(3) 相談内容の類型化による相談体制の整備方向 (1) 市 民 か ら の 相 談 例 1 2 3 「求める情報が明確な」問い 「ある程度明確な問題意識に基づいた」問い 「漠然とした」問い合わせ 合わせ 合わせ・相談 ・相談 [例] (特定された)学習機会の 申込方法が知りたい、施設 の所在地が知りたいある テーマについての著作や研 究者が知りたいなど [例] 自分に合った学習機会はないか、仕事に役 立つことが学びたい、自分を高めたいなど [例] 学習成果を発表したい、学習事業を企画し たい、講師になりたいなど [例] グループのつくり方や運営方法を教えてほし い、グループ活動を活性化したい、他グルー プと交流する方法を教えてほしいなど [例] 生き甲斐がほしい、何に 向いているわからない 何がしたいかわからないな ど (学習者の意図、問い合 わせ内容ともに漠然とし ている) (学習者の意図は明確だが、問い合わせ 内容は漠然としている) (問い合わせ内容が明確) (2) 相 談 者 の 状 態 ○個別・特定事項について ○解決すべき問題が、ある程度明らかであ 知ることができれば、自己 るが、解決策がわからない状態 の学習計画を補完できる 状態 (3) ○何かしたいという漠然と した意義はあるが、具 体的な学習計画をもっ ていないため、学習に 結びつけられないでいる 状態 市 民 が 期 待 し て い る こ と ○問い合わせ内容に対する ○学習内容・方法に関する情報の提供 ○学習目標の手助け 明確な回答 助言、援助 ○学習計画作成の手助け ・案内情報の提供 たとえば、学習している内容やレベルに不 ・問い合わせ内容にかかわ 満をもっている場合や、学習 る情報源情報や人材情報 成果を生かしたいと思っている場合には、 の提供 ・課題の発見、整理への助言 ・課題の提示 ・情報の探し方についての助言 ・一般的、基礎的情報や関連情報の提供 ・情報収集への協力 ・学習方法、プログラム作成への助言 ・学習方法、プログラム作成への協力 ・具体的プログラムの提案 など また、仲間づくりやグループ運営について問 題を抱いている場合には、さらに仲間づくり の方法などグループ・団体の運営に関する ことについて、助言→一般例・関連情報の 提供→援助→具体例の提示 など (4) 学 習 援 助 の 視 点 ○迅速に正確な情報を提供 本来学習自身が行うべき価値判断の一部が相談員に委ねられた場 すること(レファレンス・ 合、相談員がどの程度関与していくかが問題となる サービス) ○情報源に関する情報やそ 学習者の思想。信条にかかわる場合、プライバシーの保護に十分配 の他の関連情報などを提 慮するすることが必要となる 供するよう努めること(レ フェラル・サービス) ○学習者自身の選択、判断に極力任せつつ、「学習の必要性の認識」 「学習意欲の顕在化」「学習目標の設定」を促すこと など ○場合によっては、学習暦の総合的な評価、診断を行うこと ○学習方法を紹介すること ○グループ・団体の運営等の方法を紹介すること など (5) 相 談 員 に 求 め ら れ る 資 質 ・ 能力 ○情報および情報源の所在 ○カウンセリング能力により相談の本質を的確に把握し、学習者の学習 を的確に把握しておくこと、 プロセスに応じた情報の提供、助言、援助を行うため、 あるいは把握できるよう にするため、 基礎的資質(教養)のほか、特に カウンセリングにかかわる能力、 基礎的知識(教養)のほか、 情報処理・提供にかかわる能力、 特に、情報処理・提供にか 学習技法にかかわる能力 かわる能力 などが必要 などが必要 (6) 情報提供 1 一般的、基礎的な生涯学 習情報の蓄積 ・定型化が可能な情報につ いては、コンピュータによ る情報処理システムや冊 子等の印刷物として蓄積 する。 ・他機関、他職員との連携、 協力を蜜にすることも必要 2 学習者が自由に情報を 検索できるように配慮する こと(基本的には学習者が 自由に情報を選択できる ことが望ましい) 相 談 体 制 整 備 の 方 向 情報提供+学習相談 1 相談員の資質・能力の向上を図ること ・継続的な研修の実施 ・相談マニュアルの作成 2 学習に関する専門的知識をもっている人や学習経験の豊富な人の活 用を図ること 3 関連して必要なその他の施策 ・学習ニーズの把握 ・ニーズに対応した学習機会の充実 ・事業企画、運営への市民参加の推進 ・学習成果を生かす場、機会の創出 ・学習評価方法の確立 ・情報処理システム等では提供できない情報の収集、蓄積、更新に関す る仕組みづくり など 出典 「学習相談事業実施調査報告書」 横浜市教育委員会 1993.3
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