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メディア、映像情報の価値
30km圏内‥いわき市は対象区域外
情報の混乱、デマ・パニック
半径30kmと80kmで
市民は大きく動揺した!
(個人的体験)
1.テレビが壊れた⇒1週間の空白
2.地元のFM放送⇒徹底した安否確認
3.メールが満杯状態
⇒お見舞い、安否確認
⇒逃げなさい、大丈夫です
4.インターネット映像情報
⇒地域被害状況、原発関連
5.テレビが見たい
⇒政府情報、有識者議論
6.東日本大震災発生当日、筆者の周囲で起きたこと
• 発生から2時間で民-民が中心になるという暗黙の了解
←公的支援の即時出動は、規模の大きさから無理
日赤も共同募金も資金は半年動かないと予測
• 特定個人を中継点・結節点とした情報の流通開始
• 特定個人への著しい情報の集中
+中継点・結節点が事実上の司令センターに。
• トリアージの訓練無しでの状況判断と、
それに対する高レベルのストレスの発生
• 各組織からの参加要請←情熱のある人はいるが、
実務家は案外少ない。
• 阪神淡路被災者が中心となり活動開始。
組織別の特徴と行動
• 自治体→公平が原則
→住民の数だけ揃わないと物資を配布しない。
→被害を総て把握しないと資金を分配できない。
• 企業→リスク重視→赤十字と共同募金に寄付集中。
NPOには直接渡さない
↑
反社会勢力関連の団体が識別できない。
• NPO・個人→活動は素早いが、ムラがある。
↑
組織のポリシーに従って動く。全体を俯瞰する組織も人もいない。
結果として、物資や資金が滞留することとなる。
これは構造的な問題(政権や霞ヶ関の問題に非ず)。
→膨大な組織のイエローページを有し、信頼感のある個人が奮闘
では、使える組織は?(あくまで私見)
• 勇気をもって不公平を許容できる組織。
• 人的資源を有する組織。
• 地域から尊敬と信頼される組織
↓
• JC:青年会議所
• ニュービジネス協議会
cf 関東ニュービジネス協議会会長は新潟総合学園 総長 池田 弘 氏
中越沖地震で被災経験有
• 商工会議所etc
7.地域SNS連携による震災救援プロジェクト概要
・リクエストも地域SNS、応えたのも地域SNSという民-民プロジェクト
・20の地域SNSが参加、夫々が物資を集め、 リレー形式の「村継ぎ」で搬送
・第一回:山武市への古タオル発送
・第二回:盛岡へ児童むけ学用品とランドセル(新品)発送
(モリオネット発「学び応援プロジェクト」)
・第三回:群馬県への福島県からの避難者へ扇風機とタオルケット発送
背景
・職員/庁舎が被災→自治体機能低下/消滅
→被害/必要な物資の把握困難
・個社/業界団体は既に赤十字/共同募金に寄付
・個社/業界団体は特定地域のみを優遇できず→どこに救援を求めてよいかわからない
↓
個人やNPOへの依存比率の拡大(活躍の余地)
「信頼と互酬性」という日本人が持つ空間の履歴を 村継ぎ:江戸時代、
SNSというITで蘇らせた世界初のプロジェクト
巡礼の際に病気に
なった人をリレー形式
↑
環境宗教学(お遍路さん研究)+ITのコラボ
で運んだ風習
温故知新と異分野研究者ネットワークが新しい価値を生み出す
地域SNS連携による震災救援プロジェクト
近畿は姫路、関東は葛飾に集積
第一回:山武向け
浸水対策タオル約2万本
第二回:盛岡向け搬送
段ボール230箱分の
新品学用品や
ランドセルを搬送
同
:物資集積
福井
松江
熊谷
宍粟
三田
佐用
上五島
尾道
盛岡
伊丹
姫路
宇治
上田
桐生
春日井
掛川
栃木
葛飾
山武
南房総
収入
支出
差
第一回
75,000
58,000
17,000
第二回
364,000
126,762
237,238
計
439,000
184,762
254,238
地域SNSとは
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規模は様々だが全国で500以上
会員数は100名前後から数千名まで
オープンソース使用により初期費用節減
運営の主体は様々:自治体、私企業、NPO
通常から知見交換の交流有
半年毎に全国フォーラム開催
→互いに顔が見える関係(信頼関係)を維持
• 被災地への応援実績有:2009年の台風9号
• 上下関係よりも緩やかな連携を重視
• 実名で招待/登録するので匿名性は薄い
第一回救援活動:山武市向け
3/21出発
姫路
洪水の後始末に吸水性が高い
古タオルが緊急に必要と連絡。
台風9号の被害で同じく古タオル
を全国のSNSから集めた兵庫
から約2万本を陸送
総経費\58,000
3/22到着
春日井
葛飾
山武
第二回救援活動:盛岡市向け
「学び応援プロジェクト」 +村継ぎ
近畿は姫路、関東は葛飾に集積
盛岡の地域SNSから流された学用品の代わりを
届けて欲しいと連絡。全国のSNSから協力表明。
現代に「村継ぎ」を蘇らせ応援メッセージもリレーしよう。
段ボール230箱分の学用品搬送。総経費\126,762
熊谷
宍粟
上五島
尾道
4/6
4/9
福井
松江
佐用
盛岡
三田
伊丹
宇治
桐生
上田
栃木
4/7
姫路
4/7
春日井
葛飾
掛川
山武
4/8
4/8
南房総
プログラム設計方針
1.継続性を重視:一過性に終わらせない。
2.負担の公平感:数字として正しいではない。
3.適度な負担感:多少汗をかかないと参加意識をもてない。
4、最終的な収支ではなく、資金繰りを重視。
5.参加SNSの段階的な拡大:最初はコアを固めて、後に拡大。
6.参加メンバーに「プロ」としての力を発揮できる環境を提供する。
実際の運用
1.継続性を重視→負担の集中の是正
2.負担の公平感→集めた物資に応じた経費負担(一箱千円)
↑
SNSによって、会員数も経過年数も異なり、またコアメンバーも
異なるので、頭割りでは新興・小規模SNSに過度の負担
3.適度な負担感→上記
4、資金繰りを重視→一旦「ひょこむ」が全経費を即時支払い、
他のSNSからは経費清算後に通知、徴収
初期段階で手元資金を厚めに確保
5.参加SNSの段階的な拡大→山武をテストランと位置付け、盛岡で実績
制度設計段階から、外部公開掲示板でオープンに議論
→後からの参加者も事前に議論が追える