ウーハーに背面対向結合を用いた3Way スピーカー

ウーハーに背面対向結合を用いた3Way スピーカー
2015 年 5 月 23 日
柏市
take
1.はじめに
一昨年の観賞会ではアクリルパイプを使ったフロー
ティングスピーカーを、昨年はバンブーオーナメントを
エンクロージャーに使った簡便なスピーカー(以下 SP)
を紹介しました。今年は昨年の物を Mid High に使い、
新たに背面対向結合方式をウーハーに採用した3Way
SP を作りました。図1の様にちょっと変わった恰好です
が、可愛いのに結構な低音が出ましたので紹介します。
2.使用ユニット等
Low:Parc
:
DCU-171PP
Mid:Parc :
DCU-F121A
High:Parc
: DCU-T114S
2個
~200Hz
200~3KHz
3KHz~
クロスオーバー
Low と Mid High : -6db/oct
CR のみ使用
マルチアンプ方式
Mid と High :
図1
3Way スピーカーの外観
図2
対向結図合の様子
LC ネットワーク-12db/oct
(詳細は昨年の資料参照)
ウーハー側は 400mmφ10t のアクリルパイプ(端材利
用)を用い、容積を増やすためにパイプ状の 24tMDF 板 2
枚を積層し、それに 21t のバッフル板を付けました。容
積は 28L 程度で小さ目です。その両側面にウーハーを対
向配置し、図 2 に示すように SP の裏面にタップを立て
て金物でがっちり結合しています。これにより振動板の
反作用による磁気回路の振動を打ち消してエンクロー
ジャーを殆ど叩かなくなり、箱鳴きが激減します。
この方式は以前から市販
品にも採用例があります。
3.狙いと測定結果
WF の口径が 17cm で 2 発を
背面対向結合していますの
で、高音圧も出せる本格的
な低音再生を狙います。
図 3 に計測した周波数特
性を示します。
図3
総合周波数特性
(軸上 70cm 高域の時間窓 3ms)
バスレフを採用して低域は 35Hz 位からフラットにできました。
40Hz のピークは部屋の定在波です。
130Hz 付近のディップは床との 1 次反射の影響です。
800Hz~2KHz 付近のうねりはウーハーエンクロージャーの太鼓面の反射による影響です。
計測のマイク距離を2m以上離すと反射面の角度が変わり、この影響は小さくなるので問題にし
ませんでした。
図 4 に 70cm,90db での歪特
性を示します。ウーハー帯域
の 40Hz~100Hz 辺りでー50db
(約 0.3%)位でかなりの高
音圧なのに低歪です。使用し
たウーハーが優秀なのと 2 発
使用でこの特性が得られま
した。
エンクロージャーの鳴きが
少ないのと相まって中々ご
機嫌な低音が楽しめます。全
帯域に亘っても 0.5%程度で
中々優秀です。
」
図4
Mid High の中間軸上 70cm,音圧 90db での歪特性
4.雑感
当初、Mid がウーハーの強さに負けることを心配しましたが、-6db/oct と浅いクロスオーバー
を用いることで何とか繋げることができました。
全体の重量は 13.6Kg で、ユニット重量が6Kg 以上あるのでエンクロージャーとしては軽い方だ
と思います。
ここ数年は、軽くてもそこそこ良い音が出せないか検討しています。
測定:OmniMic
V4.70 使用