ヌクレオチドとヌクレオシド

核酸とは(教p57)
1)五単糖、リン酸および塩基からなる。
2)五単糖にはD-リボースとデオキシ-D-リボースの2種があり、リボ核酸
(RNA)にはD-リボース、デオキシリボ核酸(DNA)にはデオキシ-D-リボースが
含まれている。
3)塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)、チミン(T)
の5つがあるが、RNAではA・G・C・U、DNAではA・G・C・Tが含まれる。
4) D-リボースやデオキシ-D-リボースの1(1’)位に塩基が結合した化合物
をヌクレオシド(nucleoside)という。ヌクレオシドの5(5’)位にリン酸がエステル
結合した化合物をヌクレオチド(nucleotide)という。
5)ヌクレオチドがエステル結合で長く連結した鎖状の高分子化合物を核酸と
いう。
ヌクレオチドとヌクレオシド
P :リン酸基
HOH2C
塩基
O
OH
OH
O
OH
ヌクレオチド
ヌクレオシド
塩基
OH
デオキシ-D-リボース
塩基
O
OH
D-リボース
HOH2C
P OH2C
P OH2C
O
OH
塩基
ヌクレオチドの例(教p53 表6-1)
NH2
N
アデニン
N
N
O
-O
P
H
O C H
N
O
-O
リン酸基
OH
OH
D-リボース
H3PO4
3H+ + PO43-
アデノシン-5(5’)-リン酸(AMP)
AMP・ADP・ATP(教p54、図6-2)
P
NH2
OH2C
塩基
塩基
O
N
N
P
O
-O
N
P
H
O C H
N
OH
OH
P
P
OH2C
塩基
O
O
-O
OH
OH
OH
OH
P
P
P
塩基
OH2C
O
OH
OH
ATP=エネルギー源?(教p55 図6-3)
P
P
P
(-)
(-)
(-)
-O
(+)
(+)
P P P
-O -O O
O
OH
O O O
(+)
塩基
OH2C
O
OH
電気陰性度の差によりP(リン)がプラス(+)に、
酸素原子がマイナス(-)に帯電している
この結合は、プラス同士を無理やりつ
ないでいる。(高エネルギリン酸結合)
ATPからリン酸基が1つ外れる(ATP→ADP)時に、エネルギーを発生する。
1molのATPがすべてADPに変換されたときに発生するエネルギー量は約7.3Kcal/mol
である。
DNA(Deoxyribonucleic acid)とRNA(Ribonucleic acid)
1)DNAは(遺伝形質)を(親から子)へ伝える情報を保持し、伝達している(生
殖細胞)と同時に、(たんぱく質合成)に関する情報を持っている。
2)RNAはそれらの役割と構造により、(メッセンジャーRNA(mRNA))、(リボ
ゾームRNA(rRNA))、(トランスファーRNA(tRNA))の3種類が存在する。
3)mRNAは、DNAからたんぱく質合成に必要な情報部分だけを写し取り、リボ
ゾームまでその情報を伝え、(たんぱく質合成の鋳型)となる(寿命は比較的
短い)
4)rRNAは、リボゾームたんぱく質と複合体を形成しており、実際に(たんぱく
質合成を行う)ところである(全RNAの約8割を占める)
5)tRNAは、たんぱく質合成に必要な(アミノ酸)をリボゾームまで運ぶ(全アミ
ノ酸に対応したtRNAがある)
DNAの構造
3’末端
5’末端
5’
A T
1’
3’
1’
4’
P ーOCH2
P ーOCH2
4’
3’
2’
5’
2’
P ーOCH2
C G
P ーOCH2
相補的塩基対
P ーOCH2
T A
P ーOCH2
P ーOCH2
1’ G C
4’
3’
3’末端
2’
1’
3’
4’
P ーOCH2
2’
5’
5’
5’末端
RNAの構造
P ーOCH2
A
P ーOCH2
mRNAのおいて、この
3塩基の並びが、1つ
のアミノ酸を決定する
OH
C
P ーOCH2
OH
G
P ーOCH2
OH
U
OH