情報システム管理 第12回 ファイル共有 水野嘉明 本日の内容 1. Samba Sambaの仕組と設定について 2. NFS NFSの仕組と設定について 3. NIS NISの仕組と設定について 2 1. Samba 1.1 Sambaの機能 1.2 Sambaの仕組み 1.3 Sambaのインストール 1.4 Sambaの設定 1.5 Sambaユーザの作成 1.6 Sambaの起動 3 1. Samba Sambaとは LinuxやUNIXマシンを、Windows のファイルサーバ/プリントサーバ とすることができるソフト UNIXとWindowsが混在する環境 で、手軽に情報共有を行えるよう になる 4 1.1 Sambaの機能 Sambaは、いくつかの機能を持つ ファイルサーバ これを説明 プリントサーバ クライアントの認証 ドメインコントローラ Windows Active Directory 5 1.2 Sambaの仕組み Windowsから直接UNIXのファイル をアクセスすることは出来ない Windows クライアント UNIX サーバ 6 1.2 Sambaの仕組み WindowsとUNIXを橋渡しするソフト が必要 専用 ソフト Windows クライアント UNIX サーバ ★ クライアント毎にソフトが必要 通常、クライアントの方が数が多い 7 1.2 Sambaの仕組み Sambaは、クライアントに対して UNIXを Windowsサーバのように見 せる Samba Windows クライアント UNIX サーバ 8 1.2 Sambaの仕組み Sambaには、ユーザを登録する サーバ(UNIX)のユーザと Samba のユーザは、ユーザ名を同じに Sambaにアクセスしてきたユー ザは、サーバのファイルにアクセ スするため パスワードは、別に管理する パスワードの暗号化方式が異なる 9 1.3 Sambaのインストール Samba関係のパッケージ samba samba サーバ smbclient samba のクライアント samba-common samba/smbclient の両方から利 用される共通ファイル 10 1.4 Sambaの設定 Sambaの設定ファイル /etc/samba/smb.conf smb.conf は、大きく3つのセクショ ンと共有毎のセクションに分けられ る 11 1.4 Sambaの設定 のセクション [global] Sambaの全体的な設定 [printers] 共有プリンタの設定 smb.conf 12 1.4 Sambaの設定 [homes] ユーザ毎のホームディレクトリの 設定 その他 共有フォルダ毎の個別設定 13 1.4 Sambaの設定 セクション Windows のワークグループ名 [global] workgroup = office Windowsで表示される名前 server string = My Samba Server 14 1.4 Sambaの設定 アクセス制御 hosts allow = 192.168.12. 192.168.13. 192.168.12.xx と 192.168.13.xx からのみ アクセスが可能 hosts deny = pirate bandit アクセスを拒否するホストのリスト 15 1.4 Sambaの設定 セキュリティモード (クライアント毎に認証) security = user userの他に、次のモードがある • share (共有モード) × • server (サーバモード) × • ADS (Acitive Directory モ-ド) • domain (ドメインモード) 16 1.4 Sambaの設定 [homes] セクション [homes] comment = Home Directories browseable = no read only = no 17 1.4 Sambaの設定 設定ファイルのチェック 設定内容を表示し、チェックする ツールがある $ testparm 18 1.4 Sambaの設定 testparmの実行結果例 [root@localhost samba]# testparm Load smb config files from /etc/samba/smb.conf Processing section "[homes]" Processing section "[printers]" Loaded services file OK. Server role: ROLE_STANDALONE Press enter to see a dump of your service definitions [global] workgroup = HOME netbios name = MIZUNONOTE server string = Samba Server Version %v security = USER log file = /var/log/samba/log.%m 19 1.5 Sambaユーザの作成 Sambaユーザを作成し、パスワード を設定する $ pdbedit -a -u username Samba上のパスワードを変更 $ smbpasswd [username] rootは、任意のユーザのパスワードを 変更可。一般ユーザは、自分のパスワ ードのみ変更可。 20 1.6 Sambaの起動 と nmbd の二つのデーモン サービス制御スクリプトは samba (smbとnmbの二つのこともある) smbd $ invoke-rc.d samba start $ update-rc.d samba defaults 21 2. NFS 2.1 NFSの仕組み 2.2 NFSサーバのインストール 2.3 NFSサーバの設定 2.4 NFSクライアントの設定 22 2. NFS NFSとは、 ネットワークを介して、リモート・ホ ストのファイルシステムを利用する ためのシステム 23 2.1 NFSの仕組み NFS (Network FIle System) UNIX系OSで、ファイルを共有す る手段として広く利用されている (Samba: Windows→UNIX、 NFS : UNIX→UNIX) サン・マイクロシステムズ社が開発 24 2.1 NFSの仕組み Sun RPCにより実現 RPC (Remote Procedure Call) 別のマシンにある手続きを呼出 し結果をもらう プログラムは、通信を意識しない 25 2.1 NFSの仕組み セキュリティは、弱い インターネット向けのサーバでは利 用を避け、限られた範囲のネットで 使用すること 26 2.1 NFSの仕組み サーバのディレクトリを、クライアント がマウント (ディレクトリ・ツリーに割 り当て)する / / usr etc usr etc export hoge.txt NFSサーバ import hoge.txt NFSマウント NFSクライアント 27 2.1 NFSの仕組み サーバが提供(エクスポート)する ファイルシステムを、クライアントは 自マシンのディレクトリ・ツリーに割 り当てる クライアントは、自分のディスクと 変わりなくアクセスできる 実際にアクセスされるのは、NFS サーバのディスク 28 2.2 NFSサーバのインストール に必要なパッケージ 通常は、標準でインストール済み Debian系 nfs-kernel-server RedHat系 nfs-utils nfs 29 2.3 NFSサーバの設定 NFSを利用するには、サーバ側とク ライアント側の両方に設定が必要 サーバ クライアント マウント /etc/exports /etc/fstab 30 2.3 NFSサーバの設定 /etc/exports ファイルに、NFSで共有 するディレクトリの情報を記述する ① クライアントに公開するディレクトリ ② ディレクトリへの接続を許可するク ライアントのリスト ③ クライアントがマウントする時のオ プション 31 2.3 NFSサーバの設定 クライアントホストをIPアドレスで指定 /export/home 192.168.1.0/24(rw,sync) ① ② ③ ① /export/home を公開 ② 192.168.1.1~192.168.1.254 が接続可能 ③ オプション(読書き可、即時書き 込み) 32 2.3 NFSサーバの設定 クライアントホストをホスト名で指定 /export/home *.foo.co.jp(ro) ① ② ③ ② ホスト名を指定。ワイルドカード が使用可 33 2.4 NFSクライアントの設定 起動時に、NFSサーバの公開ディレ クトリを自動的にマウントする /etc/fstab に記述 mount コマンドにより、手動でマウ ントすることも可能 34 2.4 NFSクライアントの設定 自ディスクのマウントと、書き方はほ とんど同じ foo:/export/home /home1 nfs bg 0 0 ① ② ③ ④ ① サーバのホスト名とディレクトリ名 ② クライアント側のマウントポイント ③ ファイルシステムの種類 = NFS ④ マウントオプション、その他 35 3. NIS 3.1 NFSとNIS 3.2 NISの機能 3.3 NISの仕組み 3.4 NISのインストール 3.5 NISサーバの設定 3.6 NISクライアントの設定 36 3. NIS NIS (Network Information Service) 複数のUNIXコンピュータ間でユー ザ情報を共有するシステム アカウント情報 ホスト名情報 ネットワーク関連の情報、その他 ディレクトリサービス の一種 37 3.1 NFSとNIS NFSとNISは、組み合わせて使うこと も多い どちらも、サン・マイクロシステム ズが開発 RPC機能を利用 アカウントを共有し、ホームディレ クトリを共有すると、どのマシンでも 同じ環境で作業できる 38 3.1 NFSとNIS 例 NFS/NIS サーバ クライアント どのクライアントでも、 同じ環境で作業できる 39 3.2 NISの機能 アカウント情報の共有 各マシンでアカウントを管理する 必要がない パスワードも、一箇所で変えれば OK 40 3.2 NISの機能 自動マウント関連 NFSで共有するディレクトリの設定 などを、各マシンで共有 ホスト名⇔IPアドレス対応の共有 /etc/hosts ファイルを共有 (現在は、DNSがあるので不要) 41 3.3 NISの仕組み NIS独自にドメインを定義して、その 単位で管理 同一ドメイン内に複数のサーバを設 置することも可能 マスタサーバ、スレーブサーバ サブネットを越えては動作しない 42 3.3 NISの仕組み NISの利点 ほとんどのUnix系OSが対応 導入が簡単 文献が豊富 欠点 サブネットを越えて動作しない セキュリティ上の問題がある 43 3.4 NISのインストール のパッケージ ypserv - NIS サーバ機能 ypbind - NIS クライアント機能 yp-tools - NIS 関連のコマンド群 NIS 44 3.5 NISサーバの設定 NISドメイン NIS クライアントとサーバは、同じ NIS ドメインに属していなければな らない NISドメインは DNSのドメインとは 関係ない 階層構造も持っていない 45 3.5 NISサーバの設定 次の設定ファイルに、 NISDOMAIN行を追加しておく /etc/sysconfig/network NISDOMAIN=MyDomainName 46 3.5 NISサーバの設定 ypdomainname コマンドで、設 定・表示が出来る $ ypdomainname MyDomain $ ypdomainname MyDomain 47 3.5 NISサーバの設定 NISマップの作成 NISのデータベースを、NISマップ または YPマップと呼ぶ ディレクトリ /var/yp に置かれる 48 3.5 NISサーバの設定 /var/yp のMakefileを、環境に合 わせて適宜変更する ypinit コマンドにより、NISマップを 作成する $ /usr/lib/yp/ypinit -m 49 3.5 NISサーバの設定 NISマップ(NISデータベース)の更新 /etc の各種ファイルを編集 (例えば、ユーザを追加、パスワー ドを変更、NFSの設定を変更など) /var/yp ディレクトリにて、make を 実行 50 3.6 NISクライアントの設定 NISサーバと同様、ドメインを設定 /etc/sysconfig/network /etc/sysconfig/authconfig /etc/yp.conf /etc/nsswitch.conf など authconfig ツールを使用するのが簡 単でよい 51 3.6 NISクライアントの設定 authconfig の画面例 (1) 52 3.6 NISクライアントの設定 authconfig の画面例 (2) 53 3.6 NISクライアントの設定 authconfig が終了すると、NIS関 連のサービスが再起動される 54 【付録】 ディレクトリサービス ディレクトリサービスとは 複数のホストで、ユーザ情報を共 有する 代表的ディレクトリサービス NIS NIS+ LDAP Active Directory 55 【付録】 ディレクトリサービス NIS+ NISの後継として、サン・マイクロシ ステムズ社が開発 セキュリティ等が強化されている あまり普及せず、消滅の方向へ サンも開発中止(LDAPに移行) バグが残っている(らしい) 56 【付録】 ディレクトリサービス LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) ディレクトリサービスのためのプロト コル 実装は OpenLDAP 等 いろいろ Unix系ホストのNISに変えての運 用が可能 暗号化等、NISの欠点を克服 57 【付録】 ディレクトリサービス Active Directory マイクロソフト製 Wondows サーバ上で動作 代表的なプロトコルをサポート 名前解決用:DNS 検索用:LDAP 認証用:Kerberos ★独自拡張されているため、 相互運用時には注意が必要 58 お疲れ様でした
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