3. サンゴ礁の地質と地形 3.1 環礁 Darwinの著作:The structure and distribution of coral reefs.のはじまりの 章は,環礁であった。そして,環礁へ の熱い思いが,記されていた。 3.2.1 陸島と洋島 大陸と海洋(地質と成因が異なる) 陸島 continental island→ 大陸とかつて陸橋land bridgeがあった 洋島 oceanic island→ 大陸と繋がりがない 孤立した火山島 小笠原諸島 主として第三紀火山岩によって構成 陸貝に固有属多い 陸上植物の固有率37% オガサワラコウモリ以外,哺乳類が見 られない。 伊豆七島も小笠原に準じる 参考:ハワイ諸島には哺乳類ゼロ,ガ ラパゴスではコメネズミ類(アメリカ 大陸周辺に分布) 遺伝子浮動 母集団個体群→<隔離>→小個体群 遺伝的浮動genetic drift – 《個体数の少ない集団内で, ある形質が適 応とは関係なく普偏化したり消失したりす ること》 琉球列島に旧北区と東洋区の境界 台湾,八重山,宮古,沖縄,奄美,いず れも >500mの海に境されている。 大隅諸島は大隅半島と200m等深線内。 三宅線(三宅恒方,1919):昆虫から九 州と大隅諸島の間=大隅海峡に。 渡瀬線(渡瀬庄三郎,1912):哺乳類, 爬虫類,両生類から大隅諸島と奄美諸島 の間=七島灘・トカラ海峡に。 蜂須賀線(蜂須賀正):鳥類から沖縄諸 島と先島諸島の間=宮古凹地に。 日 本 の 生 物 地 理 図 ハブの分布 宝島・小宝島:トカラハブ 奄美・徳之島:ハブ,ヒメハブ 沖永良部・与論島:無毒蛇 沖縄本島・久米島:ハブ,ヒメハブ 宮古諸島:無毒蛇 石垣島・西表島:ハブ,ヒメハブ 与那国島:無毒蛇 台湾,先島,沖縄,トカラ 分布の説明 半沢正四郎, 1935 海水氾濫一掃説 欠点として,完全に水没したとされる島 々にも無毒蛇や他生物が生息 この説明として,海水面上昇で狭くなっ た陸地面積,餌となる食物の供給量, 種類による増殖率の相違 3.2 高い島と低い島 高い島 high island(強固な岩盤を持つ) 次の低い島との対立語と考えて良いだろう。 低い島 low island サンゴ礁のみと考えて良い。海面ギリギリの砂 質の土地しかない。海水準の低下,に関連し て形成されたもので,2000〜3000年前に成 立したサンゴ礁上の若い砂州上の島。 Sand cay 3.6 裾礁→堡礁→環礁→卓礁 裾礁 fringing reef 堡礁 barrier reef 環礁 atoll 卓礁 table reef by 田山利三郎 消滅礁 distinct reef by W.M.Davis C.Lyellの 火山火口基底説 批判から ダーウィンの 堡礁・環礁形成モデル 卓 礁 田 山 利 三 郎 3.3 ダーウィンの環礁形成説 背景:ライエル(Lyell, 1832)の卓抜な 地球観に基づいたダーウィンの洞察: 特にモルジブ諸島に係わって 南アメリカの海岸で案出した演繹的成 果:隆起と沈降そして,多様な高度の 火山群と同レベルの環礁群と 堡 礁 と 環 礁 の 海 図 空間軸を時間軸に 海進過程のサンゴ礁形成モデル 木庭,1980 3.7 裾礁・堡礁・環礁の分布 王立学会で1937年5月31日に発表「サンゴ礁形成の研究から得ら れた太平洋とインド洋の隆起地域と沈降地域について」 3.8 サンゴ礁地形と生活 おわりに 暮らす人々にとって防波堤,活きた食糧,文 化の発生と発酵 文化の入り口: 礁原の切れ目reef path 列強の植民地:スペイン,ドイツ,アメリカ ,日本など 原水爆実験:Operation Crossroads とDay of Two Suns by Jane Dibblin 学術研究はサンゴ礁地域の自由と平和とは無 縁:現今のマスコミ好き
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