医療情報システムにおける 相互運用性の実証事業

医療情報システムにおける
相互運用性推進普及プロジェクト
(I -EHR :相互運用可能なEHRを目指して)
(JAHIS、JIRA、MEDIS-DC)
nteroperable
JAHIS業務報告会
2005年7月1日
運営幹事 篠田英範
本事業の目的
• 目的:標準に基づく医療情報システム構築の
基盤を整備する
• 現状:
– 医療情報システムの構築においてHL7は使われ始めている
が、システム全体で一貫した情報交換が行われているかは、
疑問である
– 放射線画像検査分野では、IHEの取り組みにより、HL7、
DICOMベースの一貫した情報交換の仕組みが普及しつつ
ある
– ユーザ、ベンダには、標準ベースのシステム構築に期待は
ある。現状は、基幹システムベンダのとりまとめに依存して
いる。
– 診療録等の電子保存が増えている。しかし、保存性の担保
については疑問視されている。
事業内容
• データの互換性
– 電子カルテデータの移行性確保→最小データ
セット定義
• データの閲覧・利用性
– 臨床上必要となるデータの参照機能
• システムの相互接続性
– システム間の標準に基づくインタフェース
• システム共通基盤
– 統合システムのセキュリティ
データの互換性(実施概要)
標準フォーマット
変換
A社電子カルテ
最小データセット
変換
B社電子カルテ
データの互換性(情報カテゴリ)
• 利用者情報(権限を除く)
– 医師、看護婦などシステムの利用者に関する情報
• 利用者コード、利用者氏名、生年月日、職種コードなど
• 患者情報(基本情報)
– 患者管理上基本となる情報
• 患者番号、患者氏名、生年月日、住所など
• オーダ情報(処方)
– 処方オーダに関する情報
• 患者番号、オーダ発行日、オーダ番号、処方種別、薬品コードなど
• 検査結果(検体検査)
– 検体検査の依頼や検査結果に関する情報
• オーダ番号、オーダ日、患者番号、検体採取日、検査結果数、
検査結果など
データの互換性(患者基本情報の最小データセット例)
参考(HL7)
最小データセット項目
カテゴリ
共通情報
項目名 (日本語)
項目名 (英語)
必須/
オプ
ション
推奨
データ
長
備考
データ
タイプ
最大
データ
長
更新日時
Last Update Date/Time
R
14
半角数字
TS(DTM)
24
更新者ID
Last Update User ID
R
12
半角英数
字
CX(ST)
15
医療機関ID
Institution Code
O
10
半角数字
CE(ST)
10
患者ID
Patient ID
R
10
半角英数
字
CX(ST)
15
漢字氏名
Patient Name
R
20
全角
XPN(ST)
80
カナ氏名
Patient Name in Kana
R
40
全角カナ
XPN(ST)
80
外国名
Patient Name in English
O
60
半角英数
字
XPN(ST)
110
生年月日
Date of Birth
R
8
半角数字
TS(DTM)
24
性別
Administrative Sex
R
1
半角英字
IS
1
住所
Patient Address
R
160
全角
XAD(SAD(S
T)))
250
患者属性
以下省略
データの閲覧・利用性(実施概要)
応答メッセージ
変換
問い合わせ要求
メッセージ
A社電子カルテ
B社システム
問い合わせ/表示
表示法の
一部を
標準化
標準化
データの閲覧・利用性(情報カテゴリ)
• 患者情報(基本情報)
– 患者情報が必要な場面を定め、利用する項目、
参照・応答メッセージを定義し、実装ガイドライン
を定義
• 検査結果(検体検査)
– 検査結果を参照する場面を抽出し、参照される
項目、参照・応答メッセージを定義。実装ガイドラ
インを定義
データの閲覧・利用性(成果)
• 実装ガイドライン(メッセージ規約に基づき、各
メーカのシステムへ実装する為の更に詳細な規
–
–
–
–
–
–
メッセージ表現
文字コード
メッセージの送受信
データセット上の留意点
問い合わせ定義セグメント実装上の確認事項
ユースケースによる照会事例
• データ表示ガイドライン(メッセージとして受け
取った情報を表示する場合の規定)
データの閲覧・利用性(メッセージ例)
・ユースケースに基づく「電話番号問い合わせ」のHL7メッセージ例
患者ID「12-3456-78」の患者について患者情報を問い合わせている
【QRYメッセージ】
MSH|^~\&|TRANS||RECEIV||20050401120000||QRY^A19|TRANS1|P|2.5||||||~ISOIR87||ISO
2022-1994<cr>
QRD|20050401120000|R|I|00001|||1^LI|98765432|DEM||<cr>
【ADRメッセージ】
MSH|^~\&|RECEIV||TRANS||20050401120000||ADR^A19|RECEIV1|P|2.5||||||~ISO
IR87||ISO 2022-1994<CR>
MSA|AA|00001|<cr>
QRD|20050401120000|R|I|00001|||1^LI|12345678|DEM||<cr>
PID|||12345678||山田^太郎^^^^^L^I~ヤマダ^タロウ^^^^^L^P||19800101|M||虎ノ門1丁目
19番9号 ^ 虎の門TBLビル6階 ^ 港区 ^ 13 ^ 105-0001 ^ JP ^ H ~ 霞が関1-3-1 ^ ^
千代田区 ^ 13 ^ 100-8901 ^ JP ^ B||(0436)99-4321^PRN^PH^^^^^^~
[email protected]^NET^INTERNET^^^^^^|
(090)9299-5432^ORN^CP^^^^^^||||||||||||||JP^日本^||||||||<cr>
PV1||O|<cr>
この例では、患者氏名「山田 太郎」、性別「男」、生年月日「1980年1月1日」、患者電話番
号(自宅)「(0436)99-4321」などを表示し、その中から電話番号を参照する。
システムの相互接続性(実施概要)
電子カルテ/
オーダリング
システム
放射線情報
システム
•標準的臨床シナリオを定義
•基本トランザクションとそれを
実行する基本ユニットを定義
•HL7、DICOMメッセージ適用
•実装ガイドラインをまとめる
放射線部門
臨床検査部門
内視鏡検査部門
画像WS
画像モダリティ
病理検査部門
その他
PACS
システムの相互接続性
(テクニカルフレームワークの我が国の
臨床現場への適用性についての検討)
• 放射線部門
– 基本となる通常検査のワークフローについて、HL7の適
用に関する詳細な検討を行った
– 画像検査コードをJJ1017 コードVer. 3.0に統一するため
の調整を行った
• 臨床検査部門
– 2004年度は、検査自動化システム(LDA:Laboratory
Device Automation)を含む
ワークフローに拡張を行った
システムの相互接続性
(実装システム間の相互接続性確保の
検証作業:コネクタソン )
• 2004年2月22日から25日の4日間にわた
り、23ベンダ48システムが参加
• 接続試験は、放射線部門の統合プロファイ
ルの内9プロファイルについて行った
• テストシナリオに従って、異なるベンダ間の通
信テストを行い、接続性確保を検証した
システムの相互接続性
( IHE-J2004コネクタソン参加システム一覧)
ベンダ名
種別
G E横河メテ ゙ィカル シ ス テ ム ス ゙
V erw er/R eport
ジェイマック
島津製作所
テクマト
リックス
R IS
V iew er
V iew er
S erver
R IS
R IS
東芝メテ ゙ィカル シ ス テ ム ス ゙
US
日本アグファ・
ゲバルト
P rinter
日本光電
R IS
日本電気
H IS
日立コンピュータ機器 G W
日立製作所
H IS
MR
CT
W ebS erver
V iew er
日立メテ ゙ィコ
V iew er
R eport
US
富士通
富士フィル ム メテ ゙ィカル
横河電機
H IS
R IS
CR
Im ager
Im ager
R IS
R eport
S erver
R IS
アクタ S W F P IR
ID
○
EC
○
RRD
RC
PC
PM C
PM I
OF
○
○
ID
○
ID
○
IM /IA
○
○
OF
○
○
PPS
○
○
OF
○
○
AM
○
○
PM C
PS
SN
OF
○
○
PPS
○
○
OP
○
AM
○
OP
○
AM
○
○
PC
SN
AM
○
○
IM /IA
○
○
ID
○
IM /IA
ID
○
EC
○
PC
RC
RM
RRD
RRP
AM
○
○
ADT
○
○
OP
○
○
OF
○
○
AM
○
○
PS
PS
OF
○
RC
IM /IA
○
○
OF
○
○
PW F C HG
C PI PG P
○
○
K IN
○
○
ED
R W F S IN R A R I S EC
○
NM
PD I
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
システム共通基盤ー統合認証実験ー
• HPKIによるアクセス制御の実証
– HPKI認証局からPKI証明書を格納したICカード発行
– 共通認証モジュールと部門のログオンモジュールを接続
するI/Fを部門システムに実装
– ICカードによるログオンとアクセス制御を実証
各社作成IFモジュール
ICカード
A社医事会計
システム
ICカード
ICカード発行
B社電子カ
ルテ
HPKI認証局
共通認証モジュール
認証サーバ
(ICカード認証システ
ム)
一度のサインオンで、全ての部門システムの情報
へのアクセスを管理する技術(SSO)の検討
システム共通基盤
(医療施設内電子保存の実証実験)
 目的:紙カルテや心電図などをスキャナで読み込み原本
として管理できるようにする
紙のカルテや
心電図チャート
等
HPKI認証局
①
②
③電子化・ID抽出
タイムスタンプ局
④電子署
名
⑤タイムスタンプ
スキャナ
スキャン・電子署名・タイムスタンプ付加システム(プロトタイプ)
⑥検索
シ
ス
テ
ム
の
相
互
接
続
性
まとめ
部門システム
1
電子
カルテ
データの
互換性
部
門
シ
ス
テ
ム
2
変換
部
門
シ
ス
テ
ム
n
電子カルテ
システム共通基盤
-セキュリティの確保-
データ
項目
デ
ー
タ
の
閲
覧
・
利
用
性