添付文書(PDF)

**2
0
1
0年8月改訂(第6版)
*2
0
0
9年1
0月改訂
日本標準商品分類番号
871319
広範囲抗菌点眼剤
処方せん医薬品
注意−医師等の処方せんにより使用
すること
®
トスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液
承認番号
薬価収載
販売開始
貯
法:室温保存
使用期限:外箱及びラベルに表示
(3年)
【禁忌(次の患者には投与しないこと)
】
本剤の成分及びキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴の
ある患者
**
【組成・性状】
販
売
有 効 成
名
トスフロ"点眼液0.
3%
分
日局 トスフロキサシントシル酸塩水和物
含量(1mL中) 3mg
(トスフロキサシンとして2.
0
4mg)
添
加
物
pH
硫酸アルミニウムカリウム水和物、ホウ
砂、塩化ナトリウム、pH調整剤
4.
9∼5.
5
浸 透 圧
比 0.
9∼1.
1(生理食塩液に対する比)
性
状
無色澄明の無菌水性点眼剤
など適切な処置を行うこと。
種類/頻度 0.
5∼1%未満 0.
1∼0.
5%未満
過敏症
眼
21800AMZ10010000
2
0
06年4月
2
0
06年4月
頻度不明
発疹、発赤、蕁麻疹
眼刺激、点状角膜 眼痛、眼瞼皮膚炎、 異物感、角膜沈着
炎等の角膜障害 霧視、眼の充血、 物、結膜炎(結膜
眼そう痒症、霰粒 充血・浮腫等)
腫
2.適用上の注意
1点眼用にのみ使用すること。
#
2薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に
#
触れないように注意するよう指導すること。
3原則として配合変化が認められる点眼液との併用は避ける
#
こと(
「取扱い上の注意」の項参照)
。
3.その他の注意
本剤の有効成分がソフトコンタクトレンズに付着し、レン
2)。
ズが白濁するとの報告がある1)
【効能・効果】
<適応菌種>
トスフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺
炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリ
ネバクテリウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、
セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロ
ビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチ
ウス(コッホ・ウィークス菌)
、
シュードモナス属、緑膿菌、
バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザント
モナス)
・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌
<適応症>
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜
潰瘍を含む)
、眼科周術期の無菌化療法
【用法・用量】
通常、成人及び小児に対して1回1滴、1日3回点眼する。
なお、疾患、症状により適宜増量する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原
則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期
間の投与にとどめること。
・小児においては、成人に比べて短期間で治療効果が認めら
れる場合があることから、経過を十分観察し、漫然と使用
しないよう注意すること。
・小児における増量投与については、その安全性は確立され
ていない。
【使用上の注意】
1.副作用
承認時までの臨床試験で、総症例数6
2
0例〔成人5
3
9例、小
児8
1例(乳幼児6
2例、新生児1
1例を含む)
〕のう ち、副 作
用は成人1
5例(2.
4
2%)に認められ、発現件数は1
6件であ
った。主な副作用は、眼刺激6件(0.
9
7%)
、点状角膜炎
等の角膜障害4件(0.
6
5%)であった。
1重大な副作用
#
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
:ショッ
ク、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観
察を十分に行い、紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼
浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な
処置を行うこと。
2その他の副作用
#
次のような副作用があらわれた場合には、投与を中止する
【薬 物 動 態】
1.血中濃度及び結膜嚢内濃度3)
健康成人眼に本剤を1回1滴、1日3回1
4日間点眼したと
き、最終点眼1.
5時間後の血清中トスフロキサシン濃度は
定量限界
(<0.
0
3
4
7μg/mL)
以下であった。
また、
健康成人眼
に本剤を1回1滴、
1日8回1
4日間点眼したとき、
点眼1
4日
目の初回点眼2
4時間後の血清中トスフロキサシン濃度は定
量限界
(<0.
0
3
4
7μg/mL)
以下で、結膜嚢内濃度は2.
0μg/mL
であった。
2.動物における眼組織内移行
(参考:ウサギ、イヌ)
1結膜嚢内濃度4)
#
本剤を有色ウサギに1回4
0μL点眼したときの結膜嚢内トス
フロキサシン濃度は、点眼5分後で1
6
8μg/mL、4時間後
では3.
3
1μg/mLであり、
6時間後では0.
6
7
0μg/mLであった。
2眼組織内濃度
#
14C標識トスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液0.
1)
3%
を有色ウサギに1回4
0μL点眼したとき、点眼1時間後に
は硝子体を除く各眼組織に広く分布し、放射能濃度は、
眼瞼結膜で4
3
6ng eq./g、眼球結膜で1
2
8ng eq./g、前 房
水 で8
9.
3ng eq./mL及 び 角 膜 で1
8
0
0ng eq./gを 示 し た。
また、メラニン含有組織である虹彩・毛様体及び脈絡
膜・網膜は1時間後でそれぞれ4
2
1ng eq./g及び2
4
9ng eq.
/g、2
4時間後ではそれぞれ3
2
5
0ng eq./g及び7
5
9ng eq./g
を示した4)。
14C標識トスフロキサシントシル酸塩水和物をビーグル犬
2)
に2
0mg/kgの投与量で1日1回1
4日間反復経口投与した
とき、脈絡膜・色素上皮及び虹彩・毛様体の放射能濃度
は、投与終了1
2時間後に3
2
2μg eq./g及び4
2
5μg eq./gを
示し、投与終了3
6
0日後まで徐々に減少した4)。
3)
幼若ウサギを用いた1
3週間反復点眼による眼毒性試験に
おいて、本剤投与群の眼瞼結膜、角膜、脈絡膜・色素上
皮及び虹彩・毛様体内トスフロキサシン濃度は、成熟ウ
サギに本剤を3
9週間反復点眼した場合と比較して平均値
で1.
4∼2.
3倍とやや高値を示した。一方、眼球結膜及び
前房水の薬剤濃度は幼若ウサギと成熟ウサギでほぼ同様
な値を示した5)。
【臨 床 成 績】
7)
8)
1.疾患別臨床効果6)
外眼部感染症の患者3
0
4例を対象に実施した本剤の第!相
比較試験、一般臨床試験の各疾患別臨床効果は下表のとお
りであった。
疾患名
有効率(有効以上)
臨床試験全体
小児臨床試験
(小児臨床試験を含む)
眼瞼炎
0)
9
0.
0%(9/1
涙嚢炎
9
3.
8%(1
5/1
6)
麦粒腫
結膜炎
9
7.
8%(4
5/4
6)
9
8)
9
4.
4%(1
8
7/1
瞼板腺炎
8
7.
0%(2
0/2
3)
角膜炎(角膜潰瘍
を含む)
※1
1
0
0%(1
1/1
1)
−
1
0
0%(5/5)
1
0
0%(6/6)
9
7.
6%(4
0/4
1)
1
0
0%(1/1)
−
**
【有効成分に関する理化学的知見】
一般名:トスフロキサシントシル酸塩水和物
(Tosufloxacin Tosilate Hydrate)
略 号:TFLX(トスフロキサシン)
(3RS )−3−Aminopyrrolidin−1−yl]
−1−(2,
4−
化学名:7−[
difluorophenyl)
−6−fluoro−4−oxo−1,
4−dihydro−1,
8−
naphthyridine−3−carboxylic acid monotosylate
monohydrate
分子式:C19H15F3N4O3・C7H8O3S・H2O
分子量:5
94.
56
F
構造式:
H
H2N
※1 角膜潰瘍4例を含む
7)
8)
2.適応菌種別臨床効果6)
上記症例より分離された適応菌種別臨床効果は下表のとお
りであった。
菌 種
有効率※2
(有効以上)
3
6)
ブドウ球菌属
9
4.
1%(1
2
8/1
レンサ球菌属
肺炎球菌
モラクセラ属(モラクセラ(ブランハ
メラ)
・カタラーリス)
コリネバクテリウム属
N
F
性
1
0
0%(1
6/1
6)
1
0
0%(1
0/1
0)
融
F
N
SO3H
N
O
・
H3C
CO2H
・ H2O
及び鏡像異性体
状:トスフロキサシントシル酸塩水和物は白色∼微黄白色の
結晶性の粉末である。N ,N −ジメチルホルムアミドに溶
けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノ
ール
(9
9.
5)
にほとんど溶けない。
メタノール溶液(1→1
0
0)は旋光性を示さない。
点:約2
5
4℃(分解)
1
0
0%(4/4)
9
8.
7%(7
7/7
8)
エンテロバクター属
1
0
0%(1/1)
セラチア属
1
0
0%(4/4)
インフルエンザ菌
1
0
0%(3
5/3
5)
シュードモナス属
緑膿菌
1
0
0%(3/3)
1
0
0%(3/3)
ステノトロホモナス(ザントモナス)・
マルトフィリア
6
6.
7%(2/3)
アシネトバクター属
アクネ菌
1
0
0%(2/2)
8
6.
8%(7
9/9
1)
※2 複数の菌種が検出された場合は、各々の菌種に1例として算入
3.眼科周術期の無菌化療法に対する効果9)
<治験時>
眼手術予定患者を対象に実施された術前無菌法における抗
菌効果は、評価対象例数6
4例中無菌化例数は4
7例(無菌化
率7
3.
4%)であった。なお、1日点眼量及び点眼期間は、
1回1滴、1日5回、2日間であった。
<市販後>
眼科周術期の無菌化療法における術後判定時の抗菌効果は、
評価対象例数1
0
3例中無菌化例数は9
8例(無菌化率9
5.
1%)
であった。
【取扱い上の注意】
●主な点眼液との配合変化
本剤1mLと配合薬剤1mLをガラス管に入れ、ミキサーで1
0
1
6)
秒間混合し、外観変化を観察15)
配合変化あり※3 リンデロン液、ニフラン点眼液、ジクロー
ド点眼液、ブロナック点眼液、点眼・点鼻
用リンデロンA液、
エコリシン点眼液、
リザ
ベン点眼液、
インタール点眼液、
タチオン点
眼用、
ミドリンM、
キサラタン点眼液、
チモプ
トール0.
2
5%、
チモ プ ト ー ルXE0.
5%、
トル
ソプト点眼液1%、
ミケラン点眼液2%、
リ
ズモンTG点眼液0.
5%、フラビタン点眼液
配合変化なし
トブラシン点眼液、サンテマイシン点眼液、
ザジテン点眼液、ムコゾーム点眼液、カタ
リン点眼液、ミドリンP、レスキュラ点眼液、
サンコバ点眼液
※3 混合直後または室温で1時間放置後に外観変化(白濁)が認められた
もの。白濁は、本剤の溶解機構であるトスフロキサシンとアルミニウ
ムイオンのキレート平衡が、他の点眼液中のエデト酸、クエン酸、リ
ン酸などにより影響をうけ、有効成分が析出するためと推測された。
【包
装】
5mL×5本、5mL×1
0本、5mL×5
0本
【主 要 文 献】
【薬 効 薬 理】
11)
12)
1.抗菌作用10)
本剤の活性本体であるトスフロキサシンの抗菌スペクトル
は広範囲に及び、in vitro でブドウ球菌属、レンサ球菌属、
肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、コリネバクテリ
ウム属等のグラム陽性菌、モラクセラ属、クレブシエラ属、
エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガ
ネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、
ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)
、
シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、
ステノトロホモナス(ザントモナス)
・マルトフィリア、
アシネトバクター属等のグラム陰性菌並びに嫌気性菌であ
るアクネ菌等の眼感染症の起因菌に対して強い抗菌力を示
す。
2.作用機序13)
細菌のDNAの高次構造を変換するDNA gyrase及びtopoisomerase IVに作用し、DNA複製を阻害することにより、
殺菌的に作用する。
3.実験的眼感染症に対する治療効果14)
ウサギの角膜実質に緑膿菌あるいは表皮ブドウ球菌の臨床
分離株を接種して作成した眼感染症モデルに対して、本剤
は治療効果を示した。
1)
日東メディック! 社内資料
(ソフトコンタクトレンズに対する影響)
2)
日東メディック! 社内資料
(ソフトコンタクトレンズに対する影響)
3)
北野周作ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
4
7−5
4,2
0
0
6
4)
福島容子ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
2
6−3
2,2
0
0
6
5)
木澤和夫ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
3
7−4
0,2
0
0
6
6)
北野周作ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
6
8−8
0,2
0
0
6
7)
北野周作ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
9
5−1
1
0,2
0
0
6
8)
北野周作ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
1
1
8−1
2
9,2
0
0
6
9)
北野周作ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
1
1
1−1
1
7,2
0
0
6
1
0)
富山化学 社内資料
(抗菌活性)
1
1)
五島瑳智子ほか:CHEMOTHERAPY,
3
6
(S−9)
3
6−5
8,
1
9
8
8
1
2)
富山化学 社内資料
(抗菌活性)
1
3)
神山朋子ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
3−1
1,2
0
0
6
1
4)
水永真吾ほか:あたらしい眼科,2
3
(別巻)
1
8−2
5,2
0
0
6
1
5)
富山化学 社内資料
(配合変化試験)
1
6)
富山化学 社内資料
(配合変化試験)
*
【文献請求先】
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒1
0
4−0
0
3
3 東京都中央区新川1−1
7−2
4
電 話:0
3−3
5
2
3−0
3
4
5
FAX:0
3−3
5
2
3−0
3
4
6
*製造販売元
!登録商標
1AB