Document

情報通信技術を活用
した途上国開発
総合政策学部 2年
土屋真紀
[email protected]
背景

情報通信技術の発達に伴い、開発援助
の分野でもこれを活用した様々なアプ
ローチが出始めている。
情報通信技術に関する支援内
容

情報通信技術を普及させるための内容
国家情報化政策支援
 通信網や電気などのインフラ整備
 IT人材育成


情報通信技術を活用した内容
教育や保険・医療など各分野へのIT利
用による効率・効果の向上
 ITを活用した援助における効果(ナレッジ
マネージメント)

ドナーによるITに対する見解
の相違
機関
ITに対する着
目点
援助の重点
世界銀行、IMF、世
界開発フォーラム
UNDP、国連経済社
会理事会、国連食
料農業機関、太平
洋のNGO
デジタル・オポチュニ デジタル・デバイド
ティ
格差は広まっている
格差は狭まっている
平等な機会を得られ 貧困国や貧しい地
るよう、適切な政策 域が取り残される事
を採る事に重点
のないよう、ドナー
への責任を重視
JICA:開発課題に対する効果的アプローチより
プロジェクト内容詳細
実施機関
 支援地域
 プロジェクト内容
 各プロジェクト案件数
 プロジェクト評価

実施機関

UNDP







Info21、IIA、Apdip、Sdnp
世界銀行(developmentgateway)
IDRC (国際開発研究センター(カナダ))
CIDA(カナダ国際開発庁)
USAI(米国国際開発庁)
DFID (英国国際開発省 )
SIDA(ウウェーデン国際開発協力庁)
支援地域
アフリカ
 東南アジア
 東ヨーロッパ
 旧ソビエト連邦
 中東

プロジェクト内容(AIDA)












Broadcast media
E-Commerce
E-Readiness
ICT Environment
ICT Infrastructure
ICT Policy, Strategies and Plans
ICT Empowerment
ICT Capacity Building
ICT Initiatives
ICT use in Education Sector
ICT use in Health Sector
ICT and Rural Development
各案件プロジェクト数












Broadcast media(1,657)
E-Commerce(76)
E-Readiness(101)
ICT Environment(46)
ICT Infrastructure(1,935)
ICT Policy, Strategies and Plans(146)
ICT Empowerment(197)
ICT Capacity Building(274)
ICT Initiatives(558)
ICT use in Education Sector(526)
ICT use in Health Sector(501)
ICT and Rural Development(269)
プロジェクト評価

ICTを既存のセクションに利用する事に
より、今までよりも効率的・効果的にプロ
ジェクトを遂行し、利益を得ている。
教育(デジタル化により質の高い教育内
容の普及)
 医療(最新の医療情報やカルテの共有)
 女性自立(webの作成、ITスキルによる
能力開発)
 経済(eコマースなどによる流通の発展)

IT訓練センターに注目

理由
どの案件でも情報リテラシーの能力開発
は必須項目
 IT訓練センターを通して、教育、女性の
自立、職業訓練等が行われている例が
多い。

かものはしプロジェクト
概要
 事業内容
 事業計画
 特徴

概要
カンボジアで、子どもに対する性的搾取
を一刻も早く解決すべく、このプロジェク
トを設立
 不利な状況下で、強制的に性産業に入
れられるリスクのある子ども達が、多様
な選択肢の中から、未来への希望をもっ
て生きられるよう、ITの職業訓練を通し
てサポート。

タイ・カンボジアにおける被害児童数
タイと二度のカンボジア視察を含む綿密な調査の結果・・・
単位 3
(万人)
教育の充実
タイ
2.5
法執行
2
経済格差
の拡大
1.5
経済格差
の拡大
ベトナム戦争
1
UNTAC
駐留
0.5
ベトナム戦争
カンボジア
ポルポト派
0
AFESIPインタビュー、UNAIPインタビュー、CCPCRインタビュー(以上カンボジア視察2002.11および2003.5)、またタイ視察
かものはしプロ
ジェクトより
解決策の評価
インパクト
解決策候補
ようとしている子どもを助け
ることが出来るか
渡って子どもが笑顔で生き
ていけるか?
A
児童買春撲滅が
可能・
C 貧困から抜け出せ
ない
C 日本人には難しい
長期的取り組みが必要
C 法執行の活動自体
からは収益は出ない。寄
付に頼ることに。
B 実はそれほど観光
客は買っていない
C
B
C 啓蒙活動自体から
は収益は出ない。寄付に
頼ることに。
B 買い手の人数がか
なり大きい
C
B
A
B
C
B 現地NGOとともに行
えば可能
C
B 学校に行ったからと
いってお金を稼げるわけで
はない
C しっかりとしたコンテン
ツがなければ無意味
A
C
A 少ない資本でできる。
現地に行かなくてもできる
C
A
B 現地NGOとともに行
えば可能
-法執行の強化
少
女
の
家
族
へ
-マイクロクレジッ
ト・農業支援
B 確実に助けれるが、
村ごとに支援するため効
率がよくない
-家族に対する
啓蒙活動
B 単に啓蒙しただけで
は売り飛ばす家族もいる
-奨学金
A 学校に行くことで、
先生が守ってくれる。
-学校建設
C 学校建設しても貧
困の子どもは通えない。
-職業訓練セ
ンター
A 子どもを守ることが
できる。
少
女
へ
金に頼ると活動が拡大で
きない。収益事業を持つ
ことが大事。
経済的自立:将来にも
買
い
手
・
店
側
へ
-観光客に対する
啓蒙
-カンボジア人買
い手に対する啓蒙
持続性:寄付や助成
緊急的保護:今売られ
実現可能性
C
B 借り手は資金を数
年で使い果たしてしまうこ
とが。
Å 訓練センターの教
師が稼いでいるモデルが
ある。
かものはしプロ
ジェクトより
事業内容
職業訓練センター
保護
カ
ン
ボ
ジ
ア
児童買春にあう
リスクのある子
どもを最初は8
名、次に20名保
護
基礎訓練三年
ロールモデルでモチ
ベーションをあげた
り、きめ細かいケア
で子どもに対応。
職業訓練二年
OJTにより実務を
積み、web技術を
獲得
②仕事による経
済的自立
①シェルター
発注
日
本
•デザイン系Web会社
•ITベンチャー企業
•ホスティング企業
•大手Web元請け会社
自立
おのおのが自立し
て各々の道をゆ
く!!
納品
オフショア開発部門 ※
③事業収入の創出
日本とカンボジアでしっかり仕事をし、
事業のエンジンとなる。
かものはしプロ
ジェクトより
事業計画
課題を分解して、一つ一つクリア
していき、子どもたちを五年後に
100人保護して、経済的に自立
させる。
収益基盤の確立
時期
課題
リスクの高い子の
保護
2003.1~
2004.4~
技術蓄積-WEB開発事業に
人材獲得-カンボジア人で英
誰を保護する?-誰がもっとも
おける技術力、営業力、プロジェ
クトマネージメントなどの基礎を獲
得する
資金蓄積-収益率の高いもの
を選択して確実に仕事をし資金を
蓄積する
語ができプログラムのできる人物の
採用
オペレーション整備-いくつも
の仕事を同時に日本カンボジア間
でこなせるようにする
リスクのある子どもなのか、判定す
る必要あり
家族ケア-家族が貧困状況の
ままになったり、子どもを働かせた
い親が子どもを手放さない状況を
クリアして子どもを保護する
実験-カンボジアに実験的に発
ネットワーク構築-カンボジア
注(実施済み)
の農村部にネットワークを持ちリス
クのある子どもを判定できる
CWCCとの提携(内定)
-実際に貧困家庭の子どもなど
を保護しているJCIAとの提携
プロと一緒に-IT系若手集団
解の
方向
性
カンボジアとの
WEB共同開発
makeitとの共同プロジェクトで技
術蓄積(すでに実施)
-最初は実績のため低価格だが、
今後は仕事を選んでいく
かものはしプロ
ジェクトより
日本人派遣-最初の半年は
日本人技術者が現地で指導する
予定
2004.10~
子どもの自立に
つながる教育充実
2005.4~
教育コンテンツの充実
訓練コースの多様化IT以
外の選択肢も選べるように多
様な訓練コースを。
運営体制-訓練校全体を
運営する体制を確立する
-他の職業訓練校と訓練コー
ス相互乗り入れ(提携内定)
マッサージコースなども検討中。
子どもの声を-より子どもの
ことをよく理解をするため村田
代表が現地NGOにインターン、
顧客の声を聞いている
提携-現地の職業訓練セン
ターなどとの提携。日本NGOの
JCIAが有力候補
財務展開
オフショア開発
収益基盤確立
を展開する
2003.6
訓練生数
訓練事業を開始
拡大
2004.1
2004.4
2003.8
0
0
8
20
10×5
20×6
30×5
40×5
カンボジア売上分[万円]
0
5
50
80
日本人
1
2
2
2
カンボジア人数
0
3
6
8
日本人滞在者数
0
1
2
2
受注単価×件数[万円×数]
前提
(万円) 200
売 日本人人件費一人月25万円
上 アルバイト
時給1000円
関 家賃(光熱費込み) 月6万円
連
キャッシュフロー
収入
支出
150
100
日 日本人人件費一人月20万円
本
時給1000円
コ アルバイト
家賃(光熱費込み)
月6万円
ス
ト
カカンボジア人件費一人月3万円
コン
月 4万円
ス ボ家賃
ト ジ訓練生生活費など 月1万円
ア日本人滞在費
月4万円
50
2004年
0
1月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
▲ 50
▲ 100
かものはしプロ
ジェクトより
2月
・コストの三割程度を日本人人件費が占めて
いる。当初はこれを調整してキャッシュを生み
出す予定である。
・また、融資などを検討中である。
▲ 150
2003年
9月
10月 11月 12月
1月
2月
3月
4月
リスクに対する対応策
主なリスク
自己資本の不足
web開発事業の売
上が低迷
web開発事業に依
存することの怖さ。
意味合い
・運転資本がない
・カンボジア展開時のコストが賄いきれない
・知人などをベースに融資・資本注入の
検討
・企業とのコラボレーション、寄付金など、
企業に対する営業活動の実施
・ただ仕事をこなしており、コアとなるスキル
が身についていない。
・失敗して子どもを野におっぽってしまうのが
最大のリスク。売上が低迷するとその確率
が上がる。
・事業戦略の再構築までのキャッシュを
蓄積しておくべき
・売上がしっかりと出るようになるまでカン
ボジアに展開しない。
・一つの事業に依存。かといってリソースをほ
かに割きすぎるのは・・・
・web開発は納期が長くキャッシュ化するの
が遅い。
・会費制度・里親制度など現在の事業
とシナジーの高いものの導入(→知り合
いベースならば獲得コストが低い)
少女が就職できるか?
・カンボジアの労働市場は厳しく、プログラミ
ングを学んでも就職できない。
・全員がプログラミングをできるのか?
コアスタッフ関連
・現在のコアスタッフは学生。学生がやって
いけるのか?卒業したらどうするのか?
かものはしプロ
ジェクトより
解の方向性
・プログラマーとしてだけではなく、実務を
積みPC・英語ができるのでホワイトカラー
職あり。また、タイピングなどのスモールビ
ジネスを行うことも。
・また、他の職業訓練センターとコースの
相互乗り入れを行う予定
・代表の村田は卒業後、この事業に専
念する決意を固めている。
・WEB開発事業統括の青木も数年は
コミットすることを決めている。
特徴






問題を的確にとらえ、それに対する解決策の構
想がしっかりしている。(解決策の評価を行って
いる)
目標に対する設定が的確であり、それに対す
る課題と解決策を提示している。
南北格差をうまく利用している。
輸送コストの面でITの利点を上手に利用してい
る。
比較的安定した財源を得られるような組織内
容になっている(日本での事業部門と援助部門
を分割)
今後起こりうるであろうリスクに対する対応策
が考えられている。
今後の予定

最終発表

かものはしプロジェクトに参加しての活動
を通し、ICTを使用した援助の問題点や
課題を整理し、今後の可能性について探
る。
参考文献






http://www.kamonohashi-project.net/
開発課題に対する効果的アプローチ(JICA)
http://www.apdip.net/(Asia-Pacific Development
Information Programme )
http://www.undp.org/info21/(Information and
Communications Technologies for
Development )
http://www.sdnp.undp.org/(sustainable
development networking program)
http://www.undp.org/rba/