耐硫酸性モルタル防食技術の市 場動向及び開発状況について 日本ジッコウ株式会社 営業本部 2009年9月10日 耐硫酸性モルタル市場の動向① ●平成20年3月 「耐硫酸モルタル防食技術の技術評価に関する報告書」 (日本下水道事業団/技術評価委員会) 技術評価の経緯: 塗布型ライニング工法、シートライニング工法同様、耐硫酸性モルタ ルの防食(被覆)技術の可能性を見出し、耐硫酸性モルタルによる 下水道施設の硫酸腐食に対する実用性の評価を実施。 施工日数の短縮化、施工の簡略化が期待でき、施設を使用する期 間に応じて耐硫酸性モルタル塗布厚を変えることができ、施設の耐 用年数を調整できるので施設全体のライフサイクルを整合させるの に有効。改築更新計画に合わせた自由度の高い防食工法としてラ イフサイクルコスト削減に寄与。 普通モルタルの5倍程度の耐硫酸性を有するモルタルを開発し、腐 食環境面に必要な断面を塗布する防食工法として整理し、評価を目 的としている。 耐硫酸性モルタル市場の動向② 評価の対象技術: 評価対象となる耐硫酸性モルタルは、 ①ポルトランドセメント系モルタル ②アルミナセメント系モルタル 本評価における耐硫酸性モルタルの仕様 (1)下水道施設の腐食環境(JS指針Ⅰ類またはⅡ類に相当する環 境)において普通モルタルの5倍以上の耐硫酸性があること (2)通常のコンクリートで施工された構造物の補修・改築に対しても 施工可能であること (3)補修材料は、既存コンクリートとの一体性が確保されるものであ ること 耐硫酸性モルタル市場の動向③ <腐食しろ許容設計法> 耐硫酸性モルタル工法の設計手法は、被覆の中性化(劣化)を前提 とした腐食しろ許容設計法を取り入れ、予定供用年数までコンクリー ト表面の腐食速度を遅らせる設計方法を適用。 普通モルタルとの耐硫酸性能比較 ※技術評価表より抜粋 図)補修断面決定例 高耐硫酸性モルタル ZモルタルVRの開発 ○耐硫酸性断面修復モルタル ZモルタルAR ⇒ 普通モルタルの2.5倍程度の耐硫酸性能を有する ★下水道施設でのモルタル被覆工法に求められる耐硫酸性モルタル ⇒ JS防食技術マニュアルによるⅠ類又はⅡ類に相当する 環境内において、普通モルタルの5倍以上の耐硫酸性 能を有する 高耐硫酸性モルタル ZモルタルVR ZモルタルVRの特徴 ○普通モルタルに比べ5倍以上の耐硫酸性がある ○補修・改築に対しても施工可能である JS性能評価での 要求性能 ○既設コンクリートとの一体性が確保されるものであること ★高湿度環境、湿潤面への容易施工及び安定した接着性確保 材質による特性 ★容易なメンテナンス性及び補修コストの低減 ●施設の予定供用年数に合わせた効率的な仕様化(施工厚設定) ●高圧洗浄、劣化部除去、断面修復までの工程で施工完了、 施工日数の短縮、施工の簡略化 メーカー及び会員様の営業独自性を見出し 仕様化提案型の売り込み手法の構築 ライフサイクル コストの整合性 ZモルタルVRの開発課題 ●品質規格基準が無く、腐食しろ許容設計法の活用と理解 ⇒ 日本下水道事業団 品質マニュアル化、メーカー及び日 防協モルタル部会として参画 ●品質保証要件、断面消失許容範囲での保証及び免責項目な ど要検討 ●アルミナセメント系で主原料が輸入品の為、納期(1.5ヶ月~ 2.0ヶ月)が掛かる。原料管理、商品在庫管理の検討 ●施工性(実現場での施工性確認)、公的試験データ取得(実施中) 課題検証及び各物性評価ののち、仕様化提案型営業による 先行上市を目指す
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