ストレンジネスが拓く エキゾチックな原子核の世界 KEK 理論センター 土手昭伸 1コマ目: 広がりゆく原子核の世界 2コマ目: K中間子原子核 ~ Exotic system with strangeness? ~ 3コマ目: K中間子原子核 ~ 最近の研究状況 ~ 4コマ目: 重陽子を数値的に解く! …構造計算の基本が詰まっている 三者若手夏の学校 2010. 8. 9-10 @ 木島平、長野県 第1コマ 広がりゆく原子核の世界 • 原子核の基礎知識、安定核 • 不安定核 • ハイパー核 • ハイパー核研究の現状(実験) • まとめ 第1コマ 広がりゆく原子核の世界 • 原子核の基礎知識、安定核 • 不安定核 • ハイパー核 • ハイパー核研究の現状(実験) • まとめ 原子核 = 陽子・中性子からなる有限量子多体系 安定核…約300種 陽子数 Z 82 208Pb 126 40 20 Ca 20 中性子数 N 原子核 = 陽子・中性子からなる有限量子多体系 安定核…約300種 原子核の基本的な性質 陽子数 Z 二つの飽和性 密度の飽和性: 208Pb どんな原子核でも密度は一定 82 … 通常核密度 (Normal density) ρ0 = 0.17fm-3 束縛エネルギーの飽和性: Z>20の核で B / A ≒ 8 MeV 126 40 20 Ca 魔法数 (Magic number) 特定の陽子・中性子数を持つ原子核が特別に安定 20 2,8,20,28,50,82,126,… 中性子数 N 原子核 = 陽子・中性子からなる有限量子多体系 安定核…約300種 原子核の基本的な性質 陽子数 Z 二つの飽和性 密度の飽和性: 核力の性質に起因 208Pb どんな原子核でも密度は一定 82 1. 斥力芯 … 通常核密度 (Normal density) ρ0 = 0.17fm-3 2. 交換力 3. テンソル力(Tensor suppression) 束縛エネルギーの飽和性: Z>20の核で B / A ≒ 8 MeV 126 40 20 Ca 魔法数 (Magic number) 特定の陽子・中性子数を持つ原子核が特別に安定 20 2,8,20,28,50,82,126,… 中性子数 N 原子核 = 陽子・中性子からなる有限量子多体系 安定核…約300種 原子核の基本的な性質 陽子数 Z 二つの飽和性 密度の飽和性: 核力の性質に起因 208Pb どんな原子核でも密度は一定 82 1. 斥力芯 … 通常核密度 (Normal density) ρ0 = 0.17fm-3 2. 交換力 3. テンソル力(Tensor suppression) 束縛エネルギーの飽和性: Z>20の核で B / A ≒ 8 MeV 126 40 20 Ca 魔法数 (Magic number) 特定の陽子・中性子数を持つ原子核が特別に安定 Mayer and Jensenによる 20 2,8,20,28,50,82,126, … 」 (1949) 「強い LS力を持つ Shell model 中性子数 N 原子核 = 陽子・中性子からなる有限量子多体系 安定核…約300種 シェルモデル的描像 原子核の基本的な性質 陽子数 Z 二つの飽和性 密度の飽和性: 核力の性質に起因 208Pb どんな原子核でも密度は一定 82 1. 斥力芯 … 通常核密度 (Normal density) ρ0 = 0.17fm-3 2. 交換力 3. テンソル力(Tensor suppression) 束縛エネルギーの飽和性: 平均一体場 が形成され、 Z>20の核で B / A ≒ 8 MeV その中で陽子・中性子が 様々な配位を取る。 126 40 20 Ca 魔法数 (Magic number) 特定の陽子・中性子数を持つ原子核が特別に安定 Mayer and Jensenによる 20 2,8,20,28,50,82,126, … 」 (1949) 「強い LS力を持つ Shell model 中性子数 N だがしかし、そう単純じゃない原子核 軽い原子核におけるクラスター構造 この状態は正パリティ つまり、 4He [keV] 12C+4He Second 0+ シェルモデルでは なかなか書けない 12C + 12C 4He だとすれば、 同様の負パリティ状態もあるんじゃないの? 4He 12C ー 12C 4He 実際、このレベルがこれに対応。 内部に同じクラスター構造をもち、 パリティが異なる状態の対を Parity Doublet と言う。 16O 他にも20Neの4He+16Oが有名。 H. Horiuchi and K. Ikeda, Prog. Theor. Phys. 40, 277(1968) だがしかし、そう単純じゃない原子核 軽い原子核におけるクラスター構造 “Ikeda’s diagram” K. Ikeda, Prog. Theor. Phys. (1968) 励起するとクラスター構造 が現れうる。 基底状態はシェルモデルで よく記述される状態 • 4n核ではα(4He)クラスターが基本単位 • 「閾値則」 系のエネルギーがそのクラスター群に分解する閾値近くで、 そのようなクラスター構造が発現する。 何が言いたいかというと。。。 長年研究され、よく分かったはずの安定核にすら シェル的状態 クラスター的状態 4He 12C 平均一体場 の中での particle-hole励起 個性を持ったサブユニット (=クラスター,Cluster)を持つ 全く 質の異なる 状態が共存する ! 原子核は多彩な姿を見せる? 第1コマ 広がりゆく原子核の世界 • 原子核の基礎知識、安定核 • 不安定核 • ハイパー核 • ハイパー核研究の現状(実験) • まとめ 原子核 = 陽子・中性子からなる有限量子多体系 安定核…約300種 不安定核…約3000種 Radioactive Isotope Beam Factory @ 理研 陽子数 Z 82 208Pb 126 40 20 Ca 20 中性子数 N http://www.rarf.riken.go.jp/newcontents/contents/facility/RIBF.html 不安定核(特に中性子過剰核)における新しい現象 • Halo 構造 11 3 Li8 Li isotopeやBe isotopeでは、 11Liや11Beで突如半径が大きくなる。 安定核 11 4 9 3 Be7 中性子過剰核 7 3 Li4 2.33 fm 11 3 9 4 Be5 2.38 fm 11 4 Li8 3.12 fm Be7 2.73 fm Li6 , 104 Be6 中性子数の変化に伴う 原子核の平均二乗半径の変化 I. Tanihata et al, Phys. Lett. B206, 592 (1998) 11Liや11Beの一つないし二つの中性子は 非常に束縛エネルギーが小さい。 11 3 Li8 11 4 “束縛エネルギーの飽和性” Be 一つの中性子を取るに500keV必要。 7 二つの中性子を取るに250keV必要。 が成り立ってない! 注)核子の平均束縛エネルギーは約8MeV。 不安定核(特に中性子過剰核)における新しい現象 • Halo 構造 ハロー (Halo) … “月の傘” Wave func. of the last neutron r S (P) state 中性子過剰核 安定核 Potential 非常に浅い束縛のため、 波動関数が遠方まで染み出し tailを引く。 S stateには遠心力バリアーが 立たない。(Pでも大丈夫か?) “密度の飽和性”が成り立ってない! 不安定核(特に中性子過剰核)における新しい現象 • Halo 構造 二つの飽和性を破る • 魔法数の破れ (N=8, 20) そして 新しい魔法数の発現 (N=16) 不安定核(特に中性子過剰核)における新しい現象 • Halo 構造 二つの飽和性を破る • 魔法数の破れ (N=8, 20) そして 新しい魔法数の発現 (N=16) 11 4 2s1/ 2 1d5/ 2 Be7 11Beの異常パリティ問題 単純にShell modelの通りに 陽子や中性子を下の軌道からつめていくと 1 J 2 基底状態は負パリティびはず。 1p1/ 2 最後の中性子が 1p1/ 2 に入るため。 1p3/ 2 1s1/ 2 1 しかし現実は J 2 と、正パリティ。 不安定核(特に中性子過剰核)における新しい現象 • Halo 構造 二つの飽和性を破る • 魔法数の破れ (N=8, 20) そして 新しい魔法数の発現 (N=16) 11 4 Be7 2s1/ 2 軌道が 何らかの機構でsd-shell中の 下のp-shellの中へ侵入 2s1/ 2 1d5/ 2 1 J 2 最後の中性子が 2s1/ 2 に入るため。 1p1/ 2 1p3/ 2 1s1/ 2 2s1/ 2 … 魔法数8を形成していたp-shellの中に 上のsd-shellの軌道が混じりこみ、 shell構造が変化してしまっている。 魔法数の破れ 不安定核(特に中性子過剰核)における新しい現象 • Halo 構造 pf シェル 二つの飽和性を破る • 魔法数の破れ (N=8, 20) sd シェル そして 新しい魔法数の発現 (N=16) KEK原子核研究会「現代の原子核物理 -多様化し進化する原子核の描像-」(‘06.8.1-3) 木村真明氏(筑波大)のトークより 不安定核(特に中性子過剰核)における新しい現象 • Halo 構造 二つの飽和性を破る • 魔法数の破れ (N=8, 20) そして 新しい魔法数の発現 (N=16) 安定核の常識は もはや通用しない! • Di-neutron相関 • 新しいクラスター構造 などなど。。。 第1コマ 広がりゆく原子核の世界 • 原子核の基礎知識、安定核 • 不安定核 • ハイパー核 • ハイパー核研究の現状(実験) • まとめ Expanding the nuclear world 原子核=陽子・中性子からなる有限量子多体系 安定核…約300種 不安定核…約3000種 Radioactive Isotope Beam Factory @ 理研 安定核から離れる方向へ。 |N-Z|の大きな原子核 アイソスピン方向へ原子核を拡張 http://www.rarf.riken.go.jp/newcontents/contents/facility/RIBF.html Expanding the nuclear world Expanding the nuclear world New magic number N=16 Alpha condensation Neutron halo Expanding the nuclear world Strangeness S New magic number N=16 Alpha condensation Neutron halo Expanding the nuclear world Strangeness S p = uud, n=udd … 核子は up, down quark から成る。 次に重い strangeness quarkを持つ粒子 を原子核の中へ! S = -1: Λ = uds, Σ+ = uus, Σ0 = uds, Σ- = dds S = -2: Ξ0 = uss, Ξ- = dss New magic number N=16 Hyperon を通してストレンジネスを原子核の中に。 Alpha …condensation ハイパー核 (Hypernuclei) Neutron halo Expanding the nuclear world Strangeness S p-shell Λ hypernuclei s-shell Λ hypernuclei New magic number N=16 Alpha condensation Neutron halo Expanding the nuclear world Strangeness S 6 He, 10 Be 12 Be ? p-shell Λ hypernuclei s-shell Λ hypernuclei New magic number N=16 Alpha condensation Neutron halo もう一度振り返っておきましょう。 核子 N ハイペロン 質量 アイソスピン ストレンジネス 1/2 0 0 -1 1 -1 1/2 -2 陽子 中性子 p n uud udd 938 MeV 940 MeV ラムダ Λ uds 1116 MeV Σ+ uus 1189 MeV Σ0 uds 1193 MeV Σ- dds 1197 MeV Ξ0 uss 1315 MeV Ξ- dss 1321 MeV シグマ Y グザイ J-PARCハドロンサロン(第一回) 武藤さん(千葉工大)の講演スライドより KEK, 2010.06.17 Expanding the nuclear world to Strangeness S 原子核にストレンジネス(ハイペロン)が加わることで 何か「新しい状態」ができるか? • Genuine hypernuclear state ハイペロンΛ は核子から Pauli blockを受けないために実現する状態。 核子の場合、Pauli blockで禁止される状態。 Genuine hyper nuclear state Λが対称軸と並行なp軌道 …核子では禁止される。 9Be-analog state Λが対称軸に垂直なp軌道 …核子でも可能。 理論: T. Motoba, H. Bando, K. Ikeda and T. Yamada, Prog. Theor. Phys. Suppl. 81, 42 (1985) (π+, K+) 実験: (KEK E336) O. Hasimoto and H. Tamura, Prog. Part. Nucl. Phys. 57, 564 (2006) Expanding the nuclear world to Strangeness S 原子核にストレンジネス(ハイペロン)が加わることで 何か「新しい状態」ができるか? • Genuine hypernuclear state ハイペロンΛ は核子から Pauli blockを受けないために実現する状態。 核子の場合、Pauli blockで禁止される状態。 例: 9 理論: T. Motoba, H. Bando, K. Ikeda and T. Yamada, Prog. Theor. Phys. Suppl. 81, 42 (1985) 実験: (KEK E336) O. Hasimoto and H. Tamura, Prog. Part. Nucl. Phys. 57, 564 (2006) ΛBe • Impurity effect ハイペロンΛが加わることで、原子核の性質(特にクラスター構造をもつ核のサイズ)が変化。 例: 理論: T. Sakuda and H. Bando, Prog. Theor. Phys. 78, 1317 (1987) 理論: T. Yamada, K. Ikeda, H. Bando and T. Motoba, Prog. Theor. Phys. 71, 985 (1984) 20 Ne Λ 21 Ne Λ 井阪氏(北大)の発表参照 (研究会D, 20:10~20:30) • Glue-like effect ハイペロンΛからの引力によって、クラスター構造を持つ原子核のサイズが変化。 例: 7 6 Li Λ ΛLi 6Li p → 7ΛLi : 19±4% shrinkage by Λ 実験: Tanida et al., PRL 86, 1982 (2001) 理論 : T. Motoba, H. Bando, K. Ikeda, PTP 70, 189 (1983). n n Λ 4He 7 p E. Hiyama et al., PRC 59, 2351 (1999); NPA 684, 227 (2001). Expanding the nuclear world to Strangeness S 原子核にストレンジネス(ハイペロン)が加わることで 何か「新しい状態」ができるか? • Genuine hypernuclear state ハイペロンΛ は核子から Pauli blockを受けないために実現する状態。 核子の場合、Pauli blockで禁止される状態。 • Impurity effect 例: 9 ΛBe 井阪氏(北大)の発表参照 (研究会D, 20:10~20:30) ハイペロンΛが加わることで、原子核の性質(特にクラスター構造をもつ核のサイズ)が変化。 • Glue-like effect ハイペロンΛからの引力によって、クラスター構造を持つ原子核のサイズが変化。 例: 7 ΛLi • Channel coupling 核子とΔ(核子の励起状態)の質量差に比べ、ハイペロン間の質量差は小さい。 Mixingが生じやすい Δ ~300MeV ΣN ΛN N S=0 ~80MeV S=-1 ΞN ΛΛ ~30MeV S=-2 Expanding the nuclear world to Strangeness S 原子核にストレンジネス(ハイペロン)が加わることで 何か「新しい状態」ができるか? • Genuine hypernuclear state ハイペロンΛ は核子から Pauli blockを受けないために実現する状態。 核子の場合、Pauli blockで禁止される状態。 • Impurity effect 例: 9 ΛBe 井阪氏(北大)の発表参照 (研究会D, 20:10~20:30) ハイペロンΛが加わることで、原子核の性質(特にクラスター構造をもつ核のサイズ)が変化。 • Glue-like effect ハイペロンΛからの引力によって、クラスター構造を持つ原子核のサイズが変化。 例: 7 ΛLi • Channel coupling 核子とΔ(核子の励起状態)の質量差に比べ、ハイペロン間の質量差は小さい。 Mixingが生じやすい • Coherent ΛN-ΣN coupling Y. Akaishi, T. Harada, S. Shinmura and K. S. Myint, PRL 84 (2000) 3539 元の原子核が高いアイソスピンを持っているほど、効果は大きくなると考えられる。 中性子過剰核の安定化 • 中性子過剰ハイパー核 第1コマ 広がりゆく原子核の世界 • 原子核の基礎知識、安定核 • 不安定核 • ハイパー核 • ハイパー核研究の現状(実験) • まとめ ハイパー核研究のややこしい点 … YY はもちろん、YN 相互作用すら確立したものがない! (散乱実験を行うのが困難なため) 通常原子核の場合 しっかり決まった NN 相互作用 ハイパー核の場合 完全には決まっていない YN,YY相互作用 2体系 2体系 3体系 3体系 4体系 多体系 Top-down approach 理論計算 4体系 実験結果 多体系 Top-down and Bottom-up approach YN / YY相互作用の現状 S = -1 • ΛN interaction Experiment 89Y (π+, K+) 89ΛY (Original) H. Hotchi et al., Phys. Rev. C64, 044302 (2001) Quoted from O. Hasimoto and H. Tamura, Prog. Part. Nucl. Phys. 57, 564 (2006) YN / YY相互作用の現状 S = -1 • ΛN interaction Experiment 89Y (π+, K+) 89ΛY ハイペロン Λ の場合であっても、平均場が出来ている。 Λ はその平均場の中を運動している。 O. Hasimoto and H. Tamura, Prog. Part. Nucl. Phys. 57, 564 (2006) YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Experiment 89Y (π+, K+) 89ΛY YN / YY相互作用の現状 Hypernuclear γ-ray spectroscopy S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Experiment 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball Ge detectorで4π覆って、 ガンマ線を捕らえる。 O. Hasimoto and H. Tamura, Prog. Part. Nucl. Phys. 57, 564 (2006) YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Small spin-spin, weak LS, tensor force Experiment 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Small spin-spin, weak LS, tensor force • ΣN interaction Experiment 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball … よく分かっていない? 4He (K-, π-) 4ΣHe T. nagae et al., Phys. Rev. Lett. 80, 1605 (1998) YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Small spin-spin, weak LS, tensor force • ΣN interaction Experiment 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball … よく分かっていない? Strong spin-isospin dependence … 4ΣHeのみ束縛, BΣ= 4.4 MeV 4He (K-, π-) 4ΣHe YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Small spin-spin, weak LS, tensor force • ΣN interaction Experiment 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball … よく分かっていない? Strong spin-ispspin dependence … 4ΣHeのみ束縛, BΣ= 4.4 MeV 4He 28Si (K-, π-) 4ΣHe (π-, K+) spectrum P. K. Saha et al., Phys. Rev. C70, 044613 (2004) YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Small spin-spin, weak LS, tensor force • ΣN interaction 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball … よく分かっていない? Strong spin-ispspin dependence … 4ΣHeのみ束縛, BΣ= 4.4 MeV 平均的には斥力 Experiment V0Σ ≒ -90 MeV 4He 28Si (K-, π-) 4ΣHe (π-, K+) spectrum YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Small spin-spin, weak LS, tensor force • ΣN interaction 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball … よく分かっていない? Strong spin-ispspin dependence … 4ΣHeのみ束縛, BΣ= 4.4 MeV 平均的には斥力 Experiment V0Σ ≒ -90 MeV 4He 28Si (K-, π-) 4ΣHe (π-, K+) spectrum S = -2 • ΞN interaction … ほとんど分かっていない 12C(K-, K+)12ΞBe (?) P. Khaustov et al., Phys. Rev. C61, 054603 (2000) T. Fukuda et al., Phys. Rev. C58, 1306 (1998) YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Small spin-spin, weak LS, tensor force • ΣN interaction 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball … よく分かっていない? Strong spin-ispspin dependence … 4ΣHeのみ束縛, BΣ= 4.4 MeV 平均的には斥力 Experiment V0Σ ≒ -90 MeV 4He 28Si (K-, π-) 4ΣHe (π-, K+) spectrum S = -2 • ΞN interaction … ほとんど分かっていない 弱い引力? V0Ξ = 14 MeV (?) 12C(K-, K+)12ΞBe (?) YN / YY相互作用の現状 S = -1 Λが原子核中で感じる一体ポテンシャル (Woods-Saxon型)の深さ • ΛN interaction Attractive ΛN ~2/3 NN, V0Λ ≒ 30 MeV Small spin-spin, weak LS, tensor force • ΣN interaction 89Y (π+, K+) 89ΛY p-shell Λ hypernuclei with Hyperball … よく分かっていない? Strong spin-ispspin dependence … 4ΣHeのみ束縛, BΣ= 4.4 MeV 平均的には斥力 Experiment V0Σ ≒ -90 MeV 4He 28Si (K-, π-) 4ΣHe (π-, K+) spectrum S = -2 • ΞN interaction … ほとんど分かっていない 弱い引力? V0Ξ = 14 MeV (?) • ΛΛ interaction … ほとんど分かっていない 弱い引力 ΔBΛΛ ≒ 1 MeV 12C(K-, K+)12ΞBe (?) 6 He ΛΛ Emulsion exp. (Nagara event) H. Takahashi et al., Phys. Rev. Lett. 87, 212502 (2001) YN / YY相互作用の現状 ΛN相互作用はかなり分かってきたが、その他は依然良く分かってないのが実情。。。 もちろん、理論サイドも研究を頑張っている。 Ξ0p potential OBEPに基づくもの calculated with Lattice QCD Nijmegen potential … HC, SC, NSC97, ESC04, ESC07, … Juelich potential (←Bonn potential) クォークの自由度から Quark cluster model (岡さん、矢崎さん) fss2 (藤原さんを始め、京都・新潟グループ) 最近、着目を集めているのは。。。 Lattice計算で、QCDから直接核力を求めてしまおう ! (初田さん、青木さん、石井さん、根村さん達を始めとするHAL-QCD collaboration) 第1コマ 広がりゆく原子核の世界 • 原子核の基礎知識、安定核 • 不安定核 • ハイパー核 • ハイパー核研究の現状(実験) • まとめ ここまでのまとめ 原子核の基本的な性質 密度の飽和性: どんな原子核でも密度は一定 … 通常核密度 (Normal density) ρ0 = 0.17fm-3 束縛エネルギーの飽和性:B / A ≒ 8 MeV 魔法数 (Magic number) しかし不安定核になると破たん… シェル的構造とクラスター的構造 … 安定核ですら 異質 な状態を持つ。 原子核はそう単純ではない。 核子多体系は多様性を秘めている! ここまでのまとめ 不安定核 = アイソスピン方向へ原子核の拡張 ハイパー核 = ストレンジネス方向へ原子核の拡張 さらに面白い構造様式があるのでは? • Genuine hypernuclear state ハイペロンは核子からのPauli blockを受けない。 核子の入れない軌道に入れる。 • Impurity effect • Glue-like effect • Channel coupling ハイペロンが加わることで元の原子核へ影響 特にクラスター構造を持つ原子核に対して。 N-Δに比べ、ΛN-ΣN (S=-1), ΛΛ-ΞN (S=-2)の質量さは小さい。 Mixingが起きやすい。 • Coherent ΛN-ΣN coupling 原子核を基底配位にしたまま、生じるΛN-ΣN coupling • 中性子過剰ハイパー核 大きなアイソスピンの原子核でΛN-ΣN couplingがcoherentに起きやすい。 中性子過剰核の安定化 ここまでのまとめ YN / YY 相互作用 散乱実験が難しいため、NNほどは分かっていないが、 理論と実験が協力して、徐々に分かってきている。 特に ΛN相互作用はよく分かってきた。 Hyperballによるp-shell核までの精密ガンマ線分光 +精密理論計算 最近ではLattice計算によってQCDから直接求められるようになってきた。 ここまでのまとめ These topics will be investigated at J-PARC!! YN / YY 相互作用 (Japan Proton Accelerator Research Complex 散乱実験が難しいため、NNほどは分かっていないが、 at Tokai) 理論と実験が協力して、徐々に分かってきている。 特に ΛN相互作用はよく分かってきた。 Hyperballによるp-shell核までの精密ガンマ線分光 +精密理論計算 最近ではLattice計算によってQCDから直接求められるようになってきた。 中性子星内部には何らかの形で ストレンジネスが出現しているはず! Slide of Prof. J. Schaffer-Bielich (Frankfurt) talk in10th International Conference on Hypernuclear and Strange Particle Physics " Hyp X " September 14th - 18th, 2009, "RICOTTI" in Tokai, Ibaraki, Japan 高密度になってくると、なんらかの形で ストレンジネスが出現する。 J-PARCハドロンサロン(第一回) 武藤さん(千葉工大)の講演スライドより KEK, 2010.06.17
© Copyright 2024 ExpyDoc