情報ネットワーク 岡村耕二 RIPの欠点、特に大規模ネットワークにおいて • ネットワーク変更時の収束時間が長い。 • version 1はVLSM(Various Length Subnet Mask) に未対応 。 • version 1はマルチキャストに未対応。 • version 1は認証機能に未対応。 • 定期的なアップデートがネットワークを浪費。 • 帯域幅を考慮したコストの設定、複数パスを利用し たロードバランスなどできない。 • 階層構造が取れない。 • 最大メトリック値(15)という強い制限がある。 情報ネットワーク 2 マルチキャスト • すべての必要なホストに送信する • 必要でないどのホストにも送信しない • 他の通信形態 – ユニキャスト • ホストを唯一指定して送信する。 – ブロードキャスト • 必要、不必要関わらず、全てのホストに対して送信す る。 情報ネットワーク 3 マルチキャスト • 同じデータを必要するいくつかのホストに送 信する。 – ユニキャスト – ブロードキャスト – マルチキャスト 情報ネットワーク 4 ユニキャスト 情報ネットワーク 5 ブロードキャスト 情報ネットワーク 6 マルチキャスト 情報ネットワーク 7 IP マルチキャスト • ネットワーク層でマルチキャストを実現 • クラスDアドレス – 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 – グループ識別子 • グループに参加する • グループから離脱する • • • • 同一データリンクではよく使われる。 ネットワーク層の経路制御は非常に複雑(困難) 実験から商用へ IPv6でも本質的にはあまり変わらない 情報ネットワーク 8 IPv4 パケット 0 15 Version IP Header Length TOS IP Packet Length Flag Identifier TTL 31 Protocol Fragment Off-set Header Check Sum Source Address Destination Address マルチキャストアドレス Option TCP/UDP Data 情報ネットワーク 9 マルチキャストの長所 • パケットの重複を防ぐ • CPU の浪費を防ぐ • 帯域の大きくなりがちなマルチメディア通信の 通信量を減少できる • 時刻同期などにも用いられる 情報ネットワーク 10 マルチキャストの欠点 • • • • 実現が困難 信頼性の確保が困難 ヘテロな環境に向いていない 広まっていないのでどこでも使えるというわけ ではない 情報ネットワーク 11 クラス D(マルチキャスト) クラスD 11100000101010000000101000100001 •ネットワークアドレス •224.0.0.0 – 239.255.255.255 情報ネットワーク 12 IP マルチキャストとMACアドレス MACマルチキャスト 0000 0001 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 IP マルチキャストで用いられるMACマルチキャスト 0000 0001 0000 0000 1001 1110 0000 0000 0000 0000 0000 0000 25bit (01-00-5E) 23bit クラスD 23bit 11100000000000000000000000000000 情報ネットワーク 28bit 13 マルチキャストとNIC IP Multicast アドレス→ MAC アドレス 224.10.10.10 → 01-00-5E-0A-0A-0A あるプログラム が224.10.10.10 に参加 登録 受信する NIC NIC 01-00-5E-0A-0A-0A 情報ネットワーク 14 IPマルチキャストアーキテクチャ IGMP (Internet Group Management Protocol) IGMP マルチキャスト経路制御 インターネット IGMP 情報ネットワーク 15 IGMP(Internet Group Management Protocol) マルチキャストルータは、上流から 伝わってきたグループアドレスに参 加しているホストが配下のセグメン トに存在しているか、IGMP によっ て、把握する。 マルチキャストに対応している全て の計算機は224.0.0.1 に必ず参加 している。 1. ルータは 224.0.0.1 を用いて、あるグループアドレスにホストが参加しているかどう か問い合わせる。 2. 参加しているホストは、ランダムにタイマーをセットする。 3. タイマーが切れたホストは 224.0.0.1 に応答する。 4. 他のホストは 224.0.0.1 の応答を聞いて、タイマーのキャンセルをする。 情報ネットワーク 16 複雑なマルチキャスト経路制御 • AS内(IGP)とAS間(EGP)で異なる経路制御 プロトコルを用いる • AS内 – DVMRP, PIM • AS間 – MBGP • グループ単位に送信木を作る。~ユニキャス トの経路制御方式とは一般的に異なる。 情報ネットワーク 17 2つのモード • Dense Mode – 各セグメントに必ず1台は受信ホストが存在する確率の方が高いと仮 定する。 – まず、全てのセグメントに送信する。 – 受信ホストが存在しないセグメントへの送信をやめる。 – DVMRP (Distance Vector Multicast Routing Protocol ) • Sparse Mode – 各セグメントに受信ホストが存在しない確率の方が高いと仮定する。 – 受信ホストは明示的に参加メッセージを送信者に送る。 – 送信者は参加メッセージを受けて受信者の存在するセグメントへの 送信を始める。 – PIM (Protocol Independent Multicast ) 情報ネットワーク 18 高信頼性マルチキャスト • IP マルチキャストはUDPのみなので信頼性 がない • トランスポート層より上位で信頼性の保証 • アプリケーション層実現のため汎用性がない などの問題 • ただし実時間性はない 情報ネットワーク 19 なぜマルチキャストは普及していないか • 世の中にルータ装置が行き渡ってから開発された。 – マルチキャストに対応していないルータは多かった。 • DVMRP が先行した。 – ネットワークが非常に高価であった時代に Dense Mode のオーバーヘッドは大きすぎた。 • PIM/MBGP は複雑すぎて、サポートしているない ルータが多い。 • なくても、致命的に困らない。 情報ネットワーク 20
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