2009年度「企業論」 ガイダンス 2009年10月5日・7日 経済第2講義室 川端望 1 教員自己紹介 氏名:川端望 略歴 出身地 出身中学 出身高校 出身学部 出身大学院 職歴 学位 仙台市 仙台市立愛宕中学校 宮城県仙台向山高校 東北大学経済学部 東北大学大学院経済学研究科 大阪市立大学経済研究所を経て東 北大学大学院経済学研究科へ 博士(経済学)。東北大学より 2 担当科目・研究テーマ 担当科目:産業発展論(旧工業経済学) 学部科目:経済学入門A、企業論、産業発展論ゼ ミ、産業発展論特殊講義 当面の研究テーマ:東アジア鉄鋼業の構造と ダイナミズム 3 研究方法 実態調査に基づくケース・スタディ 日本企業の製品開発調査(1993-4年) 自動車生産システム国内調査(1995 年) 鉄鋼生産システム国内調査(19951998年) 東大阪工業集積調査(1995-1996年) 日立製作所調査(1999年) 山西省鉄鋼業調査(1999、2003、 2004年) トヨタグループ調査(2000年) 韓国自動車産業調査(2001年) 中国自動車・鉄鋼産業調査(2002年) ベトナム鉄鋼業調査(2000-2008年) タイ鉄鋼業調査(2003、2006、2007 年) 米沢電子産業調査(1998、2005年) 中国鉄鋼業調査(2007年) 台湾・韓国鉄鋼業調査(2008年) 中国省エネ調査(2008年) ベトナム中部・ダナンスチール にて 4 研究成果の例 川端望『東アジア鉄鋼業の構 造とダイナミズム』ミネルヴァ 書房、2005年。 大野健一・川端望編著『ベト ナムの工業化戦略』日本評 論社、2003年。 佐藤創編『アジア諸国の鉄鋼 業:発展と変容』(独)日本貿 易振興機構アジア経済研究 所(IDE-JETRO)、2008年。 5 授業の目的 現代社会での生活に「企業」は欠かせない存在 である。この授業では、企業について経済学的 に理解することを学ぶ。 具体的には、日本の企業システムを対象として、 これを組織の経済学(取引費用理論=TCE)を中 心とした組織の経済学によって理解するアプ ローチと、その問題点を考察する。 このことを通して、社会人の基礎的素養としての、 企業に関する冷静で自立的な分析と考察の能力 を養う。 6 到達目標 企業を経済学的に理解する様々なアプローチについて学ぶ。 組織の経済学による企業認識の体系を学ぶ。 日本の企業システムの概要を、雇用システム、企業間システ ム、コーポレート・ガバナンスの各々の側面から理解する。 組織の経済学による日本企業論について、その意義と問題 点を学ぶ。 日本企業理解の新たなアプローチについて考える。 社会人の基礎的素養として、企業システムに関する冷静で 自立的な分析と考察の能力を養う。 7 参考文献について 教科書は使用しないが、以下の2 冊が全体にわたる重要参考文献。 本講義は、宮本光晴『企業システムの 経済学』新世社、2004年を批判的に 読解することを通して作成した。 本講義の考え方は、上井喜彦・野村 正實編著『日本企業 理論と現実』ミ ネルヴァ書房、2001年の影響を受け ている。 章ごとの参考文献はその都度指示 する。 8 企業理論をより深めるための参考 文献 取引費用理論的企業論 経営史的企業論 ロナルド・H・コース(宮沢健一ほか訳)『企業・市場・法』東洋経済 新報社、1992年(原著1988年)。 オリヴァー・E・ウィリアムソン(浅沼萬里・岩崎晃訳)『市場と企業 組織』日本評論社、1980年(原著1975年) ポール・ミルグロム&ジョン・ロバーツ(奥野正寛ほか訳)『組織の 経済学』NTT出版、1997年(原著1992年)。 アルフレッド・D・チャンドラーJr.(鳥羽欽一郎・小林袈裟治訳)『経 営者の時代(上・下)』東洋経済新報社、1979年(原著1977年)。 大学院に進学して産業・企業研究を行おうとする者は、 以上は必読文献。 9 経済用語辞典 以下を勧める 伊東光晴編『岩波現代経済 学事典』岩波書店、2004年 金森久雄ほか編『経済辞典 第4版』有斐閣、2002年 (CD-ROM版あり) 取引費用経済学(TCE)の 用語は、ミルグロム&ロバ ーツ、前掲書の末尾の用 語集も便利。 10 授業の予定 試験日を除いて26回の授業日がある。 ガイダンス(2回)(同一内容) 企業と産業の伝統的理論(2回) 内部組織(4回) 雇用システム(3回) 日本企業の雇用システム(4回) 日本の企業間関係システム(4回) 日本のコーポレート・ガバナンス(3回) 結論と試験のポイント(1回) 自由質問コーナー(1回) インフルエンザ等に備えた予備(2回) 11 授業の進め方 教科書は使わず、プレゼンスライドとそのプリントアウトで講義 を行う。 プレゼンスライドを3スライド/ページで印刷したものを配布し、 ウェブにも掲載する。 他に、補足資料を配布する。 注意:レジュメにすべてのことが書かれているのではない。 スライド右側にノートを取ること。取らないとわからないと予想される。 スライドをダウンロード・加工してレジュメ化し、書き込みやすくするな ど工夫するのもよい 周囲が騒音を気にしない限りにおいて、パソコン直接入力で取って も良い 12 予習と復習について 予習が絶対に必要というわけではないが、解説速 度は速めなので、わかりにくい場合は予習した方が 安全である。 試験前に復習する方が重要。 13 教員への連絡方法 研究室:経済学研究科棟618号室(オフィス・アワー 以外は予約すること) Tel&Fax 022-795-6279 E-mail [email protected] ウェブサイト http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm プレゼンファイル等はウェブサイトに掲載するので、 随時チェックすること。 14 オフィス・アワーについて 教員が質問を受けたりディスカッションに応じたりす る時間のこと。学生は予約なしで教員研究室を訪ね てよい。 当分の間、月曜日の2校目とする。 それ以外の時間に研究室に来るときは、予約するこ と。直前の電話確認でもよいが、メール等で事前に 打ち合わせることが望ましい。 15 成績評価について 期末テスト・小テスト・授業中の発言で評 価する。 配点 期末テスト80点。 小テスト20点。1回5点で4回行う。 小テストを1回でも受験した者は履修放 棄を認めないので注意。期末試験を欠席 しても放棄にせず採点する。 発言1回につきマイナス2~プラス3点。 過去の試験についてはウェブサイト参照 16 小テストの実施方法について 実施日 方式は○×式とする。 持ち込み不可とする。 出題範囲 予告しない。 実施した場合には、その事実をメーリングリストに配信し、続いて掲示する。 実施時点まで行った授業の範囲とする。2回目以後の小テストは、前回の小 テスト以後、実施時点までとする。 欠席について やむを得ず欠席した者は、試験日の14暦日後(休日も1日と計算)までに、 欠席理由を証明する書類を添えて川端まで申し出ること。インフルエンザ等 で登校できない場合は、とりあえずメールか電話で通知すること。何も連絡が ない場合は本人の責任として申し出を認めない。 『学生便覧』の「専門教育科目の履修上の注意」記載の追試験該当事由と同 等の理由であると教員が判断した場合は、当該小テスト受験者全員の平均 点を与える。インフルエンザを含む、診断書がある病欠もこれに含まれる。 就職内定先からの呼び出し、就職関係セミナーについては、当該小テスト受 験者全員の平均点と3点のうち、低い方を与える。これらについても、当該企 業等が発行した証明書類を提出することが条件である。当該企業等の担当 者の署名か押印があればよい。本人作成の書類のみでは認めない。 17 再チャレンジ支援制度 2008年度に履修登録したが、結果として単位を得ら れなかった人を対象とする。 2008年度の小テストの点数小計を、そのまま今年度の持 ち点とする。 持ち点を確認したい人は川端にメールで問い合わせること 本年度の小テストを受けた場合は、さらに点数が加算さ れる。 期末試験の扱いは一般履修者と同じ。合計点数が100点 を超えた場合は100点とする。 2007年度以前の受講登録や点数は対象としない。 18 発言について 受講者名簿によりランダムに指名する。 問題を出されて正解ないし問題提起:プラス3点 とにかく何か内容のあることをしゃべった:プラス2点 「わかりません」「別に」「沈黙」:マイナス1点 欠席:マイナス2点 期間中に2回以上指名されることはない。 ただし、自ら挙手して発言することはできる。加 点はプラス15点まで 19 著作権について 著作権について十分気をつけること。たとえ ば、教員が認めた一時使用以外は、市販さ れている本の全ページコピーを作成・利用し てはいけない。 20 インフルエンザ対策について 小テストの扱いは前掲の通り 罹患したら保健管理センター、教務係、指導 教員に連絡。センターは相談に乗ってくれる。 保健管理センター 022-795-7829 教務係 022-795-6265、6266 その他、大学・学部の対策は掲示板を見るこ と。大学のウェブサイトも参照。 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/ 21 留意事項 禁止:私語、喫煙、携帯電話の呼び出し音。その他 の雑音。授業に無関係なテレビ、ラジオ、音楽の視 聴は音がしなくても不可。 原則禁止:途中退室(手洗いは黙認)。 諸君の良心に委ねる:内職、居眠り、途中入室。 許可する:飲み物を飲むこと。パソコンでノートをとる こと。録音(音声ファイルそのままの一般公開は不 可。諸君の責任において編集したものは別)。途中 入室 ※以上の事項は、この授業に限ってのことであり、他 の授業には適用されない。 22 メールでの質問について 随時受け付ける。 アドレス: [email protected] 氏名および氏名が特定できる情報を削除した 上で、印刷・配信することがある。 履修手続きや追試験に関わる質問は、教員 でなく経済学部教務係へ 23 メーリング・リストについて(1) 希望者には、各種連絡をメールで送る。各自 のアドレスは表示されないようにする(BCC)。 メーリング・リストに流した連絡は、掲示ある いは配布物で未登録者にも連絡するが、何 日か情報が遅くなる。 教員だけが全員に送信できる 24 メーリング・リストについて(2) 登録希望者は以下の事項を記したメールを川端に 送ること。 件名に「メーリングリスト登録」と書く。 本文に、学籍番号、氏名、登録するメールアドレスを書 く。 どのプロバイダでもよいしPCでも携帯電話でも よいが、長文や添付ファイルを受信できないこと については、教員は責任を取らないので注意。 アドレス変更はただちに通知すること。通知なく未達に なったら、リストから削除される。 登録アドレスは、この授業と、学部からの広報、事 務的緊急連絡に用いる。外部には明らかにしない。 「学部」には東北大学経済学会と経和会を含む 25 科目の関連性について 本講義の中心となる理論は取引費用経済学(TCE) であり、ミクロ経済学の応用である。 ただしこの授業では経済数学は不要であり、ミクロ の初歩的知識があれば理解できる。 マルクス経済学や経営学の知識も役に立つ。 日本経済、生産管理、人事管理に関連した科目と の相乗効果がありうる(保証はできないが) この講義では、理論の現実説明力、とくに日本企業 の特徴に対する説明力を重視する。したがって、 もっとも重要なことは、新聞やニュースを毎日チェッ クし、現実の経済事情に強くなっていることである。 26 Webで文献・経済資料を探す 東北大学付属図書館 http://tul.library.tohoku.ac.jp/ 国会図書館NDL-OPAC(単行書も雑誌論文も検索可 能) http://opac.ndl.go.jp/ 経済学部経済情報リンクページ http://www.econ.tohoku.ac.jp/kyoulink.html#01kanr en 検索可能なWeb書店(各種あり)(単行本検索可能) Amazon.co.jp http://www.amazon.co.jp/ 本やタウン https://www.honya-town.co.jp/index.html 27
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