腹腔と腹膜炎 腹部内臓は腹壁によってかこまれ保護されている が、腹壁でかこまれた空間を腹腔(ふくくう)といい、 腹腔の内側や腹腔内臓器をおおっている膜を腹 膜という。 術後無気肺 一般的に、肺活量は手術前と手術後を 比べると、下腹部の手術で25%、胸や上 腹部の手術では50%以下に低下すると いわれている。また、手術によっては、全 身麻酔や手術後の傷の痛みで体を起こ すことができないことがあり、そうなると、 うまく換気ができず(換気不全)、痰(た ん)が溜まり、酸素を十分に取り込めなく なる(無気肺)といった、合併症を起こす 場合がありえる。 糖尿病の合併症:糖尿病性神経障害 糖尿病の合併症 1.糖尿病性網膜症 2.糖尿病性腎症 3.糖尿病性神経障害 糖尿病神経障害が進行すると、感覚が低 下し、小さな傷が大きな潰瘍となってしま うことがある。糖尿病壊疽と呼ばれるもの で、壊疽によって足を切断する人は、年間 約2000人といわれている。 ウェルシュ菌による感染症 四川地震:負傷者に感染症、ガス壊疽で58人 隔離(Searchina News5月19日より) 19日付中国新聞社電によると、四川省で12日に発生した 地震による負傷者のうち、58人がガス壊疽(えそ)を発症し たという。 ガス壊疽はウェルシュ菌、ノビ菌などが傷口から侵入して 起きる感染症で、汚染された土壌に傷口が触れることが 原因になる場合が多い。筋組織が壊死して悪臭がある気 泡を生じることから、病名がついた。一般に、戦場での負 傷に多く発生するとされる。 適切な処置を行った場合でも致死率は15-30%、治療を 受けないと、発症から48時間内に死亡するとの見方があ る。 ウエルシュ菌食中毒事件数は年間20~40件 (平均28件)程度で、それほど多いものではな い。しかし、1事件あたりの平均患者数は83.7 名で、他の細菌性食中毒に比べて圧倒的に多 く、大規模事例の多いことが分かる 破傷風 現行の予防接種法に基づく破傷風の定期予防 接種は、沈降精製百日せきジフテリア破傷風 混合ワクチン(DPT)を生後3カ月~7歳半(標 準は生後3~12カ月)までの間に3回、3回目 の翌年に1回の計4回接種する基礎免疫と、 11~12歳に沈降ジフテリア破傷風混合トキソ イド(DT)を1回接種する追加免疫がおこなわ れている。年齢別の破傷風抗体保有状況で明 らかなように、40代を境に陽性率は大きく低下 している。また、感染症発生動向調査における 報告患者の年齢は45歳以上が90%以上であ り、破傷風への予防対策としては、40歳以上 に免疫をつけることが必要である。 中心静脈カテーテル 鎖骨下穿刺 カテーテルの先端を中心静脈内に留置するカテーテルを意味する。中心静脈とは、解剖学的に上大静脈 と下大静脈をさし、高浸透圧の輸液を、直ちに希釈して血管壁に静脈炎等を起さないようにするために、 この中心静脈内にカテーテル先端を位置させる必要がある。 針刺し事故と感染症
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