医療保険

医療保険
「法医学・医事法」第21回-2
医師が診療上交付する文書
医師から患者に
診療区分
文書
根拠
外来
診療録(含む診断書)
診断書作成義務
レセプト
厚労省ガイドライン
医師法
診療報酬
入院
入院診療計画書
クリテイカルパス
医療法
退院
退院療法計画書
(≠退院時サマリ-)
地域連携クリテイカルパス
レセプト
医療法
診療報酬
診療報酬
医師から医師に
診療情報提供書
診療報酬
医療保険制度
後期高齢者医療制度
75歳
65歳
前期高齢者医療保険
退職者医療
国民健康保険
失業
退職
被雇者保険
*近々に、高齢者医療制度改正の予定
後期高齢者医療制度
*厳密には、「保険」制度ではない
自己負
担1割
(原則年
金天引
き)
支援
国保
4割
公費
5割
被用者保
険
+自己負担1割(3割)
旧老人保健法
・市町村が実施主体
老人医療 (75歳以上)
→ 高齢者医療確保法へ
保健事業 (40歳以上)
→ 健康増進法第17条の健康増進事
業へ
医療保険の基本原則
・国民皆保険
・現物給付(出産、葬祭は現金支給)
・混合診療の禁止
・基本概念
受診率:被保険者あたりのレセプト件数
受療率:人口当たりの患者数
1件あたり日数:レセプト1件当たりの平均日数
1日当たり医療費 =
レセプト1件当たりの医療費
レセプト1件当たり日数
保険外併用療養費制度
・保険診療と自由診療等とを組み合わせること
のできる制度
・旧「特定療養制度」
・「評価療養」:①先進医療、②医薬品・医療機
器の治験、③薬価基準収載前の承認医薬品
の投与
・「選定療養」:①特別の療養環境の提供(差額
ベッド)、②紹介無しの200床以上の病院の
初診、③制限回数を超えた診療など
高額療養費制度
・医療保険の自己負担を一定限度額に抑える
制度
・≠ 公費医療
・~70歳未満、70~75歳未満、75歳~の3
段階
・高額医療・高額介護合算制度あり
診療報酬
・健康保険法に基づき、厚生労働大臣が告示
・厚生労働省主導の下、中央社会医療保険協
議会(中医教)が作成
・偶数年毎に改訂、厚労省の意向が強く反映
・医科、歯科、調剤、DPCの4種類
DPC
・Diagnosis Procedure Combination(診断群分
類)の略称
・分類はICD-10に基づく
・急性期入院医療に適用
・対象は、特定機能病院、急性期専門病院
・外来、治験、臓器移植、高度医療、先進医療
は対象外
療担則(保険医療機関及び保険医療
養担当規則)
・療養の給付の範囲-健診含まれない(1)
・帳簿等の保存義務:完結の日から3年間(9)
・専門外の際の転医及び対診義務(16)
・厚労大臣の定めた療法の実施義務(18)
・厚労大臣の定めた医薬品の使用義務、例外としての
治験(19)
・特定の保険薬局への誘導禁止(2-5、19-3)
・訪問看護ステ-ションの指示書交付義務(19-4)
・投薬限度:1回14日分or30日分or90日分(20)
・処方箋の交付:4日以内(20)
・投薬、注射では後発医薬品の使用義務(20)
在宅医療
診療報酬第2章第2部「在宅医療」が出典
・政策動向:在宅末期医療総合診療料、在宅患
者緊急時カンファレンス料、在宅悪性腫瘍患
者資料管理料、在宅自己疼痛管理指導管理
料
・過去出題項目:在宅透析(腹膜&血液)、在宅
酸素療法、在宅自己導尿、自己血糖値測定
器加算、間歇注入シリンジポンプ加算、
公費医療
(1)国家賠償目的
予防接種法に基づく健康被害の救済措置
(2)社会防衛的目的
・感染症法に基づく入院
・精神保健福祉法上の措置入院
(3)社会福祉的
・自立支援医療(→障害者総合生活支援法に)
・生活保護法に基づく医療扶助
・母子保健法上の養育医療(2000g以下or生活能力虚弱)
・特定疾患(潰瘍性大腸炎>パーキンソン病>全身性エリテ
マト-デス)
自立支援医療
・障害者自立支援法に基づく
・従来の三つの法律に基づく障害者(児)を対象とする公費
医療制度を一本化
(1)更生医療
(←身体障害者福祉法)
18歳以上の身体障害者手帳の交付を受けた者、HIV等7
種類
(2)育成医療
(←児童福祉法)
18歳未満の児童で特定の障害を持つ者、心臓機能障
害(Fallot四徴症)等9分野
(3)精神通院公費
(←精神保健福祉法)
継続的通院による精神科治療を必要とする者
国民医療費
・算定範囲:診療費+調剤費+入院時食事医療費+訪問
看護医療費
・主たる特徴
財源:保険料(48.8%)>公費(37.1%)>患者負担(14.1%)
診療別:入院外>入院>薬局調剤>歯科
傷病別:循環器>悪性新生物>呼吸器>腎尿路
・国際比較
対GDP比約8%、OECD諸国内最低クラス
・近年の統計
2009年で約36兆円、内55.4%が65歳以上
医療保険を補完する制度
□保険外併用療養費制度(旧特定療養費度)
・混合診療禁止原則の例外
・評価療養(先進医療、治験等)+選定療養(特
別の療養環境、初診加算等)
□高額療養費制度
・患者自己負担を一定額に抑える制度
・高額医療・高額介護合算制度あり
□入院時食事および生活療養費
・診療報酬とは別に徴収
医療保険が適用されないケ-ス
□(国保)資格証明書(中学生以下には保険証
交付)
□交通事故 → 自賠責
□労災 → 労働者災害保険、じん肺・石綿は
個別法により救済
*自殺未遂患者 → 対応分かれる
多くの場合は、精神疾患として保険適用してく
れるが、健康保険法上は、故意の犯罪・給付事由
発生の場合には適用されないとされており、主治
医・病院の方針に左右される。