情報教育の在り方と 今後の展開

「情報教育担当者養成講座」
情報教育の在り方と
今後の展開
~バーチャルエージェンシー・教育の情報化プロジェクトより~
岐阜県総合教育センター
バーチャルエージェンシー
「教育の情報化プロジェクト」の報告
(平成11年12月)
・教育の情報化の必要性
教育の情報化は日本の教育の最重要課題
・プロジェクトの検討の方向
前提:国民全体の情報リテラシーの向上
→初等中等教育における情報化が不可欠
・情報化の推進による「子どもたち」「授業」「学校」 の変化
・目標達成のための具体的取り組み
・情報化推進で配慮すべき事項
平成17年を目安に検討
バーチャル・エージェンシー
「教育の情報化プロジェクト」
(平成11年12月報告)
教育の情報化の目標
子供たちが変わる
授業が変わる
学校が変わる
Ⅰ 教育の情報化の目標
1.子ども達が変わる
・主体的に学び
・他者の意見を聞きつつ、自分の意見を論理的に組み立て
・積極的に表現・主張
①学校教育にコンピュータは不可欠
・中学校:平成14年度から「情報とコンピュータ」が必修
・高 校:平成15年度から普通教科「情報」が必修
・すべての教科等の指導で
コンピュータや情報通信ネットワークを活用した学習活動
Ⅰ 教育の情報化の目標
1.子ども達が変わる
②コミュニケーション能力の飛躍的な高まり
・自ら必要とする情報について考える
・自分の目的にあった情報を取捨選択・再構成
・様々な情報を積極的に収集・整理・活用
個性を生かして自ら主体的に学び考え
結果を論理的に組み立てて、表現・主張する能力
ディスカッション能力・プレゼンテーション能力の育成
Ⅰ 教育の情報化の目標
1.子ども達が変わる
③目指すべき具体的な目標
・子ども達が変わるための前提
→コンピュータやインターネットの整備
→教員が十分に活用できる体制づくりが必要不可欠
・小学校:コンピュータやインターネットを
身近な道具として慣れ親しむ
・中学校:他者とのコミュニケーションの道具として活用
・高 校:コンピュータやインターネットの活用を通して
自分の意見を主張する能力の伸長
多様な目的のための高度な活用
情報モラルの指導の充実・「心の教育」
Ⅰ 教育の情報化の目標
1.子ども達が変わる
④情報化の「影」の部分への対応
・子ども達がバーチャル空間に埋没
→自然体験や社会体験の不足
→人間関係の希薄化、現実感の欠如
・ネットワーク上のコミュニケーション
→顔の見えない相手と「文字情報」のみで意思疎通
・日常生活以上に相手への配慮や思いやりが必要
・不特定多数に対して情報が容易に伝達
→発信した情報に対する責任の自覚
「日常生活でのモラル」+「ネチケット」
Ⅰ 教育の情報化の目標
2.授業が変わる
・各教員がコンピュータやインターネットを積極的に活用
・子ども達が興味・関心を持って主体的に参加する授業の実現
→「教育指導方法」の根本的な変化
①新しい形の授業を実現
・今までの授業→教科書中心
黒板とチョーク・副読本・写真・図・データ・参考文
献
・コンピュータや情報通信ネットワークを活用した学習活動
子ども達が自ら学び、意見を積極的に主張、主体的に参加」
Ⅰ 教育の情報化の目標
2.授業が変わる
②子ども達の根本的な理解を援助
・コンピュータやインターネットを活用した学習の推進
→年間の授業計画の一部として特別な実施ではなく
すべての教科において「日常的な活用」が必要
「理科」や「数学」でのコンピュータ等の活用
子ども達の理解の支援では格段に異なるレベルで効果的
・リアルな動きや3次元表示のデジタル映像の活用
・鮮明で美しい映像の活用
→子ども達の興味や関心、意欲の継続
Ⅰ 教育の情報化の目標
2.授業が変わる
③指導方法の転換→「分かる授業」の実現
・現在の授業内容をおおむね理解しているのは?
→小学校5年生で7割弱、中・高校生では4割弱
個に応じた指導が不十分であったことにも原因
「指導方法」を転換
「授業が分からない子」をなくすためには
・コンピュータやインタートの活用が有効
→子ども達の個性や理解度に応じたきめ細かい授業展開が可能
地理的条件や教員数に無関係→どこでも展開可能
Ⅰ 教育の情報化の目標
2.授業が変わる
④具体的な活用例
(a)通常体験できないことをバーチャル体験
収集した情報を分析・処理し報告・発表する
社会
・世界や日本の現在・過去の状況を動画で見せる
・各国の自然・文化・歴史生活をインターネットで調べる
理科
・科学実験の方法・天体の運行・生物の器官の動画
・各地域の気象の変化や動植物の生体をインターネットで調査
音楽
・音楽・音声入りのHPにアクセスし、世界中の音楽を聴く
・身近な地域の民謡を調べる
Ⅰ 教育の情報化の目標
2.授業が変わる
④具体的な活用例
(b)質の高い教材を大量に準備して活用
→子どもたちの興味・関心を効果的に高める
(c)国内や海外の学校と同一テーマで交流学習
→TV会議システムの利用
(d)特別活動・課外活動の成果をHPで公開
→保護者や地域の人々、全国に向けての情報発信
(e)不登校児や障害児への活用
→遠隔教育、生涯に応じた周辺機器整備
→きめ細かな指導、社会的自立のための指導
Ⅰ 教育の情報化の目標
3.学校が変わる
・学校運営の改善
・学校・家庭・地域の密接な連携の促進
→日本の学校の在り方そのものの根本的な変化
①家庭と学校との密接な連携
・中央教育審議会答申
「今後の地方教育行政の在り方について」(H10.9.12)
学校・家庭の連携、地域住民の学校運営への参画等を提言
学校の情報化推進→諸課題への対応も促進
インターネットを活用した家庭への連絡、電子メールの有効利用
Ⅰ 教育の情報化の目標
3.学校が変わる
②地域の人々の学校運営への参画
・保護者や地域の人々の声を聞き「開かれた学校づくり」
→ホームページを活用した情報発信
時間に拘束されず情報収集、学校運営に参画
・学校での事故や問題の発生
→子どもや保護者のプライバシーに十分配慮
ネットワーク上で必要な情報を家庭・地域に提供
学校のアカウンタビリティーを明確にする
Ⅰ 教育の情報化の目標
3.学校が変わる
③子どもたちへのきめ細かな対応
・子どもたちの心の悩みや不登校への対応
→スクールカウンセラーや電話相談
電子メールを活用したきめ細かな対応
・授業設計や生徒指導上の課題
→教員がインターネットから情報収集、
他校との情報交換
より適切に対応
Ⅰ 教育の情報化の目標
3.学校が変わる
③事務負担の軽減
・校務や学校事務の情報化の推進
→教職員間の情報の共有化で事務的負担の軽減
・子どもたちと触れあい教育活動にあたる時間的余裕の確保
・教職員間の横の連携や学校運営組織の活性化
・学校と教育委員会との連絡
→電子メールやTV会議の活用で出張を減少
時間的・予算的な余裕
地域・家庭との連携や問題発生時の迅速・的確な対応
Ⅰ 教育の情報化の目標
3.学校が変わる
④教員研修の合理化
・国や県が実施する様々な教員研修
→現場の多忙化を招く一因
研修を「ネットワーク上で実施」
・学校現場の多忙化の軽減化
・教員個々に対応した教員研修の実施
・教員の自主的な研究会や交流会
メーリングリストの活用→幅広い交流や意見交換が可能
Ⅱ 具体的な取り組み
1.ハード面の取り組み
・全国の学校のすべての教室にコンピュータを整備
・すべての教室からインターネットにアクセスできる環境づくり
(1)公立学校の児童生徒用コンピュータ等の整備
・教育用コンピュータ・校内LANの整備
・教育用ソフトウエアの整備
Ⅱ 具体的な取り組み
1.ハード面の取り組み
(2)公立学校教員1人に1台のコンピュータを整備
①教員向けコンピュータ購入支援制度の実現
②中古コンピュータの活用
③学校へのコンピュータの寄付を円滑にする仕組みの整備
(3)私立学へのコンピュータの整備
(4)日本人学校へのコンピュータの整備
Ⅱ 具体的な取り組み
1.ハード面の取り組み
・すべての学校においてインターネット接続の高速化を図る
(1)公立学校におけるインターネット接続の高速化
(2)通信料金等の低廉化
(3)高速回線を活用した研究開発の充実
・学校インターネット1,2,3事業の推進
(4)日本人学校のインターネット接続の高速化
Ⅱ 具体的な取り組み
2.ソフト面の取り組み
・すべての教員がコンピュータを活用して指導できる体制作り
(1)現職教員の研修の充実
(2)校内における情報化対応の組織・体制の整備
(3)教育委員会における情報化対応の体制の整備
(4)教員・学校支援の情報提供・交流事業の推進
・ガイドブック作成等情報教育支援事業(社)日本教育工学振興会
・Eスクエア・プロジェクト(財)コンピュータ教育開発センター
・こねっと・プラン(こねっと・プラン推進協議会)
(5)教員採用時における情報リテラシーの重視
Ⅱ 具体的な取り組み
2.ソフト面の取り組み
・関係省庁・民間が連携して、質の高い教育用コンテンツの
開発や提供を推進する事業の実施
(1)教育用コンテンツ提供の総合サイトの開設
(2)博物館、美術館、大学等のデジタルアーカイブの促進
子ども向けコンテンツ・HPの作成・開設
(3)民間企業・団体等の教育用コンテンツ等の開発支援
・教育用コンテンツの公募と顕彰・助成
・子ども向けHPの優良なものへの顕彰・助成
・教育プロジェクト・情報化支援への顕彰・助成
(4)各種の研究開発事業の成果の活用
Ⅲ 配慮すべき事項
1.情報に関するモラルや
ルール等の教育の実施
2.心の教育の充実
3.教育のための技術の研究開発
お疲れさまでした・・・