第120回コンピュータと教育研究発表会 技術参照モデルとシステム要件定義 に関する学習システム 静岡大学情報科学研究科 修士1年 齋田芽久美 2015/10/1 1 目次 1.背景と目的 2.システム構成と学習方法 3.本システムを用いた学習実験 4.学習結果まとめ 5.評価 6.結論 7.今後の展望と課題 2015/10/1 2 1.背景と目的(システム調達の現状) 課題 システム調達時の要件定義の難しさ 現状では…… ●現場の先輩に教えてもらう ●過去の事例を参考にして取り組む 2015/10/1 3 1.背景と目的(システム調達のプロセス) 企画・計画 概算見積もり 予算化 要件定義 調達仕様書 A業者 問題・課題 調達担当 部門 職員 (利用者) 技術に 関する知識 公開 調達仕様書 調査 B業者 作成 C業者 作成 提案書 評価 評価基準 2015/10/1 4 1.背景と目的(定義するべき項目) 要件定義項目 ●調達作業について ●規模・性能要件 ●信頼性要件 ●セキュリティ要件 ●テスト・移行要件 ●運用・保守要件 出典:平成22年度版TRMの実証的評価 2015/10/1 5 1.背景と目的(技術・業務知識の利用) 原因 要件定義に関する知識・経験不足 技術・業務知識 (TRMで補う) + 要件定義を 行う経験 2015/10/1 6 1.背景と目的(TRM) TRM(Technical Reference Model ) -EA(Enterprise Architecture)における参照モデルの 1種であり、2003年頃より開発が進められている -経済産業省によって提供されており、政府が情報基盤 システムの発注を行うために必要とされる技術情報や 役務などがまとめられている -情報システム調達のための技術参照モデル(TRM) 平成 23 年度版 p1-p528 http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/tyoutatu/TRM23.pdf 2015/10/1 7 1.背景と目的(技術ドメインの体系) 2015/10/1 8 1.背景と目的(技術ドメインの解説) 1.背景と目的(役務体系) 2015/10/1 10 1.背景と目的(役務の解説) 1.背景と目的(要件定義の経験) 原因 要件定義に関する知識・経験不足 注目!! 技術・業務知識 (TRMで補う) + 要件定義を 行う経験 2015/10/1 12 1.背景と目的(目的) 要件定義を行う経験を積む 要件定義学習システムの提案 情報系の学生、企業の新入社員 対象者 要件定義の入門的学習 2015/10/1 13 2.システム構成と学習方法(システム構成) 学習者はTRMを参照しながら 調達仕様書を書くことを疑似体験する 学習記録DB 学習者 iPad Mac ユーザ 認証 調達仕様書 作成支援 TRM参照 TRM 要件定義学習システム 2015/10/1 14 2.システム構成と学習方法(学習方法)1/4 調達仕様書構成項目 要件定義 学習システム 1.調達件名 2.作業の概要 TRM 1.序文 2.概要 3.情報システム要件 3.定義(技術の分類) 4.規模・性能要件 5.信頼性要件 6.情報セキュリティ 4.調達パターンとモデル及 び情報システム設計の指針 5.技術ドメイン解説 7.情報システム稼働環境 6.役務調達 8.テスト要件定義 9.移行要件定義 7.クラウド 10.運用・保守要件定義 8.推奨される技術標準 11.作業方法 2015/10/1 15 2.システム構成と学習方法(学習方法)2/4 ログインする (新規登録する) 項目説明を読む 調達仕様書作成 画面を読む ヒントやTRMを 元に空欄に解答 作成ボタンを 押し次の項目へ 2015/10/1 16 2.システム構成と学習方法(学習方法)3/4 仕様書作成画面例 ●調達作業内容について 2015/10/1 17 2.システム構成と学習方法(学習方法)4/4 工夫 ●細かく区切りながら学習する ●ヒントを多用する ●TRM該当部分をすぐに見ることができる ●学習内容を軽くすることによって、短時間で学習できる ●難しい言い回しは使用しない ストレスを感じることなく学習することができる 2015/10/1 18 3.本システムを用いた学習実験 • 静岡大学情報学部3、4年生の計9名 学習後に理解度チェックとアンケートの実施 2015/10/1 19 4.学習結果まとめ(所要時間と理解度) • 各実験参加者の所要時間と自分が定義した内容 に関する理解度チェックテスト正答数のまとめ 実験参加者タイプ A 所要時間(単位:分) 理解度チェックテスト 正答数(全11問中) B C D 60 34 39 32 40 38 56 61 63 4 9 4 4 6 11 5 9 9 2015/10/1 20 4.学習結果まとめ(TRM参照方法) • TRMの参照方法に関する正答率 →全参加者全問正解(42問正解/42問中) 例 答え. 外部・内部ネットワーク、及び利用し ているシステムの接続点にはファイ アウォール機能を有した機器を設置 し、特定の通信のみを許可すること 2015/10/1 21 4.学習結果まとめ(アンケート) N=9 2015/10/1 22 5.評価(TRM/教育関係者) 実務面での有用性 官庁、公共団体、民間企業では要件定義に苦労しており、 本システムはわかりやすく、すぐに生かせる教材になり得る 様々な調達仕様書作成の必要性 ネットワークと業務システムの同時調達やパッケージベース の調達など、現実に即した調達仕様書の作成が必要である 2015/10/1 23 6.結論 要件定義の経験を積むための 学習システムの開発 学習は容易であるが知識定着率が低い 知識を取得してもらうために 機能を拡大させていく必要性がある 2015/10/1 24 7.今後の展望と課題 機能拡大 ●繰り返し学習を行える工夫 ●各項目の構成 課題 ●Webアプリへの発展 ●TRM対象外部分への対応 ●設計方針について 2015/10/1 25 ご清聴ありがとうございました 2015/10/1 26
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