分子・物質合成プラットフォーム（千歳科学技術大学） Molecule & Material Synthesis/Chitose Institute of Science and Technology 平成25年度トピックス分子・物質合成プラットフォームにおける利用成果利尻島外来種褐藻ヨレモクの有効利用、特に脂溶性物質の構造解析と創薬の試み(課題番号：S-13-CT-0009) シンゲンメディカル株式会社：高橋延昭【研究目的】利尻島では道南から持ち込まれた褐藻類ヨレモクがリシリコンブ生息域に侵入し、特産品の存在を危うくしている。それを駆除した後の有効活用を試み、抗がん剤としての医薬品の開発を目指す。ヨレモク(Sarugassium siliquastrum) 【成果】ヨレモクを夏季に採集、乾燥粉末化。アセトン抽出。上清をシリカゲル分配クロマトグラフィーに適用。展開剤はアセトン：n-ヘキサン＝6：4で、オレンジ色分画帯より早く溶出してくる黄色の分画帯を分取。ロータリーエバポレターで濃縮乾固。DMSOに溶解。各種がんの増殖阻害生物試験と、さらなる精製のため逆相高速液体クロマトグラフィーに適用。0-15min, 1525min, 25-35minの保持時間のアセトニトリル勾配は、それぞれ5-100％, 100100%, 100-5%であった。HPLCの流速：0.5ml/min、吸光度：254nmの条件で、保持時間19minに溶出してくるピークにヒト胃がんKATO III株増殖阻害活性モニタリングの結果、活性があった。それを物質Aと命名し（下図）、分取乾固。質量測定およびNMRによるスペクトル解析を行った。分画(A)の各種がん細胞への増殖阻害試験分配クロマト (A) 分画(A)のHPLC溶出パターン生残率（％） ← 物質A Intens. x108 SampleA-posi_000001.d: +MS 15.99463 15.99469 44.02566 415.30082 44.02593 28.03104 28.03119 459.32672 28.03122 14.01556 14.01551 1.0 28.03129 44.02591 44.02594 44.02581 14.01581 14.01575 28.03110 44.02588 28.03111 0.8 14.01555 44.02576 44.02576 28.03099 28.03100 44.02582 28.03099 14.01552 14.01547 14.01565 14.01550 0.6 0.4 503.35267 371.27515 547.37847 304.29873 0.2 273.16634 144.98184 591.40436 663.46112 183.18513 0.0 100 DQF-COSY 200 300 400 500 600 700 800 m/z 質量分析（北陸先端科学技術大学院大学 FT-ICR MS）