図書館協力とネットワーク 1.図書館協力とネットワークについての基本事項 図書館は、単独では成り立たない。個別館で 利用者のあらゆる要求を満たすことは出来な いからである。そこで相互に協力し、資源を共 有する必要性がある。 図書館協力 異なる設置母体同士の協力。 図書館ネットワーク コンピュータと通信ネットワークを基盤として行う 協力。 2)図書館協力とネットワークを考える枠組み a.組織関係 ①参加館同士の双方向的な相互協力関係。 ②センターあるいは主要館から他の参加館への一 方的な支援関係。 都道府県立図書館と市町村立図書館間の協力 関係など。 b.館種 協力関係が、公共図書館、大学図書館(等)ごと の単一館種で構成されるか、複数館種で構成さ れるか。さらに図書館以外の類縁機関との連携 が含まれるか。 わが国の協力関係は館種ごとの場合が多い。 館種ごとの全国的協力組織として、全国公共図 書館協議会、国立大学図書館協会、公立大学図 書館協会、私立大学図書館協会、専門図書館協 議会、などがある。 c.地域的な範囲 ①近隣 ②都道府県地域 ③全国レベル ④国際レベル 2.協力の対象業務別種類 a.分担収集 複数の図書館が、あらかじめ収集担当を決めて、 計画的に資料を収集すること。 実例:外国雑誌センター館 b.相互貸借(ILL:interlibrary loan)と文献複写 利用者の要求に応じて、自館に未所蔵の資料を 他館から取り寄せること。資料そのものでなく、 部分的な複写取り寄せの場合も含む。 c.分担目録作業 書誌ユーティリティを介して、参加館がコンピュー タネットワークを用い、共同で目録を作り上げる 事業。 目録データを共同で作ると同時に、総合目録も 形成される。 日本では、国立情報学研究所(NII)が担当して 大規模な共同分担目録作業が行われている。 d.協同レファレンス作業 複数の図書館が連携し、協同して行うレファレンス。 国立国会図書館が主導するレファレンス協同デー タベースが代表例。 e.分担保存 分担して資料の保存を行う協力関係。日本では非 常に少ない。雑誌や新聞の保存で、わずかに行わ れている。 3.類縁機関との協力とネットワーク 図書館の持つ資料と、博物館、美術館や 文書館の持つ資料は、種類や性格が異な る。相互の資料を有効活用する協力関係 が必要である。 デジタル化とネットワークの進展にともない、 デジタル化された資料を共通検索し、共通 利用できるような仕組みが進んできた。こ れをMLA連携という。
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