二つ目はメインバンク制。メインバンクには5つ の性質がある。 1、企業に対する最大の貸し手 2、企業に対する長期コミットメント 3、企業の株式の所有 4、役員を企業に派遣 5、年金の包括的サービスを担当の5つである。メ インバンクは2つの役割を果たした言われる。 1つ目は、1,2,5を強調するもので商業 銀行としてのメインバンクの側面である。 側面における役割は借手の情報を生産で ある。 2つ目の役割は3,4の性質を強調 するもので株主としてのメインバンクあ るいは系列としてのメインバンク制に関 連する。 経済政策の目的には、完全雇用、物価安 定と言う短期的視点と,所得配分,経済 成長という長期的視点がある。前者は景 気が加熱すれば抑制し、不況になれば景 気を浮揚することが目的とし、これを景 気政策という。景気政策は大別として財 政政策と金融政策の二つがある。 財政政策には財政支出の追加や減税により、 消費、所得、生産などを増やす効果があ る。しかし、その有効性については反論 がある。 (1)中立問題で、財政支出の増加による赤字 は増税により逆に消費を減少させ貯蓄を増加 させる。(2)クラウディング・アウト効果 で金融市場を圧迫して金利が上昇する結果、 民間企業の資金調達を阻害し、民間投資が抑 制される。(3)マンデル・フレミング効果 で赤字による金利の上昇は、為替相場の輸出 の減少と輸入の増加を招く。 ・財政政策は政府支出の増減などにより実体経済に直接的 な影響を与える。二つの波及経路がある。 第一は、景気政策として貨幣供給量を増加させると金利 が低下し、消費などの需要が増加する効果である。 第二は、金利の低下が内外金利差の拡大を通じ為替相場 を下落させ、輸出増加と輸入減少により総需要が増加す る効果である。 ・経済企画庁の最近の世界モデルによる計算では、 実体経済に及ぼす金融政策の効果はかなり大き いとされている。これによると短期金利が1%低 下すると、輸出の増加によりGDPの伸びは徐々 に上昇する。以前のモデルと比較すると、効果 は約2倍高まっている理由は二つある。 (1)金融自由化による長短金利の裁定取引の活 発化、設備投資などの金利弾力性の上昇により、 短期金利引き下げが需要を拡大する効果が増加 した。 (2)金利低下に伴う為替相場の下落により、純 輸出を拡大させる効果が増加した。 経済の成長は、復興経済から自立経済、高度 成長から減速経済の過程で成長が大きく変化 した。経済成長率を全国平均の鉱工業生産の 表によると、鉱工業全体の平均増加率は 1965〜73年の12.5%に対し石油危機後の 1973〜82年3.2%で鈍化した。このうち比 較的好調に推移したのは、家電などの耐久消 費税で9.8%増加した。これに対し建設財は 公共投資、工場の新増設の停滞で若干ながら マイナスとなりこの9年間 水準としては全く横ばいであったことを 示している。したがって、こうした産業 間の跛行性ないし産業構造の変化は、必 然的に資本財、耐久消費税など加工型産 業の比重が大きいと生産財など素材型産 業の比重が大きいと成長率格差が増大す る。
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