第7章 参考資料 平成24年度(後期) 総合研究大学院大学 宇宙科学専攻 飛翔体天文学特論II 松原英雄(ISAS、JAXA) 宇宙は一様に膨張している – ハッブルの法則 – 距離:D – 後退速度: V V = H0×D H0 : ハッブル定数 • There should be the initiation of the Universe “Big-Bang” 宇宙膨張による赤方偏移 Colour at rest-frame Colour at 5billion light years away (UV) ハッブルの法則に従う 遠方天体からの光は赤方 偏移する: λ=λ0(1+z) z:赤方偏移パラメータ (IR) → Gamma-ray photons when the Universe is 0.4 millon years old is now redshifted to millimeterwave (z~1000) WMAP Observations of the CMB WMAP •Wilkinson Microwave Anisotropy Probe (2001 at L2) •Probe the CMB fluctuation Spectrum below the horizon q ~ 70 scale : q ~ 900 - 0.2 (l=2-1000 @ Spherical harmonics q=180o / l ) q ~ 0.20 WMAP Observations of the CMB Red - warm Blue - cool What WMAP found? The content of the Universe: Baryon 4% + Cold Dark Matter (CDM) 20% + Dark Energy 76% From Detailed shapes and relative amplitude of fluctuation peaks By considering Acoustic Oscillation in Baryon-photon fluid The Hubble Constant : 73 km sec-1 Mpc-1 赤方偏移と宇宙年齢・ ルックバックタイムの関係 宇宙の階層構造 階層 質量 (M◎ ) 大きさ 密度 ( g/cm3 ) 星 ~1 ~ 106km 1 銀河 ~ 1011 ~ 10kpc ~10-25 銀河団 ~1013~14 ~ 5Mpc ~10-28 超銀河団 ~1015~16 ~100Mpc ~10-30 宇宙全体 ~1021~23 ~3000Mpc ~10-30 重力を支配するダークマター • 光を出さない。しかし万有引力は持っている。 • 正体は未だ不明。 • 銀河の回転運動を調べていくと、“何かがあ る”ことは間違いない。 • 大きなスケールになるほど顕著: – 太陽の近く:光っている物質の2-3倍 – 我々の銀河系(銀河中心~太陽系まで):10倍 – 銀河団:30-100倍 (その一部はX線で光るホットガス) 宇宙の構造形成の歴史 (現在の標準的な考え方だと) • 宇宙誕生から1-2億年: – 1億~10億太陽質量のダークマターの固まり (矮小銀河クラス)が出現。 • 宇宙誕生から5-10億年: – 千億~一兆太陽質量のダークマターの固ま り(普通の銀河) が出現 • 宇宙誕生から10-30億年: – 銀河団規模の固まりがようやく出現 Large-scale Structure Formation (CDM) © Moore et al. (1999, private communication with T. Kodama) ダークマターハローの質量関数 銀河はどうやってできたのか? (現在の標準的な考え方) 星が爆発的に 誕生している 赤外線で輝く銀河 大変小さな 赤ちゃん銀河 銀河の 衝突・合体 「銀河風」により星の母 胎である星間雲が吹き 飛んでしまうと… 星々が年老い て楕円銀河に 生まれたての銀河はみつかったか? (1) 25” = 190 kpc • ライマンα輝線銀河 – 水素原子(宇宙で最も多い 元素)の数多いスペクトル 線の中で最も基本的なライ マンα(波長121.566nm)輝 線を頼りに地上大望遠鏡に よる「広くかつ深い探査」で 発見。 – 約百億年前の宇宙で大規 模構造が見つかっている! SSA22 “Blob1” (Steidel et al. 2000) のすばる画像 (Matsuda et al. 2004) LAE @z=6.6, 5.7 Kodaira et al. (2003) Taniguchi et al. (2003) 今のところの世界記録 z=6.96 Iye et al. (2006) Nature • NB973@Subaru/S-cam • Z=6.94-7.11のLAE探査 で2個候補が受かる LAEクラスター @z=4.85 Shimasaku et al. (2003) LAE cluster @z=6 (SXDS) • 515 LAEs • 2 proto-clusters Ouchi et al. (2005) ApJL Lyman Alpha Blob:広がったLya Emitter 25” = 190 kpc Z=3.1 z=3.1 LBG Lyα輝線のみ SSA22 “Blob1” (Steidel et al. 2000) のすばる画像 (Matsuda et al. 2004) LAB1: Hyperwind galaxy @ z=3.1 Ohyama et al. (2003) LAB1はサブミリ波銀河 • Arp220の30 倍の明るさの HLIRG!? Taniguchi et al. (2001) まったく他の波長で同定天体のない LAB@z=3.16 • • • • GOODS-S VLT8.2m/FORS1 Lya~1043 erg s-1 / 直径60kpc ダークマターハローへのCold Gas 降着を見ている? Nilsson et al. (2006) A&A 予備知識① 等級の定義 f m = 2.5 log10 f (0) 予備知識② 大気の透過率(近中間赤外) “Astrophysical Quantities” R1-p24 SDSS フィルター システム Fukugita et al. (1996) R1-p25 Lyman Break Galaxy SED @ Lyman Break 作成: 大内正巳氏(東京大学) LBGの二色図による抽出の原理 B-dropout : z=4.1 +/- 0.5 V-dropout : z = 4.8 +/- 0.4 R-dropout : z =4.9 +/- 0.3 Ihara, Master thesis, Univ. of Tokyo (2006) ERO (Extremely Red Object) (1) R-K>5~6、 I-K>4 z>1の古い楕円銀 河は、4000A ブレークの赤方 偏移のためにこ のように赤くなる 宮崎 修士論文(平成13年度、東京大学) ERO (Extremely Red Object) (2) 赤:z=1.5の古い楕 円銀河 青:z=1.5のダスト を含んだ星形成 銀河 これらはJ-Kで区別 できる 宮崎 修士論文(平成13年度、東京大学) HR10 @z=1.44 ダストに隠された星形成ERO 星形成率 サブミリ波 ~1000M◎/yr ! ISO SED: Takagi et al.(2003) Distant Red Galaxies (DRG) • J-K>2.3 により選択 した銀河@z>2 • 年齢1.4-2.6Gyr • 6個の内5個の銀河が、 分光的にz=2.4 – 3.5であることが確か められた。 Van Dokkum et al. (2003) 地上可視・NIR+Spitzer/IRAC で得られたDRGのSED • HDF-S(5arcmin2)のIRAC Deep Imaging (Labbe et al. 2005 ApJL) • 地上可視・NIRのみのデータによるSEDフィット(Gray)とIRAC込み (Black)で大きく年齢・星質量が異なる BzKs Daddi et al. (2004) ApJ BzKの星質量・星生成率 • Deep3aなど940arcmin2 @ K=19 Kong et al. (2006) ApJ DOGs discovered with Spitzer • DOGs : High redshift Dust-Obscured Galaxies (Dey+ 2008; Fiore+ 2008; Pope+ 2008) DOGs are Starburst dominated.. Pope+ (2008) GOODS-N F(24)>100mJy : 80% are SF DOGs □◇:with IRS spectra 生まれたての銀河はみつかったか? (2) • サブミリ波銀河 • 波長800ミクロン~1ミリで、専用の地上望遠鏡を用 いて探査することで発見。 • 小さな原始銀河が衝突・合体していく過程で、星形 成が活発に起こる。 • 生まれたばかりの星はとても明るい。 • するとそれによって星間物質中の塵が暖められ、赤 外線を強く放射する。 • サブミリ波では、この塵からの赤外線が赤方偏移(z =2~3)したものを捉えているのである。 星形成が活発な銀河は 「高光度赤外線銀河」 チリがなかったと したらこのくらい 明るい(星の光) あたたかい チリからの 赤外線 銀 河 の 明 る さ 星の光は、チリ に吸収されて、 くらくなってしま う 0.1 1 10 波長〔ミクロン〕 100 サブミリ波銀河(SMGs)の発見 JCMT/SCUBA Survey(20世紀末) • Deep surveys have been done in HDF, CFRS, lensed clusters, & Lockman Hole, SXDF R4-p39 Redshift of SMGs • SCUBA/JCMT: – FIR Luminous, hidden at optical • Successive VLA identification : – accurate positions enabling follow-up optical spectroscopy • Median redshift ~ 2.4 (Chapman et al .2003) prediction R4-p40 SHADES: SCUBA Half-Degree Extragalactic Survey • 約半分の領域をサーベイしたところで、SCUBAはリタイア。 – 1s 2.2mJy , 720 arcmin2 @ 850mm – Lockman Hole, Subaru-XMM Deep Field (SXDF) van Kampen et al., 2005; Mortier et al., 2005; Coppin et al., 2006 R4-p41 AzTEC 1.1mmサーベイ 42 • 最初JCMT(~2005年)、現在、ASTE望遠鏡に搭載。 • AzTEC(Astronomical Thermal Emission Camera) 。 – 波長1.1mmカメラ(144個のボロメータアレイ):マサチューセッツ大・ INAOE(メキシコ)との研究協力 – ASTE望遠鏡:国立天文台、チリ大学他との研究協力 – 角分解能 18”@JCMT, 28”@ASTE。 単色カメラ AzTEC ASTE10m望遠鏡 7.6cm 標高4860m デュワー 実際に発見されつつある膨大なSMGs (東大・河野先生の資料) ASTE望遠鏡 すばる望遠鏡 可視光 多数の銀河を発見 その星形成率: ~数 太陽質量/年 サブミリ波 星形成率: ~1000 太陽質量/年 という「怪物」を続々発見 Kohno et al. 2008 Tamura et al. 2008 Wilson, Kohno et al., 2008 水素ガスからの輝線(Lyα)を放つ銀河 ダストの熱放射で輝く銀河 可視光で見つかった銀河とは対応せず SMGs are PAH luminous (Pope+ 2008) R4-p44 Herschel launched !!! 14 May 2009 Credit: ESA 質量光度比 : Rest frame波長1-2mmでの銀河の 光度は銀河の星質量の良い指標となる 銀河のタイプ(星形成 活動)にあまりよらない Sato et al. (2004) 階層的銀河形成モデルにおける銀河の星質量関数の進化 これは本当か?? Baugh et al. (2002) log(質量関数) • 銀河の数密度は、z~2.0からz~1.1で約6倍も増加。 • Characteristic massは、z~2.0からz~1.1で1.4倍だけ変化。 1<z<2の銀河進化は「密度進化」。 (Fontana et al. 2004の結果と矛盾しない) z~0.6 SXDF z~0.9 z~1.3 z~1.1 近傍宇宙 (Cole et al. 2001) z~1.7 z~2.0 Fujishiro, N. (2006) Ph.D. thesis (Univ. Tokyo) log(星質量/Msun) z~1.5 24ミクロン銀河に見る 「ダウンサイジング」:星質量/星形成率 M>1011MSUNの重い銀河 の星形成は昔ほど活発。 銀河の星形成活動が、 だんだんと小さな銀河へ移って きている(銀河の 星形成活動が まず明るい大質量の銀河から 止まり、時間とともに 暗い銀河が 星形成を止めた) 。 宇宙年齢 • 747個の MIPS 24ミクロン銀河 (CDF-S、131arcmin2、 >83mJy ) – 36% 可視分光で赤方偏移を 同定 – 21% Photometric redshift (COMBO-17) Caputi et al. (2006) ApJ 反階層的進化(ダウンサイジング) 形成した星の質量の現在 の質量に対する割合 [ % ] 金属度 (可視光スペクトル 線より導いたもの) 我々の銀河系 我々の銀河系 Maiolino, Nagao, et al. (2008) Perez-Gonzalez et al. (2008) 50
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