6.図書館の歴史

図書館協力とネットワーク
1.図書館協力とネットワークについての基本事項
 図書館は、単独では成り立たない。個別館で
利用者のあらゆる要求を満たすことは出来な
いからである。そこで相互に協力し、資源を共
有する必要性がある。
 図書館協力
異なる設置母体同士の協力。
 図書館ネットワーク
コンピュータと通信ネットワークを基盤として行う
協力。
2)図書館協力とネットワークを考える枠組み
a.組織関係
①参加館同士の双方向的な相互協力関係。
②センターあるいは主要館から他の参加館への一
方的な支援関係。
都道府県立図書館と市町村立図書館間の協力
関係など。
b.館種
 協力関係が、公共図書館、大学図書館(等)ごと
の単一館種で構成されるか、複数館種で構成さ
れるか。さらに図書館以外の類縁機関との連携
が含まれるか。
 わが国の協力関係は館種ごとの場合が多い。
 館種ごとの全国的協力組織として、全国公共図
書館協議会、国立大学図書館協会、公立大学図
書館協会、私立大学図書館協会、専門図書館協
議会、などがある。
c.地域的な範囲
①近隣
②都道府県地域
③全国レベル
④国際レベル
2.協力の対象業務別種類
a.分担収集
複数の図書館が、あらかじめ収集担当を決めて、
計画的に資料を収集すること。
実例:外国雑誌センター館
b.相互貸借(ILL:interlibrary loan)と文献複写
利用者の要求に応じて、自館に未所蔵の資料を
他館から取り寄せること。資料そのものでなく、
部分的な複写取り寄せの場合も含む。
c.分担目録作業
 書誌ユーティリティを介して、参加館がコンピュー
タネットワークを用い、共同で目録を作り上げる
事業。
 目録データを共同で作ると同時に、総合目録も
形成される。
 日本では、国立情報学研究所(NII)が担当して
大規模な共同分担目録作業が行われている。
d.協同レファレンス作業
複数の図書館が連携し、協同して行うレファレンス。
国立国会図書館が主導するレファレンス協同デー
タベースが代表例。
e.分担保存
分担して資料の保存を行う協力関係。日本では非
常に少ない。雑誌や新聞の保存で、わずかに行わ
れている。
3.類縁機関との協力とネットワーク
図書館の持つ資料と、博物館、美術館や
文書館の持つ資料は、種類や性格が異な
る。相互の資料を有効活用する協力関係
が必要である。
デジタル化とネットワークの進展にともない、
デジタル化された資料を共通検索し、共通
利用できるような仕組みが進んできた。こ
れをMLA連携という。