授業環境の設計( 情報ルームの設計) 情報科教育法 8回目 2005/11/27 加藤 尚吾 太田 剛 情報の実習室はどのような場か 生徒がコンピュータを操作し、ネットワークにアク セスする場所である。 生徒が、共同で話し合ったり・プロジェクトを行う 場である。 教師が、生徒にコンピュータやインターネットの操 作や原理を指導する場である。 教師が、生徒の共同学習やプロジェクトにアドバ イスをする場である。 他の教科からみた情報の実習室 多目的教室。 LLや図書館の機能。 総合的な学習の時間。 生徒が能動的に学習する場の提供。 情報科教員の責任 基本的には、学校の情報科の教員はその中心人 物である。 学校内で情報化委員会を作ろう。 それには他教科の教員も含もう。 何を自分たちで行い、何を自分たちで行わない(外 部委託する)かを考えよう。 教育情報化推進コーディネーター(JAPETが行って います) 情報実習室・教育用計算機システム・ ネットワークのデザインの2つのポイン ト 生徒の学習活動を支援するためのどのような学 習環境(含コンピュータ設備)が必要かを考える 生徒・教師・学校・設備等のセキュリティーを守る ためにどのようなネットワーク・コンピュータ環境 が必要かを考える 学習環境をデザインする 生徒が実習しやすい情報実習室 教師が教えやすい情報実習室 管理システムとセキュリティの確立された情報実習 室 生徒ができるだけ自由に使用することのできる情 報実習室 保守がしやすい情報実習室 情報実習室のデザインの要素 レイアウト,物理的な学習環境 パソコン、ソフトウェア 学習資料(電子媒体、印刷媒体) 情報関連機器 教授装置 ネットワーク環境 物理的なセキュリティ環境 情報実習室のデザイン1 対面型・通常教室型のデザイン 情報実習室のデザイン2 対面型・通常教室(伝統型) 情報実習室のデザイン3 実習重視型のデザイン 情報実習室のデザイン4 実習・作業重視型のデザイン 情報実習室のデザイン5 ラップトップに無線LANの自由な環境 レイアウト,物理的な学習環境 レイアウト 机・椅子 照明 空調 情報実習室に必要なPC 生徒用コンピュータ+CRT or Note PC 教師用コンピュータ、コンソール ヘッドセット プリンタ 情報実習室に必要なソフトウエア 汎用プログラミング言語 ドロー系ツール、ペイント系ツール 表計算ソフトウエア 文書用ソフトウエア プレゼンテーション用ソフトウエア 電子メール用ソフトウエア、ウェッブ・ブラウザ ホームページ・オーサリングツール データベースソフトウエア 画像編集用ソフトウエア マルチメディア・オーサリングツールなど 情報実習室に必要なネットワーク環境 LAN設備 サーバ(情報実習室にない場合も多い) 共有ディスク(同上) 画像配信システムなど ファイヤーウォール フィルタリングソフト 情報実習室に必要な情報関連機器 スキャナ VTR、デジタルビデオカメラなどAV機器 デジタルカメラ その他、いろいろ 情報実習室に必要な教授装置 プロジェクター テレビ会議装置 デジタルカメラ その他、いろいろ 実習室のデザイン(その他の点) 生徒とのアイコンタクトや話がしやすい環境 横倒し式のモニターの採用の可能性 中間モニターの活用 無線LANの利用の可能性(コンピュータを可動に できる・煩雑な配線からの開放) プリンターの設置:開放するべきではない、無駄な プリントアウト、過度なプリンタ要求などがある 情報実習室の管理 自由に使える環境が望ましいが、その反面、トラブ ル・システムの破壊・盗難などの可能性があること を認識しておくべきである。 システムやソフトウエアの設定の勝手な変更などに 対しての処置を講じておかなければならない。 (ユーザー・レベルの設定をどのようにするか) 普通教室・特別教室のデザイン 教育のミレニアムプロジェクトでは次のことが計画 されている。 すべての学校・教室がインターネットアクセスがで きる。 教室に2台のコンピュータと1台のプロジェクターの 設置 Web上での教育用コンテンツの開発と充実(nicer などのホームページへ行ってみよう) 学習形態と教室:適材適所 ①一斉授業に適した環境 座学が中心になる。板書用ボード、 OHPやマルチメディアプロジェクタの 活用 (1)普通教室 ミレニアム等の計画では情報コンセ ントの設置、2台のコンピュータ、プ ロジェクタの設置が計画 ②個別学習に適した環境 クラス人数分のコンピュータが必要。 資源・情報の共有化のためにLANお よびファイルサーバが必要 (2)情報教室 クラス人数分のコンピュータ、LAN、 インターネット、巨大画面などの装置 が活用できる教室 ③グループ学習に適した環境 討議や協力、作業などが行えるス ペースが必要。コンピュータが併用 できるにしたい。 (3)特別教室 コンピュータ設備は普通教室+αの 配備が計画、グループ活動用のス ペースがある。 学校内ネットワークの設計・接続、そして 管理 学校内LAN、教育用システムのセキュリティーとし て外部から「攻撃」・「不正な利用」に対する処置を 講じておく必要がある。 生徒が外部から好ましくない影響を受けたり、好ま しくないサイトへのアクセスができないようなシステ ムを考える必要がある。(具体的にはどのようなも のがあるかを考えてみよう) 教育系ネットと事務系ネット 学校には外部に開放してはいけない生徒の個人情 報、学校の機密保持上の情報がある。 事務系ネットにはそのような情報が保存されている。 教育系ネットにはある程度の開放性が必要である。 教育系ネットと事務系ネットを切り離すことが望まし い ネットモデル 事務系ネットと教育系ネットを切り離して、教育系 ネットだけを外部と接続する(敷設に関する経費 がかかる) 事務系ネットにはファイアウォールをつけ、教育系 ネットに接続し、教育系ネットを外部と接続する (事務系ネットにはプライベート・アドレスをつける。 しかし、設計、DNSの設定、メイルの配送等が複 雑になる) ファイアーウォール システムの安全性のために、ファイアー・ウォール (防火壁)の設置を考えることが必要である しかし、きちんとした設定をしなければ結局は壁は 穴だらけになる グローバル・アドレスが不足する場合には、プライ ベート・アドレスを活用するのでファイアー・ウォー ル的な機器が必要になる フィルタリングの導入 好ましくないサイトへのアクセス 好ましくないメイルの配信 このような行為を防ぐ一つの手立てとして、フィル タリングソフトがある。 CyberPatrolなどの学校教育用のフィルタリング ソフトウエアがある 教育のミレニアムプロジェクトでも、教育用フィルタ リングソフトの開発が進められている。 プロキシーサーバーや空きコンセントの管 理 プロキシーサーバーは、安全性の確保、トラフィック の問題などを考えると導入することには多くのメリッ トがある 空きコンセントを管理しないとプロトコルアナライ ザーなどを動作させたパソコンに、通信内容を傍受 されることになる。(ハッカーなどが空きポートなど を調べるのに活用できる) 共有ディスクの活用 基本的に生徒が使うものは多くが共通している。 基本ソフト、基本フォーム、基本資料、個人ファ イルなど様々なものがある。 クライアント1:仮想ディスクと直付けディスク サーバー:直付けディスク クライアント2:仮想ディスクと直付けディスク 個人認証とセキュリティー 生徒に個人認証を与えるか、与えないか IDとパスワード(ユーザー・レベルの問題) パスワードをどうするか セキュリティー・ホールを防ぐ必要がある JPCERT/CC(http://www/jpcert.or.jpに情報 がのせられている) 外部からの接続に対する方針と処置が必要である セキュリティを守る方策 物的方策 ファイアウォール、プ ロキシーサーバーな どの設置 セキュリティ・ソフトの インストール OSやメールシステム の頻繁なアップデート バックアップ体制の充 実 人的方策 モラル教育の推進 FD、CDが感染の媒体 になることへの認識 Webサイトへの不用意 な接続の注意 自宅のコンピュータの セキュリティ管理への 意識 これで完全というわけではない 「危機(機器)管理」 システムがダウンする ハードディスクの内容が失われる 外部からの攻撃を受ける 生徒への想定しない相手からのアプローチ 機器が生徒によって壊される(ほとんどないが) など 危機管理:その対応 バックアップ体制の確立:自動バックアップ、システ ム自身、ハードディスクの内容など セキュリティシステムの確立 ネットモラル、情報モラル、そして普通の意味での モラルの指導を、生徒のみならず教師も(例:間 違って不倫相手への教育上好ましくない内容を含 んだメールを生徒の前で提示してしまい解雇され た私学教師あり、思わぬところで思わぬ事件 が。。。)
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