なぜソーラーパネルは光の種類によって動いたり、 動かなかったりするのだろう。 弘前大学教育学部 附属小学校6年 室崎 理恩 指導 理工学研究科教授 小林 康之 研究テーマについて ●選んだ理由 ソーラーパネルをつけた扇風機を作った時、 日光と白熱灯だとプロペラが回り、LED電球だと 回りませんでした。 →光と太陽電池の関係と、回る時の条件が気に なって、応募しました。 研究テーマについて ●考えたこと 光の色が、日光・白熱灯とLED電球だと違って いたのでそれが原因だと思いました。 光だけでなく、太陽電池にも違いがあるのかも 実験してみたいと考えました。 実施状況1 光:紫外線、紫、青、緑、黄、橙、赤、赤外線 (紫外線、赤外線は、目に見えない光です) 波長が短いほどエネルギーが高くなり、長いほど エネルギーが小さくなります。 色と波長 波長 紫外 赤外 赤‥長い 紫‥短い 実施状況2 太陽電池が光をエネルギーに変えてモーターを 回すには基準があり、その基準を超える必要が あります。光を増やしても、波長が変わらないの で、モーターは回りません。 エネルギーの基準 基準を超えないと、モーターは回りません。 光の明るさと太陽電池の関係を調べる実験1 電流がいくらかを調べる時 太陽電池と電流計を導線でつなぎ、太陽電池に 部屋・窓付近・日なたで日光を当てる 窓 太陽電池 太陽電池 太陽電池 光の色と太陽電池の関係を調べる実験2 電流がいくらかを調べる時 太陽電池と電流計を導線でつなぎ、太陽電池に 発光ダイオード(LED)の光を当てる 太陽電池 発光ダイオード (赤、青、緑、赤外) 実験で使った太陽電池 シリコン 屋根の上等で 発電に使われる アモルファス シリコン 電卓などに ついている 曲げられる 色素増感 実際に自分で 作ることができる 色素増感太陽電池作製の様子 ステンレス板を鉛筆で塗る ↓ プラスチック板に酸化チタン ペーストを塗る ↓ プラス極となるステンレス板に 電解液を塗る ↓ マイナス極となるプラスチック 板に色素溶液を塗って完成 青色 赤色 実験で使ったLED 緑色 赤外線(目で見えない) 実験結果(シリコン太陽電池) 場所 明るさ ルックス モーター 動く? 電流値 (mA) 部屋の中 約900 × 1.63 窓の近く 約80倍 約4070 × 12.98 日光の下 約74000 195.5 ◎ 太陽電池の電流の大きさは、明るさが関係 している。明るいほど、電流が大きい。 太陽電池を色々なLEDで照らした時の電流値 太陽電池の 電流値(mA) 電流値(mA) 電流値(mA) 電流値(mA) 赤色LED 青色LED 緑色LED 赤外LED 種類 シリコン 11.46 9.16 6.56 34.7 アモルファス シリコン 4.63 5.28 3.34 0.03 色素増感 0 0.78 0.29 0 電流が大きいのは、シリコン、アモルファスシリ コン、色素増感の順である。 色素増感太陽電池の色と電流の関係 電流が流れるのには、ある程度のエネルギーが必要。 青、緑色の光 赤、赤外の光 研究結果 ・太陽電池の電流値とモーターを回すには、 色(波長)だけではなく、光の明るさも関係します。 ・太陽電池には、シリコン、アモルファスシリコン、 色素増感などの種類があります。 ・同じ光でも、太陽電池の種類が違うだけで、電流 が流れたり、流れなかったりします。 今までの実験を通して ・応募するきっかけとなった、太陽電池と光の明るさと 波長の関係について、小林先生との実験を通して 知る事ができ、謎を解明できました。 ・LEDを当てた太陽電池のモーターが回らなかったのは、 モーターを回すための基準を越えなかったからだと いう事が分かりました。 ・今回のプロジェクトを通じて、新しい発見があったり、 パソコンで資料を作ったりする事ができて、とても 楽しく、とても勉強になりました。
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