テーマ 「人に対する苦手意識を規定する要因」 ~なぜ、人を苦手と感じる時があるか~ 教育学演習ⅡB 伊藤めぐみ 窪田淑恵 増田由依 2004/8/7 目 的 1.人は他人と接する時、「外見」と「会話」の どちらに、より影響を受けるのか? 2.苦手意識をもつ要因は「外見」なのか「会 話」なのか? 3.社会的経験、年齢差が苦手意識の要因 に影響するのか? 調査要因 (刺激要因) ・身体的魅力(外見) ・コミュニケーション(会話) (使用尺度→苦手尺度) 1.初対面の場合(その場限り) 2.今後~(長期) 3.快、不快度(大変好印象、好印象、苦手、大変苦手) 調査方法 ・A3サイズの質問紙による実験。 調査対象20代~50代 女性 30名 作業仮説 ①初対面では、「外見的要因」を重視する。 長期では「会話」を重視する。 ②外見が良い=好印象をもつとは限らない。 ③会話によるコミュニケーション不足は 苦手意識・不快感を抱く。 ④社会的経験、年齢差、初対面(建前)、 長期(本音)で感情表出に相違がでる。 グラフ1 初対面における外見的影響(仮説1-1) 30 25 人数 20 顔○会話○ 初対面 顔×会話× 初対面 顔×会話○ 初対面 顔○会話× 初対面 15 10 5 0 1 2 3 快---------------------不快 表1 4 仮説1-1を検証したt検定 顔○会話○(初対面)の場合と顔×会話○(初対面)の場合のt検定 自由度 t P(T<=t) 両側 54 -1.585889103 0.118603674 顔×会話×(初対面)の場合と顔○会話×(初対面)の場面のt検定 自由度 55 t 1.048582885 P(T<=t) 両側 0.298956197 グラフ2 今後における会話(コミュニケーション)の影響(仮説1-2) 25 20 顔○会話○ 今後 顔×会話× 今後 顔×会話○ 今後 顔○会話× 今後 人数 15 10 5 0 1 2 3 4 快--------------------不快 表2 仮説1-2を検証したt検定 顔○会話○(今後)の場面と顔○会話×(今後)の場面のt検定 自由度 t P(T<=t) 両側 52 -6.337950087 5.61216E-08 顔×会話×(今後)の場合と顔×会話○(今後)の場合のt検定 自由度 58 t 4.803037886 P(T<=t) 両側 1.14081E-05 グラフ3 外見的要因が及ぼす影響(仮説2) 30 25 人数 20 顔○会話○ 初対面 顔○会話○ 今後 顔○会話× 初対面 顔○会話× 今後 15 10 5 0 1 2 3 4 快--------------------不快 表3 仮説2を検証したt検定 顔○会話○(初対面)の場合と顔○会話×(初対面)の場合のt検定 自由度 t P(T<=t) 両側 57 -7.948772152 8.36019E-11 顔○会話○(今後)の場合顔○会話×(今後)の場合のt検定 自由度 t P(T<=t) 両側 52 -6.337950087 5.61216E-08 グラフ4 会話が与える影響(仮説3) 25 20 顔×会話× 初対面 顔×会話× 今後 顔×会話○ 初対面 顔×会話○ 今後 人数 15 10 5 0 1 2 3 4 快--------------------不快 表4 仮説3を検証したt検定 顔×会話×(初対面)の場合と顔×会話○(初対面)の場合のt検定 自由度 51 t 6.868339045 P(T<=t) 両側 8.78679E-09 顔×会話×(今後)の場合と顔×会話○(今後)の場合のt検定 自由度 51 t 6.868339045 P(T<=t) 両側 8.78679E-09 グラフ5 会話が与える影響(外見は関係ない?) 25 20 顔×会話× 初対面 顔×会話× 今後 顔○会話× 初対面 顔○会話× 今後 人数 15 10 5 0 1 2 3 快--------------------不快 4 グラフ6 社会経験の差による印象・感情の差 0.6 初対面と今後の差(建前と本音の差) 0.5 0.4 0.3 20代 30代 40代以上 0.2 0.1 0 1 2 3 4 -0.1 -0.2 -0.3 パターンの種類 表5 仮説4を検証したt検定 20代と30代の場合のt検定 自由度 4 t 0.314269681 P(T<=t) 両側 0.769025085 20代と40~代のt検定 自由度 t P(T<=t) 両側 4 -0.660578259 0.544986645 30代と40~代のt検定 自由度 t P(T<=t) 両側 5 -1.795516805 0.132520286 グラフ7 場面における快・不快の順番 18 16 14 人数 12 10 8 6 4 2 0 1-2-4-3 1-3-2-4 1-3-4-2 1-4-2-3 1-4-3-2 パターン番号 3-1-2-4 3-1-4-2 4-2-1-3 考 察 1.初対面では外見的要因が影響するとは いいきれない。会話的要因も大きかった。 2.初対面、今後ともに、外見が良くても会話的要 因に規定されるため、好印象とは限らなかった。 3.会話が円滑にいかないと苦手意識、不快感が 示された。 4.年齢差において建前と本音の結果に、 それほど違いは見られなかった。 まとめ • 人に対する印象、感情は個々の経験また 性格、思考様式そしてコンプレックスなど の無意識が関わりあって起こるものである。 • 人に対する印象は好感よりも苦手意識を 持ちやすい。 • 苦手は「会話」による相補的要因(コミュニ ケーション)の不足に規定される。
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