環境ビジネス

新「環境ビジネス」
7つの成功法則
宇田環境経営研究所 所長
環境カウンセラー
エコアクション21 審査人 ・ガイドライン改訂委員 宇田 吉明1
講師プロフィール(宇田吉明)
1947年 神奈川県川崎生まれ
1970年 早稲田大学理工学部卒業
明治製菓に入社、食品及び医薬品のエンジニアリングに従事
食料生産部次長、工務環境室長・環境管理責任者を歴任
「メルティキッス」 「プッカ」 「ガルボ」「ポルテ」「フラン」等の新製品開発に関わる
大阪工場で省エネ及びゼロエミッションで農林水産大臣賞受賞に貢献
省エネルギーセンター等で省エネ対策の講演活動
月刊誌等で省エネ・廃棄物対策等の執筆活動
2000年 摂南大学非常勤講師(地球・環境資源論)
宇田環境経営研究所設立 事業者の環境経営の支援開始
中小企業の環境、品質、食品安全コンサルティング活動を推進
現在
公益社団法人オイスカ 環境部会長
特定非営利活動法人大阪環境カウンセラー協会 副理事長
EA21地域事務局大阪 普及委員長、(判定委員長)、運営委員
大阪市環境経営推進協議会事務局
大阪市なにわエコ会議 環境に配慮した企業部会長
(大阪府)・大阪市・京都市の環境マネジメントシステム第三者監査員(アドバイサー)
資格
(中小企業診断士)、EA21審査人、EMS審査員、エネルギー管理士、建築士
公害防止管理者、環境カウンセラー他
著書
2000年
2004年
2004年~
2006年
2008年
2010年
2013年
2
(社)大阪中小企業診断協会
環境経営研究会 編
共同執筆者(あいうえお順)
青田 義久
宇田 吉明
大西 正規
小畑 秀之
鹿島 啓
桂
彰
椎木 茂久
内藤 秀治(執筆代表者)
橋本 大三郎
吉澤 謙一
3
新規分野進出の成功法則とは
関西圏の環境ビジネスでの黒字企業を調査 約200社
キャッシュフロー
(資金)
ミッション
(使命)
マーケティング
マネジメント
(管理)
新規ビジネス (市場)
の成功法則
バランス
(均衡)
バリュー
(価値)
コラボレーション
(連携)
4
環境ビジネスの定義
OECD 1999年
『水、大気、土壌等の環境に与える悪影響』と『廃棄物、騒音
、エコ・システムに関連する問題』を計測し、予防し、削減し、
最小化し、改善する製品やサービスを提供する活動
5
OECDによる環境ビジネスの分類①
A.環境汚染防止
◆装置及び汚染防止用資材の製造
1.大気汚染防止用 配管、バルブ等、 触媒反応器、化学処理装置、集塵装置、
分離装置、焼却装置、スクラバー(焼却ガスを水などで洗浄する装置)、脱臭装置
2.排水処理用 曝気システム、化学処理装置、生物処理装置、沈殿槽、油水分離
装置、膜、ストレーナ、下水処理装置、水質管理、再生水製造装置、配管、バルブ
装置
3.廃棄物処理用 有害廃棄物保管・処理装置、収集運搬装置、処理・処分用機器
類、収集袋、コンテナ、ボックス等、選別装置、リサイクル機器、焼却装置
4.土壌、水質浄化用(地下水を含む) 吸着剤、浄化装置、水処理装置
5.騒音、振動防止用 マフラー、サイレンサ、吸音材、防振装置、高速道路防音壁
6.環境測定、分析、アセスメント用 測定、モニタリング装置、サンプリング装置、
制御装置、データ収集装置、その他の機器、装置
7.その他
6
OECDによる環境ビジネスの分類②
◆サービスの提供
8.大気汚染防止 排出モニタリング、アセスメント/評価/計画策定、
9.排水処理 下水処理、処理水供給、配管施工
10.廃棄物処理 緊急時対応、漏洩物処理、廃棄物収集運搬・処理・処分、廃棄
物処理施設の運転、リサイクル(分別、梱包、洗浄)、リサイクル施設の運転(マ
テリアル・リサイクル)、有害廃棄物処理、医療廃棄物管理
11.土壌、水質浄化(地下水を含む) 浄化、水処理施設の運転、産業向けサービ
ス(施設やタンクの清掃)
12.騒音、振動防止 アセスメント、モニタリング
13.環境に関する研究開発 環境負荷の低い工程、排出された負荷の低減
14.環境に関するエンジニアリング 設計/仕様作成/プロジェクト管理、生態系の
検討(プロジェクト地点における)、環境影響評価・監査、水処理、環境計画策定
、リスク評価・ハザード評価、実験室及びフィールドでの研究、環境経済学的検
討、法務サービス(環境に関する法規制への対応)、環境管理
15.分析、データ収集、測定、アセスメント 測定とモニタリング、試料採取、試料
の処理、データ収集、その他
16.教育、訓練、情報提供 環境教育・訓練、環境情報検索サービス、環境に関
するデータの管理と分析
7
OECDによる環境ビジネスの分類③
◆建設及び機器の据え付け
18.大気汚染防止設備
19.排水処理設備 下水道システム、排水処理システム
20.廃棄物処理施設 廃棄物処理・保管・処分施設、有害廃棄物処理施設、リサ
イクル施設
21.土壌、水質浄化設備
22.騒音、振動防止設備 高速道路防音壁
23.環境測定、分析、アセスメント設備
8
OECDによる環境ビジネスの分類④
B.環境負荷低減技術及び製品(装置製造、技術、素材、サービスの提供)
1.環境負荷低減及び省資源型技術、プロセス 環境負荷低減/資源有効利用技
術、バイオテクノロジー
2.環境負荷低減及び省資源型製品 環境負荷低減/資源有効利用製品
C.資源有効利用 (装置製造、技術、素材、サービス提供、建設、機器の据
え付け)
1.室内空気汚染防止
2.水供給 携帯型水処理装置、浄水システム、携帯型浄水/配水装置
3.再生素材 古紙、その他のリサイクル製品
4.再生可能エネルギー施設 太陽光発電プラント、風力発電プラント、潮力発電
プラント、地熱発電プラント、その他
5.省エネルギー及びエネルギー管理
6.持続可能な農業、漁業
7.持続可能な林業 植林、森林管理
8.自然災害防止
9.エコ・ツーリズム
10.その他 自然保護、資源管理、機械・家具等修理、住宅リフォーム・修繕、都
9
市緑化等
社長の夢を実現する7つの成功法則
第1法則:社長の夢を明確にする
⇒ ミッション
第2法則:お客様の真のニーズをつかむ
⇒ マーケティング
第3法則:価値の高い商品・サービスを提供する
⇒ バリュー
第4法則:他社の力を活用する
⇒ コラボレーション
第5法則:経営のバランスをとる
⇒ バランス
第6法則:決めたことは必ず実行させる
⇒ マネジメント
第7法則:お金の流れをよくする
⇒ キャッシュフロー
10
新規分野進出の7つの成功法則
第1法則:自社の使命を明確にしてかかれ
⇒ ミッション
第2法則:売れるための仕組みをつくれ
⇒ マーケティング
第3法則:高い価値の商品・サービスを提供せよ
⇒ バリュー
第4法則:信頼できる他社の力を活用せよ
⇒ コラボレーション
第5法則:全体最適での経営のバランスをとれ
⇒ バランス
第6法則:自社の使命を実現する仕組みをつくれ
⇒ マネジメント
第7法則:お金の流れを恒常的にプラスにせよ
⇒ キャッシュフロー
11
12
第1法則
ミッション(自社の使命を明確にしてかかれ)
□チェックポイント
・新規ビジネスにおけるミッション(使命)は明確か?
・経営者のビジョン、方針は全社員に共有されているか?
・ミッション・ビジョンが社員の行動に反映されているか?
■ミッション経営の実践ポイント
・経営理念の策定
・経営計画書・経営方針書の作成
・社内コミュニケーションシステムの構築
など
13
ミッション(使命)経営の展開ステップ
STEP1
経営理念の確認
STEP2
企業ビジョンの設定
STEP3
SWOT分析
内部環境(強み・弱み)
(強み・弱み)
外部環境(機会・脅威)
(機会・脅威)
企業ドメインの設定
STEP4
企業戦略の策定
STEP5
経営戦略
の策定
事業戦略の策定
個別戦略の策定
14
STEP3 SWOT分析の一例
強み(Strength)
・環境に優しい企業としての知名度が
高い
・戦略商品のラインナップが豊富
・CS活動を推進している
・お客様情報が豊富
・ワンストップサービスが可能
・小回りが利く
機会(Opportunity)
・規制緩和・自由化の進展
・環境意識の高揚
・生活者・生活者ニーズの高度化
(安心・安全・快適な生活の追求)
・世界人口の増加
・開発途上国における公害問題
・地球温暖化への緩和と適用ニーズ
弱み(Weakness)
・提案力が未熟
・経験不足
・人材育成の遅れ
・お客様情報が活用されていない
・業務分担が不明確
・専門知識・経験不足
脅威(Threat)
・少子高齢化の進展
・地場産業の衰退
・長引く景気の低迷
・開発途上国の追い上げ
・生活者の可処分所得の減少
15
山陽製紙株式会社のSWOT分析事例
強み(Strength)
・古紙紙をベースとする製紙技術
・各種廃材の漉き込み技術
・生産性向上活動の展開
・地球環境の保全と産業社会の発展を融和
・小回りの利く生産現場
・中小企業家同友会の仲間も多い
機会(Opportunity)
弱み(Weakness)
・製品単価の下落
・古紙原料の調達コスト増
・高度な専門技術の不足
・ベテラン技能職の退職
・設備の老朽化
脅威(Threat)
・紙はありとあらゆる産業で必要
・紙袋の市場縮小
・廃棄物の再資源化の要請が増えている
・海外製品の増加
・環境意識の高揚
・長引く景気の低迷
・利用用途は、暮しの空間から農業・工業ま
での全産業分野に及んでいる
・持続可能な素材としての価値が再評価
16
STEP4 企業ドメイン
山陽製紙株式会社の事例
<経営理念>
「私たちは紙創りを通してお客様と喜びを共有し、
環境に配慮した循環型社会に貢献します」
一、 私たちは、希少価値のある紙をお客様と共に創ります。
一、 私たちは、お客様と共に成長発展することを喜びとします。
一、 私たちは、資源として使った地球の財産を守り、再生し、
循環型社会に貢献します。
<経営ビジョン>
「地球の財産を生かし、自然と共に生きる永続企業」
私たちは自然を大切にし、先人から譲り受けた伝統や技術、
ノウハウを生かして、地球を守るために永続企業を目指します。
17
第2法則
マーケティング(売れるための仕組みをつくれ )
□チェックポイント
・市場の動向、競合の情報等は的確に把握できているか?
・商品・サービスのターゲット、ポジショニングは的確か?
・マーケティング戦略(4P)は明確になっているか?
■マーケティングの実践ポイント
・マーケット調査の定期的な実施
・マーケティング戦略の立案・見直し
・販売促進の推進
など
18
マーケティング経営のすすめ方
市場分析
ターゲットの明確化
ポジショニング戦略
マーケティングミックス(4P)
製品戦略
価格戦略
(Product)
(Price)
流通チャネル戦略
(Place)
プロモーション戦略
(Promotion)
19
市場分析の切り口
マクロ環境分析
法律
人口動態
政治
業界・市場分析
購買特性
規制緩和
社会
新規製品
新規参入企業
競合分析
代替品 現在の競合品
市場規模
シェア
価格動向
経済
自然環境
技術
20
ポジショニングマップの一例
高品質
高付加価値
浄水器ト
低価格
浄水器市場
高価格
従来の
浄水器
低品質
21
防災に焦点をあてた商品事例
~ニューメディカ・テック株式会社の事例~
地球温暖化の適応策の一つとして着目
22
ニューメディカ・テックの4P戦略
○製
品 :どこもまねができない技術による差別化
○価
格 :価値に見合った価格
○チャネル :大手企業や自治体など防災対応に関心が高い事業者
○プロモーション:防衛省のコンテストに応募して優勝
他社製品等の比較データを顧客にアピール
今後、地球温暖化への適応策として売り込める
23
付加価値をつけた商品事例
~山陽製紙株式会社の事例~
24
山陽製紙の4P戦略
○製
品 :オリジナル商品による価値の向上
○価
格 :価値に見合った価格
○チャネル :仕入先を販売先に
○プロモーション:自社の古紙から作った封筒や名刺等顧客にアピール
25
第3法則
バリュー(高い価値の商品・サービスを提供せよ)
□チェックポイント
・新規分野進出のためのソリューションを持っているか?
・提供する商品・サービスの価値は高いか?
・最適なビジネスモデルが構築されているか?
■バリュー経営の実践ポイント
・商品開発・技術開発の推進
・特許、商標登録等の取得・活用
・経営戦略、ビジネスモデルの構築
など
26
バリュー経営のすすめ方
顧 客
価値の伝達
顧客ニーズの探索
アイデア生成
KJ法
NM法
ブレーンストーミング
コンセプトの
立案
ビジネスモデルの
構築
商品開発
27
ビジネスモデル構築のポイント
■事業特性の把握
 自社の強みをどのようにビジネス化するのか
■競争優位性の確保
 いかに差別化を図って、競争優位性を構築するか
■事業連携
 いかに自社のコアコンピタンスに経営資源を集中する
ことができるか
28
ビジネスモデル構築のポイント
~ニューメディカ・テックの事例~
a.事業特性の把握
自社の浄水技術は様々な性質の水を作ることが可能
b.競争優位性の確保
他社にまねのできない硬度を自由に調整可能な浄水機を
開発し、競争優位性を構築
c.事業連携
料亭の料理へのこだわりに着目し、超一流料亭に的を
絞って経営資源を集中
価値を認めてもらい情報発信をしてもらう
バリュー経営の事例
~ニューメディカ・テックの事例~
ニューメディカ・テック様の(みず)に
出会い、素材の持つ良さを純粋に
引き出し不純なものを除去しなが
ら穏やかに染まる 吸い地や料理
やお茶を頂く過程に安心とともに
感謝の念を抱いて浄水機を活用さ
せて頂いております。
30
第4法則
コラボレーション(信頼できる他社の力を活用せよ)
□チェックポイント
・自社の不足する機能を補完するために他社との連携はと
れているか?
・学・官との連携をとっているか?
・競合との提携をすすめているか?
■コラボレーションの実践ポイント
・事業コンソーシアムの設立
・提携先の発掘
・各種補助事業の活用 など
31
コラボレーション経営のすすめ方
新たなビジ
ネスの構想
ヒト
モノ
カネ
情報
技術
不足する機能の
抽出
異業種交流会
産
各種研究会
学
行政機関
官
コラボレーション
先の発掘
コラボレーションの組織化と運営
32
コラボレート先の発掘
営業力
技術力
企画力
開発力
自社に不足している
機能は?
財務力
生産力
自社の強みは?
コラボレート先の発掘
33
新連携支援事業の概要
支援措置
事
業
計
画
の
作
り
込
み
連
携
を
構
築
す
る
・
認経
定済
を産
受業
け局
るに
申
請
事
業
計
画
の
実
施
事
業
化
フォローアップ
ソフト支援
新連携支援地域戦略会議
34
新連携による商品開発
~小倉屋食品株式会社の納豆開発の事例~
小金屋食品株式会社、NPO法人E.D.E.N.、大
阪産業大学の協働で開発した「竹姫納豆」が
全国ネットのテレビ番組で紹介される。
「大東市の資源を使った商品を作り、多くの人
に大東市を知ってもらいたい」という小金屋食
品会社の吉田社長の強い思いで、商品開発
を行うプロジェクトチームが発足。地元の竹の
間伐材を容器に使った納豆を商品化した。
大阪産業大学は主にパッケージデザインを
担当。
35
第5法則
バランス(全体最適での経営のバランスをとれ)
□チェックポイント
・環境性と経済性のバランスが取れているか?
・ヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウなどの経営資源に過不足は
ないか?
・事業参入のタイミングは適切か?
■バランス経営の実践ポイント
・財務分析、組織分析の定期的な実施
・人材・資金等の経営資源の調達・育成
・実現可能性調査(F/S)の実施
など
36
バランス経営のポイント
経営機能の
バランス
経営資源の
バランス
ヒト・モノ・カネ
など
開発・生産・販売
など
時間軸の
バランス
長期・中期・短期
など
37
バランス経営
ヒトのバランス
・適材適所配置
・世代間、勤続年数のバランス
・能力バランスの取れた人材の育成
モノのバランス
・適正在庫
・適正な設備投資
・資産の保有と一時利用(リース、レンタル)の使い分け
カネのバランス
・財務指標のチェック
・キャッシュフローのバランス
・投資におけるポートフォリオ管理
38
バランス経営
~コニカミノルタ株式会社の事例~
39
バランス経営の失敗事例







発想力はあるが商品化技術が不足
技術力はあるがデザイン力が不足
資金はあるが、商品化技術が不足
商品力はあるが販売力が不足
高性能設備はあるが技能力の不足
立地条件はよいが品揃えの不足
画期的な商品を開発したがリスクを恐れ商品化せず
40
第6法則
マネジメント(自社の使命を実現する仕組みをつくれ)
□チェックポイント
・会社の方針が実行できる体制がととのっているか?
・結果が公正に評価できる仕組みが整っているか?
・新規マネジメントシステムが構築できているか?
□マネジメントの実践ポイント
・方針管理・目標管理の実施
・評価制度の構築
・新規マネジメントシステムの構築支援
など
41
新規ビジネスにおけるマネジメント項目
キャッシュ
フロー
コスト
売上高
利益
顧客
満足度
新規ビジネスにおける
マネジメント項目
環境負荷
技術・
ノウハウ
品質
42
環境経営システムの運用で商品開発へ
~株式会社京都庵の事例~
エコアクション21の製品への環境配慮の取組として目標設定
㈱京都庵
43
マネジメント不足による失敗事例






商品力はあるが品質不良でクレームが多発
生産能力はあるが不良率が高い
生販コミュニケーションが悪く品切れ
高い技術力を持った社員が引き抜かれる
下請からの部品納期遅延で販売開始が遅れる
海外生産としたが、品質、納期等問題が多発
44
第7法則
キャッシュフロー(お金の流れを恒常的にプラスにせよ)
□チェックポイント
・資金が不足しないように先行管理を実施しているか?
・事業計画が甘い見通しになっていないか?
・環境ビジネスからの撤退の基準が明確か?
■キャッシュフロー経営の実践ポイント
・業績管理の強化
・事業計画策定と見直し
・資金調達管理の実施
など
45
キャッシュフロー経営
46
キャッシュフロー不足による失敗事例
 投資回収の見込みが判断できず投資断念
 資金調達ができず新事業断念
 運転資金が続かず事業断念
47
新規ビジネス成功チェックリスト①
成功法則
チ
ェ
ッ
ク
内
容
新規ビジネスを推進するための目的や使命は明確であり、経営理念などが
明文化されているか。
1
ミッショ
ン
5年後、10年後、30年後のビジョンは明確に示されているか。
企業の強みと弱み、機会と脅威を分析するSWOT分析を実施しているか。
企業活動の範囲や領域である企業ドメインが明確に規定されているか。
企業間競争に勝つための経営戦略が体系的に策定されているか。
マクロ環境分析、業界・市場分析、競合分析などの市場分析を実施してい
るか。
2
マーケ
ティング
自社の有する経営資源や強みを考慮しながら、最適なターゲットを選定し
ているか。
ターゲットとする市場のなかで自社の位置を占めるためのポジショニング
戦略を策定しているか。
商品(Product)、価格(Price)、流通チャネル(Place)、プロモーショ
ン(Promotion)などのマーケティング戦略を策定しているか。
48
新規ビジネス成功チェックリスト②
成功法則
チ
ェ
ッ ク 内
容
顧客への接点を増やし、顧客の本音を聞くなど顧客ニーズの探索を行って
いるか。
3
ブレインストーミングやKJ法、NM法などの手法を積極的に活用してア
イデアの抽出を行っているか。
バリュー
消費者やユーザーにとって、なぜその商品が有益なのかを示すコンセプト
が明確になっているか。
コンセプトを意識した商品開発を行っているか。
他社商品と差別化するための独自のビジネスモデルを構築しているか。
日頃から、新たなビジネスの構想を心掛けているか。
コラボ
4
レーショ
ン
常に自社の強みを把握し、新たなビジネスにおいてどの機能を担うのかを
明確にしているか。
異業種交流会や研究会などに参加し、コラボレーションメンバーの発掘に
努めているか。
コラボレーショングループにおけるルールや役割分担などが明確に規定さ
れているか。
49
新規ビジネス成功チェックリスト③
成功法則
チ
ェ
ッ ク 内
容
開発・生産・販売などの経営機能のバランスが取れているか
ヒト・モノ・カネなどの経営資源のバランスが取れているか
5
バランス
長期・中期・短期などの時間軸のバランスが取れているか
コンセプトを意識した商品開発を行っているか。
バランスコアカードを活用するなど、バランスの取れた経営をシステム的
に実践しているか。
現在の会社の状況がどのようになっているのかを常に把握しているか。
会社のあるべき姿を実現するための基準が明確になっているか。
6
マネジメ
ント
それぞれの管理項目において、いつ、だれが、どのようにマネジメントし
ていくのかがシステム化されているか。
会社のミッションを浸透させるなど、社員のモチベーションを高めて成果
に結びつく行動を起こせるようにリードしているか。
50
新規ビジネス成功チェックリスト④
成功法則
チ
ェ
ッ
ク
内
容
売上債権の早期回収や適切な仕入れなどにより、営業キャッシュフローの
改善に努めているか。
キャッ
7
シュフ
ロー
不要な固定資産や有価証券の売却などにより、投資キャッシュフローの改
善に努めているか。
キャッシュフローを健全化させるための資金調達先を確保しているか。
コンセプトを意識した商品開発を行っているか。
営業活動や投資活動を計画的におこなうことにより、フリーキャッシュフ
ローは常にプラスになっているか。
51
環境ビジネスの新たな流れ
環境ニーズの変化
環境ビジネスのグローバル化
あらゆる産業の環境化
LOHAS
付加価値重視
トップランナー製品
基準値のクリア
52
環境問題の変遷
地
問球
題環
境
公
題害
問
環境ビジネス
視点・課題
年 代
世 界
日 本
資源・環境問題
2010年代
再生エネルギー法
製品への環境配慮
省エネ・省資源
化学物質管理
2000年代
循環型社会形成推
進基本法
化学物質規制法
各種リサイクル法
地球環境問題
省エネ対策
1990年代
公害対策・ごみ対策
1980年代
石油問題・ごみ問題
1970年代
オイルショック 省エネ法
廃棄物処理法
成長への限
界
公害問題
1960年代
沈黙の世界
地球サミット
再生エネルギー
EV・燃料電池車
低炭素住宅
健康機器
非PRTR物質
再生資材
静脈産業
環境基本法
省エネ製品
低燃費車
公害対策基本法
省エネ製品
低燃費車
53
排ガス処理
排水処理
環境ビジネスの方向
~持続可能な経済社会に向けた取組~
気候変動とエネルギー・資
源
温室効果ガス排出量
の大幅削減
低炭素社会
持続可能な社会
地球生態系と共生して、
持続的に成長・発展する
経済社会の実現
3Rを通じた資源循
環
循環型社会
生態系と環境負荷
気候変動と生態系
自然共生社会
自然の恵みの享受と継承
持続可能な社会に向けて、各社会の実現を目指す取組を統合
的に展開し、自然との共生を図りながら、人間社会における炭素
も含めた物質循環を自然、そして地球の大きな循環に沿う形で健
全なものとし、持続的に成長・ 展する社会の実現を図る
環境ビジネスの視点
54
環境経営における環境ビジネスへの取り組み
(
課
題
)
(
方
針
)
(
目
標
)
(
新
事
業
計
画
)
化石燃料
希少金属
資源の枯渇
生物、子孫への
影響の深刻化
有害物資汚染
<循環型社会> <安心安全社会>
•3Rの推進
•少資源、省資源
•生物資源の活用
•代替物質への転換
•回収
•無害化
生物多様性
•リサイクル推進
•軽量化
•間伐材の利用
気候変動
食料不足
地球温暖化
<低炭素社会>
•温室効果ガスの削減
•自然エネルギー
•吸収源の確保
生物多様性
•禁止物質非使用
•有害物質回収
•適正処理
•省エネ
•創エネ・畜エネ
•森林保全
55
環境関連法規制
分
野
キーワード
総合
環境基本法、循環型社会推進法
公害防止
水質汚濁、大気汚染、騒音振動、悪臭、土壌汚染、地盤沈下
循環型社会
廃棄物処理法
リサイクル法(容器包装、家電、食品、建設、自動車、小型家電)
グリーン購入法
地球温暖化
省エネ法、地球温暖化対策推進法、
新エネ法、再生エネルギー法、フロン排出抑制法
その他地球環
境保全
オゾン層保護法
自然環境保全法、野生動植物種保存法
化学物質規制
自動車NoxPM法、VOC規制法、PCB処理法、ダイオキシン特措法、
PRTR法、毒物劇物取締法、労安法、(水銀規制法)
環境経営
環境教育推進法
環境配慮促進法、環境配慮契約法
56
環境関連法ビジネス
分
野
キーワード
フロン排出抑制法
定期点検義務化に伴う点検業務
労安法
リスクアセスメント義務化に伴うリスクアセスメント支
援業務
小型家電リサイクル法
希少金属回収
改正省エネ法
新基準に伴う省エネ住宅
BEMS,MEMS、HEMS等
水俣条例(水銀規制)
代替物質、代替商品(水銀灯等)
57
フロン法改正に伴う新ビジネス
ダイキン工業
58
労安法改正に伴う新ビジネス
59
地球温暖化関連ビジネス(緩和)
分
野
キーワード
自然エネルギー
太陽光、風力、バイオマス、地熱、水力、波動等
エネルギー変換
燃料電池、ヒートポンプ、ヒートパイプ
低CO2自動車
HV・PHV、EV・PHEV、水素燃料自動車
省エネ機器
コジェネ、省エネ家電、省エネカー 、エコキュート
非温暖化物質
ノンフロン(空調、冷蔵、冷凍)
エコハウス
エネルギーゼロ住宅、自然エネルギー利用住宅、屋上・壁緑化
省エネ支援
ESCO事業
マーケット
排出権取引、CDM、グリーン証書、エコマネー(地域通貨)
CO2吸収
森林保全(植林・育林・間伐)
CO2固定化
海底への固定化
60
地球温暖化関連ビジネス
究極のEV
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地球温暖化関連ビジネス(適応)
分
野
キーワード
農林業
高温に強い作物の開発、植物工場
鳥獣被害防御製品
漁業
高温に強い魚の開発、養殖
災害時設備
太陽光発電・蓄電池、太陽熱利用調理器、蓄熱材
高性能浄水機、非常用トイレ
風水害対策
防潮堤、シェルター、
非常用食品
缶詰、レトルト、乾物
防災管理
BCP支援
ネクスタ㈱
野菜作り応援サイト
コメの白化現象
62
循環型社会関連ビジネス
分
野
キーワード
脱化石原料素材
生分解性樹脂、竹資源、木質資源
エネルギー
自然エネルギー(太陽光、風力、バイオマス、地熱、水力、波動等)
エネルギー変換(燃料電池、コジェネ、ヒートポンプ応用等)
資源循環
希少金属、プラスチック、水、消費財
1次産業
生分解性樹脂原料栽培(農地、林野)
静脈(リサイクル・ 金属、樹脂、食材、紙、繊維、油脂等
ゼロエミッション)
木質ペレット
竹フローリング
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有害物質(安心安全)関連ビジネス
分
野
キーワード
食品
地産地消、トレーサビリティ、有機JAS、エコファーマー、浄水機器
、安全な包装材料、HACCP関連
住宅
シックハウスフリー、空気清浄機器
土壌浄化
衣類
自然系素材
家電
脱有害物質(鉛、水銀、カドミウム、VOC等)
自動車
低公害車(NOx・PM)
消費財
エコマーク等環境ラベル商品
マーケット
有機食品専門店、低農薬野菜通販
64
その他関連ビジネス
分
野
環境経営支援
キーワード
環境報告書、環境会計、環境監査、EMS構築、審査
環境技術支援 分析、リサーチ、LCA、リスクアセスメント
マーケット
エコファンド、エコバンク
CO2排出量取引
旅行
エコツアー・グリーンツーリズム、エコホテル、エコビレッジ
教育
自然体験、自然材料利用工作
公共事業
森林保全、自然型河川改修、緑地育成
協働
NGO・NPOとの連携
65
その他関連ビジネス
エコファンド(三井住友信託銀行)
エコツアー(小岩井農牧㈱)
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まとめ
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7つ法則はバラバラの動くものではない
おのおのが結びついて相乗効果をあげる
ひとつの法則の事例の中に複数の法則が働くことも多い
持続可能商品は『三方よし』が基本
いずれにしても経営者の明確なミッションと時代の流れを
読み取る感性、先を読む眼力が大切
連絡先:
宇田環境経営研究所
TEL:050-3470-4520 FAX:020-4668-7904
E-mail:[email protected]
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