著作権(1)

著 作 権(1)
情報社会と情報倫理
5/8/08
三世一身法


さんぜいっしんのほう
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%
89%E4%B8%96%E4%B8%80%E8%B
A%AB%E6%B3%95
知 的 財 産(1)

難病治療薬

人に感動を与える芸術作品

知的創作活動の成果
知 的 財 産(2)



これらを作った人には,報いなければならない
そのことにより,新たな作品が産まれることにな
る
他人の成果の影響を受けて,新たな作品が産ま
れることもある
知 的 財 産(3)


知的財産権・知的所有権
特許権,実用新案権,育成者権,意匠権,著作
権,商標権
著 作 権(1)



プロの作家
作品が売れることにより生活している
 勝手にコピーされると困る
過去の他人の作品の影響を受けていないとは言
い切れない
著 作 権(2)


知的創作活動をした人に報いることにより,さら
なる創作活動をしてもらう
結果として,一般の人々も利益を得る
著 作 権(3)

ただし,過去の創作物の影響を,何らかの形で
受けている
 中には,完全にオリジナルのものもあるかも
知れないが
著作権制度
目的



文化的所産の公正な利用

100%オリジナルなものは,ほとんどない
著作者等の権利の保護

やる気を出してもらう
情報流通を促進させる面と抑制する面

一定期間の独占
著 作 権 で の“権 利” と は


自分の著作物に対して,他人が無断で行う行為
にクレームをつけられる権利
自分ができる権利ではない
時代の流れに影響を受ける




制度自体は古い
 日本の著作権法は1899年
ディジタル機器の出現
 オリジナルと全くおなじコピーができる
インターネットの普及
 誰でも情報発信ができるようになる
もうひとつあるが,それは来週
英 語 で は…

copyright

copy 複写する

right 権利

厳密には,copyright は “著作権”ではない
著作権法
著 作 物(1)


“創作”と“表現”がキーワード
(後述)
第2条1
思想又は感情を創作的に表現したもので
あつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲
に属するもの
著 作 物(2)





第10条
1 小説,脚本,論文,
講演その他の言語の
著作物
2 音楽の著作物
3 舞踊又は無言劇の
著作物
4 絵画,版画,彫刻そ
の他の美術の著作物





5 建築の著作物
6 地図又は学術的な
性質を有する図面,
図表,模型その他の
図形の著作物
7 映画の著作物
8 写真の著作物
9 プログラムの著作
物
著 作 物(3)


著作物かどうかは,創作性が問題
 芸術作品として認められないものでも可
 いたずら書きでも立派な著作物の可能性あり
表現を保護する
 アイデアではない
 新しく考え出された料理のレシピは著作物で
はない
 ただし,料理の本は著作物
著 作 物(4)

コンピュータのプログラムも著作物(1985年から)

データベースも著作物(1986年から)
著作権の全体像

文献9,p.21参照
著 作 者 の 権 利(1)


人格権
公表権


氏名表示権


氏名を表示するかしないか,実名かペンネームかを
自分で決められる
同一性保持権


未公表著作物を,いつ,どのように公表するかを自分
で決められる
無断で変更させない
侵害されると,気分を害する
著 作 者 の 権 利(2)

財産権としての著作権

複製権


上演権


無断で印刷,複写などをさせない
無断で上演・演奏させない
貸与権


無断で貸すことをさせない
貸本屋,図書館,レンタルCD/DVD
著 作 者 の 権 利(3)

翻訳権


公衆送信権・伝達権



無断で翻訳させない
無断で放送させない,だけでない
無断でインターネットに接続されたサーバにアップ
ロードさせない(自動公衆送信,送信可能可)
他にもある
著 作 者 の 権 利(4)

侵害されると,金銭的損害を受ける

英語のcopyrightは“複製権”に対応
著 作 者 の “権 利” に つ い て


“複製権”とは,“自分の著作物を複製することが
できる権利”ではない
 当然,できるに決まっている!
他人が自分の著作物を複製することの可否を決
めることができる
 許諾権
実演家の権利

著作隣接権

俳優,歌手,レコード会社,放送局など

財産権と人格権
人格権と財産権


人格権は,著作者の権利
 譲渡できない
財産権
 譲渡できる
 著作権者(著作者とは限らない)
著 作 権 の 制 限(1)



第30条 私的使用のための複製
家庭内で使うためにコピーする場合は,著作権
者の承諾不要
ただし,コピーしたものを売ることなどはできない
著 作 権 の 制 限(2)


第32条 引用
公正な慣行に一致し,正当な範囲内
 オリジナルの部分が主で,引用は従でなけれ
ばならない
 引用部分は明確にする
 誰の著作物であるか明示する …など
著 作 権 の 制 限(3)


第35条 学校その他の教育機関における複製
等
必要な範囲内でのみ
 講義担当者・受講者が自分で複製する
 講義を受けている者に対してのみ配布
著 作 権 の 制 限(4)



他にもある
あくまでも例外的に著作権者の権利を制限して
いる
だからいろいろ制約がある
デジタル機器による複製(1)



第30条2
デジタル機器による私的複製の場合,補償金を
支払わなければならない
実際には,指定された機器やメディアの代金に
上乗せされている
デジタル機器による複製(2)


iPodなどの出現
権利者側は,補償金の対象を拡大したい
 パソコン全部
 新たなデジタル機器
 反対意見あり
著作権の存続期間(1)


第51条 著作者の死後50年
 注意 第60条人格権について
第54条 映画は公表後70年
著作権の存続期間(2)

すべて70年に延長するかどうか議論

国によって異なる

著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム
http://thinkcopyright.org/
“使 用” と “利 用”



著作権の世界では区別(文献9 p.8)
使用
 無断でできる行為
 本を読む
利用
 原則として無断でできない行為
 コピーを作る
次週

著作権が揺れている

ビデオを観てもらうので,遅刻厳禁