CAPITALISM

本日の主題と 内容:
第2 次世界大戦後において、 日本や旧西ド イツな
どのよう に繁栄を享受し た国もあれば、 英国のよう
に衰退し た国もある。
一国の興亡を左右する究極の要因は何であろう
か?
システムにあるのか、 それと もマンサー・ オルソ
ンの言う 集団行動にあるのかを検討し てみまし ょ う
( =比較体制と 公共選択論 その1 )
比較体制論
1
集団行動のパラドックス
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集団の組織化とロビー活動
拮抗力(独占や関税に対する労働者、農民、
消費者)
集団の組織化とロビー活動のコストと便益
集団利益のための誘因は働くか→「ジョージ
に任せろ」
大集団では、メンバーは自らの集団利益を達
成するための行動をとることはしない
比較体制論
2
選択的誘因
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集団行動により提供されるサービス=集合財
の「公共財的」性質
「選択的誘因」とは、個人が集合財の供給に
貢献したか否かに従って個人に選択的に適
用されるもの
負の選択的誘因と正の選択的誘因
比較体制論
3
集団の規模
~小さな集団と大きな集団~
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社会的な選択的誘因は、ときに強力で費用
のかからない負や正の選択的誘因となりう
る
大きな集団の場合、社会的な選択的誘因
は有効に作用するとはいえない
比較体制論
4
集団の外部効果
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集合財から利益を受ける個人や企業の数が
多くなればなるほど、個人や企業に行動をと
らせるように仕向けている、集団の利益から
受ける分け前は小さくなる
選択的誘因が存在しないところでは、集団行
動のための誘因は集団の規模が大きくなる
につれて減少する
集団の規模が大きくなればなるほど、集団に
共通する利益のために行動する可能性を持
たなくなる
比較体制論
5
集団の組織化
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それでも集団の組織化は進んでいる
非政府組織(NGO)、非営利組織(NPO)など
依然として国家が必要な理由
集団の組織化が進めば進むほど、集団行動
のパラドックスが生じ、却って国家の役割が
重要になることが、国家の興亡に関係する
比較体制論
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マンサー・オルソンの集団行動に関する命題
M.オルソン著・加藤寛監訳『国家興亡論』
(PHP研究所、1991年刊)、第3章より
比較体制論
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1.
2.
3.
共通の利益を有するすべての集団が互いに釣合のと
れた組織を形成し、包括的な交渉を通じて最適な結果
に到達する国など存在しないであろう。
境界が変化しない安定的な社会は、長い間に、集合行
動のための共謀や組織をますます増大させる傾向が
ある。
「小さな」集団の構成員は、集合行動に関して、大きな
集団に比べると強力な組織を有しており、このような較
差は、安定的な社会では、長い間に減少していくが、な
くなることはない。
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5.
6.
結局、特殊利益組織や共謀は、それらが影響を及ぼ
し、政治生活をより対立的なものにしている社会の効
率性や総所得を減少させてしまう。
横断的組織は、自らが属する社会をより繁栄させよう
という何らかの誘因や、超過負担をできるだけ少なく
するような形で組織のメンバーに所得の再分配を行
なったり、再分配の社会的費用に比べて便益が大きく
なればそのような再分配はやめるという誘因をもつの
である。
分配結託は、それを構成している個々人や企業よりも
決定を下すのに時間がかかり、議案が山積みとなっ
たり、交渉が滞りがちであり、しばしば数量より価格の
方を決めようとする傾向がある。
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7.
8.
9.
分配結託は、刻々と変化する状況に応じて、社会が
新しい技術を採用し資源を再配分する能力を鈍らせ、
その結果、経済成長率を低下させてしまう。
分配結託はひとたびうまくやっていくに十分な規模に
なると、排他的になり、構成員の所得や価値観が多
様になることを制限しようとする。
分配結託がふえることによって、規制が一層複雑に
なり、政府の役割が増し、協定もさらに複雑化して、
社会の発展していく方向が変わってしまう。
比較体制論
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
Mancur Olson
Distinguished Professor of Economics
IRIS and Department of Economics
University of Maryland at College Park
College Park, MD 20742 USA
Office phone: (301) 405-3497
Fax: (301) 314-6334
Email: [email protected]
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Mancur
Olson is the author of The Logic of
Collective Action and The Rise and Decline of
Nations, each of which has been translated into
numerous foreign languages, and more than a
hundred other publications. He has been
Distinguished Professor of Economics at the
University of Maryland at College Park since 1979
and has been on the Maryland faculty since 1969.
He was from 1971 to 1977 also Vice Chairman of
the Health Services Review Commission of the
State of Maryland.
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
From 1967 to 1969 he was Deputy Assistant
Secretary of the U.S. Department of Health,
Education and Welfare, from 1963 to 1967 an
Assistant Professor of Economics at Princeton
University, and from 1961 to 1963 a Lieutenant
in the U.S. Air Force. He received the Ph.D.
degree in Economics from Harvard University in
1963. He was a Rhodes Scholar at University
College, Oxford, and has received the M.A.
degree from Oxford University and the B.S.
degree from North Dakota State University.
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He is past President of the Eastern Economic
Association and of the Southern Economic
Association, of the Public Choice Society, and of the
Social, economic and Political Sciences Section of
the American Association for the Advancement of
Science, and past Vice-President of the American
Economic Association. He is Fellow of the American
Association for the Advancement of Sciences, and
he has been awarded a Fellowship of the Woodrow
Wilson International Center for Scholars and a
Distinguished Fellowship at the U.S. Institute of
Peace. He is an Honorary Fellow of University
College, Oxford.
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Mancur Olson is Principal Investigator
and Chair of the Center on Institutional
Reform and the Informal Sector (IRIS) at
the University of Maryland, which
conducts research and provides technical
assistance related to the role of
institutional factors in economic
development and the transition of
formerly communist countries.
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His most recent work had addressed the origins
of public-good-providing governments, the fiscal
policies of democracies and autocracies, and the
role of property and contract rights in economic
development. Recent publications include "The
Secular Increase in European Unemployment
Rates" in European Economic Review (1995), "The
Devolution of the Nordic & Teutonic Economies" in
AEA Papers and Proceedings (May 1995), "Why the
Transition from Communism is So Difficult" in
Eastern Economic Journal (Fall 1995), and "The
Economics of Autocracy and Majority Rule: The
Invisible Hand and the Use of Force," (with Martin
C. McGuire) in The Journal of Economic Literature
(March 1996).
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