Document

2008 Graduation thesis mid presentation
視覚障害者の屋外歩行時における
安全性の向上に関する研究
徳田研究室 ACE所属 中津川紘太
親:鈴木 慧
本研究の概要
• ネットワークカメラを用いて自動車などの移動体の
動作を予測し,視覚障害者に危険を知らせることで
の移動時の安全性の向上を図る
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
アウトライン
•
•
•
•
•
視覚障害者を対象とした研究の考察
目的とアプローチ
視覚障害者のニーズに関する予備調査
シナリオ例
システムに関して
– 移動体検出手法
– 複数カメラ協調を用いた接触危険度推定手法
• 進行方向、速度
• 接触する時間、場所
• システム構成
• 評価方針
• スケジュール
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
背景~接触事故に関して~
• 視覚障害者の事故
– 移動体との事故が多い
– 8割が道路で危険を感じている
• 移動体と接触した場合に重大な事故に繋がる可能性が高い
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
背景~危険検知の研究~
• 視覚障害者を対象とした研究の発展
– Robotic Communication Terminals
• 環境システムと移動システムから構成
• ユーザの状態や意図, 障害物や動物体の
接近を検出
– 万歩計、地磁気センサを用いた歩行支援
システム
• 誘導型歩行支援システム
• 道がそれていると注意を促す
• 歩行時間33%短縮
移動体を検知し、情報提供してから回避するまで余裕がない
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
関連研究に対する問題意識
• 移動体の接近に検知してから避けるまでの時間がない
ため、事故が起こる
– ユーザの周囲の情報のみを取得している
• 移動体を検知してもユーザへ通知するころには接触している
• 精神的な準備ができない
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
目的
• 今後ユーザに危険を及ぼす可能性のある移動体情
報を提供することで精神的余裕を持って危険を回避
する
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
アプローチ
• 移動体とユーザの移動情報から今後移動体が接近
する確率を算出し、ユーザに提供する
位置情報・進行方向・速度
移動体の移動情報取得
ユーザの移動情報取得
道路沿いに設置された
ネットワークカメラを用いて検出
ユーザが携帯している
GPSを用いて検出
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
対象ユーザ
• 視覚障害者
– 日常生活に支障をきたす障害を持つ人
– 視力を矯正しても新聞が読めない程度の弱視者
•
•
•
•
推定100万人
視力低下
低コントラストの判別が困難
羞明
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
予備調査 ~視覚障害者のニーズ~
• 横浜訓盲学院の長嶋教頭へのインタビュー
(視覚障害者の移動に関して)
– 危険なのは急に飛び出てくる人や自転車、自動車
– 少し先にある物、起こりうる事の情報を知りたい
– 予測、見通しが大事
• 視覚障害者を対象とした調査研究
– (交差点前などにおける)精神的準備の重要性
– ~~~
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
シナリオ
• 散歩で初めて歩く道路を歩行中のAさん・・・
20m先の交差点で
左から車がきます
車は来ていません
余裕を持って渡れます
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
想定環境
• 道路沿いに複数のネットワークカメラが設置されて
おり、それぞれのカメラが計算処理できる環境
検知・処理・情報発信
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
自動車側でなく環境側をスマートにする理由
• 自動車側をスマートにした場合
– 車種の仕様や新旧によるシステムの差異が発生する
– 障害者の情報を提供する必要があるため、プライバシー
面で問題が生じる
環境側をスマートにする
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
本研究における言葉の定義
• 接近危険度
– 移動体がユーザに危険を及ぼす可能性があるほど接近
する確率
– ユーザに最も接近するまでの時間
• 移動体
– 自動車(四輪、二輪)および自転車
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
本システムの機能用件
1.
2.
3.
4.
5.
6.
移動体検出
移動体の位置、速度、進行方向推定
移動体の車種推定
ユーザと移動体の接近場所、時間推定
接近危険度推定
ユーザへの情報提供手法
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
移動体検出手法
• フレーム間差分
– 時刻t と時刻t-i の画像の差分を取ることにより、移動体を
検出する
– 環境の明度変化に対応可能
– 背景画像を必要としない
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
移動情報推定手法1/2~ネットワークカメラ側の処理~
•
撮影した画像をカルマンフィルタを用いて移動体の位
置、スピード、進行方向を推定する
1. 移動体の重心の移動軌跡を微分し、移動体の速度を推定
2. 移動体の矩形の面積より大まかな車種を推定
3. 移動体の軌跡より進行方向を推定
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
移動情報推定手法2/2~ネットワークカメラ側の処理~
• 予測が困難な右左折がある交差点やT字路におけ
る移動体の挙動に関して
– ネットワークカメラの情報からある交差点ごとの交通量と
右左折の確率を算出することでモデル化
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
ユーザ情報推定手法~ユーザ側の処理~
1. GPSを用いて位置情報を取得
2. ユーザ周辺のネットワークカメラから移動体データ
を取得
3. 移動体が接近する確率を算出
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
最接近場所、時間推定手法
• 移動体データとユーザデータから、地図データ上で
移動体が最も接近する場所と時間を推定
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
危険通知モデル
• 以下の条件の場合にユーザに通知
– ユーザと移動体の地図データ上で距離がゼロになるまで
近づく可能性がある場合
• 同じ道路上に移動体とユーザがおり、距離が近づいている
• 移動体とユーザの導線がクロスする可能性がある
– 危険はなくても、交差点やT字路などユーザが緊張を強
いられる場面
• 「自動車は来ていません」「左から自転車が来ています」
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
ユーザへの情報提供手法
• ユーザへ危険度情報を提供するタイミング
–
–
–
–
–
移動体が接近する10秒前(仮)
交差点進入の10m手前(仮)
視覚障害者の同伴者による「声かけ」を参考
横浜訓盲学院理療科に通う16歳の生徒に協力を仰ぐ
タイミングは今後も実験、インタビューして決定したい
• 提供する情報の取捨選択
– 危険度の高い情報を優先
– 緊急性の高い情報を優先
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
カメラに関して
• 設置ポリシー
• 実験しながら決めていきます
– 直線道路
• 間隔
• 角度
– T字路
• 設置場所:
– 交差点
• 設置場所:
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
ソフトウェア構成
• システムがカチっと決まったら書き直します
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
ハードウェア構成
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
予備実験・予備調査
• ユーザの歩行と情報提供のタイミングに関する調査
– 8月26日より横浜訓盲学院にてボランティア
– 知人に協力していただき、調査
• 移動体の走行モデル化に関して
– 予備実験
• 外周にカメラを設置、実験
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
評価方針
• システムの評価
– 接近危険度と実際の接近具合の比較
– 接近時間の誤差
– 移動体がユーザに最も接近すると予測したエリアと実際
に接近したエリアの比較
• アンケート
– 恐怖軽減、精神的負担の軽減に関する評価
• 視覚障害者による評価
• 健常者による擬似視覚障害体験下での評価
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
スケジュール
•
•
•
•
•
8月中:機能用件洗い出し
8月中:設計
9月~:実装
10月~:卒論執筆開始
11月~:評価(ORF中にも評価)
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation
以上です
ありがとうございました
視覚障害者の屋外歩行時における安全性の向上に関する研究
2008 Graduation thesis mid presentation