人工ゼオライトによる作物の生育効果に関する研究 16117041 重永幸哉目次 1. 背景・目的 2. 実験方法 3. 実験結果・考察 3-1. 乾燥重量の測定結果 3-2. 繁殖器官の測定結果 3-3. 窒素含有率の測定結果 4. 結論 1. 背景・目的火力発電所石炭灰人工ゼオライト問題点人工ゼオライトと植物種・肥料種の複合効果が明らかでない人工ゼオライトを含む土壌が植物種・肥料種によってどのくらい有効的に働くかを検証する 2. 実験方法実験材料・プランター 16.6ℓ ・土壌川砂・植物ウリ科マメ科ナス科・肥料有機化学キュウリダイズミニトマト鶏糞 0.6ℓ HYPONeX 10mℓ ・人工ゼオライト 0.3ℓ 全体の2％栽培方法・栽培期間 6/4 ～ 8/25 ・プランターにそれぞれ50粒ずつ播種・肥料の施用最初に1回 6回(2週間に1回追肥) ・3回,間引きを行う番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 表1 土壌パターン土壌ゼオライト肥料有機有化学回数 1回 6回 1回 6回無川砂鶏糞無化学無 1回 6回 1回 6回 3. 実験結果・考察 3-1. 乾燥重量の測定結果ゼオライトの有無に 8 差がみられなかった． 7 6 5 4 (g) 3 2 1 0 ゼオライトと有機肥料の 1 8 組み合わせに差がみられた． 7 6 重 5 量 4 (g) 3 2 1 0 1 (a)考察キュウリ重量・土壌のpH値があがるため, 植物種によって有効的に働くものがあるゼオライト有無・化学肥料は酸性のために (b)ゼオライトの効果が得られダイズていない No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 ゼオライト有有有有有無無無無無肥料有機有機化学化学 × 有機有機化学化学 × 施肥 1回 6回 1回 6回 1回 6回 1回 6回図1 (a) キュウリ (b) ダイズの乾燥重量の測定結果 3-2. 繁殖器官の測定結果重量にはばらつきがあり，ゼオライトゼオライトの効果ははっきりと得られなかったが，生産された有無個数には差がみられた． 300 250 200 重量 (g) 150 6個 6個 3個 4個 No.6 無有機 1回 No.7 無有機 6回 100 50 ゼオライト肥料施肥 No.1 有有機 1回 No.2 有有機 6回 No.3 有化学 1回 No.4 No.5 有有化学 × 6回図2 キュウリの繁殖器官の重量と個数 No.8 無化学 1回 No.9 No.10 無無化学 × 6回ゼオライト有無人工ゼオライトを含む土壌と有機肥料の組み合わせは繁殖器官を多く生産する傾向がみられた．個数 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 ゼオライト有有有有有無無無無無肥料有機有機化学化学 × 有機有機化学化学 × 施肥 1回 6回 1回 6回 1回 6回 1回 6回図 3 ダイズの平均種子個数 3-3. 窒素含有率の測定結果 8 窒 7 素 6 5 含 4 人工ゼオライトを含む有 3 土壌の方が, 含まれている率 2 窒素量の減少が大きい． (%) 1 0 8 窒 7 素 6 含 5 4 有 3 率 2 (%) 1 0 (a) 6月18日考察有ゼオライト無・人工ゼオライトを含む土壌で生育した植物は，枝葉に含まれていた窒素が繁殖器官に効果的に投資される (b) 8月25日 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 ゼオライト有有有有有無無無無無肥料有機有機化学化学 × 有機有機化学化学 × 施肥 1回 6回 1回 6回 1回 6回 1回 6回図 4 (a) 6月18日 (b) 8月25日キュウリの窒素含有率の測定結果 4. 結論 (1) 植物には最適pH値があり, 人工ゼオライトを混入することで土壌のpHが上がってしまうため, 植物種によっては生長に効果的であるものとそうでないものがある． (2) 人工ゼオライトを含む土壌で生育された植物は,枝葉に含まれていた窒素が繁殖器官に効果的に投資され，人工ゼオライトを含まない土壌よりも多くの繁殖器官を生産する． (3) 人工ゼオライトを混入することで保肥力が確認されたが，人工ゼオライトに吸着された栄養塩は，多期にわたる水やりや雨によって流出してしまい，定期的に肥料を与えた方が効果的である．