2007年度 化学熱力学 担当 高原周一 講義日程(予定) 1日目 ガイダンス,分子間力についての演示実験 2日目 古典力学と量子力学,分子間力 3日目 力とエネルギー,内部エネルギー 4日目 内部エネルギー(続き),温度 5日目 熱力学第1法則,エンタルピー 6日目 熱力学の応用例(気体圧縮による発火,エアコンのしくみなど) 7日目 口頭報告(1) 8日目 口頭報告(1)の答あわせ,エントロピーと熱力学第2法則(続き) 9日目 予備テスト(1),自由エネルギー 10日目 自由エネルギー(続き),速度論的要因 11日目 化学平衡 12日目 口頭報告(2) 13日目 口頭報告(2)の答あわせ,エンジンの効率,まとめ 14日目 予備テスト(2) 15日目 定期テスト 授業の概要 ① 以下の事項について自分の言葉で全体像を説 明できるレベルを目指す. • • • • • • • 力とエネルギーの関係は? 内部エネルギーとは何か? 内部エネルギーと温度の関係は? エンタルピーとは何か? エントロピーとは何か? 自由エネルギーとは何か? 化学反応の進む方向は何によって決まるのか? 授業の概要 ② 熱力学はマクロな現象を扱うが,これをミクロな事象から理 解する(=分子論的に理解する)ことを目指す. ミクロ(微視的)とは原子・分子レベルのスケールでものを見ること マクロ(巨視的)とは日常生活のスケールでものを見ること ③ 熱力学は本来定量的な学問であるが,本質を見失うことを 避けるために,定性的な理解を重視する. 定性的な理解を促進するため,熱力学量の変化の符号を 問う演習を行う. ④ 熱力学の応用についても触れる(特にエネルギー関連の 技術について). 熱力学を学ぶ意味 • 化学現象を理解する上で重要. • エネルギー問題の解決や新素材開発等に必 要な知識. • 論理的な思考の訓練の機会. 単位認定・評価方法 最低限習得すべき事項の理解と実質的な授業参加がなされ ていれば,単位を認定する. • 予備テスト+定期テスト(70点) • 出席点(10点) • レポート(20点) • 上記の評点の合計が60点以上なら単位を認定する. • 評点が60点未満でも定期テストで60%以上の点を取ってい れば単位認定する(出席日数不足の者を除く). • レポート点が低い者に対して,レポートの提出を求めること がある. 授業の進め方 (1) 口頭報告 (演習) • 次々回までに4~6人の班を作っておく.メンバーは自由.3人 以下の班および班が作れなかった人は,高原が主導して統 合・再編を行う. • 演習の前々週の授業で,演習問題を発表する.各個人は,全 ての演習問題を解いてくる(宿題). • 演習の前週の授業時間の最後に班でディスカッションする.時 間が足りなければ授業時間外に再度集まる. • 演習の当日(土曜日の可能性もある)は班単位で演習問題の 解答を口頭で高原まで報告に来る.だれが報告するかはその 場で高原が指名する.報告のための時間は授業時間内に取 るが,時間が足りなかった場合には授業時間外に高原の部屋 まで出向くこと.この報告は単位取得の必要条件. • 予備テスト・定期テストには演習問題の類題を中心に出題. 口頭報告制度を採用する理由 • 人に説明でき,ちょっとした質問に答えることができれば,よ く理解できているということである.口頭で報告することによ り,受講生が自分の真の理解度を把握することができる. • 班内でディスカッションすることで,討論する力を磨くことがで きる. • 班のメンバーの理解度に差がある場合,教えあいが成立す る.他人に教えることにより深い理解が得られるという効果 も期待できる. この制度を成功させるためには,班内で素朴な疑問を出し 合ったり,率直な意見表明ができたりする雰囲気を作ること が大切. 出欠確認 授業当日に課題提出がある場合はそれにより出欠 確認を行う.課題提出がない場合は,授業の最後 に感想・質問・要望を書いてもらい,その提出により 出欠確認を行う.何も提出しないと欠席と見なされ るので注意すること. 注: 質問,要望にはできるだけ回答したいので,具 体的にわかりやすい表現で書いてほしい. 課題 • 課題内容は主に講義・冊子に対する質問,演習問題,熱・エ ネルギー関係の自由学習など. • 課題によっては匿名で授業のホームページに掲載すること がある. URL http://www.chem.ous.ac.jp/~takahara/ • 課題提出には基本的に課題提出システムを使用するが,課 題によってはレポート用紙に書いて提出してもらう. • 課題提出しなかったもの,再提出を要求されたものは期末 試験前日までの提出を受け付ける(ただし,評価点は減点す る). 冊子+パワーポイントの使用 • 授業は高原が作成した冊子+パワーポイントを主体に行う. 補助的にプリントを配布する.板書はあまり行わない. • 講義中にメモをとる.プリントに必要な点を書き入れるとよ い. • 前回に配ったプリントも持ってくるようにする. • 配ったプリント類はバインダー等に閉じて無くならないように する. • 参考書として「バーロー物理化学(上)第6版」を用いる. 心得 • 丸暗記に走らず,理解する努力を! • わからないところがあれば気軽に質問にくる. <本日の講義内容> (1)分子間力についての演示実験と講義 (2)感想文提出(出欠を兼ねる) <連絡事項> 次回の講義で冊子を販売する.価格は800円 ぐらいの予定. 課題 課題提出システムで提出,10月4日まで クラスID:n07takahara 「私の過去・現在・未来」というテーマで文章を書け.具体的 には,「将来の夢」,「今後の人生で大切にしたいこと」,「私 のやりたい仕事」,「今力を入れていること」,「これまでの人 生で充実感を覚えたこと・感動したこと」,「私の尊敬する 人」,「私が影響を受けた本・テレビ」といった内容で文章を 書け.これらの項目のひとつに絞ってもよいし,複数の項目 にまたがっていてもよい.自分がそう思っている理由(例え ば,なぜその仕事をやりたいのか,なぜそのことに充実感を 覚えたのかなど)も書くように努力せよ. 静電気実験 プラス マイナス • 静電気で感電.(100人おどし) • 静電気で蛍光灯が光る.→ 静電気も「電気」である! • ビニールひも(ポリプロピレン?)で「電気クラゲ」. 【質問】 なぜこの「クラゲ」は浮いてしまうのか? <静電気力の特徴> ①同符号の電荷(+と+,-と-)は反発しあう. ②異符号の電荷(+と-)は引き合う. ③距離が近いほど大きな力がはたらく. ガラス棒: プラスに帯電 ストロー(ポリプロピレン): マイナスに帯電 プラス マイナス 水の場合 ガラス棒 + 反発力? 引力? 相互作用なし? 水の場合 ストロー - 反発力? 引力? 相互作用なし? + H ― O H + + H + ― ― O H + 水分子には極性があ る.
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