PowerPoint プレゼンテーション

社内資料
関節リウマチの新しい検査
抗CCP抗体
2007年4月17日m3.com配信
各種リウマトイド因子検査の比較
-多くの文献のまとめ-
感度
特異度
RA
RAテスト
RAPA
使用抗原:熱変性ヒトIgG
測定しているRF:主にIgM
使用抗原:熱変性ウサギIgG
測定しているRF:主にIgM
リウマチ因子
使用抗原:熱変性ヒトγグロブリン
定量(TIA)
測定しているRF:主にIgM
IgG型
使用抗原:熱変性ヒトIgGのFc
リウマチ因子
測定しているRF:IgG
抗ガラクトース
欠損IgG抗体
使用抗原:抗ガラクトース欠損IgG
測定しているRF:全てのグロブリンクラス
早期RA
63~7
5%
32~6
3%
53~82%
65~7
5%
38~6
6%
57~82%
63~9
0%
52~8
4%
62~87%
15~5
0%
0~46%
70~9
2%
71~9
1%
94~10
0%
50~87%
※早期RAは発症2年以内の症例報告を集計
社内資料
RAに特異的な抗体
リウマトイド因子は診断基準掲載マーカーであるが感度・特異性に欠ける。したがって
RAに特異的な抗体の研究が多くの研究者によって行われている。
報告者
抗体名
備考
Nienhuis ら
(1964)
抗核周囲因子
anti perinuclear factor:APF
頬粘膜細胞を用いた蛍光抗体法で発見さ
れたRA特異的抗体(抗核抗体の一種)。
Young ら
(1979)
抗ケラチン抗体
anti keratin antibody:AKA
ラット食道を用いた蛍光抗体法で発見。
RAの58%に検出され、健常人では検出さ
れない。
Simon ら
(1993)
抗フィラグリン抗体
anti filaggrin antibody :AFA
AKAの対応抗原はfilaggrinという分子
であり、APFはfilaggrinの前駆体である
profilaggrinである。
Schellekens ら
(1998)
抗シトルリン化ペプチド抗体
AKAもAPFもシトルリン化されたペプチド
に対する抗体である。
Van Jaarsveld ら
(1999)
抗CCP抗体(第一世代)
PADIによりシトルリン化させたフィラグリン
ペプチドを環状化させ、反応性を向上。
Venrooij ら
(2002)
抗CCP抗体(第二世代)
シトルリン化するペプチドをフィラグリンに
限定せず、患者血清との反応性が最も高
いペプチドを選択。
PADI:peptidylarginine deiminase(蛋白質中のアルギニン残基をシトルリンに変換する酵素)
抗CCP抗体:anti cyclic citrullinated peptide antibody
社内資料
抗CCP抗体とは
Anti cyclic citrullineted peptide antibody
RA患者の関節滑膜にはシトルリン化された蛋白が存在している。
シトルリン化とは蛋白のアルギニン残基がシトルリン化酵素(peptidylarginine
deiminase:PADI)の作用でシトルリンに変換される反応。
RA患者血清中にはシトルリン化蛋白(抗原)に対する抗体が産生されている。
抗CCP抗体とは、シトルリン化蛋白のペプチドを環状化した抗原に対する抗体
で、RAに対する高い特異性と感度を有することが報告されている。
RA関連遺伝子
2003年
理化学研究所遺伝子多型研究センター関節リウマチ関連遺伝子研究チーム
(代表:山本一彦 東京大学教授)
RA患者830例と健常人736例を遺伝子解析した結果、PADI酵素を作る
4つの遺伝子のひとつであるPADI4遺伝子の配列がRA患者と健常人で異な
ることが判明。これがRA発症に関係する遺伝子であると報告。
PADI酵素とは、蛋白質中のアルギニン残基をシトルリンに変える酵素であり、
RA患者はPADI4遺伝子の配列違いから、PADI酵素を健常人より多く持
つ。
社内資料
RA関連遺伝子と抗CCP抗体
PADI4遺伝子配列異常
PADI酵素を作る遺伝子のひとつであるPADI4
遺伝子の配列が健常人と異なる。
PADI酵素増多
PADI4遺伝子の配列の違いから、PADI酵素を
健常人より多く持つ。
シトルリン化蛋白増多
シトルリン化ペプチド抗体
(抗CCP抗体)産生
関節リウマチ
社内資料
PADI酵素の作用により関節滑膜にシトルリン化
蛋白が出現。
シトルリン化蛋白(抗原)に対する抗体が産生。
関節滑膜の炎症・増殖により骨軟骨破壊をきたす慢性
多発性関節炎を発症。
PADI: peptidylarginine deiminase
CCP: cyclic citrullineted peptide
各種リウマトイド因子検査の比較
-多くの文献のまとめ-
感度
特異度
RA
RAテスト
RAPA
使用抗原:熱変性ヒトIgG
測定しているRF:主にIgM
使用抗原:熱変性ウサギIgG
測定しているRF:主にIgM
リウマチ因子
使用抗原:熱変性ヒトγグロブリン
定量(TIA)
測定しているRF:主にIgM
IgG型
使用抗原:熱変性ヒトIgGのFc
リウマチ因子
測定しているRF:IgG
抗ガラクトース
欠損IgG抗体
使用抗原:抗ガラクトース欠損IgG
抗CCP抗体
測定しているRF:全てのグロブリンクラス
使用抗原:環状シトルリン化ペプチド
測定しているRF:IgG
早期RA
63~7
5%
32~6
3%
53~82%
65~7
5%
38~6
6%
57~82%
63~9
0%
52~8
4%
62~87%
15~5
0%
0~46%
70~9
2%
71~9
1%
67~9
3%
70~9
0%
94~10
0%
50~87%
87~10
0%
※早期RAは発症2年以内の症例報告を集計
社内資料
抗CCP抗体の疾患別抗体価分布
資料提供:株式会社医学生物学研究所
100000
10000
*
*
*
*
*
*
*
*
*
90ハ ゚ー セ ンタイル
* p<0.001
75ハ ゚ー セ ンタイル
中央値
1000
25ハ ゚ー セ ンタイル
U/mL
10ハ ゚ー セ ンタイル
100
10
4 .5 ⇒
1
0.01
RA
社内資料
S LE
M C TD
SSc
S jS
P M /D M 血管炎
OA
その他
健常者
抗フィラグリン抗体研究会データ
従来RFの疾患別抗体価分布
資料提供:株式会社医学生物学研究所
100000
*
*
10000
**
*
***
*
*
*
90ハ ゚ー セ ンタイル
* p<0.001
** p<0.01
*** p<0.05
75ハ ゚ー セ ンタイル
中央値
25ハ ゚ー セ ンタイル
IU/mL
10ハ ゚ー セ ンタイル
1000
100
15 ⇒
10
RA
社内資料
S LE
M C TD
SSc
S jS
P M /D M
血管炎
OA
その他
抗フィラグリン抗体研究会データ
RA発症供血者における抗CCP抗体の出現時期
資料提供:株式会社医学生物学研究所
Predisposition
Preclinical autoimmunity
Clinical disease
CCP2
80
(%pos)
70
60
50
40
Erosion
level
30
20
10
≤10
Initial trigger
社内資料
±-2
0
t (years)
Window of opportunity
for treatment
Pruijn et al 2005
抗CCP抗体健常者測定値の分布
資料提供:株式会社医学生物学研究所
160
100%
90%
140
80%
120
60%
80
50%
40%
60
30%
40
20%
20
10%
0
0%
~0.5
~1
~1.5
~2
~2.5
~3
~3.5
~4
~4.5
~5
~6
~7
~8
~9
~10
~15
~20
~25
25~
例数
100
抗C C P 抗体価 U /m L
累積 頻度
70%
範囲
~0.5
~1
~1.5
~2
~2.5
~3
~3.5
~4
~4.5
~5
~6
~7
~8
~9
~10
~15
~20
~25
25~
例数 累積頻度
151
47.2%
143
91.9%
10
95.0%
4
96.3%
0
96.3%
1
96.6%
0
96.6%
3
97.5%
0
97.5%
0
97.5%
1
97.8%
1
98.1%
1
98.4%
1
98.8%
0
98.8%
1
99.1%
0
99.1%
1
99.4%
2 100.0%
N=320
社内資料
早期関節リウマチの診断基準(案)
(厚生労働科学研究費補助金
免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業)
●MRI所見で対称性手及び指滑膜炎 (1点)
(必ずしも左右対称とは限らない)
●MRI所見で下記のいずれか1つを満たす (2点)
① 骨髄浮腫
② 骨浸蝕
●自己抗体で下記のいずれか1つを満たす (2点)
① 抗CCP抗体
② IgM-RF
総計3点以上を満たすものを早期関節リウマチとする。
社内資料
参考文献
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
Schellekens GA, de Jong BA, van den Hoogen FH, et al: Citrulline is an essential constituent of
antigenic determinants recognized by rheumatoid arthritis-specific autoantibodies. J. Clin. Invest.
101: 273-281, 1998
Schellekens GA, Visser H, de Jong BA, et al: The diagnostic properties of rheumatoid arthritis
antibodies recognizing a cyclic citrullinated peptide. Arthritis Rheum. 43: 155-163, 2000
Suzuki A, Yamada R, Chang X, et al: Functional haplotypes of PADI4, encoding citrullinating
enzyme peptidylarginine deiminase 4, are associated with rheumatoid arthritis. Nat. Genet. 34:
395-402, 2003
Suzuki K, Sawada T, Marukami A, et al: High diagnostic performance of ELISA detection of
antibodies to citrullinated antigens in rheumatoid arthritis. Scand. J. Rheumatol. 32: 197-204,
2003
山田 亮 : ペプチヂルアルギニン・デイミナーゼ タイプ4 関節リウマチ関連遺伝子の同定. 自己
抗体と自己免疫 2004 (医学生物学研究所, 名古屋) p39-46. 2004
三森経世 : 関節リウマチ早期診断と抗CCP抗体. リウマチ科 34(3): 244-249, 2005
江口勝美, 折口智樹 : 関節リウマチの早期診断:定義, 診断基準, 課題. リウマチ科 34(3): 237243, 2005
こちらもご参照下さい。
株式会社医学生物学研究所HP
http://www.mbl.co.jp/diagnostic/products/ccp.html
抗シトルリン化ペプチド抗体
抗CCP抗体
(anti cyclic citrullineted peptide antibody )
検査要項
検査項目
6205 5
抗シトルリン化ペプチド
(CCP)抗体
検体量
保存
所要日数
実施料
判断料
検査方法
基準値
血清
0.3 mL
凍結
2~4日
210点
※5
ELISA
4.5 U/mL
未満
※5 免疫学的検査判断料 144点
ア.抗シトルリン化ペプチド抗体精密測定は、区分「D014」自己抗体検査の「15」のIgG型リウマチ因子
精密測定に準じて算定できる 。
イ.抗シトルリン化ペプチド抗体精密測定は、診療、リウマチ因子測定、画像診断等の結果から、関節リ
ウマチと確定診断できない者に対して診断の補助として検査を行った場合に、原則として1回を限度
として算定する。ただし、当該検査結果が陰性の場合においては、3月に1回に限り算定できる。
なお、当該検査を2回以上算定するに当たっては、検査
値を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
ウ.抗シトルリン化ペプチド抗体精密測定、区分「D014」自己抗体検査の「15」のIgG型リウマチ因子精
密測定、同区分「11」のC1q結合免疫複合体精密測定、同区分「15」のC3d結合免疫複合体精密測定、
同区分「14」のモノクローナルRF結合免疫複合体精密測定、同区分「9」の抗ガラクトース欠損IgG
抗体精密測定及び同区分「9」のマトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)精密測定のうち2項
目以上を併せて実施した場合には、主たるもの1つに限り算定する。
社内資料