演習Ⅱ 夏季合宿発表 「安倍政権における成長戦略」 ~リフレ政策の展望~ 2311203 土佐祐太朗 発表目的 ・平成24年度一般会計予算において 財政健全化を念頭に置いて考察する。 ・各種統計から日本の現状を考察する。 ・アベノミクスにおける財政・金融政策から 今後の日本経済の展望を総括する。 目次 平成24年度財政状況 歳出 プライマリーバランス 歳入 各種統計 GDPデフレーター、インフレ率、マネタリーベース アベノミクス 金融政策 財政政策 総括して 平成24年度 一般会計予算 歳出 単位:億円 歳出総額 903,339 (100.0%) 基礎的財政収支対象経費 683,897 75.7% 出典:日本の財務関係資料H24.9を参考に作成 平成24年度 一般会計予算 単位:億円 歳入 歳入総額 903,339 (100%) 出典:日本の財務関係資料をH24.9を参考に作成 平成25年度 一般会計予算 歳出 単位:億円 歳出総額 926,155 (100%) 基礎的財政収支対象経費 703,700 76% 出典:財務省のホームページを参考に作成 (比較)25年度 予算案 ポイント①公共事業費 (前年度)4兆5734億円→5兆2853億円 ポイント②社会保障 (前年度)26兆3901億円→29兆円1224億円 公共事業費、社会保障費などにおいて予算の 増額傾向が見られる。 25年度予算の分野別の特徴 ①社会保障 生活扶助基準の適正化。 25年~27年度にかけて段階的に実施。 ②地方交付税 25年7月から地方公務員の給与7.8%削減。 ③公共事業 「地域自主戦略交付金」の廃止。 7119億円確保。 2013年度一般会計予算のポイント • 税収43.1兆円に対し新規国債発行が42.9兆 円。・・・税収が国債発行を上回る。 • 2012年度の補正予算と合わせ過去最大規模 の予算編成。・・・15か月予算 15か月予算 12年度 補正予算 暫定予算 合計105兆円 13年度 当初予算 財政健全化の指標 • 財政赤字が累積すると ①政策の自由度に影響 ②金利の上昇を招く ③世代間の不公平、格差 ・・・財政健全化の目標に ①ストックの指標 ②フローの指標 が使われる 「債務残高対GDP比」の変動 PBが均衡している状態では ・金利>成長率→債務残高対GDP比は増加 ・金利=成長率→債務残高対GDP比は一定 ・金利<成長率→債務残高対GDP比は減少 ・・・債務残高対GDP比を確実に引き下げるために は、PBに一定の黒字幅を持たせる必要。 出典:日本の財政関係資料H23.9を参考に作成 財政収支 財政の現状 歳入 歳出 PBが均衡した状態 歳入 債務 償還費 借金 税収 財政収支が均衡した状態 歳出 歳入 歳出 債務 償還費 借金 債務 償還費 借金 利払い 費 利払い 費 PB赤字 PB均衡 政策的 実費 政策的 実費 税収 財政収支均衡 税収 利払い 費 政策的 実費 出典:日本の財政関係資料H23.9を参考に作成 GDPデフレーターの推移 1より小さいとデフレ 1より大きいとインフレ % 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 -0.5 -1 -1.5 -2 -2.5 出典:「アベノミクスとは何か?」宝島社2013 を参考に作成 インフレ率の推移 前年度比2%の物価上昇の意味とは % 2 1.5 1 0.5 0 -0.5 2002 2004 2006 2008 2010 2012 -1 -1.5 -2 -2.5 誤差1%を上回る目標で2%とする 出典:「アベノミクスとは何か?」宝島社2013 を参考に作成 マネタリーベースの推移 3.5 3 リーマンショック後に増加 日本は変化に乏しい… 2.5 2 米 EU 1.5 日本 1 0.5 0 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 出典:「アベノミクスとは何か?」宝島社2013 を参考に作成 リフレ政策のシナリオ 長期国債の 金利上昇 景気回復面では一時的 資産価値の 上昇 マイナス分を相殺 国債市中 消化 デフォルトしない フィリップス曲線 失業率 デフレで高失業率 2%の物価上昇率なら 失業率3~3.5% 3~3.5% 物価上昇率 デフレ 2% インフレ 出典:「スティグリッツマクロ経済学」を参考に作成 「金融政策」決定の背景 デフレ •市場へ流通する貨幣量が少ない 円高 •米ドルに対して相対的に円の量が 少ない 円を増やせ・・・金融緩和 金融緩和の障壁 • 日銀法の日銀の地位の保障 • インフレを警戒しすぎ • デフレ政策との混同 ・・・・安倍政権は日銀法改正も視野 インフレターゲットの設定 インフレターゲットの目的 • インフレ政策とは結果に責任をとるもの ・・・説明責任の重要性 物価目標 インフレ期待 物価上昇 達成時期を明示せよ インフレターゲット政策の是非 • 過去の例 1931年 スウェーデン中央銀行 ECBのインフレ政策 ・・・・小国では効果。 米英はインフレ政策をとっていない。 ・・・・財政政策と金融政策を併用 金融政策を総括して インフレTG 2%のインフレ率 達成 貨幣供給 「資金買い入れ等の基金」使用 毎月13兆円資金買い入れ 2014年から無期限で資金供給 「財政政策」決定の背景 政府主導による需要創出 民間投資を呼び込む 金融緩和 資金供給 資金が市場に 流通 資金の活用 15か月予算 公共投資の種類 高度経済成長期時代に 建設された インフラ設備は老朽化 防災対策 インフラ 改修 首都直下型地 震、東海大地震 東北復興 公共 投資 国土強靭化 減少し続ける公共事業費 公共事業費の推移(補正含む) 単位:兆円 16 14 年々減少傾向 12 10 8 6 4 2 0 出典:日本の財政関係資料H23.9財務省を参考に作成 公共事業(対GDP比)の推移 日本 5.7 6.3 6.1 6.4 6 米 5.6 5.8 5.7 4.8 4.8 5 (%) 5.1 4.9 4.7 4.3 3.7 3.6 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989 3.5 3.3 3.2 3 2.8 2.7 2.6 2.6 2.5 2.4 2.4 2.4 2.62.6 2.3 2.4 2.5 2.3 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.5 2.5 出典:日本の財政関係資料H23.9財務省を参考に作成 公共事業の潜在能力 公共事業への反対論 ・先進国での公共投資はバラマキ政策 ・官民癒着の温床 ・社会資本の需要がない ・・・・公共投資と民間投資GDP成長率は連動 10年間で200兆円 波及効果 財政政策を総括して 国土強靭化 デフレ状態 景気の過熱は良くない アベノミクス インフレへ 公共需要 デフレギャップ 解消 物価上昇 設備投資加速 内需拡大 個人消費を増やす=個人所得を増やす 今後の展望 • 参院選を終え、衆参両院とも過半数をとり、 政治的には安定。 • 予算の規模、用途は期待が高い。 • 内需産業、中小企業支援に力を入れる。 • 新興国情勢、中国情勢の影響をいかに抑え るか。 参考文献 • アベノミクスとは何か 宝島社 2013年 • 財務省財務総合政策研究所「フィナンシャ ル・レビュー」 http://www.mof.go.jp/ 2013/7/21 アクセス • 日本の財政関係資料H23.9財務省
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