Linux World Conference Japan 1999

オープンソースまつり‘99
11/12(金) 15:30~17:30
Samba日本語版の設定と
運用のノウハウ 概要編
小田切 耕司
三菱電機(株) 情報通信システム開発センター
http://www.cityfujisawa.ne.jp/~odagiri/
[email protected]
http://www.samba.gr.jp/
目次
 講師紹介
 Samba概要
 Sambaの歴史
 Samba導入のメリット/デメリット
 Samba機能紹介
 Sambaのセキュリティモデル
 Samba日本語版の紹介
Microsoft,WindowsはMicrosoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
その他の製品および会社名は、各社の登録商標又は商標です。
講師紹介
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1985年 早稲田大学理工学部電気工学科卒業
同年 三菱電機(株)入社
1997年 「UNIX-Windowsネットワーキング」(テクノプレス)
1998年 「マルチOS環境のファイル/プリンタ共有術」
SoftwareDesign (技術評論社) 1998年2月号掲載
1998年 「SAMBA/NFSによるUNIX-Windowsネットワーキング」
(テクノプレス)
1999年3月 LinuxWorld Conference Japan‘99
『Samba : LinuxとWindowsの共存環境構築 』
1999年8月Samba日本語版公開
1999年11月日本Sambaユーザ会設立 代表幹事
SAMBA/NFSによる
UNIX-Windowsネットワーキング
出版 : テクノプレス
定価 : 2730円(税込)
ISBN : 4-924998-26-5
形態 : A5判、253ページ
CD-ROM 1 枚付属
発行 : 1998年10月30日
Samba 1.9.18p10対応
Samba概要
 SambaはUNIXマシンをWindows95/98や
Windows NT(およびDOS/Windows3.1/OS2の
LANMANクライアント)のファイル・サーバ/プリント・サーバ
にすることができるオープン・ソース・ソフトです。
GPL(GNU General Public License)の元、無償で使用できます

Sambaは通信プロトコルにNBT(NetBios over TCP/IP)を使
用し、下位プロトコルはTCP/IPになります。
NetBEUIやIPX/SPXを使ってWindowsマシンと通信すること
はしません。
Sambaの歴史
1987年 3月 RFC1001とRFC1002が公開
PROTOCOL STANDARD FOR A NetBIOS SERVICE ON A TCP/UDPTRANSPORT
1992年 1月オーストラリア大学生のAndrew Tridgell が“Server 0.1”を作成
1993年12月 NetBIOS for UNIXとしてVer.1.5がリリース
1994年 4月 Ver.1.6.05: Sambaと改名される。
1994年10月 Ver.1.8: 日本語のサポート
1995年 1月 Ver.1.9: WINSサーバのサポート
1998年 1月 Ver.1.9.18: Win95からのドメインログオンのサポート
コンパイルオプションなしの標準日本語サポート
1999年 1月 Ver.2.0がリリース
性能向上、Linux+SambaがWindows NTを抜く?
WEBによる管理ツールがサポート
ファイル共用ツールから、NTを置換するファイルサーバへ進化
単機能専用サーバ向けS/W
 現在単機能サーバが注目されています。
sendmail
メールサーバ
情シ部門
apache
Webサーバ
情シ/ユーザ部門
squid
PROXYサーバ
情シ部門
netatalk
Apple互換ファイル サーバ
ユーザ部門
mars_nwe
Netware互換ファイル サーバ
ユーザ部門
Samba
Windows互換ファイル サーバ
ユーザ部門
 Sambaはキラーアプリの本命!
Samba導入のメリット
 S/W導入コストの削減
• Windows NTサーバー・ライセンス費用、Client Access Licenseが不要
 運用コスト
• インストールはWindows NTより、短時間で終わり、リブートは
1回だけ。(トラブルがなければ)
• 修正情報適用や設定変更でリブートがいらない
• 大量導入が容易
• 遠隔保守が容易
 性能
• 1CPU1LANカードの同一H/WではLinuxの方が高速
http://www.zdnet.com/sr/stories/issue/0,4537,2196106,00.html
Samba導入のデメリット
 メーカー・サポートがない
SGIや三菱電機など各社サポートメニューを
用意
 Windows NTとの互換性問題
 UNIXの知識が必要
知識があれば、NTより運用コストを削減可能
 Sambaの設定は難しい?
SWATの日本語化
ユーザ会で情報交換しよう
Samba機能紹介

ファイル・サーバ機能(smbd)
Windows NT同様のファイル共有、プリンタ共有機能を
Windowsクライアントに提供
ネーム・サーバ機能(nmbd)
ドメイン・コントローラ、WINSサーバ、マスタ・ブラウザなどの機能
 クライアント機能(smbclient)

Windowsの共有ファイルへアクセスするFTP相当機能
Windowsプリンタへ印刷する機能

ファイル・マウント機能(smbmount : Linuxのみ)
WindowsのファイルシステムをLinuxのネットワークファイルシステムと
してマウントする機能
Windows NTにはないSambaの機能(1)
 ユーザ・ホーム機能
• 共有の表示時に、クライアントのユーザ名を共
有名としてマッピングして表示する機能です。
¥¥samba\yamada
Samba
/home/yamada
yamada
¥¥samba\suzuki
/home/suzuki
[homes]
suzuki
Windows NTにはないSambaの機能(2)
 ユーザ名マッピング
• サーバ側でクライアントのユーザ名をUNIXの
ユーザ名にマッピングできます。
(複数Winユーザ→1Unixユーザも可能)
¥¥samba\yamada
yamada
Samba
/home/yamada
[homes]
¥¥samba\suzuki
suzuki
Windows NTにはないSambaの機能(3)
 クライアント・ホストの制限
• 共有ごとに使用できるクライアント(ホスト名)を制
限できます。
¥¥samba\project
deny hosts=pc1
Samba
[project]
¥¥samba\project
allow hosts=pc2
Windows NTにはないSambaの機能(4)
 クライアント毎、ユーザ毎に設定ファイルを
用意可能
• クライアント毎やユーザ毎にアクセスできる共
有名やそれぞれの設定を変更できます。
Project1しか見えない
Samba
Config.yamada
yamada
[project1]
Project2しか見えない
Config.suzuki
[project2]
suzuki
Sambaの
セキュリティモデル(1)
 security=share
• 共有毎に決まったUNIXユーザ(パスワード)で接続します。
• 個別ユーザ登録が必要ないので運用が簡単です。
• パスワードを複数の人と共有したり、パスワードだけの保
護になるのでセキュリティ的に弱く、小規模ユーザ向けです。
 security=user
• 認証をそのUNIXマシン上で行います。
• 基本的にユーザ登録が必要です。
• Win98/NT4/Win2000の場合、UNIXパスワードに加え、
Samba専用パスワードを管理する必要があります。
(SWATを活用しましょう)
Sambaの
セキュリティモデル(2)
 security=server
• ユーザ認証をNT(または他のSamba)にしてもらいます。
パスワードをそのマシンで管理する必要はありません。
• NTにもUNIXにもアカウントの作成は必要です。
• NTのCAL(Client Access License)が必要です。
 security=domain(Samba2.0新機能)
• ユーザ認証をNTドメイン・サーバにしてもらいます。
パスワードをSambaで管理する必要はありません。
• NTにもUNIXにもアカウントの作成は必要です。
• NTドメインでのアカウント追加時、UNIXへの自動追加が可能です。
• NTのCAL(Client Access License)が必要です。
• NTドメイン・サーバへのセッション数を節約でき、NTの信頼関係を使用でき
ます。
Samba 日本語版紹介(1)
 SWAT(Samba Web 管理ツール)の日本語化
 ドキュメントの日本語化
http://samba.bento.ad.jp/ で公開された
日本語ドキュメントをSWATから簡単に参照で
きるようにしてあります。
 client code page = 932 , coding system = euc
をデフォルトとして設定
smb.confに指定しなくても日本語ファイル名
が使用できます。
Samba 日本語版紹介(2)
 ディレクトリ名に日本語を使用したときに、
Windows95/98だけで発生する以下の問
題に対応(Sambaのバグではなく、Windows95/98のバグ)
C:\> net use n: \\サーバ名¥共有名
C:\> n:
N:\> mkdir 123456789
N:\> cd 123456789
N:\123456789> mkdir 漢字文字
N:\123456789> cd 漢字文字
N:\123456789\漢字文字5687>
 日本語共有名を使えるように現在改良中
Samba 3.0 新機能
 1999年末(または2000年早く?)
新バージョンのSamba 3.0がリリース予定です。
(Samba 2.1はリリース中止)
 Windowsドメイン・コントローラとLDAPサポートが
予定されています
Widnows2000キラーとなるか?!
Samba 3.0 新機能
 Windowsドメイン認証やUNIXの認証がすべて
LDAPで統合可能になる
Samba3.0
OpenLDAP
LDAPで認証
Win95/98
NTドメイン・ログオン
Samba3.0
WinNT4
Win2000Pro