オーストラリアとニュージーランドの 行政改革の比較分析 総合政策学部4年 79604840 末広多親子 改革以前の経済状態 オーストラリア・ニュージーランド • 1950年代 高成長(OECD諸国中高水準) • 低インフレ率、低失業率 ・1970年代急速に経済悪化 -財政収支・経常収支の悪化 -高インフレ率・高失業率 Australia and New Zealand 経済状態悪化の原因 オーストラリア・ニュージーランド • 英国のEC加盟 – 特恵関税を失う • オイルショックによる輸出低下 – 先進諸国の省エネルギー政策 – 価格が不安定な第一次産品 以上の直接的な要因以外の 非効率的な経済構造 経済構造の特徴 オーストラリア・ニュージーランド • 輸出に占める第一産品のシェアが大きい – 農産物、鉱物資源 • 競争力のない国内製造業 – 小さなマーケット – 世界市場との距離によるコスト高 Australia and New Zealand 改革以前の制度的特徴 オーストラリア・ニュージーランド • 国内製造業への保護政策 – 関税障壁・非関税障壁 – 補助金制度 • 硬直的な労働市場 (悪しき平等) – 強制仲裁制度 • 中央集権的な賃金、労働条件決定方式 • ストライキが多発(オーストラリア) • 多数の国有企業及び規制 改革以前の問題点 オーストラリア・ニュージーランド • 国際的競争力のない製造業への過剰な保護 • 本来なら競争力のある産業も要保護化 – 被保護産業の生産物を投入財とする産業 • 成長を支えるためには国際収支が悪化傾向 • 国際競争力の低下 • 「経営」が魅力的ではない市場 • ハイコストエコノミー体質 Australia and New Zealand 行政改革への着手 オーストラリア • 1973年 労働党政権樹立 • 目標 – 国際収支・財政赤字の改善 – 製造業・サービス産業部門の 競争力強化 – 大きな政府から小さな政府へ • 1996年 保守連合へ政権交代 ニュージーランド • 1974年 労働党政権成立 • 目標 – 国際収支・財政赤字の改善 – 開放的・国際競争力のある経 済確立 – 大きな政府から小さな政府へ • 1990年 国民党へ政権交代 行政改革 • 規制緩和、自由化 • 国有企業の民営化 – 国営航空会社・国鉄 他 • 保護政策撤廃 • 労働市場改革 – 労働党政権下では進まず Australia and New Zealand 両国の改革の類似点 • 長期的視野に立った構造改革 • 改革着手後の顕著な経済状態改善 • 労使改革における足踏み – 労働党政権下では改革が協調的 改革の相違点Ⅰ • ニュージーランドの方がより広範、徹底的 な改革を実行 – 競争力強化、効率的経済確立のために、あら ゆる分野において改革を実行 • 国有企業でのバランスシート作成 • 教育制度の改革 Australia and New Zealand 改革の相違点Ⅱ • 政府部門におけるアカンタビリティの強調 透明性の確保(ニュージーランド) – 国家財政の報告を企業と同じ会計方式で – 政府は選挙の6週間前までに、財政状態への 予測を公開する義務 – 省庁での人事方法 – 準備銀行法(1989) 改革の相違点Ⅲ 労働市場改革での成果 • 雇用契約法(1991) – 強制組合化廃止 – 集団交渉・個人交渉 の選択可能化 – ストライキを原則違法 • 自由契約可能化 • 一部のセイフティネットを残 し自由市場化 • 職場労使関係法 (1997) – 協約締結に際して、個 人交渉可能化 – アウォード削減 – 企業別組合を認める • あらゆる譲歩 – アウォード残存 – 労使委員会の関与 Australia and New Zealand 参考文献 • 山田宏・中田宏・長浜博幸 「NZ行革物語:国家を民営化した国」 PHP研究所 1996 • • • • • • • 「オーストラリア入門」東京大学出版会 1998 石垣健一「AUS・NZの経済パフォーマンスと経済政策」 国際問題1997・5 菊池努 「多国間外交の中のオーストラリア」 国際問題1997・5 ARCレポート オーストラリア・ニュージーランド OECD,Economic Survey,Australia OECD,Economic Survey,New Zealand 大塚勝夫 「比較経済発展論」 早稲田大学出版会 1995 他 ? ? ? ? ? ? ? !
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