簿記原理A 第3回講義

勘定と仕訳
• 簿記上の取引の例
• 仕訳の方法
• 仕訳例
簿記上の取引
•
「簿記上の取引」
–
企業における価値の流れ
•
価値あるモノ(物・貨幣)が企業に入るか、または、企業から出て行く。
(価値あるモノの「交換」)
「価値の流れをともなう経済活動」
貨幣単位(¥)で測定
簿記上の取引の分類
• 購入取引
– 物(財・用役)が入り、貨幣(現預金・債務)がでていく取引
• 販売取引
– 貨幣が入り、物が出て行く取引
• 資金取引
– 貨幣が入り、貨幣が出て行く取引
• その他の取引
– 一方的に物や貨幣が入ってくる、または、出て行くだけの取引
購入取引
• 財(有形)や用役(無形)を購入し、対価として貨幣
を支払う取引
– 入ってくる物の大きさ(金額)は出て行く貨幣の大きさで測定
∴ 入 = 出
入
出
物
貨幣
財・用役
=
現・預金
購入債務
販売取引
• 財や用役を販売し、対価として貨幣を受け取る取引
– 出て行く物の大きさ(金額)は入ってくる貨幣の大きさで測定
入
出
貨幣
物
現・預金
販売債権
=
財・用役
資金取引
• 購入・販売取引で発生した購入債務・販売債権を
「決済」する取引
• 資金調達・投資取引
決
済
購入債務支払
入
購入債務
出
=
入
販売債権回収
現・預金
現・預金
出
=
販売債権
入
資金調達
調
達
現・預金
出
=
入
返
投
済
資
調達債務・
資本
出
=
入
投
資
投資債権
済
現・預金
現・預金
出
=
入
返
調達債務・
資本
現・預金
出
=
投資債権
その他の取引
• 事件・事故・火災・出来事など
– 「交換」ではない。→「価値」の一方的な出・入
• 現金の盗難
• 建物を火災で焼失
• 現金のみの受取
簿記上の取引の例
(
)銀行から現金500,000円を借りた。
(
)従業員に給料200,000円を支払った。
(
)建物を月額50,000円で借りる契約をした。
(
)メーカーへ商品100,000円を注文した。
(
)商品50,000円を仕入れたが、代金はまだ支払っていない。
(
)銀行に1,000,000円の借入を申し込んだ。
(
)社員を雇った。
(
)機械200,000円を買い入れたが、代金はまだ支払っていない。
(
)会社の金庫が盗難に遭った。なお、金庫の中には、
現金が5,000,000円入っていた。
仕訳の方法
取引の認識→仕訳(仕訳帳記入)→勘定口座へ記入(転記)
→勘定科目ごとに集計(総勘定元帳・試算表・決算書)
取引が簿記上のものであるかどうかを判別
↓
5要素(資産・負債・純資産・収益・費用)のうち、どの
部分にどれだけの価値の増減があったかを判別
↓
5要素の増減を、さらに細目(勘定科目)に分類
仕訳例
現金・銀行預金・売掛金・備品・買掛金・資本金・売上高・仕入高・給料・支払家
賃
1. 5月1日
現金150,000円、商品80,000円を元入れして
営業を開始した。
2. 5月2日
現金30,000円を銀行に預け入れた。
3. 5月8日
商品20,000円を掛けで仕入れた。
4. 5月12日 家賃8,000円を現金で支払った。
5. 5月15日 原価40,000円の商品を70,000円で掛けで販売した。
6. 5月20日 給料6,000円を現金で支払った。
7. 5月22日 原価15,000円の商品を20,000円で販売し、
代金は現金で受け取った。
8. 5月25日 上記3の代金を現金で決済した。
9. 5月27日 上記5の代金のうち、半分を現金で受け取った。
10. 5月29日 備品を購入し、現金20,000円を支払った。
5月1日
現金150,000円、商品80,000円を
元入れて営業を開始した。(三分法)
5月1日 (借方) 現 金 150,000
仕入高 80,000
(貸方) 資本金 230,000
現金
資本金
5月1日 230,000
5月1日 150,000
資産増
仕入高
純資産増
5月1日 80,000
費用増
5月1日
現金150,000円、商品80,000円を元入れて営業を
開始した。(分記法)
5月1日 (借方) 現金 150,000
商品 80,000
(貸方) 資本金 230,000
現金
資本金
5月1日 230,000
5月1日 150,000
資産増
商品
純資産増
5月1日 80,000
5月2日
現金30,000円を銀行に預け入れた。
5月2日 (借方) 銀行預金 30,000 (貸方) 現金 30,000
現金
5月2日 30,000
資産減
資産減
銀行預金
5月2日 30,000
資産増
5月8日
商品20,000円を掛けで仕入れた。
(三分法)
5月8日 (借方) 仕入高 20,000 (貸方) 買掛金 20,000
仕入高
5月8日 20,000
費用増
買掛金
5月8日 20,000
負債増
5月12日
家賃8,000円を現金で支払った。
5月12日 (借方) 支払家賃 8,000
(貸方) 現金
8,000
支払家賃
5月12日 8,000
費用増
現金
5月12日 8,000
資産減
5月15日 原価40,000円の商品を70,000円で掛け
で販売した。(三分法)
5月15日 (借方) 売掛金 70,000
売掛金
5月15日 70,000
(貸方) 売上高
70,000
売上高
5月15日 70,000
収益増
資産増
5月15日 原価40,000円の商品を70,000円で掛け
で販売した。(分記法)
5月15日 (借方) 売掛金 70,000 (貸方) 商
品
40,000
商品売買益 30,000
売掛金
5月15日 70,000
商品
5月15日 40,000
資産減
資産増
商品売買益
5月15日 30,000
収益増
5月20日
給料6,000円を現金で支払った。
5月20日 (借方) 給料 6,000 (貸方) 現金
6,000
給料
5月20日 6,000
費用増
現金
5月20日 6,000
資産減
5月22日 原価15,000円の商品を20,000円で販売し、
代金は現金で受け取った。(三分法)
5月22日 (借方) 現金 20,000 (貸方) 売上高
売掛金
5月22日 20,000
20,000
売上高
5月22日 20,000
収益増
資産増
5月22日
原価15,000円の商品を20,000円で販売し、
代金は現金で受け取った。(分記法)
5月22日 (借方) 現金 20,000 (貸方) 商
品
15,000
商品売買益 5,000
現金
商品
5月22日 15,000
5月22日 20,000
資産減
商品売買益
資産増
5月22日 5,000
収益増
5月25日
上記3の代金を現金で決済した。
5月25日 (借方) 買掛金 20,000 (貸方) 現金
買掛金
5月25日 20,000
負債減
20,000
現金
5月25日 20,000
資産減
5月27日
上記5の代金のうち、半分を現金で受け取った。
5月27日 (借方) 現金 35,000 (貸方) 売掛金
35,000
現金
5月27日 35,000
資産増
売掛金
5月27日 35,000
資産減
5月29日 備品を購入し、現金20,000円を支払った。
5月29日 (借方) 備品 20,000 (貸方) 現金
20,000
備品
5月29日 20,000
資産増
現金
5月29日 20,000
資産減