企業論」講義のポイントについて

「企業論」講義のポイ
ントについて
2005年1月19日
試験の方法
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2月2日3校時(13:10-14:40)。1番、2番教室
選択、穴埋め、記述のいずれが出るかは非公開
出題範囲は、授業内容すべてとする
テキスト(『現代アメリカ産業論』第10版)のみ持ち込
み可。
 コピーは不可
 書き込みは自由
 紙、付箋、しおりの挿入・添付は不可
何から勉強するか
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授業の理論的ポイント
そのポイントの事例になっている部分
テキスト、配布資料、ノートの理解
キーワードを定義できるように辞書等で確認(『有斐
閣経済辞典第4版』、『岩波現代経済学辞典』を推
奨。コンピュータや電気通信の用語は、IT関係の用
語辞典も役立つ。ネットにもあるが、よく選ぶこと)
テキストに書いていないことの記憶や書き込み
テキストのわかりにくいところの補完
はどこでおこなったか
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スライドで整理
 映画ビジネスの「窓」戦略
 公共政策
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板書で補完
 たばこの健康被害をめぐる論点
 コンピュータ産業の競争
 電気通信における様々なサービスとボトルネック
S-C-Pパラダイムについてよく頭に入
れる

市場構造-市場行動-市場成果の関係
 理論編の内容から確認
 2002年度企業論期末試験解答で確認

http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/02kigyoexam.pdf
 植草益編『現代産業組織論』NTT出版、2002年、小西唯
雄編『産業組織論と競争政策』晃洋書房、2000年、など
で確認(この2人の教科書ならだいたい説明がある)

自動車のところが典型的な叙述になっている
著者たちの政治経済学的経済思想
経済現象を政治現象や社会構造との関連に
重点を置いて解明しようとする
 権力分散論

 市場競争の促進
 独占規制

市場競争促進のために自由放任論を批判し
ている
S-C-Pパラダイムと他の立場の関係
を理解する
理論編と公共政策の章から
 左派からの批判:協調主義、コーポラティズ
ム
 右派からの批判:自由放任論
 取引費用理論
 国際競争論

収穫逓増をめぐる論点(1)

収穫逓増とは何か
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


この授業では、「生産量が増大するにつれて、平均費用が逓減する
こと」を意味する。
このタームだけ辞書と違うので注意。辞書では、「一部の生産要素を
固定した場合の、他の要素投入に関する収穫逓減・逓増」が主に記
されている。
塩沢由典『複雑系経済学入門』NTT出版、1997年がわかりやすい。
授業で取り上げた収穫逓増
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

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規模の経済(自動車等)
範囲の経済(映画娯楽等)
経験効果(断片的に取り上げた)
ネットワーク外部性(コンピュータ等)
収穫逓増をめぐる論点(2)

収穫逓増の政策的含意
 自然独占を認めた規制政策
 事前的な規制
 ボトルネックの解消や競争企業育成など
 事後的な独占禁止政策

収穫逓増と独占禁止政策
 収穫逓増がはたらく過程では効率は上がる
 ただしネットワーク外部性ゆえに、優れた技術が選択されない可
能性もある
 独占が成立すれば効率は低下する
 現実には、企業の巨大化を収穫逓増によって正当化でき
ない場合がある
技術革新による競争条件の変化
コンピュータ、映画娯楽、電気通信が主要
ケース
 競争条件の変化

 ビジネスの興亡
 財・サービスの競合、補完関係の変化

公共政策の論点変化
アーキテクチャと競争(1)


コンピュータが主要ケース
詳しくは、ノートと以下の参考書での確認を進める
 藤本隆宏ほか編『ビジネス・アーキテクチャ』有斐閣、
2001年
 藤本隆宏『日本のもの造り哲学』日本経済新聞社、2004
年

アーキテクチャとは、以下に関する基本的設計構想
のこと
 どのように製品を構成部品や工程に分割し、そこに製品
機能を配分するか
 部品・工程間のインターフェースをいかに設計・調整する
か
アーキテクチャと競争(2)

第一の軸:部品や部分的工程の機能と構造の関係
 モジュラー・アーキテクチャ:機能と構造の関係が1対1に
なっている
 インテグラル・アーキテクチャ:機能と構造の関係が錯綜
している

第二の軸:部品間・工程間のインターフェース
 オープン・アーキテクチャ:インターフェースが業界標準
 クローズ・アーキテクチャ:インターフェース設計ルールが
1社、または1企業グループで閉じている
社会的効率をめぐる論点

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たばこの健康被害が主要ケース
概念の整理
 負の外部性
 社会的費用
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問題の構図をどう経済学的にとらえるか
社会的費用
 誰が、何を、どのように負担すべきか
 もともとの経済活動にどのように影響するか
規制緩和をめぐる論点(1)
航空輸送と電気通信が主要ケース
 競争環境整備の第一歩は規制緩和

 価格規制
 参入規制

自由放任の問題点
 独占を招く危険
先行者の優位
 ボトルネックの存在

規制緩和をめぐる論点(2)
 社会的に必要なサービスの供給が不安定に

政策課題
 有効競争を維持するルール
独占的行動の規制
 新規参入者の育成

 ボトルネックとなる資源の配分方法
 社会的に必要なサービスの維持
過去問題のチェック
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2002年度第1回小テスト
 http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/02kigyot1an
s.htm

2002年度第2回小テスト
 http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/02kigyomini
ans.htm

2002年度期末試験
 http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/02kigyoexa
m.pdf
受験上の注意
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『学生便覧』の「専門教育科目の履修上の注
意」の試験関連事項をよく読むこと
 追試験は、試験終了後3日以内に教務係に願い
出る
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個別の救済措置はとらない
情報公開

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期末試験の模範解答、点数分布は2月半ばにWeb
で公表する
期末試験の点数は2/14以後、通知可能とする
 「期末試験点数通知希望」と件名に記し、学籍番号・氏名
を本文に記して教員にメールを送れば最終成績(小テスト
と期末試験の合計)を返信する
 出張等のために返信が遅れることがある
 点数は変更できない。頼み込みは無意味であり、メール
に返信する義務を認めない
 2/10以前の頼み込みは減点の対象とするので注意