑧リンゴ酸脱水素酵素 HO FADH + ⑧ ADP2 ⑥ NAD 2 ATP FAD GDP+Pi GTP NADH+H+ ④ ⑤ CoASH CO2 CoASH CO2 まとめ ① クエン酸回路の概況:アセチルCoAをオキサ ロ酢酸と縮合させてトリカルボン酸であるクエ ン酸を生成し,一連の脱水素反応や脱炭酸 反応によって分解され,還元当量とCO2 を放 出し,オキサロ酢酸を再生する。 ② 反応部位:ミトコンドリア ③ クエン酸回路の要点 クエン酸回路を1回転する場合 1分子のアセチルCoAガ消費される。 4回脱水素,2回酸化的脱炭酸, 1回基質レベルリン酸化反応が行われる。 1分子FADH2,3分子NADH+H+,2分子CO2, 1分子GTPは生成される。 鍵酵素:クエン酸シンターゼ α-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体 イソクエン酸脱水素酵素 ④ 全体としては不可逆反応である。 ⑤ クエン酸回路の中間産物 触媒剤として働き,クエン酸回路自身によっ て正味の生成や正味の分解をすることができ ない。 しかし Ⅰクエン酸回路の中間代謝物は他の物質に転 換し,あるいは他の物質の合成に用いられる。 例えば オキサロ酢酸 α- ケトグルタル酸 クエン酸 スクシニルCoA アスパラギン酸 グルタミン酸 脂肪酸 ヘム Ⅱ 生体内では糖質の供給が不足した時,クエン 酸回路の障害を引き起こし,リンゴ酸、オキサ ロ酢酸は脱炭酸され,ピルビン酸に転換し,さ らにアセチルCoAとなってクエン酸回路に入る。 NAD+ NADH + H+ CO2 リンゴ酸 ピルビン酸 リンゴ酸酵素 CO2 ピルビン酸 オキサロ酢酸 オキサロ酢酸脱炭酸酵素 * オキサロ酢酸 はたえず補充しなけらばなら ない。 由来: クエン酸 クエン酸 リアーぜ アセチルCoA ピルビン酸 CO2 ピルビン酸 カルボキシラーゼ オ キ サ ロ 酢 酸 リンゴ酸 脱水素酵素 NADH+H+ Glu リンゴ酸 NAD+ α-ケトグルタル酸 GOT Asp 2. クエン酸回路の生理的意義 三大栄養素の共通な最終的な酸化経路, 三大栄養物質の代謝を連結する中枢, その他の物質代謝に小分子の前駆体を提供する 呼吸鎖にH+ と電子を提供する。 二、糖質の好気的酸化によって生成されるATP H+ + e は呼吸鎖に入り,H2Oに酸化された同 時に ADPのリン酸化と共役し,ATPを産生する。 NADH+H+ FADH2 [O] [O] H2O,3ATP H2O,2ATP 葡萄糖有氧氧化生成的ATP 反 第 一 阶 段 葡萄糖 → 6-磷酸葡萄糖 6-磷酸果糖 → 1,6-双磷酸果糖 2×3-磷酸甘油醛→ 2×1,3-二磷酸甘油酸 2×1,3-二磷酸甘油酸→ 2×3-磷酸甘油酸 第二阶段 第 三 阶 段 应 辅 酶 ATP -1 -1 NAD+ 2× 3或2 × 2* 2×1 2 ×磷酸烯醇式丙酮酸 → 2×丙酮酸 2×1 2 ×丙酮酸→ 2 × 乙酰CoA NAD+ 2×3 2×异柠檬酸 → 2 × α -酮戊二酸 NAD+ 2×3 2×α -酮戊二酸 → 2 × 琥珀酰CoA NAD+ 2×3 2×琥珀酰CoA → 2 × 琥珀酸 2×1 2×琥珀酸 → 2 × 延胡索酸 FAD 2×2 2×苹果酸 → 2 × 草酰乙酸 NAD+ 2×3 净生成 此表按传统方式计算ATP。目前有新的理论,在此不作详述 38(或36)ATP 糖質の好気的酸化の生理的意義 生体のエネルギー産生の主な経路である。こ れはエネルギー産生の能率が高いばかりで なく,産生したエネルギーがしだいに放出さ れ,その一部分がATPを形成する。だから エネルギーの利用率も高い。 三、糖質の好気的酸化の調節 ① 嫌気的解糖経路:ヘキソキナーゼ ホスホフルクトキナーゼ‐1 鍵 酵 素 ピルビン酸キナーゼ ② ピルビン酸の酸化的脱炭酸: ピルビン酸脱水素酵素複合体 ③ クエン酸回路:クエン酸シンターゼ α-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体 イソクエン酸脱水素酵素 1. ピルビン酸脱水素酵素複合体 ⑴ アロステリック調節 アロステリック阻害剤:アセチルCoA; NADH; ATP アロステリック活性化剤:AMP; ADP; NAD+ * アセチルCoA/HSCoA或は NADH/NAD+時, この活性も阻害される。 ⑵共有結合修飾 による調節 NADH+H+ アセチルCoA ピルビン酸 プロテインキナーゼ ホスファターゼ 活性のあるピルビン酸 脱水素酵素複合体 アセチルCoA 活性のないピルビン酸 脱水素酵素複合体 インスリン Ca2+ 目录 2. クエン酸回路の調節 アセチルCoA – ATP クエン酸 + ADP ① ATP、ADPの影響 クエン酸シンターゼ オキサロ酢酸 NADH スクシニル CoA クエン酸 ② 産物の蓄積で 阻害される。 イソクエン酸 リンゴ酸 NADH FADH2 ③ 後の反応産物が 前の反応の酵素をア ロステリック阻害する。 ④ その他,Ca2+が いくつかの酵素を 活性化する。 – ATP + ADP Ca2+ α-ケトグルタル酸 α-ケトグルタル酸 脱水素酵素複合体 スクシニルCoA GTP イソクエン酸 脱水素酵素 ATP – + Ca2+ スクシニルCoA NADH 糖質の好気的酸化調節の特徴 ⑴ 鍵酵素の調節を通じて実現する。 ⑵ ATP/ADP或はATP/AMPは全過程を制御する。 この値が高くなればあらゆる酵素は阻害される。 ⑶ 酸化的リン酸化の速度はクエン酸回路の回転 に影響する。前者が低くなると,後者も緩くなる。 ⑷ クエン酸回路は解糖経路と互いに協調する。ク エン酸回路に必要なアセチルCoAは解糖経路 を通じてピルビン酸から生成される。 * その外に ATP/ADP或はATP/AMPは糖質の好気的酸 化に影響する。とくにATP/AMPによる調節の 効果はもっと著しい。 アデニル酸キナーゼ 2ADP ATP+AMP 生体内ではATPの濃度がAMPの濃度の50 倍である。それでATP/AMPの変動はATPより大 きく,信号を拡大する作用をもっている。 四、パスツール効果(Pastuer effect) *概念 糖質の好気的酸化が嫌気的解糖を強く阻害 する現象である。 *機構 好気的条件下では,NADH+H+ とピルビン酸 はミトコンドリア内に入り,酸化され,乳酸を生成 しない 第 四 節 ペントースリン酸経路 Pentose Phosphate Pathway *概念 グルコース6-リン酸はペントースリン酸と NADPHを生成し,前者がさらにグリセルアル デヒド3-リン酸とフルクトース6-リン酸に転換 する過程をいう。 グルコースを代謝する別の経路である。 一、ペントースリン酸経路の反応過程 * 細胞部位:細胞質ゾル * 反応過程:二つの段階に分けられる。 第一段階: 酸化反応 ペントースリン酸,NADPH及びCO2を 生成する。 第二段階: 非酸化反応 一連の転移反応を含む。 1. ペントースリン酸の生成 H C OH H C OH HO C H H C OH H C G- 6- P脱水素酵素 H NADP+ O NADPH+H+ ⑴ OH HO C H H C OH H C CH2O NADPH+H+ ⑵ H 2O O P 6-ホスホグルコノラクドン G- 6- P 6-ホスホグルコン酸 脱水素酵素 NADP+ CO2 C=O C P CH2O CO COO— H C OH H HO C H H C OH H C OH P 6-ホスホグルコン酸 CH2O CH2OH C=O C O H C OH H C OH P リブロース5-リン酸 CH2O リボース5-リン酸 NADP+ NADPH+H+ NADP+ NADPH+H+ リボース5-リン酸 G-6-P CO2 グルコース6-リン酸脱水素酵素はペントースリン酸経 路の鍵酵素である。 二回の脱水素反応ではいずれもNADP+を水素受容 体としてNADPH を生ずる。 生成されたリボース5-リン酸は非常に重要な中間産 物である。 2. 転移反応 3分子のグルコース6-リン酸は同時に反応に 参加し,3C、4C、6C、7Cなどの相互変換 を通じて最終グリセルアルデヒド3-リン酸とフ ルクトース6-リン酸を生成する。 グリセルアルデヒド3-リン酸とフルクトース 6-リン酸は解糖経路に入る。 リブロース5-リン酸(C5) ×3 キシルロース5-リン酸 リボスー 5-リン酸 C5 C5 セドヘブツロース7-リン酸 C7 エリトロース4-リン酸 C4 グリセルアル デヒド3-リン酸 C3 フルクトース6-リン酸 C6 キシルロース5-リン酸 C5 グリセルアルデヒド 3-リン酸 C3 フルクトース6-リン酸 C6 ペ ン ト ー ス リ ン 酸 経 路 グルコース6-リン酸(C6)×3 3NADP+ 3NADP+3H+ グルコース6-リン酸脱水素酵素 6-ホスホグルコノラクドン(C6)×3 6-ホスホグルコン酸(C6)×3 3NADP+ 3NADP+3H+ キシルロース 5-リン酸 C5 6-ホスホグルコン酸脱水素酵素 CO2 リブロース5-リン酸 (C5) ×3 リボース5-リン酸 C5 セドヘブツロース 7-リン酸 C7 グリセルア ルデヒド3リン酸 C3 第一段階 エリトロース 4-リン酸 C4 キシルロース5-リン酸 C5 第 グリセルアルデヒド 二 3-リン酸 C3 段 フルクトース6-リン酸 階 フルクトース6-リン酸 C6 C6 総反応式 3×グルコース6-リン酸 + 6 NADP+ 2×フルクトース6-リン酸 + グリセルアルデヒド3-リン酸 + 6 NADPH+H+ + 3 CO2 ペントースリン酸経路の特徴 ⑴ 脱水 素反応で は NADP+ を水 素受 容体とし て, NADPHを生ずる。 ⑵ ケトースとアルドース間の転移反応を通じて,3,4、 5,6,7炭素糖が相互変換できる。 ⑶ 重要な代謝中間産物であるリボース5-リン酸を生 成する。 ⑷ 1分子G-6-Pあたり1回の脱炭酸と2回脱水素反応 が起こり,1分子CO2と2分子NADPHを生ずる。 二、ペントースリン酸経路の調節 * グルコース6-リン酸脱水素酵素 鍵酵素であり,この酵素の活性はペントー スリン酸経路に入ったグルコース6-リン酸の流 量を決める。 この酵素の活性は主にNADPH/NADP+ に 制御される。その比が高くなれば酵素が阻害 される。その外にNADPHはこの酵素を強く阻 害する。 三、ペントースリン酸経路の生理的意義 (一)ヌクレオチドの合成にリボースを 提供する。 (二)NADPHを提供する。 NADPHは水 素供与体として多くの代謝反応に関 与する。 1. NADPHは生体内における多くの合成反応の 水素供与体である。 2. NADPHは生体内における水酸化反応に関与 し,生合成或は生物転化に関連する。 3. NADPHはGSHの還元性を維持する。 A 2G-SH AH2 G-S-S-G NADP+ NADPH+H+ 第 五 節 グリコーゲンの合成と分解 Glycogenesis and Glycogenolysis グリコーゲン (glycogen) 動物体内における糖質の貯蔵形であり,迅速 に利用できるエネルギーの貯蔵である。 グリコーゲンを貯蔵する主な器官及び生理的意義 筋肉:筋肉グリコーゲン,180 ~ 300g, 主に 筋肉収縮に必要なエネルギーを供 給する。 肝臓:肝臓グリコーゲン,70 ~ 100g, 正常な血糖濃度を維持する。 グリコーゲンの構造特徴及び意義 1. グルコース残基がα-1,4-グ リコシド結合で鎖状に連ねて いる。 2. 分枝点ではα-1,6-グリコシ ド結合である。(溶解度増加) 3. 沢山の非還元末端をもって いる。これがグリコーゲンの 合成と分解に役立つ。 一、グリコーゲンの合成代謝 (一)定義 グルコースからグリコーゲンを合成する過 程をグリコーゲン合成(glycogenesis)と呼ぶ。 (二)合成部位 組織定位:主に肝臓,筋肉 細胞定位:細胞質ゾル (三)グリコーゲン合成経路 1. グルコースはグルコース6-リン酸にリン酸化さ れる。 ATP G ADP HK;GK(肝) G-6-P 2. グルコース6-リン酸はグルコース1-リン酸に 転換される。 G-6-P G-1-P ホスホグルコムターゼ リン酸基転移の意義:グルコース分子のC-1ヘミア セタール水酸基が活性化され,元のグリコーゲン分子 の末端グルコース残基のC-4水酸基と縮合する。 ヘミアセタール水酸基とリン酸基の間に形成されたOP結合は割合高いエネルギーをもっている。 3. グルコース1- リン酸はウリジン二リン酸グルコース に転換される。 CH2OH H H OH HO P + H O H P O H P ウリジン UTP P OH CH2OH G-1-P H H OH UDPGピロホスホリラーゼ HO 2Pi + エネルギー H O H PPi O H P P ウリジン 尿苷 OH ウリジン二リン酸グルコース ( uridine diphosphate glucose , UDPG ) “グルコースの活性型” 4. α-1,4-グリコシド結合の形成 Gn + UDPG Gn+1 + UDP グリコーゲンシンターゼ ( glycogen synthase ) UDP ATP ヌクレオシド UTP 二リン酸キナーゼ ADP Gn + UDPG Gn+1 + UDP グリコーゲンシンターゼ ( glycogen synthase ) * Gnは細胞内にあらかじめ存在する小さなグリ コーゲン分子であり ,グリコーゲンプライマー (primer)と呼ばれ,UDPGからのグルコース残 基を受け取る。 (四)グリコーゲン分枝の形成 分枝酵素 (branching enzyme) α-1,4-結合 α-1,6-結合 グリコーゲン合成においてはプライマーとして の最初のグリコーゲン分子はどのように作られる か? 近来,グリコーゲン分子の中心にグリコゲニ ン(glycogenin)というタンパク質は発見された。 グリコゲニンはUDPGによって特異的なチロシン 残基がグルコシル化される。さらにグルコース残 基がα-1,4-グルコシド結合で結合し,短い鎖をつ くり,プライマーとなる。 グルコシル基 転移酵素 グリコーゲンシンターゼ グリコーゲン シンターゼ グリコーゲンシンターゼ 分枝酵素 グリコーゲン顆粒 二、グリコーゲンの分解代謝 *定義 肝グリコーゲンはグルコースに分解される過 程をグリコーゲン分解(glycogenolysis )と呼ぶ。 * 細胞定位:細胞質ゾル *肝グリコーゲン分解 1. グリコーゲンの加リン酸分解 Gn+1 ホスホリラーゼ Gn + G-1-P 2. 脱分枝酵素の作用 ①グルコース残基を転移する ②-1,6-グリコシド結合を分解 脱分枝酵素 (debranching enzyme) ホスホリラーゼ 転移酵素活性 α-1,6グルコ シダーゼ 3. グルコース1-リン酸はグルコース6-リン酸に 転換される。 G-1-P ホスホグルコ ムターゼ G-6-P 4.グルコース6-リン酸はグルコースに分解される。 G-6-P G グルコース-6-ホスファターゼ (肝,腎) *筋肉グリコーゲンの分解 前の三つの反応が肝臓グリコーゲン分解と同じ であるが,筋肉組織にはグルコース-6-ホスファ ターゼが存在しないので,グルコース6-リン酸は グルコースに分解されない。 ただ 解糖経路だ けに入って代謝される。 筋肉グリコーゲン代謝は乳酸回路と関係がある。 まとめ ⑴ 反応部位:細胞質ゾル ⑵ G-6-Pの代謝行方 6-ホスホグルコノ ラクドン G(血糖の補充) G-6-P (ペントースリン酸経路) F-6-P (解糖経路) G-1-P UDPG グルクロン酸 (グルクロン酸経路) Gn(グリコーゲン の合成) 3.グリコーゲンの合成と分解の経路のまとめ Gn+1 UDP Pi グリコーゲンシンターゼ Gn Gn UDPG PPi ホスホリラーゼ UDPGピロホスホリラーゼ UTP G-1-P ホスホクルコムターゼ グルコース-6-ホスファターゼ(肝) G-6-P HK(GK ) G 三、グリコーゲンの合成と分解の調節 ① 合成:グリコーゲンシンターゼ 鍵酵素 ② 分解:ホスホリラーゼ 重要な特徴: * 速い調節には共有結合による修飾調節とア ロステリック調節が2種類ある。 * 酵素には(高)活性や不(低)活性型がある。 それら二種類の酵素は相互変換できる。 1.共有結合による修飾の調節 ① これら二つの酵素はリン酸化或は脱リン酸化さ れたあと,活性の変化が反対である。 ② 酵素触媒反応であり,その速度が速い。; ③ カスケード的増幅があり,効率が高い。; ④ ホルモンによる調節を受けている。 ホルモン(グルカゴン,エピネフリン)+ 受容体 AC (不活性型) アデニル酸シクラーゼ(AC,活性型) ATP cAMP PKA PKA (不活性型) (活性型) Pi ホスホリラーゼb キナーゼ プロテイン ホスファターゼ-1 ホスホリラーゼb キナーゼ-P – グリコーゲン シンターゼ Pi グリコーゲン ホスホリラーゼb シンターゼ-P プロテインホスファターゼ-1 – Pi ホスホリラーゼa-P プロテインホスファターゼ-1 – PKA(活性型) プロテインホスファター ゼ阻害剤-P プロテインホスファ ターゼ阻害剤 2.アロステリック調節 *グルコースはホスホリラーゼのアロステリッ ク阻害剤である。 グルコース ホスホリラーゼ a (R) ホスホリラーゼ a (T) [分散型] [緊密型] ホスホリラーゼには2種類の立体配置がある。 即ち緊密型(T)と分散型(R)である。T型ではSer- 14が暴露され,共有結合による修飾調節を受け るのに都合がよい。 調節についてのまとめ ① 鍵酵素には活性型,不(低)活性型という2種類 の様式がある。それらはリン酸化或は脱リン酸 化を通じて,相互変換できる。 ② バランスで調節されている:cAMP濃度が増 加し,ホスホリラーゼが活性化されると同時に グリコーゲンシンターゼが不活性型に変化する。 ③ 二重調節:共有結合による修飾の調節 アロステリック調節 ④ ホルモンによる調節にはカスケード的増幅 がある。 ⑤ 肝臓グリコーゲン代謝と筋肉グリコーゲン代謝 は自分の調節特徴をもっている。 例えば 前者では主なホルモンはグルカゴンで, 後者ではエピネフリンである。 第 六 節 糖 新 生 Gluconeogenesis *概念 糖でない物質がグルコースやグルコーゲ ン に 変 換 さ れ る 過 程 を 糖 新 生 (gluconeogenesis)という。 *部位 主に肝細胞,腎細胞の細胞質ゾルとミト コンドリア * 前駆体 主に乳酸,グリセロール,糖源性アミノ酸 Glu ATP 一、糖新生経路 (gluconeogenic pathway) ADP G-6-P F-6-P *定義 ピルビン酸がグルコースを生じる反応過 ATP ADP 程を糖新生経路と呼ぶ。 F-1,6-2P 磷酸二 羟丙酮 3-磷酸 甘油醛 NAD+ NADH+H+ 1,3-二磷酸甘油酸 ADP ATP 3-磷酸甘油酸 2-磷酸甘油酸 磷酸烯醇式丙酮酸 ADP ATP 丙酮酸 *過程 多くの反応は解糖経路と同じ,可逆 的である。 解糖経路における三つの鍵酵素によ る反応が不可逆的で,特別な反応に よって迂回されている。 1. ピルビン酸がホスホエノールピルビン酸(PEP)に 変換される ATP ADP+Pi ピルビン酸 CO2 GTP GDP オキサロ酢酸 ① PEP ② CO2 ① ピ ル ビ ン 酸 カ ル ボ キ シ ラ ー ゼ (pyruvate carboxylase)で,ビオチンを必要とし,ミトコン ドリアにある。 ② ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナー ゼで,ミトコンドリアと細胞質ゾルにある。 細 胞 質 ゾ ル PEP GDP + CO2 PEPカルボキシキナーゼ GTP OAA Aps Aps リンゴ酸 NAD+ α-KG OAA Glu 糸 粒 体 リンゴ酸 ADP + Pi NADH + H+ ピルビン酸カル ボキシラーゼ ピルビン酸 ATP + CO2 ピルビン酸 糖新生に必要なNADH由来 糖新生経路においては,グリセルアルデヒド 3-リン酸脱水素酵素による反応はNADHを必要 とする。 ① 乳酸を糖新生原料とする時 NADHが以下の 反応によって提供される。 乳酸 LDH NAD+ ピルビン酸 NADH+H+ ② アミノ酸を糖新生原料とする時, NADHがミトコン ドリアにより提供される。それらが脂肪酸β-酸化或 はクエン酸回路に由来し,オキサロ酢酸とリンゴ酸 の相互変換を通じて輸送される。 オキサロ 酢酸 NADH+H+ リンゴ酸 NAD+ ミトコンドリア リンゴ酸 NAD+ オキサロ 酢酸 NADH+H+ 細胞質ゾル 2. フルクトース1,6-ビスリン酸がフルクトース 6-リン酸に転換される。 Pi F-1,6-BP F-6-P フルクトース-1,6ビスホスファターゼ 3. グルコース6-リン酸がグルコースになる。 Pi G-6-P グルコース-6ホスファターゼ G 糖でない物質の糖新生に入る経路 ⑴ 糖新生の前駆体が糖質代謝の中間産物に 変換される。 糖源性アミノ酸 -NH2 グリセ ロール グリセロール 3-リン酸 乳酸 2H α-ケト酸 ジヒドロキシ アセトンリン酸 ピルビン酸 ⑵ 上述した糖質代謝の中間産物がグルコース やグリコーゲンに変換される。 G-6-Pase 二、糖新生の調節 Pi G-6-P 前の三つの反応 ADP においては,基質 の相互変換は異 なった酵素によって 基質回路 ATP HK F-1,6-BPase-1 F-1,6-BP ADP 触媒される。こうし た相互変換回路を G ピルビン酸カル ボキシラーゼ CO2+ATP F-6-P PFK-1 ADP+Pi ATP GTP OAA PEPカルボ キシキナーゼ GDP+Pi PEP +CO2 ピルビン酸 キナーゼ ATP ピルビン酸 (substrate cycle)。 ADP Pi 生合成に作用する酵素と,分解に作用する 酵素とが同時に存在し無用の回路なしている。 この回路は結局ATPを分解してADPとPiを作る 以外何ももたらさない無益な過程である。した がってこれを無益回路(futile cycle)ともいう。 実際の生体内ではこの回路が調節されてい て,二つの酵素のうち一方のみが活性をもって いる。 1. フルクトース6-リン酸とフルクトース1,6-ビスリン酸 Pi F-6-P F-2,6-BP F-1,6-BPase-1 ATP PFK-1 AMP F-1,6-BP ADP 2. PEPとピルビン酸 PEP ADP F-1,6-BP オキサロ酢酸 Ala ピルビン酸 アセチル CoA ピルビン酸 キナーゼ ATP 三、糖新生の生理的意義 (一)血糖濃度の定常を維持する。 (二)肝臓グリコーゲンを補充する。 三炭素経路:摂食した後,大部分のグルコー スが肝外細胞で乳酸やピルビン酸などの三炭 素化合物に分解される。そしてこれらの三炭 素化合物は肝細胞でグリコーゲンを合成する。 ( 三 ) 酸 塩 基 平 衡 を 調 節 す る 。 (乳酸がグルコースに変換される。) 四、乳酸回路( lactose cycle,Cori 回路) ⑴ 回路過程 グルコース グルコース 糖 新 生 経 路 解 糖 経 路 ピルビン酸 ピルビン酸 【 グルコース NADH NADH NAD+ NAD+ 乳酸 乳酸 乳酸 肝臓 G-6-Paseがある。 血液 筋肉 】 【 G-6-Pase がない。 】 ⑵ 乳酸回路はエネルギーを消費する過程で ある。 2分子の乳酸が1分子のグルコースに転 換される場合 6分子のATPが消費される。 ⑶ 生理的意義 ① 乳酸を再利用し,その損失を妨げる。 ② 乳酸の蓄積によるアシドーシスを防止する。 第 七 節 血糖及びその調節 Blood Glucose and The Regulation of Blood Glucose Concentration 血糖及び血糖レベルの概念 *血糖: 血中グルコースのこと *血糖レベル:即ち血中のグルコース濃度 正常な血糖レベル:3.89~6.11mmol/L 血糖レベル定常の生理的意義 重要な組織器官(とくにグルコースによるエネ ルギー供給に依頼する組織器官)のエネルギー 供給を保証する。 脳組織は脂肪酸を利用することができない。 成熟赤血球にはミトコンドリアがない。 骨髄と神経組織では代謝が活躍である。 一、血糖の由来と行方 食物の糖質消化, 吸収 肝臓 Gn 分解 糖新生 非糖質 血 糖 好気 酸化 CO2 + H2O Gn合成 肝臓(筋肉)Gn ペントースリン酸経路など その他の糖 脂質,アミノ酸の合成代謝 脂肪,アミノ酸 二、血糖レベルの調節 *主にホルモンによる調節を受けている。 血糖を低下させるもの: 主要な ホルモン インスリン(insulin) 血糖を上昇させるもの: グルカゴン(glucagon) グルココルチコイド エピネフリン (一) インスリン —— 生体内における唯一の血糖レベルを 低下させるホルモン 作用機構: ① Gの肝外細胞への輸送を促進する。 ② Gn合成を促進し, Gn分解を阻害する。 ③ 糖質の好気的酸化を速める。 ④ 肝内における糖新生を阻害する。 ⑤ 脂肪動員を減らす。 (二)グルカルゴン —— 生体内における血糖を上昇させ る主なホルモン 作用機構: ① Gn分解を促進し,Gn合成を阻害する。 ② 解糖経路を阻害し,糖新生を促進する。 ③ 脂肪動員を促進する。 * エピネフリンは主に応急の場合では役割を果た す。
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